2009/05/05
縄文塾通信 9年5月号-2(382号)
************************************************** ◎寄稿・ご意見など歓迎します。 ◎転載は歓迎いたしますが、出処だけは明記下さい。 ************************************************** 縄文塾通信 <9年5月号−2(382号)> 縄文暦12009年5月 5日 ★縄文塾HP http://joumon-juku.com ★中村キャッスルゲイトHP http://joumon-juku.jp ★縄文ブログ http://joumontn.jugem.jp/ ★「縄文塾通信」メルマガ登録は http://www.mag2.com/m/0000184916.html ************************************************** <5月号ー2(382号)目次> ************************************************** <漁業・農業特集号−2> ◎巻頭言 中村 忠之 ◎日本の漁業の現状と 復活のための試案(1) 中村 忠之 ◎食糧自給率80%」のために(上) 馬場 伯明 ◎編集後記 ◎縄文塾通信<告知板> ◎推奨サイトの紹介 ************************************************** <巻頭言> 前回NHKのタイワン問題歪曲放送の件、私は、 ホームページ「自民党にもの申す」あて、抗議文を送 った。その後自民党より抗議が合った旨報道があり、一 助になったかと喜んでいる。 先日NHKに直接抗議したという大阪のNさんより、 「NHKより待望の回答が来た。しかし、ポイントは避 けている」というメールがあった。そこで第2弾として 「ぜひ(NHKの担当者・関係者)国会への参考人招致 (少なくとも与党質問くらい)を要請します」という発 信をしたことをお伝えしたところ、早速実行しようと いう返事メールがあった。 ここはまず外堀より埋める作戦の方が有効だと確信し ている。ぜひ皆さんも、多数同サイトに集中攻撃を行う ことをお勧めします。 (中村) ホームページ「自民党にもの申す」 ⇒ http://meyasu.jimin.or.jp/cgi-bin/jimin/meyasu-entry.cgi ************************************************** ━━━━━━━━━━━━ ■□ 日本の漁業の現状と ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 復活のための試案(1) ━━━━━━━━━━━ 中村 忠之 はじめに〜 日本の「農・林・漁業」のすべて低迷して久しいが、 いずれも農水省所轄部門であり、いかにこのお役所が駄 目なところかと事あるごとに書いてきた。 平成19年度には、かつて(平成2年度)11000 (千トン)あった捕獲量は2000(千トン)と激減、 自給率も60%を割り込んでしまている。 もともと縄文時代の生活は「採集と漁撈によって成り 立ち、その後弥生時代に「水田稲作と漁撈」に移行した という長い歴史がある。ところがいま日本の漁業は、世 界最高の技術と豊かな漁場を持ちながら、まるで衰退し てしまっているのだ。そこで今回は、その低迷の原因に アプローチしてみたい。 現代の日本漁業を大別すると、近海漁業と遠海漁業、 それに(漁業とは言わないが)養殖業となる。 遠海漁業はEEZ(排他的経済水域)制度によって、 大きく制限を受けるようになり、いきおい当該水域を持 つ国々からの買い付けに移行していること、それに最近 の世界的寿司ブームと健康志向によって、世界的サカナ ブームによって消費量が増大して価格が上昇し、しかも 入手が次第に難しくなってきている。 養殖業だが、かつて野放し行政のせいで「養殖ハマチ を食べると風邪が治る」と悪評さくさくだったことと海 水汚染が進んだことが祟って、いまだに天然物指向が強 い中もっともポピュラーなエビとウナギが、近隣国への 技術移転によって安い価格で輸入され、いささか影の薄 い状況に置かれている。 今回は、特に近海漁業と養殖業に絞って考察していき たい。 沿岸漁業 近海漁業は、沿岸漁業と近海(周辺)漁業の2つに分 けて考える必要がある。 モンスーン地帯の日本では、国土の70%を占める豊 かな森(が生んだ腐葉土)が濾過した栄養分に満ちた水 が、泉となって涸れることなくこんこんと湧き出て小川 となり、それがいくつも集まって川となる。