2006/09/21
JICA(ジャイカ)マレーシア ★みんなの国際協力 メールマガジン★ 第8号
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ JICA(ジャイカ)マレーシア ★みんなの国際協力 メールマガジン★ 第8号 (2006年9月 発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <目 次> 1.はじめに 2.今月のトピック (1)JICAオフィシャルサポーター 伊達公子さんによる 車いすテニスの実施 等(2006年8月9日〜14日) (2)視覚障害者水泳講習会の実施 (2006年8月5日〜8月21日) (3)草の根技術協力「車いすバスケットボール講習会」の実施 (2006年8月20日〜8月25日) (4)閑話休題:事務所のニュース 聴覚障害者の元研修員による、プライベート手話講座の実施 (2006年9月6日〜) 3.お知らせ/情報コーナー ++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 1.はじめに 現在、JICAマレーシア事務所では、障害者スポーツの普及、育成に 力を入れています。特に、今年11月には、第9回 フェスピック大会 (アジア、太平洋地域の障害者スポーツの祭典)が、ここマレーシアで 開催される予定となっており、日本からも選手団が参加予定となっています。 マレーシアでも現在、青年スポーツ省やマレーシアパラリンピック協会などを 中心に、障害者スポーツの普及、育成に力を注いでおり、JICAもこうした 取り組みに対して協力を行っています。今回はこうした内容を中心にお伝えします。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 2.今月のトピック ■ JICAオフィシャルサポーター 伊達公子さんによる 車いすテニスの実施 等 (2006年8月9日〜14日) JICAオフィシャルサポーターの伊達公子さんが、ここ、マレーシアを訪問し、 車いすテニスの指導や、他、JICA事業などを視察しました。以下は同行した 当事務所広報担当者のレポートです。 ===================================== 伊達公子さんは2002年にJICAオフィシャルサポーターに就任し、 以来バングラデシュ、マラウィ、ジャマイカ、ホンジュラス、モロッコで 主に普段テニスに触れることのない子供たちを対象に、テニスを通じた 交流を重ねてきました。そして2006年、伊達さんはマレーシアを 訪問しました。 「東方政策」のもと、イスラム教、仏教、ヒンズー教、キリスト教が 絶妙なバランスを保ちながら、めまぐるしい経済成長を続けるマレーシア。 特にクアラルンプール国際空港へ降り立ち、クアラルンプールへ向かう 道路がスムーズなことや小奇麗に保たれている車の多さに驚き、 「マレーシアへの支援はもう不要なのでは?」と思う人も多いはずです。 しかし、経済発展の陰に隠れて置き去りにされている分野がいくつか あります。自然保全、廃棄物処理、そして今回、伊達さんに深く関わって いただくこととなった、障害者福祉の分野などです。そうして8月9日、 伊達さんのマレーシアの旅は始まりました。 8月10日、事務所でのブリーフィングのあと、早速障害者スポーツ 隊員の活動視察開始です。障害者スポーツ大会の運営協力と車いす製造も 指導する麻生シニア海外ボランティア(以下SV)、車いすバスケット ボールを指導する神保隊員(http://www.js-page.jp/)、そして障害者陸上を 指導する荒井SVの活躍する現場を訪ねました。車いす製造に携わる 作業員自身の足が不自由であることに驚く伊達さん。車いすバスケットの スピードに圧倒される伊達さん。視覚障害者が懸命に短距離走をする姿に 思わず身を乗り出す伊達さん。「マレーシアではやっと、障害をもつと いうことが個性として受け止められ始めるところです」という説明に 伊達さんはじっと耳を傾けていました。 