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『年号を暗記させられたから歴史はきらい』な人にも聞いてほしい歴史です。年表や地図がなくてもわかる歴史です。あなたが知らない意外な日本史、中国史、これまで日本が避けてきた台湾という『国』の台湾史、モンゴルの歴史、ベトナムの歴史まで語ります。

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2008/07/07

■第410回 南宋と金の『平和共存』(中国、裏切り者の列伝その10)

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■第410回 南宋と金の『平和共存』(中国、裏切り者の列伝その10)

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 第二次世界大戦の直後から1980年代の末まで、アメリカとソ連は『冷
戦』という名の戦いをしていました。

 直接の武力衝突はありませんでしたが、世界の各地で『代理戦争』があり
ました。

 いつ、第三次世界大戦、つまり核戦争が起きるかと、世界は緊張に包まれ
ていました。

 しかし、今から考えると、アメリカとソ連は水面下では、手を握り合って
世界を分割していたのではないかと思われます。

 相手を打倒できないため、『平和共存』を選んだのかも知れません。


 今回の主人公・秦檜も、870年前の中国で『平和共存』による生き残り
を模索しました。


 第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
            http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html


  このシリーズは、まもなく終わります。

  読者の皆様、短気は損気です。

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●秦檜、金へ抑留

  1127年、金は宋(北宋)を滅ぼしました。

 さすがの金も、独力で旧宋の領土の直接統治は不可能であると判断しまし
た。

 そのため、斉(せい)という傀儡国家を樹立し、旧宋の和平派官僚の指導
者・張邦昌(ちょう ほうしょう)を皇帝として即位させました。

 これに異をとなえたのが、強硬派官僚の指導者・秦檜(しんかい)でした。

 この異議により、秦檜は妻の王夫人とともに金の本土へ抑留されました。


 され、北宋滅亡後は、皇族の一人が江南に亡命政権を建てて皇帝となりま
した。

 その皇帝が高宗であり、亡命政権の名を歴史家は『南宋』と呼んでいます。


 1130年、金軍の攻撃が一段落して、やっと南宋は基盤固めに乗りだし
ました。


●秦檜が戻る!

 その時、金に抑留されていた秦檜と妻の王夫人が戻ってきました。

 南宋の高官たちは秦檜の話を聞きましたが、ほとんどは信用しませんでし
た。

 その内容は、以下のようでした。

    私と妻は、金が発した再度の南宋討伐軍に同行させられた。

    隙を見て、見張りの者を殺し、妻、召使と脱出した。

        途中で船を見つけて江南にたどり着いたのだ。

 あまりにうますぎる話で、誰も信じないのは当然です。


 それでも、秦檜と親しかった范宗尹(はん そういん)が信じて、弁明し
たため、秦檜は高宗に会うことができました。

 このとき、范宗尹は宰相という官僚の最高位でした。


●南宋と金、平和共存への道

  秦檜は高宗に「南宋の軍事力では金に対抗できません。金と和睦して、北
は金、南は南宋で天下を分けるべきです」と主張しました。

 この秦檜の主張は、これまでとは正反対の内容です。

 3年間の抑留期間中で、秦檜は対金強硬派から和平派へと変っていました。

 この変化は、金朝内部の権力闘争とも関連しています。

 金朝にも南宋への強硬派と和平派が存在していたのです。

 当時の金の実力者のダランは、和平派でした。

 ダランは金の国力では、南宋を屈服させることは困難であると認識してい
ました。

 秦檜も、金での抑留生活中の見聞にもとづき、金から黄河以北の土地の奪
還は、南宋には不可能であると判断しました。


 奇しくも秦檜とダランの考えが一致しました。

 『奇跡』の脱出劇は、秦檜とダランの合作であったと考えられています。


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第410回)(2008年07月07日号)
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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。

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