2009/09/15
縄文塾通信9年9月号-4(409号)
************************************************** ◎寄稿・ご意見など歓迎します。 ◎転載は歓迎いたしますが、出処だけは明記下さい。 ◎投稿・ご意見・感想などをお寄せ下さい。 ハンドル・ネームでも結構ですが、スパム・メール 対策を最高にしております。初めて投稿の方は、件名 を日本語、要件を明記下さい! ◎生来の粗忽さに、老齢性ボケが加わり、しかも、一人 編集・一人校正のため、時間に追われて?の「誤字・ 転換ミス・脱字…」多発のこと、平にご容赦!! ************************************************** 縄文塾通信 <9年9月号-4(409号)> 縄文暦12009年9月15日 ★縄文塾HP ⇒ http://joumon-juku.com <論文・論評・エッセー集の一覧ガイド> ⇒ http://joumon-juku.com/guide/index.html ★縄文ブログ ⇒ http://joumontn.jugem.jp/ ★「縄文塾通信」メルマガ登録は ⇒ http://www.mag2.com/m/0000184916.html ★ mail to : nakamura@joumon-juku.com ************************************************** <9月号ー4(409号)目次> ************************************************** ◎巻頭言 ◎かくなる上はジタバタすまい <その1> 保守について考える 中村 忠之 ◎中国とインドは本当に和解したのか? 宮崎 正弘 ◎CO2削減はNHKから 武田 邦彦 ◎感染症プロ、3女性に注目! 石岡 荘十 ◎フロント・ストップ・ランプ 馬場 伯明 ◎トッピックス ◎<告知板> ◎推奨サイトの紹介 ************************************************** 巻頭言 (故)村山節(みさお)先生の「文明法則史学=東西 文明周期800年説」をご存じだろうか。ご存じでない 方は、ぜひ同説後継者の組織する以下URLを参照願い たい。 ⇒ http://www.ktroad.ne.jp/~bunmei/ 筆者も幾度かごくアウトラインと現状の驚くべき一致 を紹介しているので、グーグルあるいはヤフーで「東西 文明周期800年説」を検索願いたい。 村山先生は一市井の研究者として、既成のアカデミック な世界での評価は低いが、日本発の世界に冠たる歴史学 であり、且つ一種の予言書でもある。 ほんの一例だが、ちょうど800年目の東西文明交代 期が、この21世紀に当たる。こうした交代期には、過 去も同じくその前後には、その固体に伴う大混乱が生じ るとしている。 そう言われると、確かにユダヤ・キリスト・イスラム という々寝に発した西洋発一神教の状況を一瞥するだけ で、またスペイン・イギリスそしてアメリカという超大 国の栄枯盛衰の推移を見れば、大いに納得できるという ものだ。 ただ問題は、東=アジアの時代が到来するとして── かつては言うまでもなくチャイナであったが──果たし て新時代を受け継ぐ盟主はどこか? 日本と言いたいと ころだが、今の日本における、まるで覇気を失った内向 きのだらしない状態では素直に肯定しにくいものがある。 いまこそ広い視野、高い視点で世界を見渡せる平時化 の出現を待つや切である。 (中村) ************************************************** ■□■━━━━━━━━■□■ いまさらジタバタすまい ■□■━━━━━━━━━━━━■□■ <その1> 保守について考える ■□■━━━━━━━━━━━━■□■ 中村 忠之 どう足掻いてみても、自民が倒れ民主が大勝したこと には変わりない。大勝し、しかも選挙名人の小沢さんを 参院選参謀に当てながら、なぜか国民新党・社民党と 「右顧左眄」する民主に対して、マスコモは異様に好意 的である。 それはさておき、保守の立場を取る人たちは、まず自 民党の崩壊について、支持した責任上、そのあたりを総 括して自戒と反省も含めて発言を期待したいものだ。ど なたかが指摘したように、民主の勝利と言うよりも、む しろ自民が独り相撲で土俵の外のに飛び出したようなも のである。 いまさらジタバタするのはよして、気付く範囲でその 「敗因分析」と、今後の対応・対策など、思いつくまま に触れてみたい。その第一回目が「保守」という言葉の 再点検である。 「保守派」の分裂 ■□────── 数年前から気になっていたことだが、昨今「いわゆる」 保守陣営の乱れや分裂が目立っている。