2006/12/12
フラワーデザイナーを目指す君たちへ 久保数政の遺言 vol.014 2006.12.12
フラワーデザイナーを目指す君たちへ 久保数政の遺言 vol.014 2006.12.12 ===================================== こんにちは。フラワーデザイナーの久保数政です。 クリスマスに向けて、仕事上は今年最後の山場がやってきており、ほとんど旅 から旅の毎日です。 12月3日は、北海道札幌の時計台でデモを行いましたが、油断して冬の格好を していなかったので、さすがに寒く、ちょっと風邪気味になってしまいました。 みなさんもくれぐれもお体、ご自愛下さいね。 前回、ご紹介したクリスマス特別無料動画レッスンは、12月25日まで、 「古典的なクリスマスのテーブルアレンジメント」というテーマを無料配信し ていますので、是非、お花が好きなお友達がおいでになりましたら、ご紹介下 さいね。 また、本講座でもクリスマスアレンジを公開していますが、これは結構高度な デザインとなっています。一ランク上のデザインに是非、チャレンジしてみて 下さい。 http://www.j87.net/kubo/index3.html さて、メルマガは14回目。 年末は多忙を極めますので、おそらく、今年最後のメルマガとなると思います。 フラワーデザイナーを目指す君たちへ。。。。伝えたい事があります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「動画で学ぶ!久保数政のフラワーアレンジメント講座」 ●第一章で体験版無料公開----------パラレルで構成した春のアレンジメント ●X'mas特別無料公開---------古典的なクリスマスのテーブルアレンジメント ■12月のテーマ、クリスマスとお正月用の2作品を配信中! (1)トレンドデザインを意識したクリスマスアレンジ (2)年末に最適! モダンなお正月用のお飾り http://www.j87.net/kubo/index3.html ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■ いろんなスタイルを考える。(2) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 前回は、日本人には世界から見ると変な価値観があり、それが日本におけるフ ラワーデザインのスタイル名にも影響を与えているという事をお話ししました。 そして、今回は、その日本人の変な価値観は何処から来るのかという事を、僕 なりに解説してみたいと思います。 前回お話しした通り、日本でフラワーデザインのスタイルを語る場合、何故か 国の名前で語られます。例えば、フレンチとか、ダッチとか。。。そんな分類 のされ方をしていますよね。 でも、世界に出るとそのスタイル名はまったく通じませんし、意味さえも持ち ません。 では、何故、日本人はこの世界的に見ると意味も無いスタイル名に、ここまで こだわるのでしょう。 ここには、日本人の個人というものの捉え方が、他の国と比べると希薄である という文化が影響している。。。という事が考えられます。 要するに、個人主義では無く、あくまでも団体の中の一人としての存在価値に 安らぎを求めてしまう。。。という文化的DNAが埋込まれているのでは。。。 と思うのです。 これは、お墓を例として上げるとわかり易いんですね。 当然、宗教感というものからも影響されていると思うのですが、日本のお墓に は、ほとんど「○○家の墓」もしくは「先祖代々の墓」と刻まれています。 古来から一族が一つのお墓に入るという文化があるんです。 それに比べて欧米のお墓は、非常に個人的なものとなります。 一人に一個、お墓があるのです。 そう、日本人というのは長い間、「個人」よりも社会的にみて一番小さな括り、 団体としての家族、いわゆる「家」を優先させる文化があるんです。 極端にいうと、欧米は、まず個人があって家族がある。それに比べて日本人は まず家族というよりは、先祖代々の「家」というものがあって、個人はあくま でもその中の一人であるという考え方を昔から持っているのです。 いわゆる公私でいう所の、「公」の部分が「私」というものより、上にあるん です。 だから昔は「○○さんち(家)のおじいさん」なんていう呼び名で通じていま した。 このように、日本人は文化的に誰か個人を語る時、まず「家」、団体の一人と して語られる事が多かったですし、その表現の方が何処か安心するんですね。 ですから、日本古来からのいけばなでも「○○流」という「家」と同じような 括りになってしまう。。。そして、それによって、その初代が亡くなっても、 ずっと途絶えず、長く続かせていくという手段で文化継承がなされてきた。 家が途絶える。。。というのが、日本人にとっては一番恐ろしかった。だから、 その恐怖が少しでも緩和されるような気がして、安心するんではないんだろう か。。。と思うんです。 そう考えると、日本人にとって「家」を感じさせるスタイル名というのは、と ても重要なことになるんです。 ですから、例えば久保数政流とか花阿彌スタイルというよりも、日本人にとっ ては「ヨーロピアンデザイン」と言った方が、括りが大きい分、不変性が感じ られるので、響きとしても心地良いですし、安心できるんですね。 そう、ここには長い文化の中で培われた日本人だけにしかわからない「共通了 解」が確かに存在している訳です。。。もちろん、表面的には響きがカッコ良 いというのもあるでしょうが。。。言葉というのは、あくまでもこの共通了解 があったうえで初めて通じるものですから、その存在は重要です。 だから、これは日本人特有の「文化的共通了解」の上に成り立ったスタイル分 類である。と言えますよね。 ところが、世界、特に欧米の人には、この日本人特有の「共通了解」がまった く無いわけですし、当然、理解できないので、何だそりゃ?という事になって しまう。 