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執筆は主筆中村およびゲストライターで構成し、縄文関連から世界・日本における最新時事問題批評まで、幅広い現象・事象を紹介している。

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2008/07/28

<7月-7 農業関連特集>

**************************************************
◎本通信は、メンバー中心号と、他推奨メルマガ・ブロ
 グからの転載中心号を交互に、(原則)毎月5日に1回
 配信いたします。
◎寄稿・ご意見など歓迎します
◎転載は歓迎いたしますが、出処だけは明記下さい。
**************************************************
   縄文塾通信 <7月号−7(327号)>       
           縄文暦12008年7月28日   
    編集・発行人  《縄文塾》中村忠之     
 ★縄文塾ホームページ   http://joumon-juku.com
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        <農業関連特集>
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     <7月号ー7(327号)目次>
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◎<巻頭言>             中村 忠之
◎日本のアフリカ農業援助(1)    中村 忠之
◎ 瑞穂の国と食糧危機         伊勢 雅臣
◎世界の農を拓いた日本人(4)    by hideおじさん                    
◎7月号−7編集後記         中村 忠之
◎縄文塾掲示板
************************************************  
         <巻頭言>  
  日本の「農」がおかしい、というのはまあ常識だが、
いま日本の「教育」がおかしい。それも教育内容ではな
く、教員採用の仕組みが取り沙汰されているのだ。聞くと
ころ各都道府県の教育委員会は、中央の文科省からも地
方自治体からも隔絶した一種の治外法権、いわゆる「聖
域」になっているらしい。
 こうした前時代的な仕組みが、なんの問題もなく存在
することのおかしさが今問われている。とすればおそら
く、全く正常に作用しているところなど、まずは皆無に
近いだろう。
 純真な子供たちを指導し、教育する立場がこれでは救
われない。今の日本、あらゆるところで「ガラガラポン
」が必要のようだ。 (中村)

************************************************ 
    <中村のコメント>
 今回「農業問題」を中心に編集してみた。特に日本が
表明したアフリカ諸国に対する農業援助を取上げようと
思っていたが、アフリカの抱える問題の大きさから、本
題に中々近づけない。
 ここらで復習を含めて、その根っこの部分にアプロー
チしてみたい。この問題に詳しい方のバックアップをぜ
ひ御願いしたいものである。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■ 日本のアフリカ農業援助(1)    
━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
                   中村 忠之

■□ アフリカ開発会議(TICAD)とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━  

 洞爺湖サミットに先立つ5月28〜30日、第四回ア
フリカ開発会議(TICAD)が横浜で開催され、アフ
リカから51カ国、41名の国家元首・首脳級、それに34
カ国の開発パートナーや、74の国際機関及び地域機関
の代表並びに民間セクター、NGO等市民社会の代表等
3000名以上が参加するという、我が国外交史上類を
見ない大規模な国際会議となった。

 世界の発展から取り残され、飢餓と貧困、暴力と民族
間紛争に疲弊したアフリカ諸国、関連団体それぞれ違っ
た思惑があるにしても、いずれのその期待の大きさが窺
われる。

 ちなみに、TICADとは、Tokyo International 
Conference on African Development (アフリカ開発会
議) の略称で、アフリカ諸国首脳と開発パートナーとの
間のハイレベルな政策対話を促進するために1993年
に開始された。

 TICADは、アフリカの「オーナーシップ (自助努
力) 」と、国際社会の「パートナーシップ (協調) 」と
いう2つの基本原則に基づいて、その開発推進に向けた
イニシアチブの実施を促進する為の主要な国際的枠組み
に向けて、アジアとアフリカの間の協力を最大の特徴と
している。

 福田首相を始め日本側の配慮も大変なもので、今回は
多くの全体的・個別的な会合が持たれ、結果としてまず
は成功であったと言えるだろう。

 日本は現在のアフリカ関係のODAをトータル的に倍
額にすると確約し、特に食糧問題の解決に協力を推し進
めるという姿勢を表明した。しかもその援助を、経済発
展とかインフラ整備でなく、食糧問題焦点を合わせたこ
とは、日本の主張として、まずは正鵠を射たものだとい
えるだろう。

