2009/06/10
サクレ・フランセ 49号 EU(欧州連合)
2009年6月10日発行 【Sacres francais !49号】 知ってますか?Union Europeenne (欧州連合) のことを。 【Editorial par koko 】 6月だというのに20度を超えない日が続くパリです。 寒い。ひたすらさぶいです。 昨日の晩は皮のコートにマフラーして出かけました。 6月ですよ、6月。 信じられない。 さて先週はざっくりと5つの出来事が起こりました。 (私が思いつく限りにおいて。順不同) 1.エールフランス機が大西洋沖で消息をたったこと。 2.オバマ米大統領がノルマンディ上陸記念祭への参加を含め、フランス・ドイツをは じめ各地を訪れたこと。 3.6月7日の日曜日は、Union Europeenne(ヨーロッパ・ユニオン)の議員選挙投票日。 4.ローランギャロス開催。 5.世界環境デー、 5日金曜日の夜、ヤン・アルチュス・ベルトランの環境ドキュメン タリー映画『Home 』が一斉無料公開。 それでちょっと肩苦しい話かもしれませんが、2番と5番にも関係あることなので、今回 はヨーロッパ・ユニオン(以後EUまたは欧州連合)について軽く現状を踏まえてお話を します。 もちろんフランスから見た現状です。 それも私が見聞して理解した範囲なので、若干の間違いもあるかもしれないことを先に お詫びしておきます。 【お題 その1】 EU本部はどこにある? − 欧州連合ひたすら初級編 知ってたらごめんなさい。 だけど私はパリに来てしばらくそんなこたぁ知りませんでした。 現時点で、な・な・なんと27カ国もの国がメンバーとなっています。 それぞれのメンバーが自国の予算の1%ほどをEU運営予算として計上しているのです。 どうやってまとめるんだろう? フランスとドイツだけだってなかなか合意できない事柄が山のようにあるというのに! まず、EUは何個の機関から成り立つ? 答え> ばっさりと5つ。 1. Le Conseil de l’Union europeenne (欧州連合理事会) 2. Le Conseil europeen (欧州理事会) 3. La Commission europeenne (欧州委員会) 4. Le Parlement europeenne (欧州議会) 5. La Cour de justice des communautes europeenne (欧州司法裁判所) ※本来はこれにあと2つ小さな機関があります。 上記5つの本部所在地は? 1,2,3 は、ベルギーのブリュッセル、4がフランスのストラスブール、5がリ ュクサンブールにあります。 EUはダブルスタンダード構造です。各国の法律はEUの法律を優先させます。(詳しいこ とはまた別の機会に書きます) 欧州連合をもっと詳しく知りたい方は、 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E9%80%A3%E5%90%88 を頑張って読んでください。 もともと50年以上前にヨーロッパ機構発起国6カ国(イタリア、ドイツ、リュクサン ブール、フランス、オランダ)でスタートました。設立の動機というものは第2次大戦 を教訓にしてヨーロッパの平和を維持するためだったのです。特にフランスとドイツは 2つの大戦で6千万人の人命を犠牲にした過去があります。平和への渇望がこのヨーロ ッパ構想を現実化する大きなエネルギーを産み出したのです。いろんな変遷を辿り現在 のEUに進化し、このほどリスボン条約改定版(ニース条約)が発行される運びとなり ました。ますますヨーロッパの果たす役割が大きくなり、しかもヨーロッパ議会議員の もつ権力が拡大され、直接選挙で選ばれる議員の役割は重要になっています。 だから今回の選挙は(いつも大切ですが)もっと大切なのです。 もっと具体的に何が大切かというと、メンバー国の国民の基本的人権を守ってくれるか ら。さらに経済的にも政治的にも安定をもたらしてくれるから。 なのに今一つ盛り上がらないんだよね〜。 【お題 その2】 2009年6月7日日曜日 : 欧州議会議員選挙の日 — 欧州連合アホアホ中級編 この日は5年に一度の選挙日です。 選挙資格のある人に送られる各グループ(数えたら13枚ありました)の選挙運動チラ シを机に並べて今日はお昼ご飯です。この選挙は比例代表制で、議席総数は736議 席、うちフランスは72議席です。フランスでは選挙区域が5つに分かれています。す べての議員数配分は人口比率から割り出されています。お昼のニュースではいつも通り の投票率の低さに、前回以上に棄権票の割合が高くなるのではないかと危惧の声。 サルコジ大統領の所属する与党(UMP)のチラシは、リスト上位3名(うち上位2名 が現職大臣、3番目は元ジャーナリストの政治家)が顔の売れた有名どころ。 本来うちは与党支持のはずなのですが、 「リスト候補者の人相がよくない!」の一言で、今回は却下。 社会党をはじめとする極左を含む左派は、富を産むための方策を全く見い出さずに富の 分配ばかり叫んでうんざりさせるので、うちでは鼻から問題外。 中道(MODEM)も今回はちょっと何を主張しているのかわからないので見送り。 化石のようなコミュニストは、今後、世の中もうどうしようもなくなったときのために お取り置き。 こうして残ったチラシを見たら、極右とエコの2派。 当然こうなればエコ系を支持するのが筋かと思い、ヨーロッパエコロジーのチラシの裏 を見たら、「タックスヘイブンを消滅させる」との文句が目に飛び込んだ。 「スイスに隠し口座持つのが夢なのにぃ〜」 ということでエコを横において、残りの極右系チラシへ。 当然極右は却下のはずなのですが、うち1枚魅力的な写真のチラシが・・・・ それも一番投票してはいけないグループなのでは・・・・ そう、前回のメルマガで少しふれたタレントDieudonne主導のその名も 『Antisioniste』 (アンチ シオニスト) いわゆる反ユダヤ国家をうたう人達です。 