では、文化的には個人を大切にする国が多という事を踏まえて、世界に通用す る共通了解とは何なのか?。。。と考えてみますと、それこそが、デザイン理 論での分類である。。。と僕は考えている訳です。 まあ、一言でいうと「理論的共通了解」という事になるんですが、それは、次 回にお話しする事にしましょう。 お楽しみに。。。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■ NFD自由花材編試験のツボ 「特殊構成理論(7)----- (6)色彩」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回は、特殊構成理論の(6)色彩を解説しましょう。 誰でも色彩学という学問があるのはご存知でしょう。 従って色彩については、ここで全てを伝えるというのはとても不可能です。 とは言うものの、基本的な花の配色についての考え方と色相環の説明だけはし ておかなくてはなりませんね。 当然の事ながら、花の造形においても、色彩は非常に重要な意味を持ち、色彩 学の概念を基礎として考えられているのはもちろんなんですが、花を扱う場合、 例えば、1+1=2というように、それだけで、全てが割り切れるものではあり ません。 そう、色彩というのは、もともと人間の視覚によって生じる究めて感覚的なも のです。 よって、作品を見る人の主観的な感性がより強く反映されるので、その作品を 見る人によって多少異なる感覚を生じる場合もありますし、作品を置く環境、 例えば、光の当り方によっても変化するもの。。。と考える方が自然です。 特に、フラワーデザインにおいては、配色が一つのポイントとなりますから、 一般的な色彩学の概念に該当しないことも多々ありますし、使いこなすには、 やはりデザイナーの経験が大きく反映されるんですが、だからと言って闇雲に 自分の感覚だけで色を選んでいても進歩は望めない。。。というのも事実です。 そのための指針として、色彩学では、色を特徴づける性質、つまり色の質の違 いを色相、色の明暗を尺度化したものを明度、色の強さ、鮮やかさの度合いを 標準化したものを彩度と呼んでいます。 そして、これらで表される色の見え方を色の三属性といい、まず「色相環」と いうのものが基準となります。 これは、色の三原色である赤・青・黄が一次色、一次色のうちの二色を同量混 合することで得られる二次色、一次色と二次色との同量混合によって作られる 色を三次色といいます。 三次色に白を加えると、花に多いパステル系の色に、黄を加えるとアンバー系 の色になります。 この色相環は、図になっているとわかり易いのですが、このメルマガでは表現 できませんので、詳細内容はYahooやgoogleで「色相環」で検索してみましょ う。本を買わなくても、それだけでかなりの勉強になるはずです。 さて、花の造形において重要とされる配色は、簡単にいうと「花の色合わせ」 と考えればいいんですが、もちろん、この組み合わせは無限にあるわけです。 デザイナーはその無限の組み合わせの中から、制作される作品の配色が、誰が 見ても心地良い、または、見やすいという組み合わせ、調和の取れた色の組み 合わせを探し出さなくてはならないのですが、、、。 さあ、どうするか、、、というと、実はこの色相(色相環)と色調の二つの要 素を知る事で、ある程度、予測できるようになりますし、把握しやすくなるの です。。。そう、目安になる訳ですね。 色相とは、もちろん「色相環」の事と思って下さい。 そして、色調(トーン)とは明度と彩度を合わせた概念です。明るさと鮮やかさ を合わせた概念と言っても良いでしょう。 そして、配色の調和には、同系の色相と色調である類似による調和と、補色 (反対色)による調和、つまり対比による調和の両方があります。 作品の中に見られる配色で、変化と統一、複雑さと秩序など、相反する要素を 両立できるように調整することも配色の調和と考えますので、これらすべてを 色の調和(カラーハーモニー)と呼ぶ訳です。 、、、とまあ、ここから先を語るには、非常に難しい事を話さなければなりま せん。 例えば、対比による調和の配色では、色相と色調だけで全体を統一することは 実は困難で、色の分量や面積、つまり、花の数量や材質感までが、調和の要素 として意識しなければいけないとか。。。 同系の色相や色調の配色の場合は、どうしても単調になってしますので、この 単調さを補うために、対比的な色相や色調の色を加えることが良くあり、これ を強勢(アクセント)といい、この場合、釣り合い(バランス)をとるための色の 比例配分が非常に大切になるとか。。。。 主調(ドミナント)を類似の範囲でまとめる事で統一感の配色とするならば、強勢 (アクセント)は、言い換えれば、対比の配色(コントラスト)と言えるんだとか。 。。。。。 もう、語り出したら切りがないですし、一冊の本になってしまうほど、難しい ことになってしまうので、まずは、色に関する本を購入し、最低限「色相環」 の事ぐらいは理解しておきましょう。 後は、、、そうだな。。。動画レッスンなどで例を上げて、その度に説明して いますので、是非、ご覧になって下さいね。 ああ、それから、この色彩に関しては、男性よりも女性の方が感覚が良い場合 が多い傾向にあります。 これは、圧倒的に女性の方が、色を日常的に意識して見ているという事がプラ スになっているからでしょう。 ファッション紙などで多くの色に接していることは、色の感覚を養うのには最 善の環境を作っているのと同じことなのです。 ですから、男性は女性よりも、より意識して色に触れる習慣を身につける必要 があります。 ただ、女性は色の感覚は鋭いのですが、造形という面では、男性よりも多様性 に欠ける傾向にあるのも事実です。 色彩と造形、デザイナーとしてのバランスを手に入れるには、男性、女性共に 努力が必要であるという事でしょう。 さて、ここまでで「特殊構成理論」については、一応は話し終わりました。 