たとえば「歴 史教科書」陣営の分裂・喧嘩別れである。それまで仲良 くしていた人たちが、急に袂を分かち、それぞれ相手の 非を罵り始めたことである。 だったら、なぜはじめから議論を尽くさなかったのか。 まるで「子供の喧嘩」であって、そのお蔭?で、いま ではこちらの熱意もすっかり萎んでしまった。 また「自民党をぶっ潰した」小泉さんは、党内郵政民 主化反対論者を、「刺客」を送ってまで追い落とし、そ のことに、古い体質の自民に飽き飽きしていた選挙民は 歓呼の声を上げて大胆な改革を歓迎した。 その一方で小泉さんは、靖国神社に参拝を続ける保守 派の側面も有している。彼らの心中には、小泉さんの改 革路線に新しい自民党を重ね合せて喝采したのである。 今の自民は、まるまる小泉さんの遺産(衆議院席数) の上に立ちながら、まるで逆コースを辿っている。選挙 民の反発強さは、その無神経さにある。 たとえばその証拠に、官僚政治の打破を叫んで離党し た渡辺喜美の「みんなの党」など、悠々と議席を確保し ているではないか。 やはり麻生さんのように「ぶれる」しかも逆コースを 辿ることがタブーなことはいうまでもない。小泉改革に 反対した守旧派を復権させたばかりか、大臣にまで登用 し、はては同行革には反対だったなど宣うようではいや はや…。 「保守」とはなんだ ■□─────── アメリカの二大政党は、共和党=保守、民主党=リベ ラルと、明確に色分けされているが、日本での自民・民 主は、そんな明確な思想区分はまずではない。だからい ままで幾度となく離合集散を繰返してきた。 ご存じいまの民主は、自民田中派と旧社民の寄り合い 所帯となっている。今後二大政党制が確立されてくれば 多少は事情も変わってくるだろうが、それには何度か 「ガラガラポン」が必要であろう。 もっとも「情」の日本に、「理」の論理を持ち込むこ とは、どだい無理だろう。 ここであらためて、「保守」とはなになのか考えてみ たい。 手元にある広辞苑の電子辞書版によると、(関連性 のある部分だけだが) 1.たちまもること。正常な状態などを維持すること。 2.旧来の風習・伝統を重んじ、それを保存しようとい うこと。反対語=革新。 一方「守旧」では 旧習を守ること。保守。墨守。「──派」 とある。 つまり「保守派」と「守旧派」両者に大きな区別がな いばかりか、(広辞苑の)反対語として「革新」がある とすれば、小泉さんが行なった「郵政改革」は(自民党 として)間違いだということになるはずだ。ここは広辞 苑の方がおかしい。 だったら旧国鉄→JRや、日本電電公社→NTTとい う改革はどうか。いずれも断行したのは自民党で、最後 まで頑強に反対したのは、(さすがにこういう呼称はな くなったが)かつての社会・共産という革新政党であっ た。 ということは、この保守という言葉自体が陳腐化した か、明治維新時における外来語の日本語変換に無理があ ったことになる。 (原語かどうか)英語における 'Conservatism/Conser vative ’の本来の意味との乖離はどうなんだろう。ど なたかこの英語弱者に御教示願いたい。 真性保守とは? ■□───── またよく「真性保守」という言葉があり、筆者も良く 用いてきた。だが一体どこが(あるいは誰が)真性保守 で、どこ(誰)が似非(エセ)保守かわからないことが 多い。たしかに物事には、すべて両面(あるいは多面性 )があって、ある一面だけ見ての判断や意見は危険であ り、大勢を見誤る恐れがある。 ちなみに筆者の思想的スタンスとして、 「日本は、(現在の官僚システムに代表されるように) 弥生というコメづくりに発する「守旧的保守」が行き 詰まった時に、縄文的創造・改革によって甦り続けてき た」 という持論に基づいており、縄文人×弥生人=ハイブリ ッド民族の中で、乱世にあたって、縄文的要素の強い人 こそ「真性保守」だという発想である。 特に今回の選挙では、ただ選挙民の付和雷同性とか、 マニフェストの優劣だけでなく、小泉さんの行き過ぎを 咎めたのではない。要するに、真性保守不在の自民党政 治が飽きられ、新しいもの、若い力に選挙民に気持ちが 動いたことが最大の要因だといえるだろう。 なお、小泉改革で閣外に去った平沼赳夫を「真性保守 」と呼ぶ声が高い。勿論彼も郵政改革反対派である。だ ったら彼が、凡百の守旧派ではないところを大いに知ら しめるべきではないか。 でないと、下手をすれば(凡百の)守旧派連中・族議 員連中も、併せて「真性保守派」になりかねない。 だれが日本を貶(おとし)めたのか? ■□─────────────── 幻冬舎新書から、小林よしのり編『日本を貶めた10人 の売国政治家』とう本が上梓された(らしい)。