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『年号を暗記させられたから歴史はきらい』な人にも聞いてほしい歴史です。年表や地図がなくてもわかる歴史です。あなたが知らない意外な日本史、中国史、これまで日本が避けてきた台湾という『国』の台湾史、モンゴルの歴史、ベトナムの歴史まで語ります。

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2008/05/12

■第385回 朝貢の問題(中国皇帝物語その8)

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■第385回 朝貢の問題(中国皇帝物語その8)

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  歴史は川の流れと同様に連続しています。

 しかし、それぞれの時代には現在とは異なる時代背景があります。

 現在と同じ時代背景で過去を理解すると、大きな過ちとなります。

 政治的意図があり、さらに国と国の間であれば、外交問題に発展します。


 第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
            http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html

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●貿易の一形態として

  朝礼には皇帝の臣下だけでなく、外国の使節も参列しました。

 外国の使節は皇帝への手土産を持参しました。

 その手土産を『貢(こう)』といいます。

 『貢』は『共』『拱』と同じで『両手で捧げる』という意味です。

 『拱手傍観』ということばがあります。

 これは『ものごとが、うまく実行できず、見ているだけ』の状態をさしま
す。

 まさに『お手上げ』です。

 『貢』として皇帝に献上する品々は、殿上から朝廷に降りる階段の下に並
べられます。

 使節は『貢』の目録を持って殿上にあがり、皇帝に奉呈します。

 皇帝は使節に『遠路はるばる』のねぎらいの言葉をかけて、奉呈式は終わ
ります。

 『貢』の品々を持って朝礼に参列することを『朝貢』といいます。

 使節は皇帝から、『貢』の品々より以上の品々を賜ります。

 つまり、これは貿易の一形態です。

 これを『朝貢貿易』といいます。

 元手の何倍もの品々を得られますから、『遠路はるばる』と使節を派遣し
ても十分に利益があります。

  皇帝としても、遠方の異民族が自分を皇帝と認めていることを臣下に誇示
する絶好の機会でした。

 ただし、あまりに頻繁に朝貢に来られては、費用がかかりますので、明朝
時代では朝貢回数に制限を設けています。


●粗末な土産でも

  朝貢使節が持参する『貢』の品々は、高価でなくてもかまいません。

 その国でなければ、得られない珍しい品々であればよいのです。

 いわゆる『魏志倭人伝』には『邪馬台国』の使節が持参した品が記されて
います。

 『大国』魏から見れば粗末な布と数名の生口(奴隷?)でした。

 これに対して、魏の皇帝は「遠路はるばる苦労であった。献上品はたしか
に受け取った」とねぎらいのことばをかけています。

 『朝貢』は『貿易』の他に『ごきげん伺い』という意味がありました。

 現在でいえば、年末年始、お盆のお歳暮、お中元のお届けでしょうか。

  とにかく、皇帝としては周辺の異民族が『皇帝の徳を慕って』ご機嫌伺い
にくるだけで満足であったのです。


●したたかに

 周辺の異民族も、『朝貢』したからといって、皇帝の臣下になったとは露
ほども思っていません。

 「あくまでも、自分たちは自分たちの国を持つ」との気概を持っていまし
た。

 そして「いざという時は助けてもらおう」と、したたかに考えていました。


 現代の中国は、それを拡大解釈して「かつて朝貢した国の領域は、中国の
領土である」と主張しています。

 「沖縄は中国の領土である」という主張は、そこから出発しているのです。


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第385回)(2008年05月12日号)
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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。

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