2009/06/15
縄文塾通信 9年6月号-4(農業特集)号(391号)
************************************************** ◎寄稿・ご意見など歓迎します。 ◎転載は歓迎いたしますが、出処だけは明記下さい。 ◎ご感想・ご意見などをお寄せ下さい。 mail to : nakamura@joumon-juku.com ************************************************** 縄文塾通信 <9年6月号−4(391号)> 縄文暦12009年6月15日 ★縄文塾HP http://joumon-juku.com ★中村キャッスルゲイトHP http://joumon-juku.jp ★縄文ブログ http://joumontn.jugem.jp/ ★「縄文塾通信」メルマガ登録は http://www.mag2.com/m/0000184916.html ************************************************** <6月号ー4(391号)目次> ************************************************** <縄文塾通信6月農業特集号 目次> ◎巻頭言 中村 忠之 ◎日本の農業はオイシイ産業!? 中村 忠之 ◎中国の絶望的農業 平井 修一 ◎農業技術で世界に貢献 国際戦略コラム Fより ◎勢力拡大目論む竹の天的・ 豚田兵(1)〜(2) 氏本 長一 ◎農業関連トピックス ◎編集後記 ◎縄文塾通信<告知板> ◎推奨サイトの紹介 ************************************************** <巻頭言> さて今度は、日本郵政の西川社長との対立の果て、麻 生さんの盟友と言われてきた鳩山総務大臣が事実上解任 された。この両者の係争を巡っては、保守サイドでもい ずれが是か非かで真っ二つに分かれているようだ。 ただ温情や身びいきを抜きに考えれば、資本構成はと もあれ、少なくとも民間企業のトップになった人のクビ を強引に切ろうというのはいささか強引すぎるというも のだ。 どうもその背後に、郵政民営化に反対する守旧派勢力、 恨みを抱く郵政および厚労省官僚とそのOBの影が見 え隠れするようだ。 さてその後、売却が振り出しに戻った「カンポの宿」 はどうなったのか。私は新会社で早急に再建を図る手段 も考慮すべきだという持論でるが、「蛇の生殺し」よろ しく、ダラダラ赤字を垂れ流すことは避けて欲しいもの だ。 ともあれ問題は麻生政権・自民党のダメージである。 いずれにしろマイナス要因となるが大きい。それにして もこの党、その存亡の危機真っ最中だというのにてんで バラバラ。地方首長選挙でも民意を汲み取れず、人選を 誤って3連敗、あまりに危機意識が低すぎるのはなぜだ ろうか。 (中村) ************************************************** ■□■━━━━━━━━━━━━ 日本の農業はオイシイ産業!? ■□■━━━━━━━━━━━━ 中村 忠之 タイトルからは、すこし?ばかり楽天的・希望的憶測 過ぎるという批判も避けられないだろうが、以下いくつ かの理由と事例を挙げ、あえて提示することにした。問 題点があればどしどし指摘していただきたい。 いままで筆者は、縄文に発する文化のシンボルを、「 工」という<モノづくり=匠の技>だとし、一方弥生に 発するコメ文化を、<ムラづくり=伝承=墨守>である と、対極性に位置づけてきた。 しかしごく最近だが、日本農業の有り様を深く見てき たとき、「農における技」そのものは決して縄文文化と 相反するものではなく、世界に誇れる卓越性を示しなが ら、それに「業=ビジネス」が絡んだ途端に、硬直的・ 閉鎖的・守旧的な弥生発のムラ意識によって毒されてし まってきたことに気づいたのである。 とすれば、何らかの方法で「農の世界」に、縄文由来 の「工」の仕組みと、<* 性善説に裏打ちされた日本 的「商」の仕組み>を持ち込むことが出来れば、日本の 農業は劇的に蘇生するのではないかと確信したのである。 以下「オイシイ産業」説が依拠する理由と、あらまほ しき有り様とをいくつか提示していきたい。 ■□ 現状認識と二極化意識 ────────────── ここでは「オイシイ農」への前提として──識者によ って指摘され続けている「減反問題・補助金政策・底抜 け農地法・農林官僚と農水族議員の癒着・硬直したJA の存在」などなど、多くの問題については割愛するが─ ─過保護農政によって醸成された微温湯の中に、どっぷ り浸かっているうちに醸成された、農民(脳眠?)の「 甘えの構造」と「たかり意識」を、現状認識として指摘 しておきたい。 端的いえば、現在の日本農業には(ごく一部を除いて)、 あらゆるビジネスに共通している、「より良いもの をより安く」という思想のかけらもなく、いささか大げ さに言えば、いかに手抜きをしたものを、少しでも高く 売りたいという発想が充満していることである。 また、「少しでも良い作物を生産したのだから高く売 るのは当然である」という理屈を持ち出す農家もある。 ところが実際には、たとえそれが実際に良いものであっ たとしても、その判断を下すのは常に消費者サイドだと いう、当然の事実を知る必要がある。 生産者サイドでは、なぜ自分の作った作物がよいのか、 すなわち良心的な土作りをしており、安全・新鮮で味 や香りが良くてしかも生産者の顔がわかるなどなど、い わゆるPR努力が必要なのだ。 アパレルとか装身具の世界を見てみよう。ここではい ま話題のユニクロ・H&Mなどのように、高品質で安い ものと、エルメス・グッチ・シャネル・ルイ・ヴィトン ・ローレックスなどのように、高いがブランド・イメー ジで売れ続ける「二極化現象」が顕著であり、しかも成 熟化した市場においては、あらゆる業界でこうした二極 化の進行が常識となっている。 ということは、この「農の世界」においても、当然こ うした二極化現象が進行していることを常識として気づ かねばならない。それは消費者サイドに認知されるブラ ンド化によって、たとえ少々価格は高くても、それを希 求する消費者層の支持が得られる。 「農」における二極化とは、いわゆる篤農家の農場と、 より多くの消費者に受け入れられる、安くて新鮮でし かも安全、しかも大きな需要にこたえられる、大量の生 産→流通→販売の一環システムを構築した、あるいは大 量生産の食品加工場の要求に対応できる農場群である。 さてブランド化だが、ご存知「魚沼産コシヒカリ」は あまりに有名だが、先日のテレビで、佐渡で <* 冬場 でも生き物が沢山いる田圃>をトキ(朱鷺)のエサ場と し、そこで作ったコメ、ブランド米として売り出したと ころ、2〜3割高くても結構よく売れていると報じてい た。 すなわち良品とは、自分勝手な思い込みではなく、消 費者が認知してこその作物でありブランドであると知る べきである。 ■□ 大企業による寡占状態のない業界である ──────────────────── 財部誠一『農業は日本を救う』は、農業に参入した企 業の「死屍累々」、という表現で農業参入の困難さを指 摘している。たとえば直接農業ではないが、あのユニク ロでさえ、野菜販売店にに失敗して撤収を余儀なくされ た前歴がある。 ところが前回紹介した馬場伯明さんの<驚異の野菜 「工場」>のように、成功例も現れ始めていることも事実 である。 東京財団の上席研究員で、旧農水省出身)は、日本農 業全体の(2007年)総生産額8兆2千億円は、パナソニ ック1社の9兆7百億円にも及ばない反面、同社の従業 員31万人に対して、299万人という、実に10倍弱 の就労者を要していることを指摘している。 勿論この300万人弱という農民の90%以上は、兼 業農家であり、家庭園芸規模であり、また土地を保有す るだけの離農者・耕作放棄者である。すなわち専業農家 といわれる人たちはその内の10%に満たないという「 歪な構造」がこの国の「農業」の実情である。 ここではその歪さをひとまず置いて、大企業はおろか 中企業すら存在しない業界こそ、最後に残された参入の 妙味を持った分野だといいたい。ご存知巨大企業の無い 業界として「外食産業」があるが、ここはいわゆる「水 商売」、誰もが参入して成功出来るほど生やさしい世界 ではない。 一方「農」の世界は、外食の持つ複雑且つ移り気なユ ーザーの嗜好に左右されることなく、しかも強力なライ バルに脅かされることなく、比較的近距離間での生産→ 流通→販売という、商工業と同様のシステムを構築でき れば──参入阻害という障壁、それに生き物と無機物と いう違いこそあれ──その差をよく認識した上で参入し たら、そこに大きなチャンスが待っている業界だという ことが出来る。 