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パリに住む筆者が、なにがなんだかわからないフランス人という人達を映画や絵画作品を通して解剖してみました。Sacres Francais!(サクレ フランセ)とは「とんでもないよ、フランス人」という意味です。

  • 発行周期 隔週刊
  • 最新号 2009/11/25
  • 部数 142部
  • メルマガID 0000191817
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2009/03/15

サクレ・フランセ 46号 バンパイヤー映画

                               2009年3月15日発行
【Sacres  francais 46号】                  


バンパイヤーが流行ってる?
    2009年初めの映画紹介号




【Editorial Par  koko】

オスカーもセザールも終わって、気がついたらもう3月も半ばです。
いつも愛読している映画雑誌「BRAZIL」(かなり偏った映画評を載せる手作り感の残る
月刊誌)のダーレン・アロノフスキー監督特集にのせられて、『ザ・レスラー』と『レ
クイエム・フォー・ア・ドリーム』を観ました。『フォンテーン』は公開時に観ていた
のですが、『π』は日本公開時に渋谷の路上のあちこちにπの文字がスタンプされてい
て、それ見ただけで映画を見た気になってしまったので観てません。
「あ〜ゆ〜人海戦術に頼った宣伝広告活動が行われる映画ってどんな映画なんだろ
う?」
そこまでは思ったのですが、どういうわけか足が映画館に向かなかったんです。『レク
イエム・フォー・ア・ドリーム』も印象的な目のポスターを見て映画を観た気になって
たような気がします。

結局『π』以外の3本のうち、私のお気に入りは断トツ『レクイエム・・・』ですね。麻
薬中毒者の妄想が、印象的なストーリーによって綴られています。カルト映画といわれ
る理由がよくわかりました。フランスではなぜか強烈に『ザ・レスラー』を高く評価す
る評論家が多いようです。それは『スラムドッグ$ミリオネア』の専門家の評価が一般の
評価よりも低かったのとは対照的です。たまにフランスの映画評論家達はわけのわから
ない映画にかなりの星を与えることがあります。きっと私の理解できない何かがあるん
でしょうが、それにしても一般人が凄いと思う映画と専門家が推薦する映画に大きな差
があるとすれば、そのギャップが何なのかについて考えることは価値あることなのかも
しれません。
ま、それは美術作品や音楽を初めとして全ての分野に言えることではありますが・・・

個人的には今のところ、今年初めのkokoお気に入り映画2本ともが賞をもらったので満足
してます。一つはもちろんオスカー受賞の『スラムドッグ・・』で、もうひとつはアニ
エス・ヴァルダ監督のフランスドキュメンタリー映画『Les Plages d’Agnes』(セザー
ル最優秀ドキュメンタリー映画賞受賞)でした。 


さて、貴方の2009年初めのお気に入り映画は何でしょうか?





【お題 その1】

思いがけず 『トワイライト 1』


連れ合いが是非観たいというので、公開早々の2月中旬『トワイライト』を観てきまし
た。吸血鬼の話だとも知らず、ハリーポッターに出ていたセドリック役の俳優が主演を
演じているとも知らず、ただひたすら付き合いで映画館へ行きました。特に悪い映画で
はないですが、かといって特別凄い映画でもない。友達(特に若い子)どうしでワイワ
イと観に行くタイプの映画であります。もちろん21世紀のバンパイヤーは男前でしかも
特殊能力は数十倍アップしているのは言うまでもありません。

本屋に行くとトワイライトシリーズ本がズラッと並んでいるし、連れ合いはこの秋に公
開される第2部を楽しみにしている!こうなるとなんだか妙にこの映画が意識に残ってし
まって無視するわけにもいかなくなってきました。ステファニー・メイヤーの本を読む
ことはないでしょうが、フランスでもたくさんの人がどうも読んでいるらしい・・・と
いうことまでは理解しました。そしてついでに思いっきり無視し続けてきた『アンダー
ワールド』がバンパイヤーの話だということも今回初めて知った次第であります・・・





【お題 その2】

ジェラルメル ファンタスティック映画祭
グランプリ受賞映画 『Morse(モールス)』


ここ10年ほど毎年1月終わり、財布の中身に余裕があれば是非行きたいと思っている映画
祭が、フランスの山間にある村で開催されるジェラルメル ファンタスティック映画祭
です。今年16回目を迎えるこの映画祭をきっかけに、過去数名の日本人監督がフランス
に紹介されました。中田秀夫監督は『仄暗い水の底から』でグランプリを受賞していて
フランスではすっかりお馴染の名前です。清水崇監督も常連ですよ。
この名前をみておわかりだと思いますが、所謂恐い映画を扱います。ジョン・カーペン
ター監督などはこの映画祭を象徴する監督ということになりますね。あの音楽聞くだけ
でゾクッとしますもん(笑)。フランス語で<ファンタスティック>というのはその響
きとは裏腹に、(ホラー映画というよりも)空想怪奇映画のことを意味します。