そして翌11日は、寺西SV (http://www14.plala.or.jp/teru0310/index.html)と 河合隊員(http://www.junswim.to/top.htm)が講師を務めた 視覚障害者水泳の視察。 重度の視覚障害のある選手には、スポンジボールのついた釣竿の ようなもので頭を軽くたたき、コースの終わりを伝えたり、ターンの練習を することを知りました。そして上手な人の立てる水面の音を真似することが、 水泳上達のための手段であることも。 同日午後にあったマレーシア・パラリンピック協会会長・ザイナル氏 表敬訪問時には、来る11月26日から12月1日にかけてマレーシア にて開催される第9回フェスピック大会(http://www.jsad.or.jp/event_info/fes_info.htm#fes9_gaiyo)に ついてのブリーフィングがありました。国際大会を開催するまでに成長した マレーシアの意気込みがひしひしと感じられるひと時でした。 8月12日、車いすテニス本番。対象は国立バンギ職業訓練リハビリセンター 入所者と車いすテニス協会会員。既に車いすテニスの経験者もいましたが、 そもそもつい最近まで体育の授業が一般化されていなかった当地で、 テニスがどう受け入れられるかに若干の不安をもったままセッションは 始まりました。 ストレッチ体操に始まり、ラケットとボールを使った簡単な準備運動では、 成人した「いい大人」の参加者からも笑い声が漏れます。そうしてグループに 分かれてテニスが始まり、みんな真剣なまなざしでボールを追いかけます。 もともと車いすで生活をしているので、車いすさばき(?)はたいしたもの とはいえ、片手にラケットを持っての移動に慣れるのは、なかなか難しい ようでした。車いすテニスを体験済みの伊達さんからの「止まった状態から 車いすを動かすよりも、常に動いた状態にいた方が動きやすいよ」との アドバイスにみんな納得していました。 車いすテニスのあとにトレンガヌ州へ移動し、12日は午前中、州都 クアラトレンガヌにて、軽度知的障害児を対象としたキッズテニスをしました。 普段は運動どころか屋外に長時間いることのない子供たちのために、水分補給の ための休憩をこまめに取ります。炎天下の中、子供たちの集中力がもつか という当初の不安は杞憂に終わり、子供たちはどこまでもボールを 追いかけました。クアラルンプールと異なり、英語があまり通じない クアラトレンガヌでは、特に雰囲気を盛り上げてくれる隊員の皆さんの 活躍が目を引きます。 そして約2時間後、「もっと!」という子供たちからの惜しまれる声の中、 トレンガヌでのキッズテニスは幕を下ろしました。トレンガヌ州教育局からの 代表者の、寄贈されたキッズテニスセットを活用した楽しい教育に力を注ぐと 誓っていた姿が印象的でした。テニスの楽しさに触れた子供たちもきっと、 次の機会を楽しみにしていることでしょう。 朝の興奮冷めやらぬまま、同日午後にはまず軽度知的障害者の就労支援を 行っている日系企業を訪問しました。その工場では、オーストラリアで 刈り取られた羊毛を洗毛し、毛糸になる前までの加工をしています。 マレーシアでは障害者の就労に対する考えが熟しているとは言えず、 今回訪問した企業でも、まずは隊員を通して知り合った軽度知的障害者を 研修生として受け入れ、手探りで就労促進の可能性を探っている とのことでした。伊達さんに「頑張ってね」と声をかけられ、はにかむ 研修生の笑顔が印象的な視察でした。 最後の視察先は、国立重症心身障害児・者入所施設。ここは全国に 計7箇所ある、知的障害のある子供から大人までのリハビリや職業訓練を 行う施設の一つで、軽い運動をする部屋、気持ちを落ち着かせる部屋、 温水プール等用途によってさまざまな施設があります。キミコスマイルで 「早く元気になろうね」と微笑まれて、入所者の皆さんもリハビリに より一層精を出していたように見えました。 視察の全工程を終えた伊達さんは「マレーシアが本当の意味で先進国 になるためには、障害者福祉の充実に取り組むべきでは」とお話されて います。