多くの先端企業や大企業は、厖大な先行投資をしなが ら成功することなく撤退した事例を山ほど抱えている。 それに比べれば、農業関連投資はごく小資本の投資で済 むメリットがある。 ■□ 国産食材見直しの動き ───────────── 相次ぐチャイナ食材のトラブルがあって以来、消費者 の安値嗜好が見直されてきたことも、国内農業に大きな プラスとして働くことは間違いない。それに加えて、4 0%を割ったといわれる「食糧自給率」改善という至上 命題もある。 産経新聞(6月12日)「食糧安保を問う(3)」では、 <「輸入食材」国産化の動き>として、あらたな外食 界における取り組みに触れている。 新鮮さが売り物の生鮮野菜だけでなく、加工食材まで 国産化の動きがあること自体、農業への新規参入の可能 性とその加速を意味している。 本号掲載平井修一氏の一文『中国の絶望的農業』を読 めば、現在まで輸入食材の中心であったチャイナの現状 に、消費者から「ノー」が突きつけられる前に対応しな ければ、問題が生じてからでは遅すぎることになりかね ない。 コメのルーツを求める研究のため、チャイナに幾度と なく訪れている「コメDNA考古学」の権威佐藤洋一郎 教授は、「満足に水も飲めない国の野菜が、安心して食 べられるはずがない」と喝破している。 相対的に農耕適地がすくなく、しかも「農」を犠牲に して加工工業生産に邁進し、しかも水質汚染・水量不足 だけでなく、都市部の食生活工場に伴い、基本的食糧よ りも畜産用飼料や換金作物に特化してきたチャイナにお いて、今後輸出食品の値上がりは不可避となるはずだ。 一方国内での生鮮農作物流通の仕組みだが、そのほと んどが 農協→市場→小売店 ↓→ 卸店→外食店 という旧来型の流通機構に依存してきた。 当然そこには厳格な品質規格が存在し、サイズや形状 が規格に合わない作物、また折角素晴らしい出来であっ ても、その時期の生産過剰作物は、ほとんどが廃棄か捨 て値でしか流通しなかった。 すなわち本来農民の味方であるべき農協は、(一部の 良心的単協は例外として)そうした市場の古い相場シス テムの上に安住して、何らの対策を講じてこなかった。 しかし実際には、加工食品業者・外食業者においては、 こうした規格外の作物であっても、一向にかまわない のだ。かつて無い不況時において、加工食品業者はこう した規格外作物を中心とした原料仕入れの仕組みを構築 すること、それに「カット野菜」として流通させるなど、 生き残りをはかる絶好のチャンスではないか。 おそらく今後新規参入する業者の中には、こうしたニ ッチ分野に着目して、あえて規格外・生産過剰作物を中 心に参入しる人たちや企業が現れることが予想される。 ■□ 国産食材見直しの動き ───────────── 以前から指摘してきたことだが、日本の「農」という 植物の栽培・改良技術は、世界一と言っても過言ではな い。そうした卓抜した技術の成果を日本だけのものにす るにはあまりに惜しい。 特に <* 「果実・果物」のすばらしさ>は特筆もの だし、コメにしろ霜降り肉にしろ、世界の食通や富裕層 垂涎の的である。 筆者流論法の一つだが、「日本は昔から、衣・食・住 という三大文化のうち、住文化を捨て去って、衣・食に こだわってきた」のである。かつて日本がまだ貧しい時 代、ハレ=正月・花見・祭りなど非日常的と、ケ=日常 生活を明確に区別して生きてきた。 ところが戦後の高度成長によって、そうしたハレとケ という区分が消え失せ、しかもリーゾナブルな価格で、 いつでも満ち足りた衣・食を享受できるようになったこ とで、その有難味が 稀薄になっただけである。 いまサブカルチャーといわれるJ・ファッションや世 界的スシ・ブームも、そうした衣食文化の系譜といえる。 こうした芸術的とも言える精華を世界中に輸出するこ とも、広い意味で「日本の農」に参入するものと言える だろう。 ■□ ハイテクとローテクのドッキング ──────────────────── ハイブリッド農業のすすめ ──────────── 最後は、「農という伝統と改善の弥生的世界」に創意 という縄文の匠の技を輸血しよう」というキャッチフ レーズで締め括りたい。これは「日本人は縄文と弥生の ハイブリッド民族である」と言い続けてきた筆者の根本 的理念の具体化提案である。 