2008/03/31
サクレ・フランセ 34号 北京オリンピック
【Sacre francais ! 34号】 2008年3月31日発行 北京オリンピックをどう考えるか。 【Editorial par koko】 この先週末はスポーツの話題が多かった。 日本でもかなり盛り上がったであろうフィギュアスケートの世界選手権、そしてなんと いっても競泳100メートル自由形の世界新記録達成。 アイススケート中継を見ていておかしかったのは、フランス女性スケーターにメダル候 補がいないから、思いきり女子部門が削除されていたこと。浅田真央の姿を見たいと思 ってテレビに張り付いたものの、女子部門の放送がないとわかって憤慨した。数分後、 よくよく考えたら日本でもアイスダンス部門は削除されているなと気づいて怒りがおさ まった。 今回フランスはアイスダンスの金メダルと男子シングルの銀メダルで盛り上がった。 そういえばペアーの放送もなかったなぁ〜。 自分の国の選手がいないとこうもテレビ放映がカットされるとは、いやはや全くシンプ ル過ぎて恐ろしい。 スポーツナショナリズムには逆らえないもんだ。 【よもやま話 1】 この夏のオリンピックはもっとナショナリズムが反映されることになるだろう。テレビ の前に日本人の友人たちと母国応援に声を枯らした4年前。あの時はギリシャのスタジア ム工事が遅れていて、開会式に間に合うかどうかとっても心配だったっけ。今年はテロ の心配か。ここんとこチベット問題について声高に議論が交わされている。ダライ・ラ マという人は一体どんな人なんだろう。たぶんローマ法王よりはずっと人格者に違いな いなどと、なんの根拠もなしに思う私である。 ギリシャで聖火点灯式みたいなものがあって、いつものごとくうやうやしく聖火がラン ナーに渡された。この際式典にフランスのreporters sans frontieres(国境なき記者 団)が乱入。北京オリンピック開会式ボイコットを訴えた。後日この模様を伝えた中国 の映像は見事に乱入のシーンをカットし、まるで何事もなかったように式典が行われた ことを伝えていた。 そのあとテレビの討論番組で討論に招かれていた中国人外交官は、乱入事件を「スキャ ンダル」だと語った。他のフランス人ジャーナリストはそれを受けて 「ではチベットの事件は何と表現するのか」と反論。 曰く「暴力事件だ」という答え。 「誰の暴力だと思うか」との質問に、中国人外交官は沈黙した。 彼は番組中チベットの事件は外国人ジャーナリストの作りごとだと言ったし、いつもの 通り非は認めない典型的な中国人だった。 国境なき記者団がいろんな活動をしていることはさておき、このような政治的な運動を しているにも関わらず感性はフランス人だな〜と感じるのは、彼らが着用しているT-シ ャツのデザイン。これはとてもうまいデザインだと感心した。1枚25ユーロで売られてい て、聖火ランナーの傍らでこれを着てテレビで開会式ボイコットをするように呼びかけ ている。 http://www.rsf.org/article.php3?id_article=24982 ちょっとしたことだけれども、一般の注意を惹きやすいイメージがありませんか? こういうところも日本のジャーナリストや政治家に見てもらいたいものだ。 【よもやま話−2】 フランス Bling-Bling サルコジは先週イギリスへの大統領慣例訪問に旅立った。 もちろんあのカーラを連れてのエリザベス女王に会いに行ったわけだ。 毎回新しいフランス大統領が選出されるとエリザベス女王は晩餐会に大統領を招待す る。ウインザー城での晩餐会後、そこで一晩眠る。そんなツアーに私も招待されてみた いものだ。そのあと、イギリスの国会議員の前で演説をしたりして、今回の場合でいえ ば3日間のスケージュールが組まれる。2度目の任期の場合は招待されない。大統領は人 生に1度だけ女王の家に招待される。なんてスノッブでゴージャスな招待状だろう。 そこでカーラは、彼女の持っている才能をいかんなく発揮した。イタリアブルジョワジ ー家庭で培われたノウハウがここで活かされた。こういうことがあるからサルコジもは やく再婚したかったんだな〜と思う。 このイギリス訪問の頃、ニューヨークでは前妻であるセシリアの結婚式が行われた。素 敵な結婚披露宴が行われたようだ。 こうしてサルコジが住むエリゼ宮はハリウッドと化し、彼らのチャラチャラしたようす を皮肉って、『Bling-Bling』という表現があちこちの誌面に登場する。 Bling-Blingという言葉はチャラチャラとアクセサリーをつけて歩きまわる女性のイメー ジを表現している。まさしく今のサルコジとカーラにはぴったりの言葉かもしれない。 とにかく歴代の大統領がしばしばプロトコルに違反した行為をしたのと比べ、今回は何 の驚きもなく無事に訪問が終了したようだ。ちなみにシラク大統領は気楽にテーブル上 の女王の手に触れたのがプロトコル違反だった。彼にしたらいつものように信愛の情を 込めた行為だったのかもしれないけれども、違反は違反。挨拶の時以外は誰も女王に触 れることはできない!? そんなサルコジもイギリス首相との記者会見中オリンピック開会式ボイコット問題につ いて、 「この問題については成り行きを見守っていくつもりだ」と慎重な言葉を残した。 人権問題に敏感な政治家の言い分は、2001年に中国が2008年のオピンピック開催地に選 ばれた際に、「人権問題が解決されることを条件とする」という文が続いている。だか らこんな状態ではとてもではないが中国を全面的に受け入れることはできない、とはっ きりいっているし、論理的にとても正しい主張だと思う。 オリンピック開会式ボイコット問題の行方から目が離せない。開会式に出席するサルコ ジを初めとする政治家たちの動向にも興味がわく。 参加選手の素晴らしいパフォーマンスと共に、共産圏でもオリンピックの成り行きに注 目! ★あとがき★ 今まで使っていたコンピュータに見切りをつけて新しいのを買いました。心機一転画面 に向かったら、なぜか文章がいつもより固くなってしまいました。どうしてだろう?Vistaになったのでちょっと使い勝手がわかりません。 どうも今回も読んでくださってありがとうございました。 koko Sacres francais! <映画と美術とパリジャンと> お便りはこちら ynoritak@net2.kddi.fr 発行システム:「まぐまぐ」http://www.mag2.com 配信中心はこちら http://www.mag2.com./m/0000191817.html