詳細は 避けるが、この10名(ここでは11人!?) ワースト順11位まで (敬称略) 1.河野洋平。2.村山富市。3.小泉純一郎。4.小 沢一郎。5.中曽根康弘。6.野中広務。7.竹中平蔵 。8.福田康夫。99.森喜朗。110.加藤紘一。11 .土井たか子。 とある。詳細は避けるが、選んだのはいわば錚々たる保 守論陣で、選ばれた人はすべて存命中という事を別とす れば、私としては、一時といえども国民に大きく支持さ れ、ある意味で古い仕組みに風穴を開けた小泉・竹中 コンビを、こうした上位に挙げるのはどうも納得が行か ない。 小泉改革の前提として、フェッジ・ファンドやデリヴ ァティヴという仕組みや金融商品に足して、まったく知 識を待たなかった(旧大蔵官僚)と、その後彼らの急造 ・捏造「グローバル・スタンダード論理」に押されるま ま、素っ裸で「金融ビッグバン」を行なって、日本金融 界を奈落の底に落としてしまった、橋本龍太郎を忘れて はいけない。 それに加えて、バブルを助長する「マイホーム倍増論」 を唱えて可処分所得を固定化し、しかも地価のオーバ ーヒートを招来し、金融危機に直面するや、一転強い土 地売買規制を断行してバブル崩壊を惹起して、その後の 日本経済を暗く長いトンネル追いやった宮沢喜一の両名 を、まず取上げるべきではないか。 勿論大きな改革には、その光の部分が大きければ大き いほど、影の部分だって大きくなる。たとえば郵政改革 前の「グリーンピア」「かんぽの宿」の問題を忘れたの か。集票マシーンとして「特定郵便局」と族議員の癒着 の構図はどうか。 バブル崩壊後「失われた10年」と言われ、疲弊にう ちひしがれた金融界の蘇生にあたって、公的資金を投入 して債務を軽減し、その後岩戸景気を抜くと言われた好 況を招来したのは、「市場原理主義者」と指弾されなが ら、まったく逆の投資規制と金融機関援助を断行し、今 回のリーマンショックの処方箋として、世界中での対応 に役立っているのは、竹中セオリーの功績ではなったか。 それまで多くの経済評論家や金融アナリスト、はたま た経済学者にしても、だれもが成し得なかったバブル崩 壊後の日本経済立ち直りを実現したのも竹中采配である。 いま雇用制度の改悪面のみを強調するが、もしそれが なかったら日本企業の死屍累々と言う事態に直面したか も知れないではないか。物事を一面のみで判断する習慣 は、いい加減で卒業して欲しいものだ。 もちろん、行き過ぎは是正し、不足分は補填すること が肝要だが、非を追求するのみで功を無視するのは、少 なくとも正しい「保守」のすることではない。 *********************************************** 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 9月12日 第2707号より ⇒ http://www.melma.com/backnumber_45206 ■□■━━━━━━━━━━━━■□■ 中国とインドは本当に和解したのか? ■□■━━━━━━━━━━━━■□■ 宮崎 正弘 カラコルム峠(5575メートル)を抜けるハイウ ェイの道幅を三倍に拡張パキスタンから中国へのルート、 重戦車、装甲車も通行可能に…… ******************** 中国とインドは本当に和解したのか? 両国は領土係争を棚上げしたまま、貿易拡大で合意し、 過去十年に額面、量ともに数倍の規模に拡大させた。 中国空軍はチベットのラサに二つの空軍基地(ホーピ ンとコンカ)を持っており、さらにチベット国内に四つ、 本格的な空軍基地を作る。緊急展開部隊だという。 しかし何のための緊急展開部隊なのだろう? 合計23500人の空軍。ジェット戦争機はスホイ3 0を配備。これはインド向け軍事力いがいの何物でもな い。 陸軍は青海省などから二個師団が交替でチベット各地 に常駐している模様で、もっともインド情報筋が注目し ているのはカラコルム・ハイウエィの拡張工事だ。 現在パキスタンから中国新彊ウィグル自治区の南端に 位置するホータン方面にのびている同ハイウェイは、道 幅が10メートル、これを三倍の30メートルに拡張す ると、重戦車、装甲車など重装備の軍事車両が通行可能 となる。 すでに青海省の西寧からチベットのラサへ鉄道を繋ぎ (西蔵鉄道)、これは北京にも直通である。さらにラサ から、シガッツェへの延長工事をしている。シガッツェ はパンチェン・ラマの本拠地。 もう一本の鉄道を四川省の成都からラサへ繋ぐ計画だ が、工事が大幅に遅延していることは既報の通り。 ▲インドへの緊急軍事展開能力が爆発的に向上 これらの大交通網は、いったいナニが目的なのか? インドを包囲する戦略的配置であり、鉄道、飛行機、 自動車による複数の兵站ルートを完成させると、一朝こ とあれば、たちまちにして戦力の増強補充が可能であり、 中国の軍事戦略上の壮大なビジョンの完成である。 