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2008/07/23

【弁護士がやさしく教える!得する法律講座】 第133号

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  □□□ 弁護士がやさしく教える!得する法律講座 □□□ 

           2008年7月23日
             第133号
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□□ 相談内容 □□

「過去の残業代を支払ってほしい。」

今の職場には5年勤めていますが、その間毎日残業続きで、残業代の支払いな
んてないような職場です。ですから、転職してその後、残業代の請求をしたい
と考えています。このところ、管理職は名ばかりのものであるとして残業代を
請求することをよく聞いているので、私も残業代を請求しようと思い立ったの
です。この5年分の残業代の請求は可能でしょうか。

□□ 弁護士の回答 □□

○  何年分の残業代を請求できるのか?

日々のお仕事お疲れさまです。労働基準法上、時間外労働、いわゆる残業を行
なった場合、2割5分以上の割増賃金が支払われる旨が定められています(同
法第37条)。

なお、深夜労働の場合は2割5分以上の割増賃金、休日労働の場合は3割5分
以上の割増賃金が支払われるとされており、時間外労働と深夜労働とが重なる
場合は重なる部分につき5割以上の割増賃金、時間外労働と休日労働とが重な
る場合は重なる部分につき6割以上の割増賃金が支払われることになります(
労働基準法第37条。同法施行規則第20条)。

したがって、残業時間に対応した割増賃金を残業代として請求することができ
るのが原則です。

もっとも、この割増賃金の請求権を含め、賃金の請求権は2年で消滅時効にか
かります(労働基準法第115条)。したがって、5年分の残業代の請求はで
きず、2年分に限り残業代の請求が可能です。

○  付加金の請求

なお、支払請求できるのは上記の2年分の残業代だけではありません。それ以
外にも付加金と呼ばれるものの支払を裁判上請求できます。

労働基準法上、時間外、休日、深夜労働にかかる割増賃金の支払義務等に違反
した場合、義務に従い支払わなければならない金額につき、未払金の他、未払
金と同一額の付加金の支払いを命じることができるとされています(同法第1
14条)。

ただし、付加金の請求は上記違反があったときから2年以内にしないとなりま
せんので(同法第114条)、付加金も2年分に限られます。

したがって、2年分の残業代の他、これと同額の付加金の請求が可能になりま
す。

○  遅延損害金も追加で請求可能!

さらに、上記残業代と付加金に関し、請求した日から(裁判の結果等によって)
実際に支払われる日までの間について、一定の利率の遅延損害金も請求するこ
とができます。

残業代については、会社は商法上の商人とされていますので(同法第4条)、
年6%の割合による遅延損害金の請求が可能です(同法第514条)。ご相談
者の場合、転職後に残業代の請求をしたいとのことですが、この場合、退職の
日の翌日から実際に支払われる日までの間については、年14.6%の割合によ
る遅延損害金の請求が可能となります(賃金の支払の確保等に関する法律第6
条第1項、同法施行令第1条)。

付加金に関しては、裁判確定の日の翌日から実際に支払われる日までの間につ
いて、年5%の割合による遅延損害金の請求が可能となります(江東ダイハツ
自動車事件(最一小判昭和50年7月17日労判234号17頁))。

未払い残業代のほかに、付加金や遅延損害金を請求すると、2年分に限られる
とはいえ、総額ではかなりの金額になりますから、弁護士に依頼して、きっち
り請求するのが良いでしょう。


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