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漫才西遊記。こんな奴らが天竺にいける!?「「ウィークリーまぐまぐ[エンタテイメント版]」2006/04/28号「今週のおすすめコーナー」に掲載!

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2007/11/11

ネオ西遊記 vol.29 


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           漫才バージョン  西遊記 vol.29            
 
      
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            第ニ十九話:ひとり芝居


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(前回までのあらすじ)
 妖怪エスカルGoの呪いでカタツムリにされてしまった三蔵一行。このままでは、妖
怪パーティーのメインディッシュのエスカルゴにされてしまう! ただ一人呪いの解
けた八戒は、仲間を連れて走って逃げるが、途中で疲れちゃったので小一時間ばかり
寝る事にしたのだった。
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ぐぁ−!

 天上まで響くような大いびきをかいて眠る八戒。その背後に、最速パワー(時速10
センチ)のエスカルGOが迫って来ます。

「おい、起きんかい! チャーシューにしてまうど!」

 三蔵ツムリは八戒の耳もとで叫びました。が、しかし、八戒は起きません。
 そうこうしているうちに、みるみる(?)エスカルGOが近付いて来ました。あせる
三蔵ツムリ。ついに悟空ツムリにヘルプを求めます。
「おい、悟空! なんとかせいや」
「何が?」
「『何が?』やないわ。このままでは捕まってしまうがな。このブタ起こしてくれや」
「しゃあないな」
 悟空ツムリはめんどうくさそうに八戒の耳もとに近付くと、叫びました。

「あ! イケメン!」

 ばちっ!

 八戒の目が開きます。

「どうや? 必殺目覚ましの術や」

 悟空ツムリが得意げに言います。

「ようやった、サル!」

 喜ぶ三蔵ツムリ。

 が、しかし…


「ぐ…ぐふう…」


 八戒が眉間にしわをよせてうめきました。

「な…なんや?」

 尋ねる三蔵ツムリに八戒はこう答えました。

「か…金縛だぞよ。動けないぞよ…」

「なんじゃそらあ!」

 突っ込む三蔵ツムリ。

 まったく、こんな時に金縛りにあっている場合ではありません。
 しかし、かかってしまったもんはしょうがないのです。
 八戒は苦しそうに、あえぎながら言いました。

「あ…悪霊が…悪霊がそこにいる」

「あ…悪霊やて?」

 三蔵ツムリはぞっとして辺りを見回しました。が、しかし何も見えません。

「気…気のせいやそんなもん。金縛りなんて、99%は、過度のストレスと肉体疲労が
重なった時に起きる生理現象や」
 三蔵ツムリが言うと、悟空ツムリがぼそっとつぶやきました。
「せやけどこいつに、金縛りにあう程のストレスと肉体疲労が有るのかな?」

 言われてみればそうです。

「て、ことは、なんや? ホンマに悪霊が来てるんか?」
「ああ。俺らには見えんけど、こいつには見えてるんやろう」

 その言葉に三蔵ツムリは身震いをします。何しろ、三蔵ツムリは、おばけとゴキブリ
がヤクザより苦手なのです。

「ああ、悪霊が、悪霊が近付いて来る…」

 八戒が呻きました。その顔がみるみる青ざめていきます。どうやら本当に、八戒に
は悪霊が見えているようです!

「ああ…悪霊が目の前に…!」

 八戒は虚空に向かい、震える手をさし伸ばしました。そこに何かいるのでしょう。

「おい、大丈夫か?」

 三蔵ツムリはだんだん怖くなって来ました。

「ああ、悪霊がアップになったぞよ。そしてなにか言っているぞよ」

 まるでオカルトです。

「な…何を言うてんねん?」

 震えながら尋ねる三蔵ツムリに、八戒は答えました。

「こ…こう言っているぞよ


 『これ、八戒。仲間を助ける最中に眠るとは何ごとですか!』」


「…って理事長かい!」

 突っ込む三蔵ツムリ。

「いろんな登場の仕方するなあ…」

 妙に感心する悟空ツムリ。

 そして、八戒の言葉は続きます。

「『このまま居眠りを続けるなら、お前は永遠にブタのままです』

 …それはいやだぞよ〜。

 『が、しかしボーナスチャンスを与えましょう』

 …なんだぞよ〜

 『今から一歩も立ち止まらずにここから、1キロ程南の洞くつにたどり着き、そこに
 封印してある妖力を解くアイテムをゲットする事ができたなら、お前を元の美しい
 鈴桃華の姿に戻してやりましょう』

 …それはすごいぞよ〜!」

 ものすごいボーナスチャンスです。
 まるで、ラストクイズに答えられたら10倍の点がつくから、今までの勝負全然意味
ないじゃん! みたいなチャンスです。こんなチャンスを逃す手はありません。

「わ…分かったぞよ。わらわはやるぞよ」

 八戒は苦しい息の下でうなずきました。そのとたんに金縛りが解け、八戒は立ち上
がりました。そして三蔵ツムリ達を懐に入れて勢いよく走り出したのです!

 それを見たエスカルGOは言いました。

「むむ! いきなり足が速くなったずら。じゃあ、おらも本気になるズラ!」
 そして、貝の中から星形の実を取り出し「光速の実〜!」と叫びました。

「おい、光速の実やて、なんや?」

 不安げな三蔵ツムリに悟空ツムリが答えました。

「足が速くなる薬や。あれを飲むと、普段の100倍の速さで走る事ができるんや」
「100倍?」

 ますます不安げになる三蔵ツムリに悟空ツムリは言いました。

「大丈夫や。あいつの普段の速さは時速30センチやもん。100倍したって時速30メート
ルや。亀のアスリートにも勝てんわ」

「そ…そうやな」

 ホッとした三蔵ツムリ。

「いくらあいつの足が速くなったかて、カタツムリに他の生物が負けるわけないわな」

 が、しかし、全力疾走のエスカルGOはみるみるうちに八戒に迫って来ました。
 なぜなら、八戒の速さが時速32メートルだったからです。

「カタツムリに追い付かれるなんて…」

 三蔵ツムリはつぶやきました。

「お前にほ乳類としてのプライドは無いんか?」




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『ネオ西遊記』   作:発行/ min 2007/10/14
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