今夏八月、中国はすでに瀋陽、蘭州、済南、広州の各 軍管区から五万の兵力を動員するという空前の軍事演習 を敢行している。この演習では民間機も軍用に総動員さ れ、緊急展開のスピードを瞠目すべきほどのレベルに向 上させたという(ジェイムズタウン財団『チャイナ・ブ リーフ』、9月10日号)。 ところで日本での報道はといえば、「北京市六環路」の 全線開通の話ばかり、これは全長187・6キロ。現在 、中国最長の高速道路で北京とハルピン、瀋陽、天津な どに連結している。またたくまに高速道路を作り上げる ブルドーザ国家チャイナの建設能力は驚くほど上がって いる。 ************************************************** 武田邦彦(中部大学)ブログ 9月7日より ⇒ http://takedanet.com/ <中村のコメント> ブログ トラネコ日記(9/14)「風土と民族気質」 ある、 >江戸時代の三大飢饉(享保・天明・天保)のころも一 揆が多かった。 だが、これは(天明の浅間山噴火など)一過性の天災も あったが、むしろ寒冷化による被害がほとんどであった 。 近くでは、タイ米輸入で大騒ぎした1993年の冷害 、そして野菜の高騰を生んだ──秋のコメ収穫が懸念さ れる──今年の冷夏。 このことは、決して気候が温暖化一本道出ないことを 示すと同時に、寒冷化の被害の方が、格段に大きな事を 明示しているとともに、その理由を追求する必要性が肝 要だ。 また温暖化の元凶を、ppm以下の単位のCO2の動 向だけにおっ被せるだけでいいのだろうか。その場合、 たとえば今年の冷夏の理由をどのように説明するのか。 もう一つ、鳩山さんは、CO2(など温室効果ガス) を、京都議定書における1990年に遡って、2020 年までに25%削減すると公言した。 ここには現在のCO2排出量が欠如している。数年前 にすでに1990年の数値を10%も上回っているとい うことだったが、さて現在はどうなのかをまず検証すべ きではないか。なぜかこの声はほとんど聞かない。 ■□■━━━━━■□■ CO2削減はNHKから ■□■━━━━━■□■ 武田 邦彦 CO2を25%削減するのはNHKから始めて下さい 民主党が、温暖化対策として1990年比、25%削減 を目標とすると言った、 それなら、まず、NHKが見本を示すよう業務命令を出 すべきだろう。すでにNHKは1990年比80%も増 加しているから、25%削減するということは、現在を 基準にして半分以下、つまり40%にするということだ。 NHKも自分が80%もCO2を増やしておいて、「明 日のエコでは間に合わない」などとぼけたことを言って いないで、誠実さを取り戻して欲しい.日本人は誠が命 なのだ。 CO2を削減するには活動を下げなければならないから、 受信料も40%下げることができる。 CO2を削減するために税金を取るなどという飛んでも ないことを言っているが、CO2を削減するということ は活動を下げることだから、税金も25%下がるはずな のである。 ・・・・・・・・・ ここが、国民の頭が回るかどうかの勝負だ。 CO2を削減するために税金を取って官僚の活動を増や すと、それだけさらに庶民は苦しくなる。そんなことに なる前に、東大の渡辺正先生のご意見を参考にしてほし い。 先生は、CO2を削減すると言うことは活動を下げるこ とであることをデータで証明している。税金を下げれば、 それだけ官庁も仕事を減らさなければならない。 この際,官庁もNHKも一度、「削減」という辛さを味 わったら庶民の苦しさが判る。NHKは職を失って苦し む視聴者を多く映しているが、一度、自分が経験すると 番組も良くなるだろう。貴族に庶民のことが分かっても らっては困る。 「エコのために電気を消しましょう」などと言っている が、もともと電気代を節約するために節電ぐらいしてい る。節電していないのはNHKの職員と官僚、社長だけ だ。 NHKも中央官庁も、一度、60%の人に退職していた だき、人員40%で、再スタートを切る。そうすれば、 職を失う恐怖というのがどういうものなのかわかり、 「明日のエコでは・・・」などと見当外れのことを言うの を止めるだろう。 人間は悪いことをして人生を送るのは悲惨である。 ************************************************** わたなべりやうじらうのメイル・マガジン 「頂門の一針」9月9日 1664号 より ⇒ http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm ■□■━━━━━━━━■□■ 感染症プロ、3女性に注目! ■□■━━━━━━━━■□■ 石岡 荘十 新型インフルエンザの蔓延でにわかに社会問題となった感染症。