2006/07/19
メールでわかる最新金融事情 Vol.13-第三者評価について考える(1)
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メールでわかる最新金融事情 H18.7.19 Vol.13
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■ 第三者評価について考える(1)
●第三者評価と現実の取引
前回まで3回に亘ってTRN事件の新株予約権の評価について述べました。
評価は価格をめぐる交渉者の参考意見としての機能を果たします。また、評価
は評価依頼者と評価者の間で合意された前提条件に基づいて行われます。
その前提条件を理解している依頼者にとっては、評価結果は意味のある評価結果
ですが、前提条件を知り得ない又は理解する立場にない第三者にとっては、評価
結果は非合理的に映ることもあり得ます。
評価結果が公表された場合、前提条件とその設定理由を知り得ない又は理解す
る立場にない第三者にとっては、評価結果は全く意味を成さないこともあり得ま
す。
時間と費用をかけたフェアバリューでない限り、評価は評価依頼者と評価者の
間で成立するものであるという評価の性質を理解いただき評価をご利用していた
だきたいと思います。
もちろん、評価はあくまでも評価なので、いかに理論的に正しい評価であって
も実際の取引がそれで行われる訳ではないのも一面の真実です。いかに理論的に
正しい評価であっても、売り主が「安いので売りたくない」といえば取引は成立
しませんし、買い主が「高いので買いたくない」といえば取引は成立しません。
●第三者評価はなぜ必要か
では、なぜ第三者評価が必要なのでしょうか。
それは現代の株式会社の経営形態によるところが大きいといえます。つまり、
株式会社では所有と経営が分離しているのが前提となっています。企業の所有者
(便宜上、そのように呼びます)である株主は経営には直接関与しません。変わ
りに自己の選定した取締役に経営を委託します。
いまさら指摘するまでもありませんが、現代の株式会社の仕組みの中では取締
役は企業の所有者たる株主に雇われている身分にすぎません。そのため、取締役
は自らの「雇用主」である株主に対して説明責任を負っているわけです。
ですから、株主と取締役の間に絶大なる信頼関係があればこのような説明責任
はもちろん不要です。しかし、現実には上場企業では「資本の分散化」がすすみ、
大株主ですら所有比率が10%未満という会社も珍しくありません。こういった株
主構成の会社では取締役と株主はお互いの顔すら知らないというケースが大半で
しょう。
つまりほとんどの上場会社では、株主と取締役の間の信頼関係は希薄になって
いるのです。そこに取締役の株主に対する説明責任が生じてくるわけです。
次に、取締役がM&Aやエクイティファイナンスを行う際に自ら相手先企業の
評価(あるいは合併比率など)やエクイティファイナンスの条件を自ら評価する
ことが可能なのか考えてみましょう。この種の取引では単純なものは少なく、ま
た、一見単純な取引であっても専門知識が要求されてきます。
また、M&Aやエクイティファイナンスはめったにあるものではありません。
めったにない取引のためにそれらの専門知識を持ったスタッフを社内に抱えてお
くことはコスト面で合理的ではありません。これらからお分かりのように、「コ
スト面での経済合理性」が第三者評価を必要とする理由のひとつです。
●株主と取締役の信頼関係の希薄さ
さらに、別な角度から見てみると、取締役自らが行った評価を株主が信頼する
かという問題があります。株主と取締役の間の信頼関係が希薄になっている上場
会社が多い中で、取締役自身の行った評価を信頼できる株主は少数派であるとい
えます。そうなったときに、取締役としては、株主としても信頼できる第三者に
評価を委託することになります。このとおり、第三者評価が必要とされるもうひ
とつの理由が、「お手盛り防止」の観点です。
取締役としても「不利な合併比率にして、何かバックマージンを得ているので
はないか」とか、「増資が有利発行に当たるのではないか」とか株主に変な勘繰
りをされるよりは「客観性の確保」をするために第三者意見を求めた方が、気分
的にもスッキリすることでしょう。
「李下に冠を正さず」の諺のとおりです。
以上のとおり、第三者評価が必要とされているのは、
(1)コスト面での経済合理性
(2)客観性の確保
の2つの理由です。
さて、評価結果の性格についてはご理解いただけたと思いますが、次回は企業
評価手法について述べてみたいと思います。
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○企業評価
○ストックオプションの評価
○新株予約権・優先株式の評価
○無形資産の評価
○デューディリジェンス
○M&Aアドバイザリー業務
○M&A・エクイティファイナンスに伴う第三者意見の表明
○株式公開の助言
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