 ただ福田首相が参加諸国に「レアメタル供給」の要請
したことは、いささか語るに落ちた感があり、実務者レ
ベルに任してはとも思われたが、さて受止める方はどう
だったか。ご存じのようにチャイナがで、地下資源欲し
さに、周囲から顰蹙を買いながらも、強圧政権下の国に
対してさえ遮二無二援助をいとわないことを見れば、ま
あ許される範囲かも知れない。

 ただそれぞれの国によって思惑が違い、農業支援より
もインフラや工業技術援助を期待する向きも多く、行政
サイドと国民サイドで微妙に思惑が食い違うところから、
複雑で厳しい対応を迫られる公算大である。

 ただ言えることは日本の立場として、根本的理念が
「農業面の援助」だとするならば、いたずらに基本から
ぶれることなく、その方針を貫いて欲しいものだ。

 また注意すべきは、必ずしも恵む側の好意に対して、
素直に恩を感じる訳ではないと言う、援助される側の複
雑な心境への配慮であって、そこは日本的「忖度(そん
たく)」そして「惻隠(そくいん)の情」を大いに発揮
するべきところだろう。なにしろ今までアフリカは、常
に虐げられ、裏切られてきたところだからである。

  
■□ アフリカの不幸な過去
━━━━━━━━━━━━━ 
 
 現在世界中でもっとも貧困で内乱や民族紛争を抱えて
いるのがアフリカ諸国である。その原因は深くて大きい
ものがあるが、紙数の関係で以下時系列に沿って、4つ
の段階に要約してみよう。

★ 1.16世紀の西欧の大航海時代
─────────────────
   当時欧米列強の介入は、アフリカ大陸の沿岸部に限
られており、しかも多くの場合沿岸の港湾を点として支
配するのみであった。 ただそうした中で、いまでも大
きな汚点として忘れられないのは「奴隷貿易」という非
人道的な仕打ちである。

 今でこそ人道を謳い、正義を口にする西洋文明は、キ
リスト教の名の下に、「異教徒しかも有色民族は人にあ
らず」という差別感に凝り固まった人たちだったことを
忘れてはならない。


★ 2.19世紀の植民地政策時代と不自然な国境設定
─────────────────────────
 19世紀に入ると産業革命が進み、奴隷貿易も禁止さ
れることになる。この結果、アフリカを工業のための原
料の供給地とし、さらに工業製品の市場として囲い込む、
植民地政策に転換するほうが経済的に有利と判断され、
我先に植民地計画に走るようになった。

 たとえば、列強のみならずベルギーまでもが競って植
民地支配を目指す政策へと大きく転換する。極端な例だ
が、たとえば南アフリカなどは、オランダの移民がつく
った白人国家だったのである。

 東南アジアでの例でもわかるように、彼らの植民地政
策は、その地の人になんら恩恵を与えるものではなく、
自分たちの必要とする物産・香辛料・地下資源の収奪に
終始したのである。

 この地の利権を巡っては、列強同士の争いも発生した
が、そうした圧政に対する現地民の叛乱も多発した。そ
れに対して列強は武力と強権を持って抑圧し、しかも恣
意に国境線を引いてなんら憚らなかったのである。

 この恣意的国境線が、民族・種族間の分断を生み、今
でも紛争の火種となっていることはご存じの通りである。


★ 3.第2次大戦後の独立
─────────────
 20世紀に入ると2度の世界大戦で疲弊したヨーロッ
パ各国に、植民地の維持に掛かる膨大なコストが重くの
しかかるようになり、結局東南アジアに次いで独立が相
次ぎ、結局植民地政策の終焉を迎えることになる。

 最大の問題点は、かつての宗主国のエゴが引いた国境
線や、人種による差別的待遇などから、独立後かえって
混乱が大きくなり、紛争や内乱が続発し、以前にも増し
て貧窮が進み、難民が増加する傾向が収まらないまま現
在まで推移して来た。


★ 4.冷戦時米ソ二大勢力の確執の後遺症
────────────────────
 第2次大戦後、雨後の竹の子のように独立した国々を
待っていたのは、統治的無経験から来る国家経営の行き
詰まりであった。