昔は伝 染病といわれたもので,1897年(明治31年)に制定された伝染病予防法 を改正し、感染症予防法が出来たのが1999年、このとき「伝染病」とい う言葉も「感染症」に言い換えられた。 わずか10年前のことで、比較的新しいジャンルの学問ということが出来 る。どちらかというと、マイナーな分野という印象があるが、歴史的に はペスト、天然痘、スペイン風邪など数百、数千万人の死者を出す病気 として恐れられている。この分野で、いま(勇猛?)有能果敢な女性医 師が、官僚を凌ぐ影響をもたらしている。3人の女性プロを紹介する。 1人目は、新藤奈邦子さん。 肩書きはWHO(世界保健機関)本部(ジュネーブ)のメディカル・オ フィサー。世界をまたにかけて、鳥インフルエンザやパンでミック(世 界的大流行)に関わる大規模感染症の制圧活動に当たっている。 第一報が入ると現地へ飛ぶ。アンゴラなどにも派遣されウイルス性出血 熱の封じ込め、制圧のため現地で指導に当たったこともある“猛者”で ある。 1990年、東京慈恵医科大学卆。ロンドンの病院で研修後,母校で脳神経外 科医として働き始めるが、職場でセクハラに遭ったこともあって日本は 女性医師の働く環境がないことを痛感、内科に転向。 国立感染症研究所情報センターからWHOに応募。世界から殺到した応 募者671人の中から選ばれ、2002年WHOへ。 2006年2月、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され一 躍「インフルエンザなら新藤」と注目を浴びるようになった。番組の中 で、医師になった動機を語っている。それは脳腫瘍で失った弟の言葉だっ た。 「医師になって、ぼくと同じように苦しんでいる人に、ぼくの代わりに 明日があると言ってほしい」 現在は2児と一緒にジュネーブに永住、今回も新型インフルエンザで日 本に一時帰国して、国立感染症研究所で、世界のスタンダードで新型イ ンフルエンザ対策のアドバイス当たっている。 「管理職以上は外交官扱いを受け、サラリーも悪くない」とメーマガジ ンでインタビューに答えている。 http://yamabuki.ewoman.co.jp/report_db/id/2601/dow/1 2人目、木村盛世さん。 筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫 学部修士課程修了。優れた研究者に贈られるジョンズ・ホプキンス大学 デルタオメガスカラーシップを受賞する。 内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロ ジェクトコーディネイターを経て帰国。財団法人結核予防会に勤務後、 厚労省に入省。大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官(羽田検疫所)。 専門は感染症疫学。 彼女についてはこれまでにも何度か書いてきたが、現役の官僚でありな がら、厚労省を鋭く批判した著作「厚生労働省崩壊」(講談社)が評価 され、新型インフルエンザ問題の集中審議が行われた参議院予算委員会 (5/28)では、野党側の参考人として証言を行ったこともある。 これが呼び水となって、新聞、テレビ、週刊誌などあらゆるマスコミの 間で引っ張りだこになった。 http://www.melma.com/backnumber_108241_4480390/ (「心配なのは医系技官の水準」 5/15) http://www.melma.com/backnumber_108241_4543183/ (「木村もりよさんインタビュー」 7/14) 最近のメールマガジンでも、厚労省にいる医系技官250人について <医師は人(患者)の傍にいてこそ医師である。日進月歩の医療界の中 で患者も診ず、論文も読まずでは妥当な対策が立てられるはずもない。 現場を知ろうとしない医系技官は医師免許を捨てたらどうだろうか> とバッサリ。 最後の1人は、重村直子さん。 重村さんはその現役の医系技官の1人だが他の医系技官とは一味違う。 1998年東大医学部卒の医師で、日米で予防医療の臨床を経験した後、入 省。まだお若いのに、舛添厚労相の私的なアドバイザーグループ「大臣 政策室」の政策官に抜擢され、予防医学の専門家として大臣に意見を具 申し、アドバイスをつづけている。 ワクチンの輸入問題で、「副作用被害の補償制度や、ワクチンメーカー の責任を問わない無過失免責制度などの法の改正をすべき」とした大臣 の発言の振り付けをしたのは彼女だといわれる。 