■第445回 栄光は短し(グルジア史入門その6)
■第445回 栄光は短し(グルジア史入門その6)
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ある歴史家は『世界史はモンゴル帝国に始まる』といっています。
モンゴル帝国以前は、『シルクロード』による商業ルートだけが東西を結
んでいました。
それがモンゴル帝国によって、政治的に統合されました。
『グローバル化』はいまから700年前、当時の『超大国』モンゴルによ
って達成されたのです。
その影響は日本へも及び、間接的に鎌倉幕府を崩壊させる原因のひとつと
なりました。
コーカサスのグルジアも影響から逃れられませんでした。
第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html
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●モンゴルの嵐
12世紀後半、モンゴル高原の統一事業を推し進めた人物がテムジンです。
1206年、テムジンは『ハーン』に即位し、チンギス・ハーンとなり、
モンゴル帝国の建国を宣言しました。
続いてチンギス・ハーンは周辺国家を征服するための遠征を開始しました。
1236年、チンギス・ハーンの長男ジョチの次男のバトゥを総司令官と
した西方世界の遠征軍が出発しました。
最初の目標はロシアです。
モンゴル遠征軍の通り道となったグルジアは1236年、モンゴルの支配
下におかれました。
モンゴルの支配は100年間続きました。
モンゴルの重税が中世グルジアの栄光を奪い取りました。
さらにモンゴル帝国が分裂後に成立したイル・ハーン国とキプチャク・ハ
ーン国の勢力圏争いに巻き込まれました。
イル・ハーン国は現在のイラン、キプチャク・ハーン国は現在のロシア、
ウクライナ西部、カザフタンを領土とした、チンギス・ハーンの子孫の国家
です。
キプチャク・ハーン国の継承国家が18世紀に消滅するまで、ロシアを支
配しました。
ロシア人はモンゴルの支配を『タタールのくびき』と呼び、ロシアの後進
性の原因としています。
1335年、ゲオルギ五世がモンゴルを駆逐して、グルジアを統一しまし
た。
ゲオルギ五世のもとで経済が復興し、イタリアのベネツィア、ジェノバと
交易が再開しました。
●チムール帝国の勃興
しかし、1386年、チムール帝国の侵攻が開始されました。
チムール帝国は現在のウズベキスタン中央部に、モンゴル系のチムールに
よって1370年に建国されました。
チムールの先祖はチンギス・ハーンの次男チャガタイに仕えた有力な将軍
でした。
しかし、チムールが生まれた当時は没落したモンゴル貴族でした。
チムールは生まれながらの軍事才能を活かして周辺の諸勢力を撃破して力
を蓄えていきました。
1370年、チムールはチンギス・ハーンの子孫にあたる王女を妻にして
『チンギス・ハーン家の娘婿』と称しました。
チムールはチンギス・ハーンの子孫でなかったため、『ハーン』を名乗る
ことはありませんでした。
形骸化していたオゴタイ・ハーン国の『アミール』として行動していまし
た。
『アミール』とはアラビア語で『司令官』『総督』の意味を持ち、イスラ
ム世界では有力君主の称号として用いられました。
1386年のチムールの遠征でゲオルギ五世は捕虜になり、復興した中世
グルジアの栄光は終わりました。
●オスマン・トルコ、東ローマを滅ぼす
1453年、かつてはセルジュク朝の臣下であったオスマン一族のオスマ
ン朝が東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルを陥落させました。
これによって1000年続いた東ローマ帝国が滅亡し、アナトリア半島、
バルカン半島、東地中海はオスマン朝の支配下に入りました。
これにより、東方世界と西方世界の交易ルートが遮断されました。
この事態がヨーロッパ諸国、特にポルトガル、スペインの大航海時代のき
っかけとなりました。
それとは反対に、地中海を経由したイタリアのベネツィア、ジェノバの衰
退につながりました。
それと連繋していたグルジアにも大きな影響を与えました。
経済的な打撃により統一が困難となり、王国は分裂しました。
その分裂に乗じて、西方からオスマン朝、東方からイランのサファビー朝
の勢力が浸透してきました。
グルジアは、またもや『超大国』の『草刈場』となったのです。
グルジア史入門は今回で休載します。
次回から台湾史入門をお送りします。
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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第445回)(2008年09月26日号)
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