■第403回 中国史のおさらい、『名役者』宋の太祖(中国、裏切り者の列伝その3)
■第403回 中国史のおさらい、『名役者』宋の太祖(中国、裏切り者の列伝その3)
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多くの国の歴史は分裂と統一を繰り返しています。
これ以上は分裂ができないところまで進むと、やがて統一へと向かいます。
『五代十国』時代は半世紀であり、南北朝時代に比べれば短期間ですが、
分裂の度合いは、南北朝に匹敵しています。
分裂に飽いた民衆の中から統一への機運が湧き上がります。
その機運にいかにして乗るか、『五代十国』後半の指導者の力量が試され
る時がきたのです。
第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html
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●五代十国の名君
皇帝を最高権力者とする中国の王朝史は2200年の長さがあります。
その中には『名君』『賢君』もいましたが、それ以上に『暴君』『暗君』
もいました。
なぜか、五代十国時代は、その『暴君』『暗君』のオンパレードでした。
後梁(こうりょう)の太祖・朱全忠が『暴君』の最初でした。
朱全忠は帝位を譲ってくれた唐朝最後の皇帝を殺しています。
五代十国時代の王朝が短命に終わったのは、皇帝の資質に問題があったか
も知れません。
しかし、五代十国時代の最後の後周(こうしゅう)の世宗・柴栄はちがっ
てしました。
柴栄は後周の太祖・郭威の死後、皇帝となりました。
まだ34歳の若さでした。
柴栄の叔母が、まだ皇帝となる前の郭威の妻であったのです。
皇帝となった柴栄は、行政、軍事の機構改革を行って内政を充実させ、国
力の強化を図りました。
その国力を背景にして、周辺諸国を撃破、併合していきました。
分裂の時代から統合の時代に、風向きが変わっていったのです。
959年、燕雲(えんうん)十六州を奪回するため、契丹攻撃に向かって
いた柴栄は39歳の若さで病死しました。
●幼帝の即位
世宗・柴栄の後継者は、まだ7歳の恭帝でした。
平和な時代ならともかく、五代十国時代では頼りない皇帝です。
軍隊内部に『新皇帝擁立』の動きが高まりました。
翌年960年1月、契丹軍が攻撃をかけてきました。
これに対処するため、後周軍の主力を率いて北上した人物が趙匡胤(ちょ
うきょいん)でした。
趙匡胤は殿前都点検という軍の高官です。
現代でいえば、近衛軍司令官に相当します。
●陳橋の変
首都・開封を進発した翌日の晩(2月3日)、後周軍は陳橋に宿営しまし
た。
大酒のみの趙匡胤は、いつものように酔っ払って寝ていました。
ところが弟の趙匡義(ちょうきょぎ)に起こされて、庭に連れ出されまし
た。
そこには、剣を抜いている大勢の将校がいました。
趙匡胤は「殺される」と思ったようです。
しかし、将校たちは「ぜひ、皇帝になってください」と趙匡胤に懇願しま
した。
辞退する趙匡胤に、弟の趙匡義は皇帝のみが着用する黄色の上衣をかけま
した。
それを見た将校たちは「皇帝陛下、万歳」と叫びました。
やむをえず、趙匡胤は皇帝即位を承諾しました。
軍は首都に引き返し、恭帝から譲りを受けた趙匡胤は皇帝に即位しました。
これが宋王朝の始まりであり、宋の太祖誕生の瞬間です。
●名役者! 宋の太祖
以上の経緯は『宋史』などの歴史書に書かれた内容です。
趙匡胤の皇帝即位劇は、弟の趙匡義と軍関係者の事前打ち合わせがあり、
その脚本によって進行したといわれています。
『主役』の太祖・趙匡胤は、もしかすると弟の『陰謀』を察知していたか
も知れません。
もしそうであれば、知らぬふりをして、自分が与えられた役を粛々と演じ
た太祖は、北宋・南宋300年の王朝の創始者としての貫禄十分といえまし
ょう。
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