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『年号を暗記させられたから歴史はきらい』な人にも聞いてほしい歴史です。年表や地図がなくてもわかる歴史です。あなたが知らない意外な日本史、中国史、これまで日本が避けてきた台湾という『国』の台湾史、モンゴルの歴史、ベトナムの歴史まで語ります。

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2008/04/09

■第371回 新たな抵抗(その4)(台湾史入門その85)

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■第371回 新たな抵抗(その4)(台湾史入門その85)

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  今回は『西来庵事件』の後半です。

 食菜堂『西来庵』は、現在でも台南に現存しています。

 台湾総督府の統治確立後の武装抵抗としては、最大規模になりました。

 この事件の後、台湾社会は大きな変貌をとげます。


 第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
            http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html

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●余清芳の襲撃

  台南の食菜堂『西来庵』の余清芳(よせいほう)は、武装蜂起を計画しま
したが、総督府に察知されました。

 台南を管轄する台南庁は、余清芳とその同志を逮捕すべく、警察隊540
人を投入しました。

 その時点で余清芳の勢力は約300人でした。

 近辺の集落の台湾人は、警察隊に余清芳の動きを通報しませんでした。

 そのため、警察隊は余清芳を補足できず、平地や山中を右往左往させられ
ました。

 余清芳は、その間隙をついて、支庁、派出所、駐在所など8ヶ所を襲撃し
ました。

 日本人は官吏、巡査だけでなく、婦人、幼児まで69人が殺害されました。

 さらに巡査補として勤務していた台湾人15人も犠牲となりました。

 余清芳から見れば、その台湾人は日本に協力する『裏切り者』だったのか
も知れません。


●タバニの攻防戦

  驚愕した台湾総督府は、軍隊の投入を決定しました。

  歩兵4個中隊400人、砲兵1個小隊砲2門です。


 余清芳は近隣の農民に働きかけて同志に引き入れ、その勢力は1000人
に増加していました。

 少数であれば動きは目立ちませんが、それだけの人数になれば動きを隠す
ことは不可能です。

 警察隊は余清芳がタバニ(現在の台南県玉井)に向ったという情報を得ま
した。

 そこには日本内地企業の製糖工場があり、婦人、子どもを含めて210人
の日本人が住んでいました。

 8月5日未明、警察隊は、余清芳よりも僅かに早く到着しました。

 まずは、日本人210人の生命は救われました。


●壊滅

 余清芳の1000人は攻撃を開始しましたが、警察隊は防戦につとめ、寄
せ付けようとはしませんでした。

 翌日、総督府が派遣した歩兵と砲兵の正規軍部隊が到着しました。

 外の正規軍部隊と中の警察隊の攻撃により、余清芳たちは300人の死者
を出して壊滅し、山中に逃走しました。

 死者は『避弾避傷の神符』をつけていました。

 『避弾避傷の神符』とは、「これを身につけていれば、敵の銃弾は当たら
ない」と言って、余清芳が同志に与えた『お守り』です。

 山中に逃走した余清芳たちは、住民らによって通報され、逮捕されました。

 以前と違って、台湾人は武装蜂起に失敗した者たちに冷たくなっていたの
です。


●裁判、死刑、そして減刑

 台南に臨時法院(裁判所)が設置され、関係者の裁判が行なわれました。

 起訴された者1430人に対して、死刑866人、有期懲役453人とい
う厳しい判決が出されました。


 ただし、大正の御大礼(1915年11日10日、大正天皇の即位)があ
ったため、減刑の処置が取られました。

 実際の死刑執行は、95人でした。

 この西来庵が、台湾人による武装抵抗の最後となりました。


 霧社事件(1930年10月)がありますが、これは『高砂族』による抵
抗事件です。


 これ以降、台湾人は合法的な権利取得を目指す運動へと転換して行きます。

 それは、大陸の中国人社会とは異なる台湾人社会の意識の近代化でした。


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第371回)(2008年04月09日号)
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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。

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