現代ポップス雑考。Vol.155
≪現代ポップス雑考。≫ Vol.155 2008/09/01
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l ♪言葉にならない想いを込めて 【新着レビュー】
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l ♪木山裕策から嵐まで5曲 【ひとこと寸感】
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※上の目次部分が「音符と五線譜」に見えない方は、
「等幅フォント」の導入をオススメします。
詳しくはこちら参照 → http://www.mag2.com/help/r107.html
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≪今日の一曲、このフレーズ≫
『秋が来れば僕ら また元の場所へ/戻ってくけど 気持ちはこのまま』
↓詳しくはいちばん下、<あとがきにかえて>にて、どうぞ。
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●言葉にならない想いを込めて …【新着レビュー】
○鼠先輩「六本木〜GIROPPON〜」〔後編〕
さて前編に引き続き、後編では歌詞表現について迫ってみようと思います。
歌詞の内容が、歌い手である鼠先輩本人の経験に基づくものである、
という事実はだいぶ広まっています。
想いを寄せる相手を追って上京した過去の出来事を、女性側の視点から
描いた形になっているわけですね。
『いいヒト見つけて…先輩/きっと 今でも愛してるのよ』
『好きよ 都会のネオンに浮かぶ 忘れた私の心』
都会に染まった一人の女性が、自分を慕って故郷からやってきた男を
気持ち揺れながらも拒む…骨組みだけ抜き出せば、非常に真っ当な歌謡曲、
情念の世界です。
そんな骨組みを自ら茶化すかのような要素が例の「ぽっぽ」等ですが、
これも基本的にはユーモラスかつ独特の表現手法として、
ツッコミどころ以上のしっかりした意味を持っていたりします。
たとえば冒頭『あなたにもらったきび団子/ホームでカラスがつついてる』
というこれ。鼠先輩の地元が岡山であることからもわかるように、
このフレーズは「地元で何か深い関係にあった相手」がいること、
そしてその過去が今ではすっかり風化していること、を示しています。
「ぽっぽ」も、はじめは『汽車ぽっぽ』、そして『煙草の煙…ぽっぽ』。
次の『気持ちゆらゆら鳩ぽっぽ』はかなり強引ですが、
詞世界の情景を表現する中で、あえて重ねて使って深みを増そうという
効果を狙っているであろうことが伺えるものです。
じゃあ、後半の怒涛の「ぽっぽぽぽぽぽぽ…」はどうでしょうか?
これもまた、ある種の重要な意味を担っている…と言えなくもないのです。
まず、まともな歌詞部分は、『帰りなさい 汽車ぽっぽでしょ ぽっぽ』
と締められています。『きっと 今でも愛してるのよ』と
感じている一方で、都会に染まった自分と「あなた=先輩」は
共には歩めない。だから強く拒絶して、決別しよう…
そんな渦巻く感情が、ここまでに込められているわけです。
「あなた」からの気持ちをそのまま受け取ることができない。
「あなた」への気持ちを素直にぶつけられない。
「帰りなさい」の裏側には、言葉には浮かんでこない葛藤があります。
この、言葉にできない逆巻く感情こそが「ぽっぽぽぽぽぽぽ…」なのです。
Dreams Come Trueの往年の名曲「LOVE LOVE LOVE」には、
『愛してる 愛してる ルルルルル/ねぇどうして 涙がでちゃうんだろ』
こんなフレーズがあります。
この「ルルルルル」には、涙が知らず知らず出てしまうくらいの
愛しい感情が凝縮されて詰まっています。
小田和正「言葉にできない」も、まさに胸のうちに渦巻く感情を込めて
歌っているからこそ、『la la la……言葉にできない』の「la la la」が
聴き手の胸に迫って響いてくるのですね。
「六本木〜GIROPPON〜」における「ぽ」の連呼も、
まさにそうした名曲たちと同様、溢れる感情の表現なのです。いやマジで。
「帰りなさい」と突っぱねつつも、断ち切れない未練がまだまだ
残っているからこそ、繰り返し繰り返し、しつこく、キーを上げて
狂おしく叫び続けているわけなのです。ええ!そうなんです。
や、もちろんジョークやパロディ、悪ノリがしたかったのでしょうけれど。
でも、今のように読み解ける余地があるくらいきちんと土台を作ってから
思い切り壊れているので、単なるお遊びの域を超えた内容に
仕上がっているのかなと。
※鼠先輩「六本木〜GIROPPON〜」の詳細はこちら
