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パリに住む筆者が、なにがなんだかわからないフランス人という人達を映画や絵画作品を通して解剖してみました。Sacres Francais!(サクレ フランセ)とは「とんでもないよ、フランス人」という意味です。

  • 発行周期 隔週刊
  • 最新号 2009/11/07
  • 部数 142部
  • メルマガID 0000191817
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2008/02/28

サクレ・フランセ 33号 2月のフランス

【Sacres francais! 33号】                  2008年2月28日発行


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2月のフランス報告
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【Editoriale par koko】 

またまた一回ズル休みしてしまったメルマガ。
書くことを怠るとなかなか再び書き出せないですね。
ローマ報告しそびれました。

嵐のごとく仕事をこなし、いざコンピュータの前に座ったら、あまりの忙しさに現世の
出来事とあまり接触していなかった自分に気づきます。まずい、まずい。こんなことで
は皆さんに楽しんでもらえるメルマガをお送りすることができないな〜なんて思いつ
つ、パリコレの映像をぼんやり眺めています。


そうなんです、今はパリコレ真っ最中。先日新聞で見た万里の長城のフェンディのショ
ーも急に思い出しました。

ちょっとやり過ぎ。

毎年、LVMHはコレクションのために自分達だけの会場をキープします。協会に所属
していて予算がそこまで出せないメゾンはカルーゼル・ド・ルーブルの会場を共有して
デフィレ(ショー)をします。もっとお金のないところは小さなホテルの一室などでデ
フィレを開催します。シャネルはグラン・パレを年間予約しています。

例えば今回のルイ・ヴィトンは、ルーブル宮の中庭にテントを張ってデフィレをしま
す。テントを張るというのはとてつもなくお金のかかる作業です。その設営にかかる時
間の場所代や人件費などを考慮し、実際のデフィレの中身にかかるコストを計算する
と、そりゃもう天文学的(これはちょっと大袈裟か・・)な数字になります。3月2日の
本番にあわせて、10日前から設営が始まっていました。

昨日オレンジ(旧フランステレコム)のイベント担当の人と話をしていたら、
「ジュネーブのイベントに観覧車を立てる案があったんだけど、セキュリティの問題で
できなかったのよね」と言ってました。
セキュリティの問題がなくてもそんなことしなくていいんじゃないのかな〜と思ってし
まいました。招待客を喜ばす(というか吃驚させる)のに気が行き過ぎて、実際の通信
業務は大丈夫なのかと変な疑問を抱きます。

なんだか、世の中本当にお金持っている組とそうでない組の図式があちこちに見え隠れ
して、そのうち貧乏組みのレボリューションが起こるのではないかとつまらない妄想に
取り付かれる私です。

歴史は繰り返される、とつぶやきながら贅沢の象徴であるデフィレの映像を眺めている
今週のkokoです。



【お題 その1】
Marion Cotillard(マリオン・コティヤール、仏女優)


今年の初めから先週のオスカーまで、映画界はこの人を中心に報道が進みました。
『la Mome』(エディット・ピアフ 愛の讃歌)で見事最優秀女優賞のグランドスラム(ゴ
ールデングローブ、BAFTA,セザール、オスカー)を達成したフランスの若手女優です。
日本では『Taxi』の映画で顔を知られているかもしれません。私はこの映画を見てない
ので、映画については何もいえないけれど、彼女のパフォーマンスが凄かったというの
は納得できるのです。なぜなら、その前に出演した映画ですでにかなり成長したな〜と
思わすものがあったから。いい女優だと思っていたので、今回は素直に彼女の受賞を喜
んでいます。

しかし、この『la mome』という映画がなぜこれほどまでにアメリカ人に受け入れられた
のかどうかを考えると、エディット・ピアフという素材自体の力が凄かったのではない
かと思わざるを得ません。実際この映画のアメリカでの興行成績は『アメリ』の3分の1
に過ぎず、ジャン・ジュネ旋風に比べれば大したことはないのです。

エディット・ピアフという題材のおかげでアメリカ映画市場にこの映画が配給されたと
したら、あとはマリオン・コティヤールの印象的な演技とそれを支えた素晴しいメイク
によって、アメリカの観客はエディット・ピアフの人生に数倍感動したに違いありませ
ん。そして間違いなくこの受賞を受けてもっと観客数が伸びるはずです。