http://www.melma.com/backnumber_108241_4591985/ (「副作用の無過失補償制度」8/29) 以上、3人に共通しているのは、国内の大学を卒業後、欧米の大学でみっ ちり公衆衛生学の教育を受けていることだ。 日本の公衆衛生学教育のレベルは欧米やアジアの一部諸国に比べて大き く立ち遅れているのが現状である。そのため多くの日本人が海外の公衆 衛生大学院で学ぶために留学する。 <私が学んだジョンズ・ホプキンズ大学で出会った優秀な日本人は誰一 人として日本に帰ってこない。それは日本に魅力がないからだと思う。 今の課長、局長と言った幹部は自分たちの天下り先だけを考えて仕事を しており、行動すべてが保身のためで国民の方をまったく向いていな い。>(木村防疫官)。 WHOの新藤メディカル・オフィサーも帰国する意思はないという。 彼女たちの発想が厚労省官僚と異なるのは、日米の教育制度に由来する。 舛添厚労相と彼女たちは、波長が合ったらしい。現場医師のメールを読 むと、これからも大臣を突破口に政治主導で日本の医療制度改革に取り 組んでもらいたい、と期待している。 だが、舛添大臣の退任は近い。厚労省ではほっとした空気が流れている そうだ。彼女たちの思考回路はHIV訴訟で政治主導の判断を示した菅 元厚労相とも近いように思われる。 次期大臣は誰か。その後の彼女たちの処遇が気になるところである。 ************************************************** わたなべりやうじらうのメイル・マガジン 「頂門の一針」9月8日 1663号より ⇒ http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm ■□■━━━━━━━━━■□■ フロント・ストップ・ランプ ■□■━━━━━━━━━■□■ 馬場 伯明 千葉県のJR稲毛駅近く。無信号機の横断歩道に一歩踏み出したとき、 乗用車が走ってきて横断歩道の直前で急停車した。危ない!「免許証を 出しなさい!」と思わず大きな声を出してしまった。運転者は若い女性 である。 「今後、歩行者がいたら必ず停止しなさいね」と女性に注意し、横断歩 道を渡った。(彼女は今後法令を守るだろうか・・・) 運転者と歩行者はお互い見知らぬ者である。偶然の場所で「信頼の原則」 により運転し、歩行している。これは薄氷を踏むような危い関係であり、 歩行者には「不安と恐怖の原則」である。 以前本誌に掲載していただいたが(主宰者の了解を得て)再び「自動車 の前面に赤い停止灯(フロント・ストップ・ランプ)装置の設置を義務 づける」という提案をしたい。 この提案には百利があり一害もない。早期に関連法改正を行い実現させ たいものだ。自動車メーカーと国土交通省にはぜひご協力いただきたい。 《 無信号機の横断歩道では)横断歩道等によりその進路の前方を横断 し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直 前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない (道路交通法第38条) 》一時停止は法令による運転者の義務である。 しかし、現実には歩行者は信号のない横断歩道のたもとに立ち尽してい る。「開かずの横断歩道」である。一歩が踏み出せない。歩行者はわが 身を守るために通り過ぎる自動車が途切れるまでじっと待つしかない。 さらに問題は、無信号機の横断歩道で、走ってくる自動車が停止するか どうかが歩行者にはわからないことだ。自動車・運転者を「信頼」した ばかりに撥ねられてしまったら丸損である。 この場合、自動車の前面で停止灯が赤く光るならば、運転者の進行・停 止の意思がわかる。歩行者は運転者との「(見える)信頼の原則」によ り安心して横断歩道に一歩を踏み出すことができる。 この装置は自動車間でも意味がある。交差点で私が直進・相手が右折と する。私は相手が急に右折発進するのか、私をやり過ごすのかがわから ない。おそらく停止するだろうという見知らぬ相手への不安な「信頼」 だけが頼りである。 自動車の前方の停止灯が赤く光れば私(直進車)は安心して直進走行で きる。相手の運転意思がわからないことに起因する多くの自動車事故の 発生を相当数防止できるだろう。 三十数年前の岡山市。私は「歩行者妨害」でパトカーに捕まり罰金・減 点をもらった。広い30m道路に脇道から左折しようとしたとき、女性が 中央分離帯付近の横断歩道を歩いてきた。 私は運転席から右手をかざし彼女も会釈を返し、「信頼の原則」により 通り過ぎたと思った。その途端、物陰からパトカーのサイレンが響いた。 警官は私に冷たくいった。 「一昨日老人が横断歩道を歩行中に青年に撥ねられ死亡した。