こんなひどく過激なスローガンの元に集まったメンバーの集合写真がとてもいい人達の 集まりのように映っているのが印象的で、このチラシを却下する勇気がなかなか湧かな い。 ウッ、、、、、不思議だぁ。 こんなに優しそうに見える彼らがどうやってアンチユダヤを訴えるというんだろう! 写真のマジックなのか、それとも真実なのか、その辺のことはさておき、裏面を覗く 私。 裏面には『我々にとってのシオニズムとは』との文字が。 ≪一、 ガザにおいて虐待を受けたパレスチナの人民のことをいう≫ 「フムフム、そりゃそうじゃ」ということで、視線は次の項へ。 でも次に書いてあることがよくわからない。 理解不能。 やはりなんだか気違いじみているので、却下。 やはりエコしかないか。 ということで今回はタックスヘイブンの夢を諦めて、ヨーロッパエコロジーへ1票とあ いなりました。 なんて低次元な選択過程なんだろう・・・・・恥ですな、全くもって我が家の恥です。 【お題 その3】 我が家の1票の影響と棄権票の増加 − 欧州連合そんなんで上級編 23時にほぼすべての結果が出尽くし、EU全体としては中道右派が大勝、左派が見事 に議席を減らした結果となりました。エコ派も若干勢力を拡大した模様。 ※選挙結果ニュース(日本語) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090609-00000015-nna-int フランス国内は大波乱の結果。 我が家の1票が全てを物語る形となり、与党の大勝とヨーロッパエコロジーの大躍進に 対し、社会党書記長と中道の長は大きく首をたれるのでした。 極右のフロン・ナショナルの長、81歳になるおじいさんは、声を荒げて「先日金曜日 に全世界放映された映画『Home』が選挙に影響を及ぼした」、となぜか怒り心頭。 「でも実際は、この映画の放送日は選挙日が設定される前から決まってたんですよ」と のアナウンサーの声を完全に無視して遠吠えしすぎ、いきなりライブ中継をカットされ る有様。 ※映画『HOME』については下記参照。 http://www.excite.co.jp/News/economy/20090607/Itmedia_makoto_20090608006.html しかしながら、本当の吃驚選挙結果の原因は、社会党と中道(MODEM)が選挙キャンペー ン中にずっとアンチサルコジ路線を打ち出していたことにあります。あまりにアンチサ ルコジにこだわった結果、本当に伝えなければならないEUビジョンを伝えることがで きなかったというのが真実。 それに加えて、たぶん全世界的に社会民主党の政治ロジックが、現状に対応できていな いのが大きな問題なのです。日本ではそんなものはずいぶん昔に崩壊してますが、フラ ンスではまだまだマルクスは偉い人なのでした。 結局サルコジ君の高笑いが聞こえてきます。 余興に時間のある方は下記のビデオみて楽しんでください。(選挙とは関係ありません が) http://www.dailymotion.com/video/x75xcl_le-clip-qui-dechire-de-nicolas-sark_creation もし棄権票を取り戻すことができたら、フランス社会党の票はぐっと増えるかもしれな い。なぜなら一番不況にあえぎ失業している人たちは通常社会党を支持しているはずだ からです。その人達はヨーロッパが彼らを助けてくれるとはあまり思っていないし、フ ランス社会党はEUが彼らを救う鍵になるということを十分訴えることができなかった のでしょう。旧東欧諸国民も彼らが期待したほどEU効果がない現状に失望して投票所 に足を運ばなかったのだと思います。 だけど真実は違うんだな、フッフッフッ・・・・ EUのもとでの連帯こそが27カ国を守る鎧なのは明らかなんですよ。 だって、EU内ではチベット問題のようなことは絶対起こらないだろうし、EU内では マイクロソフトでさえ裁判で負けて多額の罰金を支払うハメになるし、学生は自分の可 能性を求めて自由にEU内を動けるし・・・・などなど・・・・とにかく直接個人の財 布の中身には影響を及ぼさないとしても、たくさんの利点があるはずなんです。(言い切りです!) さて、ここからが大問題です。 はたしてトルコはヨーロッパであるか、否か。 多分今後も、この問題はアメリカを巻き込み、大変な論争の的になり続けることでしょ う。 日本から見たら、やっぱトルコはヨーロッパって感じじゃないだけどなぁ〜。 あ〜、ホント政治ってややこしい、けど大切です。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今回はどんどん長くなってしまうので、削除しながらの作文でした。 だからわかりにくい部分があったらご免なさい。 説明不足部分はまたの機会に。 さてもうすぐ日本に帰国します。 その間メルマガを発行できないかもしれません。 予めご了承ください。 それから最後に、前回のメルマガで『カンヌで楽しみな映画の1本』として、ジョニ ー・トォー監督の『Vengence』の名を挙げてました。観たんですけど、ひっどい映画だ ったんで、絶対見ないように!これにお金を払う必要はございません。どうしたらこん な映画がコンペティション参加作品に選ばれるんでしょうか?それがジョニー・ホリデ ー効果だとしたら許せんです(プンプンプン)。 ということでまた次回。 koko ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ Sacres francais! <映画と美術とパリジャンと> お便りはこちら <span class="contextEntry" id="yuriko.noritake@wanadoo.fr_body">yuriko.noritake@wanadoo.fr</span> 発行システム:「まぐまぐ」http://www.mag2.com 配信中心はこちら http://www.mag2.com./m/0000191817.html