逆に言えば、もしこの映画がアメリカに配給されていなければ、この映画はセザール以
外の賞を受賞することなどなかったはずで、ましてマリオンのグランドスラムなんて絶
対にあり得なかったのです。

マリオン・コティヤールのグランドスラムは奇跡のような出来事で、それを素直に喜び
涙する彼女の姿はとても愛すべきシーンでした。
彼女は次にマイケル・マンの『Public Enemies』という映画でジョニー・ディップ&ク
リスチャン・バールと競演します。彼女の今後が楽しみです。



【お題 その2】
Les colonnes du Palais Royal de Daniel Buren
パレ・ロワイヤル内の柱群 ダニエル・ビューラン作
※パレ・ロワイヤルの写真
http://fr.wikipedia.org/wiki/Image:Palais_Royal_Paris_Mai_2006_002.jpg
※ダニエル・ビューランのサイト
http://www.danielburen.com/__db1/index_matrix_accueil.php?lang=en (英語)


皆さんはパリに旅行に来るとまず間違いなくルーブル美術館に立ち寄るはずです。その
時ほぼ確実にパレ・ロワイヤル前を通り過ぎるわけです。お買い物が好きな人、または
オードリー・ヘップバーンの映画が好きな人はこのパレ・ロワイヤル内に足を踏み込む
はずです。そこでまず目にするのが、このダニエル・ビューランの白黒の縦縞の柱群。
ちょっとボロボロだけど周りの景色に溶け込んで、市民の遊び場として定着しているア
ート作品です。

1985年にジャック・ラングの注文を受けて、1986年にオープンしました。元はパーキン
グだった3000平方メートルの敷地に2層仕立てで260本の縞々柱を立て、地下に水が流れ
るのが見える仕組みになっていました。夜は緑のライトもついていたそう。

ところが、2000年以来水は流れていないし、ライトもつかない、柱自体もかなり老朽化
が進み、ダニエル・ビューランは国に対して修理するように要求してきました。作家に
とってこれは描いた絵を二つに分断されたようなもので、正常な状態ではないというわ
けです。修理に5億円ほどかかると見られ国はなかなか工事を始めないので、ビューラン
はメディアを使ってかなり問題点を公に報道させたのでした。結果、今年1月文化大臣
直々に視察があって、一応2009年から工事を始めよう、な〜んてことになっているので
すが・・・

事実は怪しい。

というのもこのパレ・ロワイヤル自体の建物も老朽化が進み、たくさん修理しないとい
けないのです。国が捻出できる修理予算20億円ほどの中にこのビューランの作品の修理
も盛り込まれてるというのですが、果たしてそんなうまくいくだろうか、というのが周
囲の感想だそう。

美術作品もこのような野外インスタレーション作品になると、扱いが難しいですよね。
税金で修理していくのだからそうやすやすと作家の言いなりになってお金を払うわけに
もいかないし、かといって確かにこんなボロボロの作品のままほっておくというのもお
かしいですよね。つまるところ世の中にある公共スペースのアート作品の補修にも限界
というものがあり、面白いから飾ればいいじゃないかというお気楽な態度を慎まないと
いけないわけです。

ビューランの作品はとても市民に愛されているものなので、補修しながら大切にするの
が筋だとは思うんですが、国道の立体交差などや高速道路にあるヘンテコ?な彫刻やイ
ンスタレーションをどうするかという話になると、やはり寿命がきたら去っていただく
しかないような気もします。パリ市の場合は、すでに昔からの建物を補修修理するだけ
でも大変なので、その上の出費について気軽には決定できないというのが正直なとこ
ろ。昔竹下さんがばら撒いた一億円で、日本中のあちこちに出来上がった様々なオブジ
ェも同じ憂き目にあってないでしょうか。お金の使い方って本当に難しいですよね。



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最近はまっているアメリカテレビ番組に『Jekyll』というタイトルのドラマがありま
す。今週でシーズン1が終了しました。名前からお分かりかと思いますが、ジキルとハ
イドの話を下敷きにしたスリラーです。主役を演じるJames Nesbittという俳優の印象的
な演技にすっかり魅了されてしまいました。『24』に続くお気に入りドラマです。これ
を機にまた小説のほうを読み返そうかと思っています。

以前高速道路のサービスエリアでうっかり買って見てしまった映画『 デビルマン』では
ないですが、昔読んだ本や漫画をもう一度読む機会を与えてくれるというのは有難いも
のです。

次回はなんのお話になりますことやら。
今回も読んでくださってありがとうございました。

koko


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