今日は全 県域で『歩行者妨害』を取締まっている。法を守れ」と。私は一瞬むか っときたが、それでも殺された老人の無念を思い納得した。老人は善意 で運転者を「信頼」したまま殺されたのである。 もしも、自動車の前方で停止灯が赤く光る構造であったら、つまり、停 止灯が光らなければ「危険」と判断することができた。老人は一歩を踏 み留まっていたかもしれない。 もう一つの事例。15年前の千葉市。信号待ちをしている私の自動車にあ る自動車がまったくブレーキも踏まず追突した(「泥酔運転者」であっ た)。 私は、たまたま車内のバックミラーを見ていた。「あっ当る!危ない」。 一瞬サイドブレーキを外し、頭をヘッドレストにもたれた。そのまま追 突され、私の自動車も前の自動車に玉突きで追突し、前後が大破した。 だが、追突の衝撃は吸収され身体への悪影響はなかった。この意味する ところは何か。もしも、自動車の前面に赤い停止灯(フロント・ストッ プランプ)が設置されていたとしよう。 後続車の前面の停止灯が赤く光れば安心(停止の意思)。光らなければ 危険と認識し必要な対処ができる。人身被害を回避できる可能性が高い ということだ。 自動車メーカーは、この安全対策の提案「フロント・ストップ・ランプ の設置」に自主的に取り組み、ぜひとも実現してもらいたい。工業所有 権などの制約や問題はないはずである。 また、国土交通省などの関係省庁は法令の改正に着手していただきたい。 かつて、外国では常識であったバックミラーのボンネットから運転席の 窓近くへの移動ですら長期間放置された。その轍を踏んではならない。 本提案を関係省庁や自動車メーカーにお送りする。真剣に検討し、実現 していただければ、うれしい。 ************************************************** <トピックス> <その1>“ どこへ行った民主党「農政の理念」 ” Foresightコンテンツ-新潮社ニュースマガジン 8月15日発売のフォーサイト9月号より <中村のコメント> ちょうど今読んでいるのが、全国農業協同組合中央会 (全中)が「禁書」に指定したというのが、日本農政上 3つの大罪の一つと指摘した──「『農業基本法』『食 糧管理(食管)法と並ぶ──日本農政上3つの大罪の1 つと指摘した『農協の大罪』(山下一仁著 宝島社新書) である。 当然農協にとって耳に痛いことだが、だからといって 禁書とはいただけない。出来れば近く書評で取上げたい 。 どこへ行った民主党「農政の理念」 ジャーナリスト 一ノ口晴人 選挙活動で民主、自民両党とも、政策は置き去り。相次 いで出版された「農政の良書」を片手に、進むべき道を 整理してみよう。 「組合員にはできるだけ読ませないように」 今年の早春、農協(JA)のヘッド・クオーターであ る全国農業協同組合中央会(全中)が、ある書籍を「禁 書」に指定した。一月に出版された『農協の大罪』(宝 島社新書)である。 民主党のマニフェストにはこうある。「官僚丸投げの 政治から政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」「各 省の縦割り省益から官邸主導の国益へ」… 著者の山下一仁・経済産業研究所上席研究員は、二〇 〇八年に農林水産省を退官したばかり。農政の裏側を知 りつくしているだけに、同書で農水官僚、JA、自民党 農林族のもたれあい、すなわち「農政トライアングル」 の内実を鋭く批判し、とりわけその矛先は、農家に割高 な肥料・農薬・資材を売り付けるなど、農業の強化につ ながらない組織の利益を最優先するJAに向けられた。 これに現代版「焚書」で応じた全中も大人げないが、 トライアングルの三者は等しく「大罪」を背負っている。 その後、農水省にはヤミ専従問題の火の手が上がり、 自民党農林族は総選挙対策に没頭。トライアングルの 三者は組織防衛に必死で「政策」はおいてけぼりだ。 * * * * <その2> “ 平和ボケの見本です ” 大阪の根屋氏よりの提供:勝谷誠彦氏の「メルマガ」 より <中村のコメント> 自らが同インフルエンザへの基礎的疾患保有者と言う ことにかまけて、以下勝谷誠彦氏の指摘があるまで、気 付かなかったことが恥ずかしい。たしかの仰有るとおり である。 平和ボケの見本です。 ──民主党はこれで良いのですか。 <【新型インフル】ワクチン接種の優先順位案 /専門家の大半が評価> ⇒ http://sankei.jp.msn.com/life/body/090909/bdy0 909091648001-n1.htm <新型インフルエンザ用ワクチンを接種する優先順位 案について、厚生労働省は9日、対策に携わる専門家を 招いた意見交換会を開いた。