2009/01/18
サクレ・フランセ 42号 憂鬱を体現した人
【Sacres Francais! 42号】 2009年1月18日発行 『憂鬱』を体現した人 アートに魅せられた人生 【Editorial par koko】 年々時が経つのが早く感じるとは人生の先輩の言ですが、ご多分にもれず私も時の速さ に驚愕しています。特に私の場合、脳の働きが鈍っていることに起因しているような気 がしてならないです。例えば、脳がフリーズして意識のないまま無為に数時間を過ごし ているのではないか、はたまたその瞬間瞬間は意識があるがむしろその記憶がないの か。そんなことを考えていると妙に心配になったので、脳についての本を読んでみまし た。 そこで今年の目標! 1. フランス語をはじめとする外国語を音読すること。 2. 前日どんなに遅く寝ても遅くとも8時までに目を覚ますこと。 3.とにかく運動すること(Wii Fit でもいいから継続するべし)。 すっごく簡単なことのようでいて少なくとも私には出来なかったこの習慣をなんとして も続けなければ・・・・あ〜情けない。 【お題 その1】 Claude Berri (映画プロデューサー、監督、俳優・・・・) この1月12日、フランス映画界を代表する人物がこの世を去りました。 その人の名はクロード・ベリ。 彼が監督プロデュースした作品で特に日本で有名なものは、 『愛と宿命の泉』、『ジェルミナル』などなど。 昨年フランス国内で空前のヒットとなったダニ・ブーン監督作品『ようこそ、シティ に』、 また昨年のセザールの作品賞・監督賞に輝いたアブデラフィフ・ケシシュ監督作品『La Graine et le mulet』のプロデュースもしていた人物です。 この人のイメージといえば、『憂鬱(メランコリー)』。 いつもくら〜い顔をして、大声で笑っている様子なんて想像できない。 どうも息子の死からずっとこんな状態らしい。 でもきっとその前から陰気な顔してたんだろうなぁ、と思わす程度に苦虫をつぶした話 ぶりでもありました。生まれつきの憂鬱症。それがこの人のイメージです。 【お題 その2】 Enfant terrible(異端者) と Le deprime(憂鬱症) そんな彼がテレビの画面に出た最後は、おそらくギヨーム・ドパルデューの葬式でし た。 37歳の若さでこの世を去ったジェラール・ドパルデューの息子で俳優だったギヨーム は、小さい頃から両親と共にクロード・ベリの家に遊びに行っていたらしいです。 ギヨーム・ドパルデューという人もある意味フランスを代表する俳優でした。 その恐ろしくとんがった魂が彼をずっと苦しめたようで、『Enfant terrible』の代表と して、深くみんなの心に刻まれた俳優であります。父親の大きな影に押しつぶされまい ともがいていたようにも見えるし、むしろ究極に繊細な心が彼を暴走させたともいえま す。彼がテレビで喋っているとき、よくも悪くもいつも本音で語っていた姿が目に焼き 付いています。時にあれ狂った馬のように人に攻撃をしかけると思いきや、この世にこ れほどピュアな魂が存在するのかと目を疑うほどあどけない笑顔を見せることもありま したっけ。 異端者であること、憂鬱であること、この二つはどちらにしてもフランス人の典型とし て私の記憶に刻まれることとなりました。 【お題 その3】 憂鬱(メランコリー)とアートの関係 そんなクロード・ベリが愛してやまなかったもの、それはアート。特に現代アートのコ レクターとしてフランスを代表する人物でした。去年マレ地区にエスパス・クロード・ ベリを開設。彼のコレクションを一般に公開しています。 www.espace-claudeberri.com 彼はセザールの授賞式で、映画の仕事をするのはアート収集をするためであると公言し てはばかりませんでした。17歳の時にゴッホの絵を観てから、アートに対する情熱が冷 めることはなかったようです。美術品を鑑賞することは新しい発見の連続であるとも言 っています。夜中に自分のコレクションした作品を鑑賞するのが楽しみだったらしい。 こんな人に買われた作品は幸せですねぇ〜。作家冥利につきますな。。。 ま、どっかのロシアの成金コレクショナーとは大違いです。 憂鬱であるということは、イタリアルネサンスの時代には大変な長所とされていまし た。メランコリーであることはそれだけ知性のある証拠だというわけです。クロード・ ベリについては確かにそう言えるのかもしれません。私のツルツル脳みそとは裏腹に、 彼の脳みそは皺だらけだったのかな。そう考えれば、世のメランコリックな人たちに一 筋の光明がさすというもんです。 「クロード・ベリさん、 たくさんの映画とコレクションを残してくれて、本当にありがとう」 【最後に】 年末からただでさえ不景気の話で楽しくないのに、ガサ地区でのぶっそうな出来事が気 持ちを不安にさせます。メランコリーであることが必ずしも悪いことではないという観 点でいえば、いまこそみんなでよ〜く考えよう年間なのかもしれません。 去年はあまり定期的にメルマガを発行できませんでしたが、私なりに考えたことを今年 はどんどんメルマガにしていきたいです。 ということで、どうぞ、今年もよろしくお願いします。 また次回。 koko ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ Sacres francais! <映画と美術とパリジャンと> お便りはこちら yuriko.noritake@wanadoo.fr 発行システム:「まぐまぐ」http://www.mag2.com 配信中心はこちら http://www.mag2.com./m/0000191817.html