日本中では こうした大小無数の川が海に注いでいる。 森の落ち葉はバクテリアによって分解されて川の植物 プランクトンのエサとなり、植物プランクトンは動物プ ランクトンのエサになる。そこから発生する多彩な食物 連鎖によって、大小の多くの魚を育てながら、それでも まだ栄養たっぷりの水を生みに注ぎ込んできた。 河口には堆積した土砂が貝類の豊かな干潟を作り、し かも藻場が広がり、多くの魚の保護と成長を生んできた。 またそうし干潟には、渡り鳥がエサを求めて飛来し、お 返しに天然の栄養を置いていく。 リアス式海岸という言葉がある。山地・丘陵地が海面 に対して相対的に沈下した屈折の多い海岸のことをいう のだが、もともとスペイン語でリア(Ria)とは川のこ とであり、川の流れ込む海というのが語源である。海に そそぐ川での潮の干満によって真水と海水の交わる辺り、 汽水地帯には豊富な魚介類が発生する。 そうしたところから昔から日本では、リアスのことを 「潮入り川」として、「魚付林」とか「お蔭の森」と呼 んでいた。したがってリアスの魚は、上流の森がはぐく んだ恵みであり、川の上流や流域に豊かな森があること が前提条件となる。 日本には典型的なリアス式海岸としての三陸沖・伊勢 の英虞(あご)湾それに日本海の若狭湾だけでなく、森 の恵みを集めた川の流れ込む海ならば、いたるところ、 言い換えれば日本の全体がリアス式海岸といっても過言 ではない。 ところが日本の敗戦時、戦時中の森林乱伐によって各 地で大きな洪水が続発した。そこで復興過程において優 先的に治水ダムそれに水力発電用の建設が優先され、も はや不要となった今でも、今度は(守旧的な国交省のお 役人によって)「水ガメ」という目的に名を変えてダム 建設が継続されているのが現状である。 なにしろあの地中海よりもはるかに漁獲量の豊富な瀬戸 内海でさえ、高度成長期に建設用コンクリート用に海底土 砂採取され、漁獲量がかつての1/4程度まで減ってしま っているという。 ダムによって落ち葉・バクテリア・珪藻それに珪砂は 下流に流れなくなり、しかもコンクリートやブロックで 塗り固めた護岸工事の普及は、当然川魚の激減と河口の 砂浜の消滅を生んだ。特にダムの乱造が、海の恵みを生 む山の幸をきれいに切断してしまったのだ。 このことは河口一帯という汽水地帯の衰退や消滅を招 く。しかも日本の道路行政と、高度成長下、新しい商工 業用地として海岸部が造成されたため、堤防が海岸線に 張り巡らされたことによって、かつての「黒松に白浜」 という日本の風物詩が無残にも消滅し、波に曝される堤 防付近の保護のために、無粋な(これは商品名らしいが) テトラポットが並ぶという無機質な風景に様変わりして いった。 しかもこの無計画で無機質で無粋な風景は、単にに日 本漁業の衰退に結びついただけでなく、新潟地震(1964 年6月16日)、阪神・淡路大震災(1995年1月17日)では、 埋め立て地の液状化現象とう新たな災害さえ生んでい ったのである。 そこで地元やボランティアの協力を得てだが、率先し て国に動いて貰いたい対策を提案したい。 1.ダムからの土砂の排出と川に戻すプラン。上流か らの土砂の流出分は当然ダム底に堆積してダムの効用を 減ずる。そうしたダム陳腐化の延命を兼ね、堆積した土 砂を排出し、再び川に還元しているシステムを構築し実 行する。当然新しいダムには、そうしたシステムを織り 込んだ設備にする。 広島というデルタ地帯に住んでいればよくわかるが、 川砂がいつも下流に流れるわけではない。上流に雨が降 った後、増水した川水が大いに濁って河口に堆積してき た。そうした川水の増水時に、あるいはダムの水と併せ て土砂放流する、あるいは少量ずつ放流するなどの配慮 が肝要である。 2.ダムの下流の両岸に落葉樹の植林を行う。いま心あ る漁師や養殖業者の中には、上流に木11:23 2009/05/03 (落葉樹)を植えようという動きが始まっているが、国 としての援助的対応が必要である。 3.かなり改善されつつあるがまだ残っている密閉型護 岸を、すべて従来のような水棲生物が生息可能なものに 置き換えていく。 4.これは元国土交通省の河川局長だった竹村公太郎氏 が提唱することだが、温暖化による水位上昇や予想され る津波の防御を兼ねて、可能な限り現在より後退した部 分に道路と堤防を移すことを、公共事業として採用すべ きだというプランである。 