詳しくは割愛するが、これは常に「戦争」という行為 の中から技術革新を行ってきた、日本以外の文化圏の有 り様とは全く違い、常に平和の中において技術革新を行 ってきた日本の、究極的な命題の一つとも言えるだろう。 卓越した日本の技術を俯瞰すれば、それが必ずしも新 しいハイテクだけでなく、繊細な日本人の持つハンド・ テクノロジー、いわゆるローテクという支えがしっかり 根を張っていたことがわかる。 ローテクとは、たとえば宇宙ロケットの先端部は、熟 練した手と勘に頼った「へら絞り」技術、指先の感覚だ けで凹凸を確認して、ミクロン単位の凹凸も見逃さない 「きさげ」とよばれる技術などがそれであり、また鉄道 会社のあらゆる列車が、特にJRの新幹線列車までもが まったく名もない人(運転手)たちによって、ほとんど 数cmの誤差以内で、決められた場所にピタリと止まる 技である。 勿論農業におけるローテクはやや異なるものの、新規 参入を目指す企業は、日本の篤農家の持つ、作物を見る 目や成長の異変などを的確に判断して敏速に対応する能 力などを吸収することも肝要で、高度化ハイテク農業を 目指す企業にとっても、吸収する必要はあっても決して 排除すべきものではないと知るべきである。 それと併せて、「水耕栽培」など新農法においても、 本通信でもたびたび紹介してきた「塩撒き農法」とか、 竹炭・竹酢(ちくさく)などの採用などもぜひ考慮・検 討して欲しいものだ。 最後になるが、絶対に忘れてはならないことは、いか に「工場化」を進めていったとしても、「農業」の対象 は機械と違って、植物あるいは家畜・家禽という生物で ある」という事実である。 すなわち、「自然の法則を忘れた新農法に決して明日 はない」こと、それに厳しい規制の枠をくぐり抜けてこ そ、豊かな豊穣の平野が拡がっていることを心に銘記す べきである。 ◎ < * >箇所については、以下参照下さい。 <* 性善説に裏打ちされた日本的「商」の仕組み> 『森と人の地球史』第9章 「日本の森の物語」の最終章 “ 日本における「商文化」を探る ” ⇒ http://joumon-juku.jp/mori&hito/091.html <* 冬場でも生き物が沢山いる田圃> 「冬みず田んぼ」と「不起耕栽培」 縄文時評(08年12月) ⇒ http://joumon-juku.com/jihyou/2008_12.html <* 「果実・果物」のすばらしさ> 日本の農作物を世界に輸出 ──まず芸術的作品「果物」から始めよう! 縄文時評(08年03月) ⇒ http://joumon-juku.com/jihyou/2008_3.html ************************************************** わたなべりやうじらうのメイル・マガジン 「頂門の一針」 1574号 (6月12日)より転載 ⇒ http://www.melma.com/backnumber_108241 <中村のコメント> 読めば読むほど悲惨であり、すさまじいと言うほか無 い。私たちはこんな国から食料を輸入してきたし、いま でもまだ大量に輸入しているのだ。 この国の見せかけの繁栄は、都市部と農村部の住民票 が差別されているように、あらゆる面で大きな差別の中 の「砂上楼閣」に過ぎないことになる。 しかも、この国に阿ね続ける無能な政治家集団にして も、もしも政権が代わってもむしろ悪くなりそうだし、 ビジネスの世界も、不況下でこの国への依存を益々高め ようとしている。さて出口は果たしても見つかるのか。 ■□■━━━━━━ 中国の絶望的農業 ■□■━━━━━━ 平井 修一 日経ネットにすさまじい記事が掲載されていた。 『農民も土も水も悲惨な中国農業』(朝日新書)を上梓 した愛知大学の高橋五郎教授へのインタビュー「ニュー スを斬る 悲鳴を上げる中国農業 ある教授が農村で目 にした“悲惨な病理”」だ。 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nbonline.cfm?i=2009051500679cs http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nbonline.cfm?i=2009060900867cs&p=1 「中国農業が悲鳴を上げている。土と水の汚染、担い手 である農民の疲弊は、国内消費量の20%に当たる野菜を 中国からの輸入に頼る日本にとって他人事(ひとごと) ではない。 