2008/09/20
サクレ・フランセ 39号 成長の限界
【Sacres Francais! 39号】 2008年9月20日発行 成長の限界 ――― 贅沢品の今と未来について考えてしまった ――― 【Editorial par koko】 リーマンブラザーズの倒産に吃驚。 保険会社まで危機が襲ってまたまた吃驚。 日本の金融機関がまたもしっかりアメリカの金融機関に融資をしていたと知ってまたま たまた吃驚。あおぞらもすっかりグレーになってしまった。 だけど失うものが何もないkokoは、この金融危機が狂ったマネーゲームに冷や水を浴び せ、尚且つここ数年目も当てられない現代アートの高騰に終止符を打ってくれることを 期待してる。 そうそう、アートの値段はもう少しクラシックに戻ったほうがいい。 不動産だってそうは右肩上がりに高くなり続けるわけもなく、東京都心の便利なところ はそんな地価がさがらないけど、周りの町は下がっているというの極自然の成り行きを もう一度再認識しよう。当然アートの値段にも真の価値と瞬間的価値というものがあ り、限界というものがあるのです。 『成長の限界』っていう本がありますが、なんだって限りある資源にしがみついて生き ている私たちなんですから、そりゃ富だって永久に増えてはいかないことぐらい知って ますよね。なんでもバランスが大切です。 【お題 その1】 ヴェルサイユ宮殿 Jeff Koons展 現在開催中のジェフ・クーンズの展覧会。 http://www.jeffkoonsversailles.com/en/ ≪ひやぁ〜、止めて欲しい! 一体フランスは彼にいくらお金払ったんだろう?≫ ここのところ、現代アート展が大成功で、ちょっと図に乗って勘違いしたんだね、きっ と。 見に行きたくもないや。 そこで代わりに行ってきた友人に感想を聞いてみた。 『なんの脳もない、ただの回顧展。それも大した数はなかったし・・・』 『ヴェルサイユは長い歴史の中で常に変化し続けている空間だ』なんて偉そうにいいま すが、イベントにも価値のあることとそうでないことがあるんじゃないかな。 天井にぶら下がった巨大ザリガニが写ったポスターを見た瞬間にそんなことを思ってし まったのでした。(たぶんザリガニだ、よね。。。)「食わず嫌い」さながらの「見ず 嫌い」とはこのこと。 真偽のほどを確かめる勇気は今のところありません。 【お題 その2】 Roman Abramovitch ※http://ja.wikipedia.org/wiki/ロマン・アブラモヴィッチ ローマン・アブラモヴィッチというロシアで有数の若手実業家を知ってますか? この人が5月のニューヨークで行われたオークションを救った立役者の一人! Francis Baconの3枚からなる祭壇画を86.3M$で落札した超本人。 (もう一枚のLucian Freudも別のロシア人に33.64M$で落札されました) プーチンとつるんで成り上がった絵にかいたような新興成金実業家です。現在世界15位 の資産家で、なんでも一番いいものを世界中で買い漁っている彼。 それがサッカークラブのチェルシーだったり、上記の絵画だったりすんですが、その彼 にも買えなかったものが、今月他のロシア人によって破格の500M$で売却されたとの記事 を発見。 それは南仏Cap Ferratにある中でも一番といわれる豪邸『La Villa Leopolda』。 ※http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2508435/3233594 彼はこの家が手に入らなかったものの、アンティーブのホワイトハウスのような豪邸を 購入。彼の人生はプーチンと共にある限り、しばらくこの世の栄華を謳歌するはず。 しかし、そこにこのアメリカの金融危機。 少しは資産値べりしたんじゃないかな。 庶民としては少しいい気味だ! どうかこのファイナンシャル危機がエコノミック危機になりませんように。。。 マネーゲームは金持ちの間だけでご勘弁を。 【お題 その3】 地中海に浮かぶ富の象徴 ――― 豪華ヨット 南仏、特にお題その2で取り上げたアンティーブあたりのヨットハーバーを訪れたこと がある人ならば、その目も眩むばかりのヨットの豪華さに圧倒されたはず。 このたびグループLVMHは、Royal Van Lentというオランダの豪華船造船会社を買収。 この会社2004年に上述のRoman Abramovitch君に長さ86mのEcstaseaという名の船を届け た会社だそうで、まぁそんな贅沢品の最高峰に位置する豪華船の会社を所持すること は、LVMHのビジネスポリシーにぴったり。 現在この地球上に航海しているスーパーヨットは約5000隻で、そのうちの半分以上が地 中海に浮かんでいるらしい。そんなスーパーヨットを所持するスーパー金持ちは、世の 中のスーパー金持ちの1%にあたる人たちだそう。 LVMHのBernard Arnaud氏はドンペリを片手に、ディオールに身を包み、ヴィトンの旅行 鞄を持ち歩き、ご機嫌もいいところ。彼のビジネスは快進撃を続けるのでした。 世の中にスーパーリッチがいる限り、彼のビジネスは安泰だということか。 さて貴方はLVMHの株を買いますか? 最後におまけとしてフィガロ誌の記事からヨットにまつわる数字を抜粋。 どうぞ吃驚してくださいませ! 現在ドイツで造船中の長さ167mに及ぶRoman Abramovitch君の新しい船『Eclipse』の値 段 : 300millions euros (450億円ほど) 長さ50mの船の年間維持経費 : 1から2millions euros (1億5千万円ぐらいですか ね) 長さ50mの船の1週間レンタル費(燃料、係留費を含まない):60000から200000euros サルディニア島のPorte Celvoの一泊停泊費 :2500euros + チップ1000euros などなど、書くのも疲れる程度にお高い費用です。 私も1000eurosのチップモラッテミタイ・・・・・ナンテ。 そんなもんで、やっぱり私はファイナンシャル危機を歓迎することになりますよね。 【あとがき】 メルマガでも再三再四触れるように、フランスにいるとつくづく「世の中には金持ちが たくさんいるんだなぁ〜」と思いしらされます。ホテルの前に停まっている高級車や高 級ブティックで山のような量の買い物をしている人たち、そして豪華なアパルトマンや 船、1本10万円ほどのシャンペーンがコカコーラの瓶のように開けられていく様、、、、 枚挙にいとまがありません。 路上で物乞いをしている人達と上記のような贅沢な生活をしている人がすれ違う町の一 つがパリで、ここではしっかり自分を持っていないと人生を楽しめないなとつくづく思 います。逆にいえばだから他人に気を取られず、自分らしい生活が送れるのかもしれな いですね。 いいところあり、悪いところあり、これもC’est la vieでしょうか。 ではまた次回。 koko Sacres francais! <映画と美術とパリジャンと> お便りはこちら ynoritak@net2.kddi.fr 発行システム:「まぐまぐ」http://www.mag2.com 配信中心はこちら http://www.mag2.com./m/0000191817.html