こうして可能な限り現在の堤防とテトラポットを排除 して、かつての「白浜に黒松」を復元して欲しいもので ある。 (以下次号へ) ************************************************** わたなべりやうじらうのメイル・マガジン 「頂門の一針」1521号(4月21日)より転載 バックナンバーは〜 ⇒ http://www.melma.com/backnumber_108241 <中村のコメント> 馬場さんは千葉市在住、川崎製鉄(現在のJFE)を 経て、「いまはいくつかの小さい企業で仕事をしていま す」という方である。『頂門の一針』の渡部亮次郎さん とは、たまたまある人を介して知り合いになられて酒を 飲むお仲間の1人という間柄で、『頂門の一針』のメン バーとして活躍中である。 前回(2月号ー1)に“リビング・ウィルについて” を転載させて貰った縁から、以降時々メールの交換をし いている。 今回の不況のあおりで、ここ最近テレビでも「農業」 に関する番組が増え、若者も少しは目を向けているよう だが、表面的現象でなく、もっと根源的な問題に迫る必 要があり、今後とも「農業問題」に紙面を割いていきた い。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□「食糧自給率80%」のために(上) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 馬場 伯明 『頂門の一針』紙に加瀬英明氏の論が掲載されていた。 「農業は国の基・豊かな国土を生む」第1498号2009/4/1 以下、「本論」とする。 《私は日本を蘇生させるために、農業政策を転換して( 日本の)食糧(料)の自給率【注】を(40%から)80% に引きあげることを提唱したい》《農業は日本にとって 命の源である》とも。大上段からの「提唱」である。 本論は、日本の農業が工業などの発展・近代化の踏み台 にされ荒廃したことを嘆きつつ、一方で、農業や農村が 培った共生の精神や道徳律・和合する心を評価してい。 これに対し、「ごくありふれた意見」であり、「なぜ、 そうなったのか。どうするのかという提言がない」とい う反論も予想される。 だが、私は、本論の「提唱」を真正面から受け止め、具 体的に実現する道がないものか、探ってみたい。 まず、日本の農業はなぜ荒廃したのか。昔の農業国のま までは増加する人口を賄うことは不可能であった。一般 的には商工業等の発展に伴う経済の成長という歴史の必 然である。農業が意図的に犠牲にされた訳でもない。 しかし、現在、日本は先進国の中で、食料自給率が40% を割るという奇異な国である。国防に匹敵する「食料の 安全保障」という国の重要な砦が壊れかかっている。 だから、加瀬氏が提唱される「食料自給率80%」を、ま ず、国是(の一つ)、つまり、国の基本戦略とするべき なのだ。これにより取るべき戦術が見えてくる。以下、 私見を述べる。(2015年度の国の目標は45%) まず、第1に、関税制度を最大限利用し日本の農業を保 護する。WTO農業交渉においては途上国などからの農 産物の輸入要求についても、「公平な貿易ルール」とな るよう粘り強く交渉する。 「JA全青協」のWTO農業交渉について配布ビラにあ った悲痛な叫びに応え、国是に立脚し決して妥協しては ならない(たとえ、商工業等に、ある悪影響が及んでも)。 この場合、農産物の「品質」レベルを堅持することが重 要である。中国の農薬残留野菜の輸入などは問題外であ る。 第2に、輸入価格と国内の生産コストの差額を「価格補 償金」的な措置で埋め、輸出品には効果的な「輸出補助 金」を投入し、国の責任で農業事業者を支援する。 ちなみに他の先進国の現状はどうか。アメリカは大規模 農業で生産コストが安く食料自給率は128%。それでも なお、政府は輸出補助金により自国の農業を守る。 イギリスの農家の収入はその90%が政府支払金という。 食料自給率は70%、穀物は100%である。フランスの食 糧自給率は122%、ドイツも84%と、どの国も国防とと もに食料安全保障という国是をしっかり守る。 第3に、いちばん重要なことがある。それは食料自給率 80%を担うべき日本の農業事業者の経営体質の強化・確 立である。これがなければ、関税・WTO・輸出補助金 などで政府がいくら頑張っても意味がない。 日本の農業は、小規模から大規模までの農業事業者がほ ぼ農協に加入し、補助金や農業構造改善事業などで概ね 同じ扱いと恩恵を受けてきた。 