 そうした時に、それぞれ援助を申し出たのは米ソとい
う、社会主義:自由主義という2大陣営で、それぞれ資
金と武器、それに食糧を供給しながら自己陣営への参加
を促すのだが、それが国単位でなく、同じ国の他種族感
の離脱をはかることとなり、各地で内戦と紛争、略奪と
殺戮が益々激化していき、難民は増加していった。

 現在ソ連の崩壊によって国内対立はかなり沈静化して
いるようだが、種族間の勢力差によって、いまだに内紛
や殺戮の横行している国も多く、折角豊富な地下資源を
持ちながら、昨今の乾燥化が、食糧飢饉・水不足によっ
て貧困から来る社会不安を招来しているのが現状である。

 そうした意味合いから日本の援助方針が、「農業面で
の援助・指導」に確定してぶれないことを願うのみであ
る。

 次回、ソ連側の「赤の革命」に対抗した自由陣営の農
業政策、「緑の革命」について触れてみよう。


  脚注:
 (以下 Wikipediaより)参照
 ◎アフリカの植民地化の歴史
 ◎アフリカ分割 
              
************************************************  
    ■ 国際派日本人養成講座 ■ H20.07.20
 ⇒ http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/
 より転載しました。

  <中村のコメント>
 幅広い分野で、伊勢先生の卓見には敬服する。特に今回
は、先般来取上げ続けている「農」の問題を取上げる上で、
最大の課題と謂えるテーマに真っ正面から取り組んだ論文
を掲載させて頂いた。
 自給率の問題だけでなく、日本の「農」に絡む難問は、
果てしなく多くて闇が深い。
 今後とも機会あるごとに「農」の問題を取上げていく予
定である。


━━━━━━━━━━━━━
■□■ 瑞穂の国と食糧危機
━━━━━━━━━━━━━

■□ 迫り来る食料危機に対して、
    輸入国・日本はいかに対処すべきか。 

                  伊勢 雅臣

    
■1.食糧危機での新国家主義台頭■

  世界の食料価格が高騰を続けている。小麦価格は2006(平成
 18)年1月まで1ブッシェル(約27.2キロ)3ドル近辺
  だったが、今年の2月には10ドルを超えた。トウモロコシも
  同じく3ドル程度だったが、最近では8ドルを超える。大豆は
  6ドル程度だったのが、15ドル以上となっている。

   こうした国際穀物市場での価格高騰は、我が国の台所を直撃
  している。日本は世界最大の農産物純輸入国であり、かつ穀物
  自給率は28%と、先進国の中でも異様に低い水準である。

   ちなみに穀物自給率で言えば、アメリカは128%、フラン
  ス142%、ドイツ122%と輸出余力を持ち、また比較的自
  給率の低いイギリスで70%、イタリアで62%である。

  「フラット化する世界は終わり、新国家主義が台頭した」とは、
  ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、地球温暖化問題での
  各国のエゴのぶつかりあいを評した言葉だが[1]、この言葉は、
  食料環境にも当てはまる。

   たとえば、ロシアは国内需給の逼迫による価格高騰を抑制す
  るため、昨年11月から大麦、小麦にそれぞれ30%、10%
  の輸出税を課した。アルゼンチンは、一昨年11月から、トウ
  モロコシや小麦の輸出規制を行っている。各国はまず自国民の
  食料確保を優先し、他国への輸出は余力がある場合のみ、とい
  う「新国家主義」が台頭しつつある。

   こうした中で、我が国はどれだけ食料危機への対処ができて
  いるのだろうか。

■2.人口増による食料消費増に生産が追いつかない■

   現在の食糧危機は人口増などに起因する需要増加に、供給の
  増加が追いつかないことから生じている。それだけに一時的な
  ものではなく、短期的な解決の見通しもない。

   世界の穀物の消費と生産は、次のように伸びている。

              2000/01年               2006/07年
  ・消費 19億0170万トン → 20億5022万トン
                (100%)            (107.8%)
  ・生産 18億3900万トン → 19億7450万トン
                 (100%)            (107.4%)
  ・不足    6270万トン →    7572万トン

   このように生産よりも消費量が大きい。この分だけ穀物の在
  庫量が食いつぶされており、在庫量は半分程度になっている。
  また両方とも拡大しているが、消費量の伸びの方がわずかに高
  く、不足量(すなわち在庫食いつぶし量)も拡大している。