徹底した農村調査で中国農業の病理を浮き彫りにしてい る。現地の農民と語り、土や水に触れる異色の学者に中 国農業の現状を聞いた」 中共という巨大な地主が環境を壊し、農業を壊し、農民 を壊し、農村を壊している。下からの農民の組織化を恐 れる中共は農協のような組織も許さない。 農村には集会場さえないから篤農家が技術を伝えるには 一対一で伝えるしかないという、絶望的な状況だ。読ん でいてこちらまでが気が滅入ってしまった。 中共にお引取りを願わないと、棄民化した農民の暴動は ますます激しくなるだろう。改めて穏やかな瑞穂の国に 生まれたことを感謝した。 昔、日本には「篤農家」という言葉があった。「実践的 な農業技術・農業経営を研究し、各地での農業指導によ り先進的農法の普及に貢献した農業経営者・農民」だ。 二宮尊徳はその一人で、江戸時代後期に農村復興政策を 指導した。試行錯誤、手探りをしながら技術を開発して いったが、「輪作」も彼ら篤農 家の成果だ。 <輪作: 同一耕地に一定年限をおいて異なる種類の作 物を交代に繰り返し栽培すること。地力の低下や病虫害 の発生を防ぐ効果がある。⇔連作>(ウィキ) 輪作はヨーロッパ農業に革命をもたらした。11世紀から 13世紀のことである。冬畑、夏畑、休閑地に分け、翌年 には冬畑が夏畑に、夏畑が休閑地に、休閑地が冬畑にな った。休閑地には家畜が放牧され、糞尿によって地味の 回復が図られた、と堺憲一・東京経済大学教授が記して いる。 ヨーロッパ式輪作を3圃制度というが、小麦の播種量に 対する収穫量は5〜8倍、19世紀のはじめでも12倍ほどだ った。 ところが我が国では徳川時代すでに米の収穫量は30〜40 倍もあった。現在では120〜130倍で、肥沃なフランスの 麦作でもせいぜい20倍という。 「米という字は八十八と書く、それほど手間がかかって いるのだから、ご飯粒を残してはいけないよ、お百姓さ んに申し訳ない」と小生は子供の頃に教えられたものだ。 日本の農業は徹底して手間隙をかけたからこそ生産性が 上がったのだ。瑞穂の国で、養分に富んだ水に恵まれた こともあって米の連作も可能である。 このために同じ収穫を得るためにフランスでは日本の10 倍の農地を必要としている! 日本はトランジスタ農業、 ハイテク農業、もはや「園芸」の域だという。 ************************************************* 国際戦略コラム No.3310 2009.06.より。 ⇒ http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/ <中村のコメント> 日本のODAがアフリカでの援助を「農業優先」にす ると明確にしてきた。内戦とか部落間抗争が沈静化し、 難民救済が進めば進むほど、今後予想できるのが、アフ リカにおける人口の爆発的増加である。まさに正解であ る。 「時事小論」より日本のアフリカ農業援助(1〜4) 参照 ⇒ http://joumon-juku.jp/jiji_syouron/86.html 〜 89.html 前述のごとく、農業となるとともかく、日本の「農= 技術)は世界最高である。縄文発平和の技術を世界に広 めることが、21世紀に日本に与えられた、尊い使命だ と心に銘じるべきだろう。 ■□■━━━━━━━━ 農業技術で世界に貢献 ■□■━━━━━━━━ Fより 日本の役割は、日本企業が世界に工場を建てて、世界経 済を開発して一大市場にすることであるが、発展途上国 を工業国家にする前に基本的な生活ができる農業を根付 かせることが最初である。その基礎があると工場が進出 でき、工業が根付く。 そして、中国や韓国などは自分の手で自国産業を作り、 自国企業で製品開発を行えるので、日本の支援は必要が なくなる。しかし、まだ最初の一歩ができない途上国に 対して、援助することが必要である。特に最初の一歩が 重要であると見る。 私は、ネパールのムスタンで農業指導をする近藤亨(こ んどう とおる)やブータンで農業技術を教えた故西岡 京治(にしおか けいじ)などを見ると、農業から国を興 すことが必要であるという原則と農業技術を教えるのも 忍耐が必要であることを学ぶ。 今後、モンゴル、中央アジア、チベットなど寒冷地の発 展途上国やアフリカの農業を手助けする必要があると見 る。