今年のグランプリに輝いたというただそれだけの理由で、いそいそと2月初めの映画公開
と同時に映画館に足を運びました。バンパイヤー映画だとも知らずにです。

「おぉぉぉぉ、凄い!めっちゃオリジナルやん!」

これが見終わったあとの感想。
かなり胸がドキドキしていました。
今思い出してもドキドキします。
恐いというよりも、あまりに過酷なバンパイヤーの生活にショックを受けたというのが
妥当でしょうか。

トワイライトの吸血鬼達は現実臭がしませんが、この映画の吸血鬼である女の子に襲い
かかる現実はなかなか説得力があります。あなたの隣の家にも吸血鬼一家が引っ越して
くるかもしれません。恐いのが平気な方は、日本公開時(そんなことがあるのかどうか
も知りませんが)には是非見てみてもらいたいです。少なくとも2010年にはハリウッド
でリメイク版『Let the Light One in』が製作されることは決まっています。オリジナ
ルを超えるとは思えませんが(過去にそういうケースを山のように見てきたので)、ス
トーリーのオリジナルさは失われることはないと祈りたいです。

こうして2009年は<バンパイヤー>がキーワードの年になりました。





【お題 その3】

もうひとつのキーワード <スウェーデン>


実は『モールス』は原作がJohn Ajvide Lindqvist(なんと発音していいのか皆目見当も
つきません)というスウェーデンのホラー小説作家の本で、Tomas Alfredson監督が作っ
たスェーデン映画です。時にスウェーデンという国からとんでもなくショッキングでシ
ュールな映画が出てくるようですが、これもそのいい例ではないでしょうか。

そこで、もうひとつ話題のスウェーデンの本に触れたいと思います。それは
『Millenium』というフランス語タイトルのつく、この5月に公開予定の映画の原作にな
っている本です。Stieg Larssonというスウェーデンジャーナリストを有名にしたこのミ
レニアム3部作は、2004年に著者本人が心臓発作で他界して未完となりました。死後にス
ェーデンはもとよりフランスでも発売されて、映画公開を前にフランスではこの3部作が
ベストセラーになっています。内容は特別な予知能力を持つ女性と組んで謎にせまるジ
ャーナリストのスリラー映画のようなのですが、実際のところはまだよくわからないで
す。ちょっと楽しみ。映画が面白ければ本も読むかもしれませんね。





【おまけ】

『Watchmen』ザック・スナイダー監督 (3月下旬日本公開予定)


アメリカと多分ほぼ同時公開だったこのアメコミ映画。
一言でいえば、あの『デビルマン』を昔読んだときと同じ不思議な満足感が確かにあっ
て、アメコミの代表作といわれるのも頷ける。けれど、、、、『300』に比べれば、
映像的にとてもムラがあったようで、時に素晴らしい出来を見せるシーンもあれば、か
なりちゃっちい感じが歪めないキャラクターもあったりして、知らなかったアメコミの
存在を知ったのはうれしいけれど、映画自体は世の中が騒ぐほどそんなにすごい映画だ
とは思いませ〜ん。そりゃもちろん日本映画『デビルマン』に比べれば100倍よく出来て
るけど・・・

正直、青く輝くマンハッタン博士の全裸姿がやはり一番印象的だったのではないでしょ
うか???

マンハッタン博士の全裸姿を見たい人は是非行くべし!




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先週から喉がパンパンに腫れて熱も出て、思うように体が動きません。
この週末はおとなしくベッド寝ています。Wi-fiのおかげでベットで物が書けるので助か
ります。きっと入院してもコンピュータがつながればそんなに退屈しないことでしょ
う。

ただ映画館に行けないのは残念です。
見逃している映画を今のうちに見ておかないとあとで後悔するのは目に見えてますか
ら。
例えば、今年セザール最優秀主演女優賞、最優秀映画賞など7部門を受賞した
『Seraphine』とか、去年の春の話題作『Un Conte de Noel』などのフランス映画を中心
とした作品です。
日本映画も元気いいですが、フランス映画もなかなか健闘していて、地味ではあります
がかなり優秀な作品がどんどん公開されます。今週から公開のPhilippe Lioret監督
『Welcome』はとても前評判の高い作品で、それを確かめるのも楽しみの一つです。

一体去年はどんなフランス映画が日本で公開されたのでしょう。


ではまた次回。
読んでいただいてありがとうございました。

koko


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お便りはこちら yuriko.noritake@wanadoo.fr
発行システム:「まぐまぐ」http://www.mag2.com
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