   消費量の増加は、人口増加によるものである。国際連合人口
  部の統計では、2000年以降の人口増加率は1.2%程度で、上
  記の食料消費の伸びが6年で7.8%、つまり年率1.3%なの
  で、ほとんど人口増加率と同水準である。

   現時点でも世界で飢餓に苦しんでいる人口は8億5千万人ほ
 どいると国連食料農業機関(FAO)は推計している。この飢
  餓人口の定義は、人間が健康に生活するのに最低限、必要な約
  2300キロカロリーをとれない人々、である。

   すなわち、近年の世界の人口増は、在庫の取り崩しによって
  まかなわれており、やがて在庫が無くなっていくにつれ、食料
  価格は高騰を続け、この飢餓人口はさらに拡大していくだろう。

■3.伸び悩む穀物生産■
    
    一方、生産の方はどうか。穀物の生産は、耕地面積に単収
 単位面積当たりの収穫量)を掛けあわせる事で得られる。

   耕地面積の方は70年代の7億2400万ヘクタールから、
  2003年には6億4580万ヘクタールへと、11%も減少した。
  これは砂漠化や、都市化・工業化に伴う工業用地・宅地への転
  換によるものだ。

   もう一つの要因である単収の方は、品種改良や農業の近代化
  灌漑整備や肥料・農薬の投入、機械化など)により着実に増
  加しているが、その伸び率は、60年代の年平均3%が、90
  年代以降は1.5%程度へと低下してきている。

     60年代の収率増加は、弊誌555号で紹介した小麦や稲の品
    種改良による「緑の革命」の成果である[a]。近年は遺伝子組
    み換え技術が進んできたが、それでも単収の伸び率を押し戻す
    までには至っていない。

   もう一つ穀物生産の阻害要因になっているのは水不足だ。国
  際灌漑管理研究所によると世界の水の年間使用量は、この半世
  紀で4倍近く増加した。しかし、この間、人口増加や地下水の
  枯渇、水質汚染などにより、人口一人あたりの水供給可能量は
  減少を続けている。

   たとえば、中国では総給水量が減少しつつあるなかで、生活
  用水、工業用水需要が急増し、全体の7割を占める農業用水が
  圧迫されている。水不足に悩む農業用地は、全体の約1億ヘク
  タールのうち、13〜40%に達すると見られている。

    「世界は今、水戦争のまっただ中にいる」とは、全国連事務総
    長コフィ・アナンの言であるが[b]、水不足は食糧生産を直撃
    する問題である。
    
■4.不安定な国際穀物市場■

   以上のように食料需要は増加し続け、増産の方はままならな
 い、という事で、食糧不足は構造的なものであり、事態はます
  ます深刻になりつつある、ということが分かるだろう。

   その状況の中で、我が国は世界最大の食料純輸入国となって
  いるのだが、日本が依存する国際穀物市場そのものが、以下の
  3つの点で不安定性を抱えている。

   第一に、国際穀物市場における取引量は総生産量の10%か
  ら12%に過ぎない、ということである。基本的に各国は自国
  内での消費を優先し、余剰分を輸出に回す。干ばつで不作とも
  なると、不足分は輸出量の減少となり、それが穀物価格の高騰
  を招く。

   第二は、主要な穀物輸出国が、米国、カナダ、オーストラリ
  ア、南米、中国などに限られる点である。たとえばトウモロコ
  シの輸出量の7割は米国一国で占める。大豆は米国、ブラジル、
  アルゼンチンの3カ国で世界輸出の9割を占める、といった具
  合である。したがって、米国一国でも異常干ばつに見舞われる
  と、世界貿易上の需給はすぐに逼迫する。

   第三に、穀物輸入国も日本、韓国、台湾などアジア諸国中心
  である。トウモロコシ輸入の約4割はアジアであり、その半分
  が日本である。大豆に至っては、中国と日本で世界輸入の過半
  を占める。

   このように食料は各国の自給が前提であり、ごく一部の余裕
  分が、一部の国から一部の国へと売り買いされているのが、国
  際穀物市場の実態である。前述したように我が国の穀物自給率
  は28%と先進国中最低の水準であるが、こういう不安定な穀
  物市場に依存していることの危険性を認識する必要がある。
    