政治家は国会議員から村会議員まで、狭い地域で農協や 農業事業者を単なる票田として捉える傾向があった。 商工業等の産業分野では常に優勝劣敗。国内外において 企業の買収・合併・などが日常茶飯事のようにあり、熾 烈な競争がなされてきた。 本来農業分野も基本的に同じである。国内の農業事業の 整理・統合・併などを積極的に進め、世界と戦える自立 した農業事業に転換しなければならない。ただ、前述し たように、食料安保という国是を前提とするところが商 工業等とは異なる。 今市役所や企業に勤務し農協に加入している兼業農家等 も補助金や優遇措置等を得ている。だが、これらの措置 は原則として廃止すべきであろう。 また、田畑を宅地として切り売りする都市近郊農家など 、中途半端な「農家」の優遇措置等も廃止し、遊休農地 の宅地並み課税を徹底する。宅地が増えれば地価も下が る。また、畑を形ばかりの「梅・栗畑」にするなどの脱 法行為は認めない。 とにかく、重要なことは、専業農家(プロの農家)、つ まり、後継者を確定し、日本の食料安保を担う覚悟と実 力を持つ農業事業者に限り、国等の経営資源(資金)を 集中投資するということである。 玉石混淆の雑多な農家を「ガラガラ・ポン」とかき混ぜ 選別と集中を行い再編成する。おそらく、次第に兼業農 家等は専業農家に吸収合併され、兼業農家等の働き手は 専業農家の農業労働者になっていくであろう。 一流金型加工中小企業の社長が市役所職員と兼業という 例がないのと同じように、中途半端な農業では国是を達 成できるはずがない。 また、江戸時代から戦前に至る人海戦術による地域集落 共同での手作業農業は今や懐かしい幻想である。高度な 機械化による低コストの集約的な農業が求められる。 このようにして、世界と戦う日本農業、「食糧自給率80 %」を目指す強い農業事業者が誕生し、大きく成長する であろう。その途上でやむなく流れるかもしれない兼業 農家等の血(犠牲)は決して無駄にはならない。 日本農業の未来につながる身近な事例を、次号で紹介す る。 (つづく) ************************************************** <5月号ー2編集後記> ************************************************** 本縄文塾通信の4月−1〜3号に書いた“「脳内渋滞 学」事始め”で紹介した、東京大学大学院航空宇宙工学 の西成活裕准教授によると、道路上渋滞の原因はしごく シンプルで、たった1つ「前の車との車間距離がないこと」 言い換えれば「(常に)車間距離(約40m)の間隔さ えあれば渋滞はない」ということらしい。 今回「GW×休日高速乗り放題1000円×定額給付 金」という3乗効果によって、高速道の各所に超渋滞が 起きている。もし早めに「新型インフルエンザ」騒ぎ が大きくなっていたら、状況は大きく変わっていただ ろう。まずは「よかった!」と言うべきなのか。 一方わが「脳内渋滞」の方は、旧友A君のサポートも あって、急速に交通整理がはかどったお陰で「目下スム ース」、と言いたいところだが、逆にスムースになり過 ぎて目下ガラガラの状態である。 これからはライター諸氏のご協力にすがって、なんと か「落ち葉マーク」並ののろのろ運転をしていくことに なりそうだ。 (中村) ************************************************** < 縄文塾通信5月−2告知板> ************************************************** 日本会議 時事講演会 <ご案内> <タイトル> 緊急レポート!! “知られざる「中国核実験」の惨状 ” 〜中国・北朝鮮の核兵器開発と 日本の課題〜 ◎講師 高田 純 先生 (札幌医科大学教授) ◎日程 5月23日(土) 15〜 16時半(14時〜総会) ◎会場 広島国際会議場地階ラン (広島平和公園内 ◎参加費 1,000円 ◎連絡(申込み)先 日本会議広島事務局 (TEL&FAXにてお願いします) TEL.082−831−6205 FaX. 〃 〃 6206 ************************************************** 以下クリックすると、 <推奨メルマガ・ブログ・ホームページが示されます> ⇒ http://joumon-juku.com/suisho.html **************************************************


