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2007/12/10

「ちょっと一言」人には、これは譲れないという境界がある

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     「ちょっと一言」 こころの栄養       2007/12/10
                               第91号
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■皆さん、こんにちは。
 
 いつもお読みいただきありがとうございます。  

 今日は「突然怒りだす男」についてお話しします。


■いつも、感情をむき出しにする男と、いつもは穏やかだけれども
 
 突然、怒りだす男。

 どちらも、いますよね。

 分かり易いのは、いつも感情をむき出しにする男。

 この男は、自分の普段の許容範囲が狭いのでしょう。

 一方、突然、人が変わったように怒りだす男。

 これは、とても分かりにくい。普段は許容範囲が広いので、少々

  のことでは怒らない。

 ところが、今までニコニコしていたのに、突然瞬間湯沸かし器の

 ように烈火のごとく怒りだす。

■実は、私は後者の方なのです。

 ですから、突然怒りだす男の気持ちがよく分かります。

 サラリーマン時代に、こんなことがありました。

 他の課と工事の打ち合わせをしていたときのことです。

 他の課と共同作業があったのですが、日程調整がうまくいきませ

 ん。

 「君の係は、次の火曜日、うちに立ち会ってくれるか。うちはそ

  の日以外だめなんや」
 
 他の課の人がいいました。

 「はい、その日は他の用件が入っていますが、事務所の係員で何

  とかしましょう。できるだけ協力しますよ」

 相手はすぐに自分の課に電話をしていました。

 「すまん。その日に別件が入っていた。次の木曜日にしてくれる」

 「え・・」
 
 私は、一瞬驚いたのですが、すぐに返事をしました。

 「そうですか。じゃあ、うちの計画を変更しますよ。事務所レベ

  ルで解決できますから」

 そうして、私は自分の係の計画を変更させました。

 その人はお礼も言わずに自分の課へ戻っていきました。

 その後一分も経たないうちに私に電話がかかってきました。

 「悪い。係に確認したら、どうしても休みたいやつがいて、その

  日人数が足りないんや」

 「金曜日にしてくれる」

 これを聞いた私は、電話に向かって怒鳴っていました。

 「おまえ、何をいっとるんじゃ。絶対に立会いはせん」


■電話の向こうでは、しばらく沈黙が続いていました。

 相手は、課長、私は係長でした。

 相手は、今まで喜んで、計画を変更してくれていた私が、何故突

 然怒り出したのか。

 理解できなかったようです。

 私にしてみれば、これは必然なのです。

 金曜日に立会いとなると、現場の計画まで変えなければなりませ

 ん。

 私は、事務所の計画は変えても、現場の計画を変えることまでは

 譲らないと決めていました。

 相手は、ズケズケとその境界を超えてしまったのです。

 ただ、それだけです。

 許容範囲の広い人ほど、その境界を超えてしまったときの、反応

 には激しいものがあります。


■さて、

□□□  今日の「ちょっと一言」です。  □□□

────────────────────────────────
【 人には、これは譲れないという境界がある 】
────────────────────────────────

■許容範囲の広い人は、いいよ、いいよ、とはいいますが、相手が

 これ以上は無理をいうのを止めておこうと、気付くことを期待し

 ています。

 そして、相手がそのことに全く気付かずに一線を超えてしまった

 とき、怒りが倍になって爆発します。

 後に下がっていればいるほど、最後の一線は死守するのです。

 
■私が、10年前に愛読していたとっておきの一冊。

 課長 島耕作で有名な漫画家の弘兼憲史さんが書いた

 「なぜ、この人はここ一番に強いのか」

 の中にこんなことが書いてあったのを思い出しました。


 たとえば、危ない男たちにからまれる。こんな時はどんどん逃げ

 ればいい。百回でも千回でも逃げればいい。

 だが、その時、一緒にいるのが大切な人だったら(家族とか恋人

 だ)、ここ一番、逃げないと前もって決めておくのだ。

 そして、自動機械のように愚直に前に出る。

 その結果痛い目に合うだろう。しかし、そのことでほんとうに大

 切な人を守るという自分の姿勢は貫ける。


 どうですか。
 
 この本は、弘兼さん自身の松下電器産業勤務の経験から書かれて

 いますので、とっても説得力があり、私のバイブルとなっていま

 す。

 読まれたことのない方は、是非読んでみて下さい。もう無いかも

 知れませんが。

 きっと元気をもらえます。


「なぜ、この人はここ一番に強いのか 講談社(弘兼憲史 著)」
 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062565056/mag2com02f-22