■5.農政と食糧政策の行き詰まり■

   こういう国際状況の中で、我が国の農業はどういう状態になっ
  ているのか。現在の農業の状態を規定したのは、昭和36(1961)
  年に施工された「農業基本法」である。これは基幹作物である
  コメについては、農家の生産を補償するために価格支持を導入
  するとともに、規模拡大による生産性の向上を図る。

   トウモロコシなどの飼料作物は限られた土地の中で生産性向
  上にも限度があるので輸入に依存することとした。小麦、トウ
  モロコシ、大豆などで日本が世界有数の輸入国となったのは、
  このためである。

   一方、コメの方は高価格政策により、生産過剰を招き、食管
  赤字という形で財政負担を増大させている。同時に消費量の方
  は、食の洋風化とともに、昭和36年頃には一人年間120キ
  ロあったコメ消費量は、現在の60キロ台へと半減した。

   またコメの生産性向上の方も着実に進み、水田1ヘクタール
  あたりの収量は昭和36年時点の381キロから、昭和59
  (1984)年には500キロを超えた。需要が減少する中で、土地
  生産性が向上したので、平成17(2005)年時点で、39万ヘク
  タールもの耕作放棄地が生じている。埼玉県や滋賀県に匹敵す
  る土地が放置されているのである。

   また稲作1アールあたりの労働時間も、農耕機の導入などで、
  5分の一近くまで減少してきており、コメの需要減とあわせて
  農業人口は昭和55(1980)年の506万人から平成15(2003)
  年には259万人と半減し、高齢化と後継者難の問題が生じて
  いる。

   要約すれば、国際的な食料危機と不安定な穀物市場というリ
  スクのもとで、我が国はコメ以外の穀物はひたすら輸入に依存
  しおり、コメの方も需要の減退と共に生産余剰を抱え、土地は
  有効活用ができず、農民も明るい未来を描けない、という行き
  詰まりを迎えている。農政と食料戦略の一大転換が必要な時期
 にある。
    
■6.企業の活力による農業再生■

   このような農政の行き詰まりを打破するには、従来の官僚的
  統制から脱却して、民間の活力を農業に導入することが近道だ
  ろう。

   幸い、そのような方向での企業の動きも各分野で見られるよ
  うになった[b]。最近のニュースとしては、イトーヨーカ堂や
  セブンイレブンを保有するセブン&アイ・ホールディングが農
  業に参入する計画が報じられた。[2]

   それによると、3年以内に全国10ヶ所に農業生産法人を新
  設し、そこで生産した野菜を傘下のイトーヨーカ堂全170店
  で販売する。店舗から出る食品ゴミは、農業生産法人で肥料と
  して活用し、食品資源の循環を図る、というアイデアも面白い。

   8月に設立が予定されている千葉県豊里市の農業法人は、農
  家から農地を借りて、イトーヨーカ堂が派遣する社員らが農作
  業を行い、大根、キャベツ、ほうれん草など5品目を千葉県内
  のヨーカ堂21店に直送する。

   イトーヨーカ堂だけで、野菜・果物の販売額は年1千億円に
  達するという。これだけの規模の小売りチェーンが消費者のニ
  ーズに直結した食料生産を行うことは、良質安価な食料の供給
  に大きな効果を上げるだろう。また海外からの輸入野菜の品質
  や安定供給上のリスクを和らげ、国内の土地や労働力の有効活
  用をするなど、一石三鳥、四鳥の効果がある。
    
■7.野菜工場でレタスの「28期作」■

   日本のお家芸である技術革新も、農業分野で花開きそうだ。
  日本鋼管と川崎製鉄が経営統合した生まれたJFEホールディ
  ングスでは、無農薬レタス「エコ作」を作っている。

       子会社JFEライフの土浦プラント(茨城県)に設けら
      れた栽培ハウスはまさに工場だ。巨大水槽には苗の入った
      シートがびっしり浮かぶ、温度差を微調整する製鉄技術を
      応用しコンピュータで室温や光量を管理する。