今後、農産物の奪い合いが起きると見るが、この時、 途上国が困窮することがないように寒冷地農業をどうす るかを研究する必要がある。 また、日本には農薬を使わない有機農法や北海道のよう な寒冷地があり、寒冷地の農業を研究している。 徐々に投資資金が再度、米国債などの安全ではあるが 低金利な投資から、今後需要が増えると見られる農産物 や資源・エネルギーに向い始めている。このような商品 は価格の高騰などが起き易いようだ。 ありあまる投資資金があり、それが実体経済を動かす資 金の10倍以上もあるために、今後も実体経済を翻弄す ることになる。 一番問題なのが、主食である穀物類(小麦、コメ、トウ モロコシ)などの価格の上昇であり、発展途上国の国民 は大変困ることになる。 この事態に備えて、日本は農業支援を世界に展開するこ とが重要である。そのいい例がある。ブータンの故西岡 京治やブータンの近藤亨、インドの故杉山龍丸、中国の 故遠山正瑛などで、現在有名なのがウガンダでネリカ米 を指導するJICA坪井達史などがいる。 日本列島は端から端まででいろいろな気候がある変化に 富んだ国であるため、多くの気象状況に応じた農業を途 上国の現地に提案できるようである。 ************************************************** <中村のコメント> 氏本 長一氏:未来航海プロジェクト代表 現在原発設置問題で大揺れしている、山口県上関町の 沖合に浮かぶ徐福伝説の島祝島在住である。 勿論同島出身だが、星雲の大志を広大な北海道の地に 求めて、帯広畜産大学に学んだ後稚内・宗谷での公職を 経た後、現実と理想のギャップと、両親の問題から古里 に帰られた経歴を持つ。 現在祝島農園主として豚、肉牛の放牧飼育のほか無農 薬ビワ、根菜類栽培、蜜蜂など手がけるかたわら、積極 的に地域興しに取り組んでいる。 本稿は、DANDY白方さん主宰の、ヒト・企業・情 報ネットワーク目的の「FJ会=フリージャンクショ ン」発行の会報(5/26号)より転載させて頂いた。 豚の習性を活用したユニークで型破りな新自然農法? である。なんでも牛の放牧も「牛田兵」として、豚に負 けない?実績を上げているとか……。 氏本さんのブログ「氏本農園・祝島だより」で、 「豚田兵」の大活躍ぶりが見てとれます。 折角なので、その内最新号を(2)としてお送りする ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/farm_ujimoto/folder/2 91564.html ■□■━━━━━━━━━━━━━━━ 勢力拡大目論む竹の天的・豚田兵(1) ■□■━━━━━━━━━━━━━━━ 氏本 長一 ■□ 豚田兵(1) ──────── ● 竹、雑草繁る耕作放棄の棚田 歪んだグローパリゼーションの観点で切り捨てられよ うとしている里山・里海集落の生産と暮らし、その集落 支援に立ぢ上がったのは人間ばかりではない.里山の荒 廃、耕作放棄地の増加にとりわけ心を痛めているのは家 畜たちだ。それは本来そこにいるはずの家畜たちが排除 されている現状へのもどかしさと口惜しでもあるのだ。 農業生産現場としての里山にはかつて必ずいろいろな 家畜がいて稲わらや野菜くずなどを飼料として有効利用 し、農閑期には畦や裏山の雑草を食(は)み、その排池 物は有機肥料となって地域の資源環境め重要な徴割を担 っていた。 かつての里山の持観的で有機的な農業生産と、それを 基盤とした農民のククオリテ・オプ・ライフを支えてい たのは家畜たちだったといっても過言ではない。その家 畜たちを里山から追い出したのは、ほかならぬ農業観が 歪み、ライフスタイルが変節してしまった人間のほうだ。 私の住む圏戸内海の小さな離島の祝島もその例にもれ なかった。農作物の選択的拡大と農作業の機械化による 農業の近代化と称した無家畜化で資源循環が断たれ持統 力を失い、当然ながら本地産地とのコスト競争に敗れた うえにオレンジなどの輸入自由化で引導を渡されて、耕 作を放棄し荒廃した石垣棚田だけが残った。 その祝島で昨秋、在来島民とUターン者に島外在住を も巻き込んで「況島未来航海プロジェクト」がスタート した。豊かな生態系に恵まれた瀬戸内海の離島高品質な 農水産物を生産できる里山・里海であることを再認識し、 「農水産業」を基幹とした、「ものづくり」産業を再生、 活性化させることで、次代に引き継ぐに値する「一流の 離島」を目指そうというプロジエクトだ。 