「原因が結果を生じさせる」という発想は間違っている  RSSを登録する

現代医科学に至る、西欧学問の歩みとは、人間を人間以外のものと解する、誤った努力の歴史だと言えます。人などの生物を「原因」で説明しようとしてきた。そして、今、まさにしているのです。「原因が結果を生じさせる」と信じると、全てが理解できなくなります。

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2010/01/08

190 第3シリーズ「問題論」 第七章 vol.15

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メールマガジン: 「原因が結果を生じさせる」という発想は間違っている
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 いくら具合良くても、
こんな荒唐無稽な手術を受ければ、
具合も悪くなるだろう。


実際、身体にメスを入れると、ガンが「暴れる」ことがあると言う(注1)。
手術後、ガン細胞が急にたくさん出来てしまうのである。


(注1)------------
「 メスをもつ医者たちのあいだには、『がんが怒る』という、
言い伝えのようなものがあります。
胃がんにかぎらず、どういうがんでも、手術をしたあとで、
がんが爆発的に増大して手をつけられない状態になってしまうことがある、
そうなることが予見された場合には手術はつつしむべきである、
という自戒をこめて語られる言葉です。」
近藤誠『大病院「手術名医」の嘘』講談社+α文庫、2004年、94頁、1995年
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ガン細胞は、僕流に考えると、
具合の悪い人に比較的よく出来る吹き出物である。
間違った手術をした。
だから具合が悪くなった。
ガン細胞が出来やすくなった。
そして、実際、出来た、というわけだろう。


しかし、手術は効果的である。
そういう前提で、医科学は、何事も解釈する。


元々具合が良かった。
にも拘わらず、予防という名目で手術を受けて具合が悪くなった。
そんな場合でも、こう解すだけである。


病気が実はそれ程、重かった。
それ位、このガン細胞は悪質だった。
これ位の「早期発見」でもガンを克服することはできなかったのだ、と。


医科学は事実を自らに都合よく解釈する。
自己反省など全くしない。
挙げ句、言う。
この人らを救うためには、もっと早くガン細胞を見付けるしかなかった。
見付けるのがまだまだ遅すぎた。
ガンには「早期発見・早期治療」が必要なのだ、と。
しかし、「早期発見・早期治療」をというかけ声は、実態を露呈するものでしかない。
それについては後で詳しく説明する。





 ガン細胞をこのまま放っておくと、大きくなってしまう。
更に、他の臓器にも転移してしまう。
だから、手術をして、それを防ぐのだと医科学は言う(注2)。


(注2)------------
 「がんは、永遠に成長しつづけるコブだとお話した。(略)
 では、がんが命を奪うのはどうしてなのか。簡単に言えば、
それは「出血」と「転移」が主な原因なのである。
 (略)がんの持つ性質の中でもっとも恐ろしいのは、「転移」なのである。
つまり、がん細胞の飛び火である。
がんの八〇パーセントは、ある程度の大きさになると転移を起こすのだ(屋那より※)。(略)
だから、私たち医師は、何とか転移を起こす前に、がんを発見したいと切望しているのである。
よく手術によって助かる可能性が非常に高いがんのことを、「早期がん」と呼ぶ。
この早期がんとは、言い方を変えれば、転移を起こしていないがん、と言ってもいい。」
市川平三郎『百歳まで生き、ガンで死のう。』講談社、1992年、23-39頁


※以下は近藤誠と市川平三郎の対談「患者個人の問題と統計成績は別だ?」
『「がんと闘うな」論争集』日本アクセルシュブリンガー出版、1997年、28-29頁より

近藤 それでは、例えば東京都のがん検診センターのデータ
(「日消集検誌」三一巻二号七四ページ、一九九三年) では、
早期癌の一六名についての発表があって、
そのうちの一五名は約二年から一二年ぐらいずっと早期癌のまま留まっていた。
あるいは京都府立医科大学の藤田さんのデータ
 (Path.Res.Pract., 163:299, 1978)では、
十五人の早期胃癌を観察していて、どれもゆっくりとしか増大せず進行癌になっていない。

市川 まさか。そういう例もあるということでしょう。
(略)ゆっくりしているのが、まさかそんなに多いとは思えない。

近藤 「まさか」とおっしゃいますけれど、
それらはきちん公表されたデータですよ。
いろんな臓器を見てみると、なかなか大きくならない癌とか、
消えてしまう癌とかあるわけです。
一番典型的なのは子宮癌。
子宮の上皮癌は九割近くが大きくならないで消えてしまうというデータ
(Br.J.Cancer, 60:132, 1989)もあるわけですから。
胃癌の場合「まさか」と考えるのは、かなり思い込みがあるんじゃないでしょうか。
結局データなしに治療しているんじゃないかと思うんです 。
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ところで、具合の悪い人について再度考えよう。
その人の身体の中からガン細胞を取り除くために臓器丸ごと取り除く。
こんなことは、問題解決法として荒唐無稽であると僕たちは指摘してきた。


それに対して、転移をふせぐために手術をしているのだ、
という反論が挙がり得る。
今、手術をして具合が悪くなるのは仕方がない、というのである。


しかし、一体、問題が何なのか、再確認する必要がある。
問題は具合が悪いことだった。
だから、検査もした。
病院にも来た。
この問題を解決するという目的のために、
身体の物的なありように注目した。


転移を防ぐために身体の物的なありように着目したのではないのである。
具合の悪い人にこのような手術をする。
それを、転移を防ぐためだ、と言って擁護する者がある。
彼らは、今、具合が悪いという本当の問題の解決を放棄してしまっているのだ。
今の具合の悪さを放っておいて、一体、何にそれ程、執着する必要があるのだろう。





 しかし、何と言っても、ガンの予防という考えがそもそも的を射ていない。
具合が悪い時に比較的良く出来る、身体の中の吹き出物。
そういうものとして、ガン細胞を考えるべきである。
ガン細胞を取り除いたところで、具合が悪くなれば、
また出来てきておかしくないのである。


ニキビやいぼの予防と言って、それらを取り除くために顔の部分をごっそり取り除く。
誰もそんなことをしたりはしない。
そんなことは予防でないからである。





 問題は具合が悪いということだけである。
本人がしっかり責任を果たしているのであれば、だ。
悪しき「結果」を生じさせる「原因」が身体の中にあること。
そんなことは、問題ではない。
決定論などできないのだ。
このことを再確認するために、ここでは、抗がん剤を例に考えてみよう。

(続く)


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