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0017U0AKC/gendaipoppusu-22
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●コメント以上、レビュー未満 …【ひとこと寸感】
○木山裕策「home」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0010OH7PG/gendaipoppusu-22
テレビ番組を通じて、会社員からCDデビューを果たし話題となった人。
楽曲は、子どもに対して惜しみない愛情を注ぐミディアムバラード。
こういう、従来より高い年齢層へ向けた楽曲というのも、こうした
話題性のあるものから徐々に浸透していくのでしょう。
○槇原敬之「Firefly 〜僕は生きていく」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0010Z2DUE/gendaipoppusu-22
蛍からさまざまなことを学んだ…というような内容。テーマがまた
ちょっとシリアスに戻った感がありますね。
でも、楽曲の構造はとってもポップ。付点のリズムとか、
かなり楽しげな雰囲気ではあります。
○Every Little Thing「サクラビト」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000YIRS0I/gendaipoppusu-22
ELT流・桜ソング。といっても、和な雰囲気と旋律はそれほど
目新しいものではありません。でも、そこに溶け込みつつ主張する
持田香織の声はさすが。
○ACIDMAN「式日」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00112FRUO/gendaipoppusu-22
相変わらずの硬質な世界描写ながら、『今日は美しいと思うんだ』
というようなぽっと投げられた感情が描かれていたり、
『遥か遠く 遠い星に/満たされた世界は在って』みたいに
幸福なイメージが描かれていたりと、かなり柔らかで安らいだ雰囲気が
漂っています。かつ、宿命的な響きも同居。楽曲の展開はやっぱり巧み。
○嵐「Step and Go」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012IYNOS/gendaipoppusu-22
ちょっと叙情的な楽曲も織り交ぜてシングルをリリースしているV6に
対して、まだまだ若々しさを感じさせるシングルが続きます。
サビのメロディラインは、単体だときっとのたっと感じるところですが、
リズム隊がきいているので、あんまり間延びしては感じませんね。
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#今日の一曲、このフレーズ(あとがきにかえて)
『秋が来れば僕ら また元の場所へ/戻ってくけど 気持ちはこのまま』
→→→Mr.Children「君がいた夏」
8月も終わりました。あんなに暑くて辛かったのに、
夏の終わりはどうして切なくなるんでしょうか。
今年もまた、なんとなく騙されているような気分になりつつ、
素敵に騙して浸らせてくれる夏の終わりソングから、
今回はミスチルの1stシングルを選んでみました。
全体的に、初々しさが感じられます。
初期のミスチルらしい、ストーリーの設定されたラブソングの形式。
いかにもな題材を、いかにもな展開とアレンジでポップに仕上げています。
この曲の旋律は非常に素直に進んでいて、その後の口語的なはまり方や
急激な音飛びなどまったくない、オーソドックスな構造になっています。
非常に素直で、好感を持ちやすい甘いメロディラインだなあと。
以後、歌詞が自問自答や悩み・皮肉に満ちてくるにつれ、
歌い方もまた巻き舌を多用する斜に構えた口調になっていきますが、
メロディラインもまた同様に変遷を遂げていることがよくわかります。
歌詞も、今じゃ『キリンぐらい首を 長くしてずっと』みたいな表現は
もう使わないでしょうし…
※Mr.Children「君がいた夏」の詳細はこちら
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005L8OC/gendaipoppusu-22
※週1で音楽コラムを出張連載しています!
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■□ ≪現代ポップス雑考。≫ □■
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