■さて、いつものように、ここから私の学生時代の経験をモデルに
 脚色を加えた青春物語
 
   【うしのフットボール】です。

 今回は91回目です。参考のために90回目も掲載しておきます。
  
 決して、フットボールの技術指導ではありません。

 田舎で若者がフットボール部を作って、僅か2年で関西大会出場
 を果たした物語です。

 (脚色を加えていますので、登場人物等は架空のものです)


■この物語の中にも生き方のヒントが、たくさんでてきます。
 がまんして読み続けてください。
 
 ではどうぞ。

───────────────────────────────
      【 うしのフットボール 】 第91回
───────────────────────────────

【 前回分 】

  卒業式の日が明日に迫った。

 フットボール部の連中は、部室に集まっていた。

 「明日でお別れやなあ」

 誰かがいった。

 すると

 「いままで世話になった人に恩返しせなあかんな」

 と大将がいいだした。

 いかにも義理堅い大将らしい言葉である。

 「何か送り物でけへんか」

 「う-ん。金ないしなあ」

 「ただのもんないか」

 「どうせただで配るやつとか」

 と大将が尋ねたとき

 「さっき体育館にいったら、明日の紅白饅頭が積んであったけ

  どなあ」

 ぜんがなにげなくいった。

 それを聞いた大将は

 「それや」

 思わず手をたたいた。そして

 「どうせ、俺らがもらうんやから先にもろうて、お世話になっ

  た人に配ったろ」

 「明日はそんな暇ないし」

 といいだした。

 「ええ・・・」

 皆絶句したが

 「どうせもらうんやからええか」

 ということになって

 自分の紅白饅頭はいらないという仲間を集めて、その分を先に

 使わせてもらうことにした。
 

【 91回 】
 
 3年生に聞いて回ると50人程が饅頭を寄付するといいだした。
 
 そこで、こっそりと体育館に入り紅白饅頭を先に50個いただ

 いた。

 これを、学校からの帰り道、お世話になった人にくばった。

 まずは、校門のすぐ近くにある駄菓子屋さん。
 
 フットボール部の連中は練習が終わって帰る途中にいつもこの

 お店に寄っていた。
 
 そこで、パンや、ジュース、それにするめを買って食べていた。

 特にするめは甘酸っぱい味付けでおいしかった。

 「おばちゃん、長い間お世話になったなあ。俺らは明日卒業や。

  それで、これお礼の印やけど、取っといてえな」

 といって、大将が紅白饅頭を差し出した。

 店のおばさんは

 「おおきに。これからさびしなるな」

 といって皆に感謝してくれた。

 それから、大将は一人でバスに乗った。

 田舎のバスなので、運転手さんはいつも決まっていた。

 「おっちゃん、世話になったな。俺は明日卒業式や。もうこの

  バスに乗ることないと思うんや。これ、感謝の印や。取っと

  いてえな」

 と紅白饅頭を渡した。

 運転手さんはうれしそうに

 「おおきに。家に帰ったら、かあちゃんと食べるわ」

 と片手をハンドルから離して敬礼した。

 こんなふうに、みんなはそれぞれ自分のお世話になった人に紅

 白饅頭を配って回った。

 次の日、卒業式が終わり、教室に帰って紅白饅頭をもらうとき

 にはもちろん、数が足りなかった。



  (次回に続く)

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

  

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   発行者 (株)ナレッジストア 
      岩崎吉男    mag@knowledge-store.jp
      技術士(電気・電子)
 
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