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2008/05/14

【弁護士がやさしく教える!得する法律講座】 第123号

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  □□□ 弁護士がやさしく教える!得する法律講座 □□□ 

           2008年5月14日
             第123号
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□□ 相談内容 □□

「ネットに私の悪口などが書かれているのです!」その2
 
先日、彼氏と別れたのですが、その後、知らない人から変な電話が毎日のよう
にかかってくるようになりました。不思議に思って電話をかけてきた人の一人
に「何で私の電話番号知っているんですか?」って聞いたら、「ネットの掲示
板に書き込んでいたじゃん」と言われました。私自身そんな書き込みをしたこ
とないので不思議に思って指摘されたサイトを確認してみると、私の悪口や電
話番号などの個人情報が載せられていました。何とかなりませんか?

□□ 弁護士の回答 □□

今回のメルマガは2回連載の後編です。後編では、書き込みをした人を見つけ
だして損害賠償請求をする方法についてお話します。

○  インターネット書き込みの特徴

インターネット上のウェブページや電子掲示板(「特定電気通信」といいます)
では、匿名による情報発信が簡単にできます。そのため、他人の権利を侵害す
るような情報が、匿名で発信された場合、加害者である発信者の特定は困難で
す。

もっとも、発信者と受信者の間に立って情報の媒介等を行っているプロバイダ
は、発信者情報を保有している可能性が高いので、被害者がプロバイダ等から
発信者情報の開示を受けることができれば、被害回復の可能性があります。

○  プロバイダを通して書き込んだ加害者を探す方法

1 弁護士会照会

弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私
の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができます(弁護士法23条
の2・弁護士会照会)。

そこで、弁護士に依頼して、弁護士会を通じてプロバイダに照会をかけ、書き
込みをした加害者の情報を開示してもらうことが考えられます。

しかし、この方法には、強制力がないため開示の有無はプロバイダの任意の判
断によります。そして、今回のようなケースの開示は、通信の秘密や表現の自
由という憲法上保障された権利に関わる問題であるためプロバイダは慎重にな
る可能性が高く実効性に欠ける場合が多いと思われます。

2 プロバイダ責任制限法上の発信者情報開示請求

そこで、このような不都合を是正して、プロバイダに発信者情報の開示義務が
生じる場合を法定したのがプロバイダ責任制限法4条の「発信者情報開示請求
権」です。

これによると(1)権利侵害が明らかであること、(2)発信者情報の開示を
受けるべき正当な理由があることという要件を満たせば、プロバイダは発信者
情報を開示しなければならないことになっています。

もっとも、このような判断は微妙なケースも多いため、プロバイダが任意の開
示に応じないこともあります。その際は、被害者側で発信者情報開示請求の裁
判を起こして開示を求めなければなりませんが、勝訴判決を得れば強制的な開
示も可能であるため実効性があります。

○  損害賠償請求

上記のような方法で、加害者を特定することができれば、今度は、加害者に対
して不法行為に基づく損害賠償請求が可能です。

また、名誉毀損の場合には、金銭請求のみならず謝罪広告の掲載などが認めら
れる場合がありますので、被害回復の方法も検討してみるといいでしょう。

以上のとおりですから、被害にあっても、泣き寝入りしないで、まずは弁護士
などに相談してみてください。被害回復の糸口が見つかるはずです。


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      酒 井  将 (弁護士・法律事務所オーセンス)
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