参加した専門家からは「医 療従事者や持病のある人を優先しているのは、世界の流 れと同じで評価できる」との意見が大半だった。> いつもの平和ボケである。この<専門家>の中に軍服 を着た人間はいまい。阿呆か。リストからごっそりと抜 け落ちているのが、防衛、警察、消防だ。この人たちが いなくなると国家は滅びる。民主党新政権は安全保障の 面から、平和ボケの役人任せにせずにワクチン接種の優 先順位を政治的にきちんと見直すことだ。 * * * * <その3> “ オバマ大統領に抗議デモ ” <中村のコメント> あのオバマさんが大変である。我々知っておくべきは、 アメリカには公的医療保険制度がなく、富裕層は自分 で個人保険に加入し、生活保護家庭は国が医療費を見る というのだが、その間に4700万人という保険未加入 層が現存することを知る必要がある。 今回のデモは、個人保険に加入している層が、不公平 だと言って騒いでいる。いわばアメリカは「医療小国」 だという事実を知るべきである。 今このアメリカで新型インフルエンザが蔓延している 背景には、この「医療小国」という事実に発すると言っ ていいだろう。 オバマ大統領に抗議デモ=保険改革反対の保守派-米 首都 9月13日5時55分配信 時事通信 【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領の進める医療 保険改革に反対を叫ぶ保守系の市民1万数千人あまりが 12日、首都ワシントンの連邦議会議事堂周辺で、「財 政赤字はもういらない」などのプラカードを掲げてデモ と集会を開いた。「大きな政府」への反発の強さを示す ものだが、大統領はミネソタ州ミネアポリスでの遊説な どで、医療保険改革を断行する決意を重ねて訴えた。 デモは、オバマ大統領が9日の上下両院合同本会議で の演説で、医療保険改革への決意を示したことを受けて 行われた。オバマ政権発足後の抗議デモでは最大の規模 だ。 米国の財政赤字が125兆円相当(09会計年度)を 突破するなか、デモ参加者の批判は大統領の改革案が財 政への圧迫を強めることに集中。このため、プラカード には、「社会主義は米国的でない」「ソ連へでも行け」 など、感情的な内容が目立った。 共和党のプライス下院議員は、米メディアに対し、「 子や孫の世代の資金まで、水ぶくれの政府に注ぎ込むの はやめるべきだ」と発言。一般の参加者からも、「夢の プランを掲げて歳出を増やすよりも、政府は歳出削減を 優先してほしい」といった声が強かった。 オバマ大統領は、ミネアポリスでの市民集会に集まっ た約1万人を前に、「駆け引きの時間は終わった。いま や(医療保険改革の実現に向けた)行動のときだ」と発 言。政府財政の悪化を指摘する保守派の批判を「脅し戦 術」だとして、これに惑わされないよう訴えた。 ************************************************** <縄文塾通信9月-4号 編集後記> ************************************************** “ 暑さ寒さも彼岸まで ”というが、今年はや秋の気 配濃厚である。気になるのはやはりコメの収穫だが、酒 井法子の報道はあってもほとんど新聞やテレビで見かけ ない。タイ米に懲りてコメ備蓄は充分にあるので、むし ろその始末が出来ると喜んでいるのでは~、というのは いささか穿ち過ぎか。 備蓄がない、製造が間に合わないのは新型インフルエ ンザのワクチンである。もともと製造量が決っているの に、従来型季節ワクチン優先かどうかの判断遅れ、輸入 ワクチンの安全検査の遅れも指摘される。 10月末に発売というのでは、多分最盛期を過過ぎて いるだろう。もし被害が増大したら厚労省の責任だが、 ここでもその人災は不問に付されることだろう。 先日テレビで現在のプライベート・バイアル(一人分 の注射容器)を10人入りに切り替えるだけで、3倍の 生産量になるそうだ。これなど迷わずに励行して欲しい のだが、どうも日本の厚労省はモタモタし過ぎだ。何と かして下さいよ鳩山さん! (中村) ************************************************** < 縄文塾通信 告知板> ************************************************** 特に無し ************************************************** 以下クリックすると、 <推奨メルマガ・ブログ・ホームページが示されます> ⇒ http://joumon-juku.com/suisho.html **************************************************