      「28期作」という高い生産性が自慢で、営業部長、川崎
      海(60)は「年中、安定供給できる」と語る。・・・

       仮に土浦規模のハウスを約1兆1千億円で1400棟ほ
      ど建てれば、国内需要分を生産できる。[3]

   レタスなどは天候に影響されやすく、値段の上下が激しいが、
  こうした生産技術の革新により、常に良質な野菜が安定的に供
  給できるようになる。食料の安定供給という国家安全保障の上
  からも、効果的である。

   このような野菜工場が、前述のように近傍のスーパー・チェ
  ーン店と直結されれば、わざわざ中国から野菜を輸入して、海
  上輸送によるCO2排出をするようなムダも排除することがで
  きる。地球に優しく、また消費者も安心できる食料供給システ
  ムができる。
    
■8.ごはんをもう一杯多く食べれば■

   一方、コメ余剰と小麦、トウモロコシ、大豆などの輸入依存
  という矛盾が生じたのは、食生活の洋風化が急速に進み、パン
  食による小麦の輸入、肉類の消費増による飼料としてのトウモ
  ロコシの輸入、そして油を使った料理のための大豆の輸入、が
  原因である。

  「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」は、われわれが毎日
  ごはんをもう一杯多く食べるだけで次のような効果がある、と
  いう試算を発表している。[4]

      ・食糧自給率が8%向上。
      ・転作された田んぼが、60万ヘクタール、水田に蘇る。
      ・貯水機能が12億トン(東京ドーム1000杯分)高ま
        り、洪水、水不足を防止する。
      ・稲の光合成により二酸化炭素を300万トン(東京ドー
        ム1520杯)吸収する。

   さらに肉や油の多い食生活は、高脂血症、糖尿病、がん、肥
  満などの生活習慣病を増やし、医療費の高騰を招いている。

   コメは健康増進面でも、環境保全面でも優れた作物なのであ
  る。
    
■9.瑞穂の国の再生■

   そうは言っても、食習慣を戻すのは難しい。そこで今風の食
  生活にあうような形でコメを活用する、という技術が広まりつ
  つある。たとえば、米粉で作ったパン、うどん、ラーメン、パ
  スタ、お好み焼きなど。

   米粉は小麦粉よりも水分を多く含むため、パサパサした小麦
  粉のパンに比べで、米粉パンはしっとりとした食感で、飲み物
  がなくても食べられる。同じ量でも低カロリーで、腹持ちも良
  い。すでに学校給食では8千校以上で導入されている。

   瑞穂の国とは古代の我が国の自称であった。青々とした水田
  に豊かな稲穂が垂れる光景は、美しく豊かな国土の象徴である。
  現代日本の先端技術を活用して、コメの生産と需要を増やし、
  食糧自給率を高め、安心で豊かな美しい国を作っていきたいも
 のである。
 

************************************************
       ━━━━━━━━━━━━
        ■□■ おことわり ■□■ 
       ━━━━━━━━━━━━
 「縄文塾通信」7月ー5号で、<WEB 熱線 第1039号>
 ⇒ http://chinachips.fc2web.com/common/31mag.html
 の最後の(l=エル)が切れていたこと。及び

  ◎世界の農を拓いた日本人(2)   
 ⇒ http://chinachips.fc2web.com/repo4/045hideoji.html
  ◎世界の農を拓いた日本人(3) 
 ⇒ http://chinachips.fc2web.com/repo4/045636.html
 が2行に亘っていたため、認識できないというミスが
生じました。謹んでお詫びすると共に、ここに訂正させ
て頂きます。  (中村)

************************************************
 ≪ WEB 熱線 第1048号 ≫2008/07/21_Mon
より転載しました。  

  <中村のコメント>
 「弥生の民は朝鮮半島から渡来した」という説が根強
い。ところが私は、なぜか学術的・遺伝学的結果は別果
として、どうもこの説は(体質的に又感情的に)受け入
れられないのだ。
 なぜならこの国のヒトに、一切日本人的性状を見て取
れないからである。ネットを通じて世界中に知れ渡るの
に、キジを生きたまま食いちぎったり、それをまた平気
でテレビに流したり、これは断じて風土が生んだ差だと
は思えない。
 日本はこの国に、マイナスの行為はあったとしても、
近代化に向かって大きな貢献も沢山しているのに、それ
らを一切否定してはばからない国民的性状は、未来永劫
変わらないであろう。
 そうしたことを度外視してこの国の進歩に貢献した日
本人の存在に胸を張りたい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━  
■□■ 世界の農を拓いた日本人(4) 
━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
                 by hideおじさん 


