おクスリ開発 ウラ・オモテ  RSSを登録する

製薬業界に勤務する現役医薬品開発研究員が、医薬品情報、国内外の業界動向、業界武勇伝、日々の研究開発業務や、動物実験から臨床試験(別名人体実験)に至るまで、医薬品開発のウラ・オモテをお伝えします。株をやる人も必見…かも!

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2007/01/21

おクスリ開発、ウラ・オモテ(009号)



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 おクスリ開発、ウラ・オモテ(009号)
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皆様こんにちは。医薬品開発研究員グッドラッグです。
メルマガご購読ありがとうございます。
製薬業界に勤務する現役医薬品開発研究員が、
医薬品開発のウラ・オモテをお伝えします。


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目次
1.医薬品開発の流れ
2.用語解説
3.チョット裏話
4.編集後記
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1.医薬品開発の流れ −臨床試験−

さて、今回からはいよいよ臨床試験、ヒトによる試験です。
人体実験です。実験台になって下さるヒトのことを「ボランティア」と呼びます。
この臨床試験は、大きく分けて3ステップに分かれています。

ステップ1:フェーズ1試験
少数の健康な人により、主に医薬品の血中濃度と安全性を調べます。
ここで重大な副作用が出たらもちろんアウトです。

ステップ2:フェーズ2試験
少数の患者さんにより、効果と安全性について調べると同時に、
投与方法や投与量についても調べます。
この時点で、次のフェーズ3試験の投与方法と投与量を決定します。
ここで、効果がなかったり、重大な副作用が出たらアウトです。

ステップ3:フェーズ3試験
多数の患者さんにより、実際の治療と同じような形で、
医薬品の効果と安全性について、より詳細に調べます。
似たような効果を持つ既存薬と、効果や安全性を比較することもあります。

これら臨床試験をクリアーして初めて、厚生省に申請することができ、
承認が下りたら、晴れて医薬品として世に出ることになります。

さて、今回はまずステップ1のフェーズ1試験から解説していきます。
フェーズ1試験は臨床第1相試験とも呼ばれ、一番最初のヒトによる試験です。
(なぜか数字はギリシャ数字を使います)

フェーズ1試験は通常は健常成人男子を使用して実施されます。
「健常」とは、健康でかつ血液検査や心電図などの検査値に
異常が認められないことを言います。
コレステロールが高かったりしたらアウトですよ。

なぜ、「健常」な男子を用いるのでしょうか?
フェーズ1試験は、おクスリの安全性や体内動態(主に血中濃度)を調べます。
頻繁に採血したり検査したりしますので、結構タフです。
従って、体力のある健康な男性が好まれます。

また、健康でない人は、何か病気で別のクスリを飲んでいる可能性があり、
そのクスリの影響が出ないとも限りません。

では、女性はどうでしょうか?
女性の場合、万が一副作用があった場合、その女性自身だけではなく、
将来産まれてくる子供に悪影響が出るかもしれません。
また、妊娠の可能性がある場合、胎児に悪影響が出るかもしれませんので、
女性は使用しません。

で、このフェーズ1試験、参加者は「ボランティア」なのですが、
実は、結構高額の謝礼がもらえます。現金です。
謝礼は検査1回いくら、採血1回いくら、拘束時間xいくら・・・
というように計算されます。
学生さんやフリーターさんのいいバイトになっています。

このフェーズ1試験、平日に1日入院とか2日入院とかで
その間は丸々拘束されます。
しかもそれが1週間おきに2回とか3回とか続くこともあります。
ですから、学生さんやフリーターさんしか参加できないんですね。

ただ、製薬メーカーの人間として本音を言わせていただくと・・・
やはりこういう方たちは実験台としては、あまり質が良くない・・・
生活時間も不規則だし・・・食事もろくに摂ってない人も多い・・・
試験前日にアルコールや他のクスリを飲んで来たり・・・

10年前であれば、各製薬メーカーの社員が実験台になり、
仲のいいお医者さんのところでフェーズ1試験ができたんです。
自社の正社員だと、それなりに規則正しい生活をさせることも可能ですからね。

しかし、今は規制が厳しくなり、キチンとした病院で
実施しなければならなくなり、
フェーズ1専門の病院(というか業者)まであるくらいです。
実験台の方、実は業者にだいぶピンハネされてますよ(^^;)


2.用語解説

各用語について、もう少し詳しく説明します。

被験者
被験者とは、実験台にされる人のことを言います。
言葉を変えてボランティアとも言います。
でも、無償奉仕ではなく、フェーズ1試験では高額の謝礼が支払われます。
患者さんを被験者として使用するフェーズ2以降では、謝礼はありませんが、
おクスリ代はタダになります。
アメリカでは治療費まるごとタダになったりするみたいですが・・・(^^;)


3.チョット裏話

ここでチョット裏話。
実は10年ほどまえ、私グッドラッグもフェーズ1試験の
ボランティアになったことがあります。

自社で開発中のクスリを自社の社員で試験できたんです。
前日からリゾートホテルに泊まりこみ、定時に夕食を取った後は、
食べ物も飲み物は一切禁止。

試験当日は朝からお医者さんと看護婦さんをホテルに呼んで、
朝食抜きでフェーズ1開始です。

まず、クスリを飲む前に採血して、
飲んでから30分後、1時間後、2時間後に採血・・・
というように、最初は頻繁に採血があります。

4時間後の採血が終わるとやっと昼食、
ここから採血が2時間おきになりかなり楽です。

みんな、トランプをしたり麻雀をしたり・・・
思い思いにヒマをつぶし始めます。

で、夕食を食べたあと12時間の採血をして就寝、
翌朝24時間の採血をして終了です。

これで、月給の半分くらいもらえましたね(^^)

今では、ある一定の規定を満たした病院でしか臨床試験を
実施してはいけないことになっています。


4.編集後記

前回の発行からだいぶ空いてしまいましたね。
申し訳ありません。


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  発行人:グッドラッグ
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