しかしプロジェクトの核となる離島農業の活性化に不 可欠な、雑草だけでなく雑木まで生えてその上にクズ (葛)までもが覆いかぶさり竹も侵入していこ耕作放棄 棚田の再生マニュアルなどだれも持ち合わせてはいなか った。 ● 鼻で耕す「豚田兵(とんでんへい)」 そこに強力な集落支援員(助っ人)として帰ってきたの が、島を不在にすること雌伏半世紀、鼻耕(備考)とい うきわめつきの特技をもった豚だった。 硬い鼻と太い首の力で耕作放棄棚田の小さな雑本なら 根こそぎめくり返し、手ごわいクズの葉や地下茎も引き ちぎる。クズの葉や根瘤は大好物の餌である。またタケ ノコは頭をもたげる先から食べるため勢力拡大を目綸む 竹にとってはまさに天敵だ。 それだけでは旺盛な食欲を満たせずに、島内の野菜く ずや傷物果実なども一手に引き受けて島内生ごみの減量 化、資源循環に寄与してくれる。当世人間社会で深刻な 輸入穀物(家畜飼料原料)価格の高騰などまったく無縁 な自給率100%の食生活だ。 しかもその結果として、他の豚では味わえないナチュ ラルな風味の「祝島放牧豚」として、内蔵も含め東京の 仏料理店で好評を博し、徹底して島おこしに貢献してく れる。おまけに再生した棚田で有機栽培した根菜類は放 牧豚が育てたとして付加価値を高める。 一方で彼らは消費者に対しても、食材の「定時・定量 ・低湿」という価値観念の変更を迫る。一年を通して畜 舎不要、台風の時でも耕作放置棚田雑木林で寝起きして、 そのときどきのものを食してその風味を身体に蓄え、 そうした生活に基うく個体差や季節差は個性的価値だと アピールする。 無農薬ピワの産地でもある島では、六月の豚たちの主 食は傷んだビワであり、サツマイモの時期にはくずイモ であり、早春にはタケノコだけでなくツパキの落花も好 んで食べる。放牧豚だからこそ季節によって「枇杷(び わ)豚」であり「甘藷(かんしょ)豚」であり、落椿( らくちん)豚」でもあると、販売するわれわれにマーケ ティングの発想や戦略の転換を要求してくる。 まさにユーティリティ家畜の代表格である豚の面日躍 如、集落支援員としては最適任だ。この有能なの集落支 援員豚たちを、かつて開拓に大きな貢献をした屯田兵に なぞらえ、島民たちは尊敬をこめて「豚田兵」と呼んで いる。 ■□ 豚田兵(2) ──────── ●今年のビワ(枇杷)は豚のエサ 今年はビワの障害果が多く商品率がかなり低くて、ビ ワ農家は苦しい状況だ。 4〜5月の暖冬の影響らしい がそのメカニズムは解明されていない。 これで上関原 発が建設されれば、大量の温排水で海水温が上昇するの は確実だし、地域の温暖化に拍車がかかるなら、ビワへ の深刻な影響が今から懸念される。 またカラスの食害も例年以上に多い。 氏本農園のビ ワもカラスの食害や子豚の出産で、まともな収穫はでき ずに終わりそうで、例年のように通販のご案内はできな くなった。 結果的に商品として出荷できないビワの実が、豚たち に食べさせてと、毎日大量に提供される。 提供してくれる農家のオバチャンたちは「豚ちゃんた ちが食べてくれるけぇ、棄てんで済み助かるで」と、商 品にならない口惜しさを胸に押し込めてはいるが、私とし ては複雑でとても素直に喜べない。 そうしたヒト側の思いにはお構いなしに豚たちは大好 物の差し入れで大喜びだ。 とりわけ、子豚を出産したばかりの母豚には甘い水分 たっぷりのビワは願ってもいないありがたい差入れだ。 おかげでその後の子豚たちの成長も順調である。 また昨年生まれの純祝島産放牧豚もビワをたらふく食 べながら生活して昨日出荷された。祝島の恵みをお腹い っぱいに食べて、自分自身も祝島の恵みが身体の隅々ま で詰まっているような放牧豚なのだ。 こんな豚たちのおかげで飼い主の私までもいろいろな 豚グッズのプレゼントをいただく。 先日は金子シェフの奥様のノリコさんや友人のテラダさ んから豚や牛の形のクリップが届いた。 書類をクリップする側だけでなく、クリップされた書 類を受け取った側もきっと微笑みがこぼれてくるにちが いない。 プレゼントをしてくれる方の細やかな配慮とともに遊 びココロも伝わってきて、うれしさだけでなく何だかと てもリラックスしてくる。 また豚の親子を島外から見学にきてくれたキムラさん (お母さんと娘さん)からは豚がデザインされた風鈴を お土産にいただいた。 