次回、来年のメルマガからは、いよいよ「花の造形・一般造形理論」に入りま すので、特に女性の方には良く理解して頂きたいと思います。 それでは、良いクリスマスを。。。そして、良いお年を。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■募集しています ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 僕の主宰する花の学校、花阿彌では受講生を募集しています。 茅ヶ崎でお会いしましょう! ●花阿彌インストラクタ・コース 受講生募集 ヨーロピアン・デザインを理論的に教える花の学校、花阿彌ブルーメンシュ ーレのインストラクター養成講座の受講生を随時募集しています。花阿彌イ ンストラクターになると僕やガービ(ガブリエレ・ワーグナー久保)と一緒 に国際的な舞台で活動するチャンスがあります。たとえば・・ ⇒つづきはhttp://www.hana-ami.co.jp/gesch/instructor.html 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp 電話:0467-87-0987 ●フロリスト・リーダーのための集中セミナー 日時:2007年3月1日(木)〜3日(土) 会場:花阿彌本校(神奈川県茅ヶ崎市)講師:久保数政・ガブリエレ・ワ ーグナー久保 年2回開催の人気講座。現在または将来的に花を職業とする方向けの集中 レッスン。お店やお教室ですぐ使える実践的な作品・テクニックを伝授。 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■ 久保数政スケジュール ――――――――――――――――――――――――――――――――――― このコーナーでは、僕の活動スケジュールを公開します。 どこかの街で、会うことができたら気軽に声をかけてくださいね。 ●フロリスト・リーダーのためのサロン 日時:12月18日(月) 13:00〜18:00 会場:花阿彌本校(神奈川県茅ヶ崎市) 講師:久保数政 テーマと花資材持込の講座。 コンテスト作品の指導、デモンストレーションの相談、理論の深耕etc. テーマに制限はありません。 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ●IPM出展とグレゴ・セミナーの旅 日時:2007年1月21日(日)〜30日(火) 花阿彌インストラクター他とガービと僕で、IPM(ドイツ・エッセンで毎 年開催される国際花卉見本市)に作品展示ブースを出します。世界の注目 が集まるIPMの舞台に作品を発表できることは、参加者にとっても僕にと っても、とても楽しみです。もしもこの時期ドイツに行かれる方があれば、 ぜひIPMものぞいてみてください。 ●NFD資格検定試験(自由花材編)指導法セミナー 日程:2007年2月9日(金) 会場:東京八重洲ホール 講師:久保数政 テーマ:3級1、2、3、4 レクチャーデモ形式で、理論から実技までしっかり指導。わかりやすい指 導法を身につけられます。 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ●久保数政の東北セミナー 日時:2007年2月18日(日) 開催地:宮城県仙台市 問合せ先:みどりや結華学院 電話:090-3983-0259(担当/日下) ●フロリスト・リーダーのためのサロン 日時:3月15日(木) 13:00〜18:00 会場:花阿彌本校(神奈川県茅ヶ崎市) 講師:久保数政 テーマと花資材持込の講座。 コンテスト作品の指導、デモンストレーションの相談、理論の深耕etc. テーマに制限はありません。 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ●NFD資格検定試験(自由花材編)指導法セミナー 日程:3月22日(木) 会場:東京八重洲ホール テーマ:3級5、6、7、8 レクチャーデモ形式で、理論から実技までしっかり指導。わかりやすい指 導法を身につけられます。 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ●フロリストのための実力養成セミナー 日程:3月23日(金) 会場:東京八重洲ホール テーマ:TREND2007春 (実習2作品) 問合せ先:花阿彌事務局 info@hana-ami.co.jp TEL:0467-87-0987/FAX:0467-87-0981 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■ 僕が登場するサイト ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 花阿彌ホームページ♪ http://www.hana-ami.co.jp/ ⇒僕が主宰するお花の学校です。 本格的にプロのフラワーデザイナーを育成しています。 久保数政プライベートサイト http://www.j87.net/kubo/ ⇒僕のプライベートサイトです。 フラワーデザイナーに興味がある方への情報サイトです。WFUとの共同企画 で動画による僕のフラワーレッスンも公開しています。 WFU(World Flower University) http://www.j87.net ⇒Webで気軽に学べるお花の学校です。 僕がヨーロピアンデザイン講座を担当しています。このメールニュースも、 ここのスタッフの協力で配信しています。なんと「NFD自由花材編対策DVD」 も販売していますよ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― お花を愛するみんな。どうもありがとう。 次回もお楽しみに。 フラワーデザイナー 花阿彌 久保数政 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――