韓国農村振興庁=日本でいう農水省の農業試験場)で、
いまだに語り継がれている一人の日本人がいる。水原市
にある農業科学館には、その日本人の功績と日本統治時
代の研究について詳細に展示されるとともにこう締めら
れている。

「韓国の農業研究は日本人によって始められた」

朝鮮の田舎道を行く、ずんぐりした一人の男がいた、1
919年(大正8年)東京帝国大学農学部を卒業した高橋
 昇である。

韓国京畿道水原にある勧業模範場(試験場)に技手として
赴任した彼は、途中、米国・ドイツ留学をするも、以後
約26年という長きにわたって韓国農業の研究にその生
涯の大半をつぎ込むことになる。

併合間もない頃の朝鮮農業は、前近代的ともいえる、天
候にまかせた農業そのものであり、水利も全く不完全、
さらには、植林から始めなければ水の確保もままならな
いという非常に悲惨な状況下にあった。

朝鮮総督府は、水利事業に莫大な資金をつぎ込む一方で、
日本式農業を朝鮮農民に教育することに力を入れていた。

しかし高橋は、この方針に異を唱えていたのである。 
彼は、朝鮮農民が昔から行ってきた農法に基づいて指導
しなければならない、としたのである。

総督府で働くエリートたちは、実態調査などを「泥臭い
非科学的なもの」として無視した。しかし高橋は、

「朝鮮の農民たちは数百年にわたって固有の風土の中で
工夫に工夫を重ね、最善と思われる農法を築いてきたの
です。まず朝鮮人農家に飛び込んで、彼らから農法を謙
虚に教えてもらうことが仕事の第一歩です」と説いて、
自分自身飛び回ったのである。

日本より格段に雨の少ない朝鮮では、気候の異なる日本
の農法をそのままもってきても上手くいかないと判って
いたのであろう。

日本式農業の普及の為に「農事試験場」を設立したので
あるから、高橋の意見は相当異端であり、且つ総督府の
指導に反するものであった。

しかし高橋は、忙しい研究の中、暇をみつけては朝鮮各
地を周り、直に朝鮮農家を一戸一戸訪ねて、彼らの農法、
日常の食事内容、生活習慣、あげくには堆肥となる排泄
物まで、事細かに調査したのである。

その足跡は、北は現北朝鮮と中国の国境「咸鏡北道」か
ら南は「済州島」まで朝鮮全土に渡るものだった。この
ような調査を行ったのは、朝鮮開闢以来日本人の高橋が
初めてであった。

もちろん高橋は近代的農法の普及に手を抜いたわけでも
なく、彼の研究姿勢は「何か実験なり企画があったりす
ると昼夜関係なく部下に召集がかかり、徹夜で議論する
ことも珍しくなかった」と言われている。

そこには、日本人・朝鮮人の隔たりはなく「寝食を忘れ
るぐらいに打ち込める仕事の素晴らしさ」を教えられた
若者たちがいたのである。

高橋の執念ともいうべき朝鮮農業の調査資料は、原稿用
紙にして1万3千枚以上、写真1500枚、地図260
枚以上と厖大な量に及んだ。

残念ながら、それをまとめる間もなく終戦を向かえるこ
とになるのだが、韓国の懇請により、彼もまたこの地に
留まり朝鮮人後進の指導にあたった後、彼の集めた資料
とともに昭和21年帰国することになる。

しかし、帰国からまもなく高橋は急逝してしまう、55
歳であった。

ーーーまさにその生涯を朝鮮農業に捧げたのである。

それから50年、「寝食を忘れるぐらい打ち込める仕事
の素晴らしさ」を教えられた後輩と高橋の息子によって、
この資料は「朝鮮半島の農法と農民」という本として
世に出た。