さっそく練塀蔵の入り口に吊り下げてみたが、雰囲気 的にもぴったりで、涼しげで澄んだ音色だ。 軽やかな音色は、放牧豚たちの泥まみれで重量感のある 雰囲気とイメージは合わないものの、とても耳に心地よ い。 練塀蔵への出入りの際にわざと頭でぶつかっては鳴ら して音色を楽しんでいる。 それぞれのみなさん、どうもありがとうございました。 ************************************************** ■□■━━━━━━━ 農業関連トピックス ■□■━━━━━━━ 農政改革 風前の灯 ■□──────── 「骨太09」法案 減反見直し盛り込まれず。 米の生産調整(減反)政策をめぐる石破茂農水相の発 言が週替わりでぶれている。 米粉米や飼料米などの作付けを増やすために平成21 年度から本格化させる「水田フル活用」について22年 度以降は白紙の姿勢を見せていたのが、今月に入ると継 続を表明。しかし、今週は「継続」の言葉が消えた。 水田フル活用を推進してきた自民党農林関係議員は不 信を高め、「石破を相手とせず」との声も出るほどにな っている。 (以下詳しくは) ⇒ http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090312/biz0903122125018-n2.htm GPS測量を活用した精密農業 ■□─────────── (株)イソップアグリシステムの精密農業では、GPS測 量した圃場地図をもとに土壌中の農薬や肥料のバラツキ、 作業履歴、品質等のデータを収集し、可変肥料によって 資材の過剰投与を抑えている。品質安定化や生産コスト 低減、環境保全などの実現とともに、この技術を核とし て同社が展開するフードチェーンシステム構築事業にも 視野を広げる。 [ 日 時 ] 2009年7月3日(金)16:00〜18:00 [場所] (株)農業技術通信社 セミナールーム [費用] 1,000円 セミナー終了後・懇親会 18:00〜20:20 [ 場 所 ] (株)農業技術通信社 セミナールーム [ 参加料 ] 『農業経営者』定期購読者 無料 一般5,000円 [参加申込] http://admin.Mail-High.com/03Eq9QE6hT4C047 ************************************************** <縄文塾通信6月−4号 編集後記> ************************************************** 日本各地で梅雨入り宣言が発せられたが、西日本では 空梅雨が続いて、早くも九州熊本や四国の愛媛県などで 給水制限が行われている。素人考えでは、温暖化になれ ば海水の蒸発が進んで雨が増えると思われるのだが、ど うもそうはいかないらしい。 田植えもままならなくて困っている農家も出ていると いうのだが、冬場の積雪が少なくて雪解け水が不足する からかもしれない。 また気温上昇によって、従来のコメの品種では収量や 品質が落ちるため、暑さに強い品種の採用や開発が必要 だとも報じられている。 山本七平先生ではないが、「水と安全はタダ」と思っ てきた日本人も、水対策に全力を投じなければ、お隣チ ャイナのことを嗤えない事態が来るかもしれない。 (中村) ************************************************** < 縄文塾通信 告知板> ************************************************** 日野原重明先生講演会 (新老人の会ジャンボリー広島大会) テーマ: 私の平和へのメッセージ アトラクション マリンバ演奏 日時: 7/9(木)13:00〜15:30 場所: 広島国際会議場(平和記念公園内) フェニックスホール (中区中島町1−5 242−7777) 主催:ライフ・プランニング・センター (新老人の会) 参加費:1500円 問合せ(申込み):新老人の会広島支部・事務局 082−222−3297 (当日会場でも受け付けています) ************************************************** 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