2009/07/10
170 第3シリーズ「問題論」 第六章 vol.5
====================================================== メールマガジン: 「原因が結果を生じさせる」という発想は間違っている ====================================================== nは〈正常〉なありようを呈するものばかりではない。 (西欧)学問は、呈していないそれらを〈異常〉扱いする。 そして、こう説明する。 nは本来、〈正常〉なありようになるよう〈予定〉されている。 ところが、何かの手違いがあって、そのようにはなり損ねるものがある。 それが、nの〈異常〉なありようだ。 nの少数派だ。 或る「原因」が、 nについての〈異常〉な「一つの何か=本質」を具体化 してしまった。 だから〈正常〉なありようにはなり損ねた、と言うのである。 医科学などの学問は、この 〈異常〉を病気とか疾患と呼んでいる。 それを「発」症 (或いは「発」病) させる「原因」を特定しようとする。 その「原因」さえわかれば、治療できると言う。 彼らは、それを取り除く、のである。 nは本来、〈正常〉なありようになるよう〈予定〉されている。 にも拘らず、このように〈異常〉になってしまった。 そうさせた「原因」を特定しよう。 nの〈異常〉なありようを生じさせたこの「原因」。 医科学者がそうするものを今後僕たちは、 「異常・原因」と呼ぶことにしよう。 nの〈正常〉なありようを生じさせる「原因」と区別するために、なのである。 この「異常・原因」は、医科学で 次のように「擬人化」される。 nは本来、nについての 〈正常〉な「一つの何か=本質」が具体化するよう 〈予定〉されている。 「異常・原因」は、 nのこの本来的な〈予定〉の実現を阻害しようとして、阻害する。 nについては例外的に、 〈異常〉な「一つの何か=本質」が具体化するという〈予定〉もある。 「異常・原因」は、この例外的な〈予定〉の方を実現してしまう。 こうして 「異常・原因」は、「事情通の小悪魔」として擬人化される。 nの本来的な〈予定〉を阻害しようとして阻害する。 その上、例外的な〈予定〉を描いて、 それを実現しようとする。 こういう者と解される。 例えば、ウィルスや細菌、ガン細胞などは、医科学で、 そのように擬人化されている。 特に免疫学などは、身体の中を、 「事情通の計画遂行者」と「事情通の小悪魔」の戦いの場所 として紙芝居ふうに物語る。 T細胞やB細胞が「事情通の計画遂行者」である。 これら「原因」は、身体の中の本来的な〈予定〉を実現しようとする。 身体の中には、外来の異物が増えない。 これがその本来的な〈予定〉である。 その〈予定〉を、ウィルスや細菌などの「事情通の小悪魔」が阻害しようとしている。 こう説明するのである。 「異常・原因」を医科学は特定しようとする。 特定し得る。 すると、nの〈異常〉なありようは、こう説明されるようになる。 nは、nの〈正常〉なありようになるよう本来、〈予定〉されている。 それを普通の「原因」が実現する。 しかし、「異常・原因」というものもある。 これが、その本来的な〈予定〉の実現を阻害する。 例外的にも、nについての〈異常〉な「一つの何か=本質」を具体化してしまう、 というふうにである。 これが、医科学による 病気なるものの説明の仕方 である。 病気のメカニズムの解明 である。 nは本来、nの〈正常〉なありようを実現するよう〈予定〉されている。 その本来的な〈予定〉を、普通の「原因」が実現する。 それが、nのメカニズムである。 方や、nには例外的な〈予定〉もある。 それを「異常・原因」が実現する。 これこそ、〈異常〉のメカニズムである、というわけなのだ。 医科学は「原因」でものごとを説明しようとする。 nの〈異常〉なありようについては、「異常・原因」を特定しようとする。 けれども、たった1つの出来事だけを前に、その特定はできない。 その出来事の中のどの極小部分をその「原因」とすればいいか、基準がないから。 そこで、この出来事と同じ「結果」を呈しているデータ。 これを複数、集めてくることにする。 そして、それら複数のデータ全てに共通している部分を探す。 この共通部分こそ、この出来事を生じさせた「原因」だとするのである。 http://ameblo.jp/yanayuh/entry-10020455738.html 「異常・原因」を特定するには、このように是非とも、 同じ「結果」を呈しているデータが複数、必要 である。 「異常・原因」を特定するのに充分なだけの数のデータが揃う。 だから、それまでは、「原因」は特定できないことになる。 問題解決も手付かずとなる。 彼らのその解決法が、 「原因」部分を取り除くこと だからなのである。 ところで、もはや 「原因」なるものは、肉眼で見えてはいけない程、微小 である。 同じ「結果」を呈しているデータを集めてきた。 しかし、その数が少ない。 すると、 「原因」を極小部分として見付けることはできない。 全データに共通して見付かる部分。 これが大きくなってしまう。 極小部分とはならない。 「異常・原因」を特定する。 だから、そのためには、 同じ「結果」を呈しているデータを、それなりの数、集めてこないといけない のである。 しかも、同じ「結果」を呈しているデータとして集められてくるもの同士は、 「互いに隅から隅まで酷似している」と思われる程、似ている のでなければならないことになっている。 尚更、「原因」を特定するために必要なデータを集めるのは、簡単ではない。 データがなかなか集まらない。 時間がかなりかかるのである。 「原因」を特定する。 そして、それを摘出する。 これが、医科学では、問題解決法とされている。 だから、〈異常〉なありようとされるものは、 長い間、手付かずのまま、放っておかれることになる。 説明したように、「原因」特定にかなりの時間がかかる。 「原因」を特定するのに充分なだけの数の「結果」のデータがなかなか集まらない。 「原因」が特定できなければ、それの取り除きようはない。 彼らの問題解決法も何もあったものではないのである。 「原因」を摘出することが、問題解決の仕方だと考え違いしている。 すると、別の新たな問題ができあがる。 個別具体的な個のありようをまざまざと目の当たりにしている。 にも拘わらず、それに全く対応できない。 こんな事態が出てきてしまう。 「原因」を取り除けばいい。 では、「原因」を特定しよう。 そのために、データを集めてこよう。 しかし、そのデータがなかなか集まってこない。 その間、医科学は何もできないのである。 (続く) ====================================================== これは、『まぐまぐ!』から発行している購読料無料のメールマガジンです。 まぐまぐのURLは、 http://www.mag2.com/ 配信中止は以下のURLのページで、 http://www.mag2.com/m/0000192677.html 屋那 雄のホームページは http://homepage.mac.com/iyy/ ブログ http://ameblo.jp/yanayuh/ ご意見、ご感想はこちらから http://form.mag2.com/traijousou ====================================================== (C)2009 Yuh Yana. All Rights Reserved.