韓国の専門家が驚愕したというその内容、何故ここまで
して調べたという畏敬の念とともに、「今では全く得が
たい資料であり、今後韓国および朝鮮農業の真の近代化
の基礎を明らかにするものである」と同書の永久性を称
えられている。

同書は、当時の韓国大統領金大中氏と、北朝鮮の金正日
にも送られたのだが、後に両国から丁寧な礼状が届けら
れたという。高橋の努力はイデオロギーや国境を越えて
認められたといっていいだろう。

高橋と苦楽を共にした朝鮮人技術者は、その後韓国の農
政官僚の中枢を占め、韓国近代農業の基礎を築いていく
ことになる。 

ーーーここにも、朝鮮を愛した日本人がいたことを忘れ
てはならない。

  = 福岡県八女市HP参照 =

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       <お便り>
             読者H.Cさんより
 こんにちは。
 縄文通信(326号)の「偽物ユダヤ人と選ばれた民族日
本人(60)」に、>まるで我が国がかつて行った「隣
組」を彷彿とさせるが、いまやこれは米国だけの問題で
はなく、日本においても既に密かに導入されている事で
ある。との文章が有ります。
「隣組」を悪のイメージで捉えているようですが、本当
にそうでしょうか? 私の住む地域(岩手県内陸南部)
では、戦前の方々は公然と「隣組」を口にします。「隣
組で御祝儀(結婚式)がある」とか「隣組に不幸があっ
た」と言うように。
 最初はその言葉に驚きましたが、当たり前に口にする
ので、「隣組」があたかも国民統制の為の諜報手段の代
名詞のようにされたのは、戦後の洗脳によるものではな
いかと思うのですが、いかがでしょうか? 共産主義者
にとってはそうだったとは思いますが…。
 治安維持法もそういうイメージですよね。 
                                                      
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     <縄文塾7月号−7編集後記>
**************************************************       
 21世紀はエネルギーよりも水問題だと謂われる。水
の問題が表面化すれば、直接「農」に影響が出る。そこ
で今回も、「農特集」としてみた。今後とも多くの方か
ら、農業関連の寄稿を頂戴したい。
 さて最近、トイレットペーパーが急に薄くなったこと
に気付く。なにしろちょっと触るだけで破れるのだから
間違いない。ただガソリンならそうはいかぬがこちらは
節約したと思えばまあ我慢できる。
 数日前から急にアブラゼミの鳴き声がかしましくなっ
た。ただウンともスンともいわぬ日と、耳障りな鳴き声
を響かす日があル野だが、さっぱりその理由がわからぬ。
 広島では夾竹桃の花が咲き乱れ始めた。この花が咲く
と原爆の日が巡ってくる。8月6日、こちらは文字通り
「平和」の記念日だが、さて多くの弾圧と血を見た8月
8日、こちらはととえも「平和の祭典」というわけには
いかないだろう。大きな事件が起きなければよいが……。
 いずれにしろ今年は人災・天災・地災が多すぎる。
    (中村)

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       縄文塾7月告知板
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      7月広島雑学アカデミー

 1.日 時:7月30日(水)18:30〜21:00
2.場 所:アステールプラザ4階「美術工芸室」
 3.講 師及びテーマ
 (1)星加すみこ氏 (18;30〜19:20)
       「宇宙エネルギー活用」
            〜1本の棒と気揚健康法〜

 (2)三好孝英氏 (19:20〜20:10)
             「医療と健康食品」
 4.質疑応答、懇談会(20:10〜20:50)
 5.会 費:1,500円
    (懇談会ドリンクと茶菓子代含む)

  どなたも自由に参加下さい。

**************************************************
◎名にし負う粗忽男中村です。懲りもせず「脱字・誤字
・変換ミス…」多発のこと、陳謝!多謝!深謝!「笑っ
て許して」下さい。(中村)  
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 ◎武田邦彦(中部大学)のホームページ
  ⇒ http://takedanet.com/
  ◎沖縄在住の絵描きが日々の出来事をつづる
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  ⇒ http://ryotaroneko.ti-da.net/
  ◎朝鮮日報{日本語版)
  ⇒ http://www.chosunonline.com/
  ◎あかさたなの執行実験場
  ⇒http://sikkojikken.at.webry.info/ 



                 	  

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