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『年号を暗記させられたから歴史はきらい』な人にも聞いてほしい歴史です。年表や地図がなくてもわかる歴史です。あなたが知らない意外な日本史、中国史、これまで日本が避けてきた台湾という『国』の台湾史、モンゴルの歴史、ベトナムの歴史まで語ります。

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2008/03/31

■第367回 新たな抵抗(その1)(台湾史入門その82)

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■第367回 新たな抵抗(その1)(台湾史入門その82)

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 清朝時代の台湾人は、資本主義以前の経済体制の中で生活していました。

 豊かではなくても、そこそこに幸せな暮しであったでしょう。

 ところが、日本の近代資本主義の波が押し寄せてきました。

 没落する者の中から抵抗する者があらわれます。

 その抵抗手段が、まだまだ前近代的でした。


 第1回から第221回までのバックナンバー一覧は、下記をごらんください。
            http://blog.mag2.com/m/log/0000183170/108501028.html

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●竹が生命線

  1907年11月の『北哺(ぺいぷ)事件』は生き残って逮捕された者全
員が死刑にされて落着しました。

 しかし、台湾総督府の施策、特に経済政策が変わらない限りは、常に抵抗
が起きる恐れは残りました。


 現在の南投県竹山鎮は中部山地にあり、かつては林い哺(りんいぽ、いは
土の右が巳)と呼ばれていました。

 現在の地名のとおり、この一帯は良質な竹の産地です。

  清朝時代は、その竹を材料として、竹細工や竹紙を生産して生活する農民
が約1600戸、約12000人もいました。

 農民たちは、旧来からの漠然とした入会権(いりあいけん)により、自由
に材料となる竹を採取できました。


 ところが、開発の波は平地だけでなく、山間部にまで及んできました。

 台湾総督府は、この一帯を公有地に指定しました。

 1911年、日本内地の三菱が総督府の委託を受けて進出しました。

 三菱は、林い哺近くの林内に竹紙を生産する三菱製紙所を建設しました。

 この一帯の竹林は、三菱製紙所の管理となり、農民たちの自由な使用が不
可能になりました。

 材料の竹が得られなければ、農民たちは仕事ができなくなり、生活に困っ
てしまいます。

 当然ながら、農民たちの総督府と三菱への不満が鬱積していきました。


●三国志、水滸伝の世界

 当時の林い哺に、観相占いをする劉乾(りゅうかん)という男がいました。

 彼は、迷信深い農民から尊敬され、多くの信者を持っていました。

 しかし、各村に設置された派出所の巡査は、常に正業につくように説得し
ていました。

 その説得を無視された巡査は、ついに劉乾の観相占いを禁止してしまいま
した。

 仕事を失った劉乾は、12人の信徒を集めて山にこもりました。

 劉乾は、信徒たちに赤帽をかぶらせ、白衣、青衣を着せました。

 そして、扇子を与えました。

 赤帽、白衣、青衣により、敵に姿を発見されない、扇子をひと扇ぎすれば、
敵の銃弾が落ちるという、三国志、水滸伝のような話をして、信徒たちを扇
動しました。


●林い哺事件

 1912年3月23日未明、劉乾は信徒たちに近くの頂林(ちょうりん)
派出所を襲撃させました。

 彼らは派出所を襲撃して、中にいた2名の日本人巡査を殺害しましたが、
警官隊の追撃を受け、1人が死亡しました。

 劉乾と残りの11名は逮捕されました。

 彼らは、林い哺支庁に設置された臨時法廷で裁かれました。

 判決は死刑が8人、無期懲役が1人、有期懲役が3人でした。


 事件は、これで一件落着しましたが、農民たちの戦いは終わりませんでし
た。

 総督府への権利回復請願、租税の納付拒否、農民の子供の学校登校拒否、
林い哺支庁への請願デモが10年にわたって続いたのです。


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■ 歴史好きの素人が語る歴史(第367回)(2008年03月31日号)
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・ 作者は、中澤勇二(台湾名 陳澤民)です。

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