伊達さん訪問という「刺激」を受けたマレーシアの福祉分野の 今後の発展を見守っていきたいと思います。 ■ 視聴覚障害者水泳講習会の実施 (2006年8月5日〜8月21日) 先月号でもお伝えしましたが、当国における、視覚障害者の水泳指導のために、 上記の日程で来マした、パラリンピック金メダリストの河合純一ボランティアと、 コーチの寺西真人シニア海外ボランティアによる、講習会の模様をお伝えします。 以下は、期間中両ボランティアを同行サポートした、原田真帆シニア隊員 (プログラムオフィサー・福祉分野)によるレポートです。 ===================================== 2006年8月5日〜21日に、マレーシア盲人協会主催による視覚障害者 対象水泳講習会が行われました。同講習会は、1.現役選手のレベルアップ、 2.若い世代への水泳普及、3.指導者の育成を目的として企画され、2名の 短期ボランティア、河合純一隊員と寺西真人SVが派遣されました。河合隊員は、 過去4回のパラリンピック大会B1クラス(全盲)において、金メダル5個を 含め合計19個ものメダルを獲得しています。また、河合氏は全国初の 一般中学校に勤める全盲の教師(社会科)としても名高い人物です。 講習会は、中・上級者対象がKLにて、盲学校児童対象がペナンにて行われました。 上・中級者講習会では、今年11月KLにて開催される「アジア・南太平洋地域 障害者スポーツ連盟大会(FESPIC)」に向けての選手強化を兼ねていたのですが、 連絡調整不足等の諸要因が重なり、残念ながらFESPIC選抜選手は僅かしか 集まりませんでした。しかし、少数ながらも講習会に参加した選抜選手は、 技術に関する細かい指導から、大会に向けての練習メニューの組み方、 精神面について等多くのことを学ぶことができました。 また、盲学校児童対象講習会も大変有意義なものとなり、将来、国内外の 大会で活躍する可能性を秘める児童を発見することもできました。また、 何よりも子どもたちが、講習会を通して水泳技術以外にも様々な事柄を 学んでくれたのであれば、それに勝ることはありません。講習会後に 盲学校において講演会が行われたのですが、河合隊員は自身の生い立ちや、 諦めずに努力して夢を叶えたこと、皆にも可能性があることを伝えました。 児童たちは、河合隊員の話に喜んだり驚いたりと素直に感情を表現しながら、 真剣に聞き入っていました。今回のことをきっかけに、彼らが何らかの夢を もってくれたことを願って止みません。 同講習会参加者は、二名のボランティアの指導技術及び態度を高く 評価しています。マレーシアの現地の者による水泳指導は、プールの外からの 声掛けによる一斉指導で、とにかく初めから手足を動かし泳ぐよう指導 しているとのことです。今回の二人による指導は、プールの中で具体的な 声掛けと共に手とり足とりで行われ、視覚でフォームを理解できない者の ためには、実際に良い見本を自らが示し、その良いフォームを触らせることで 理解を深める工夫がなされていました。また、個々の能力や水慣れの様子に 応じて段階を追って指導することで、正しい泳法を楽しく身につけていく ことを可能としました。 今回、河合隊員は日本人会館においても講演を行ったのですが、その際に 「皆さんは夢をお持ちですか?」という質問がありました。河合隊員は 講演の中で、「まず夢をもち、夢と現実の距離を把握し、どうやったら その距離が縮まるか、計画をたて実行し距離を縮めていく。そして夢が 実現したら、それは夢でなくなる。また、新しい夢をもつ。」という話を していました。 皆さんは「夢」をお持ちですか? 同講習会が実現可能となった背景には、多数の関係者のご支援と ご協力がありました。講習会のきっかけとなる企画案を提案して くれた元隊員、2週間という短期間での隊員派遣に尽力を費やして くださったJICAマレーシア事務所の皆様、講習会に参加協力して くれた隊員やSVの皆様。この場を借りて、お礼申し上げます。 (以上) ■ 草の根技術協力「車いすバスケットボール講習会」の実施 (2006年8月20日〜8月25日) 今年も、体育館に大きな声が響き渡りました。JICAが九州、大分に ある社会福祉法人、太陽の家と実施している、草の根技術協力「東南アジア における車いす製造技術移転および車いすバスケットボール普及講習」 (詳しくはこちらをご覧ください。http://www.jicams-ngodesk.org/jica-ngo2.htm) による、車いすバスケットボール普及講習会です。今回は、主に、九州車椅子 バスケットボール連盟を中心に、審判員やクラシファイアーを含む、講師陣が 10名、太陽の家の関係者が3名、来マし、6日間に渡り、朝から晩まで、 マレーシア(17名)、タイ(6名)、ラオス(4名)の選手を相手に 指導を行いました。 選手は初心者クラスと上級者とに分かれ、それぞれ、技術力を磨くため、 基礎的な動き、ドリブル、シュートの練習を行い、また、考えながら試合 運びをすること、パス回しの練習など、あらゆる角度から、技術向上に向け、 トレーニングが実施されました。今年はフェスピック開催年ということもあり、 選手たちにも気合が入ります。特にマレーシア人選手は、同草の根技術協力 により、日本で研修を受けてきた選手も多いため、久々に行う日本人選手 との練習に、目が生き生きとしているのが印象的でした。日本人の講師陣は、 それぞれ、大きな声を出すこと、積極的にプレーすること等の大切さを自らが 見本を見せ、体を使って教え込みます。こうした日本人講師陣の必死で 真剣な姿に、みんなの気合も高まり、体育館中にいい緊張感が充満して いました。 今回の講習会中には、北九州市市制40周年を記念して製作された、 車いすバスケットボールをテーマにした映画「ウィニング・パス」の上映も ありました(英語字幕)。 同映画は、主人公がバイク事故により、車いすの 身となり、一時は自暴自棄になっていたが、リハビリ中に出会った、 車いすバスケットボールにより、生きる自信や勇気を取り戻していく、という 内容で、観客は、主に、国立バンギ障害者リハビリテーションセンターの入所者や 車いすバスケッボールの選手たちであったので、みな、共感しながら、 真剣に画面に見入っていました。 また、最終日には、同講習会参加者間での親善試合と、ショッピングセンターで 行われた3オン3のデモンストレーションがありました。みな、真剣な面持ちで、 今回の講習会の総仕上げとでもいうように、日本から来た講師陣への感謝の 気持ちも込めて、気合の入った試合を行っていたのが印象的でした。また、 今回、タイとラオスからもそれぞれ選手が参加していたことにより、 地域間でのつながりも強化され、今年11月のフェスピック大会での再会と 善戦を誓って、6日間の講習は幕を閉じました。 【閑話休題:事務所のニュース】 聴覚障害者の元研修員による、プライベート手話講座の実施 (2006年9月6日〜) JICAでは、毎年聴覚障害者のための本邦研修を実施しています。 約3ヶ月間の期間で、手話講師になるためのトレーニングや、キャパシティ ビルディング等を実施しており、マレーシアからもこれまで12人が日本で 学びました。マレーシアにはこうしたJICAの元研修生たちの同窓会組織が ありますが、その中の聴覚障害者のメンバーが、今月から週1回のペースで、 事務所スタッフ向けに手話講座を実施することとなりました。 同講座の発起人は、ナショナルスタッフのシャーリーさん。事務所内スタッフに 声かけをして、興味を示したスタッフ8名で同講座がスタートしました。 昼休み時間を利用して、40分のレッスン。最初のクラスは、自己紹介。 名前の言い方、返事の仕方(Yes、No)、アルファベットのAからF、 数字の1〜10、ありがとう、さようなら、などの基本的な挨拶を手話で 学びます。初めての経験で、中には指がひきつりそうになっている人も いましたが、先生の楽しいリードで、繰り返し行っているうちに、どんどん 覚えていくのが不思議です。今回の講座は全部で10回の予定です。 次はどんなことを学べるのか楽しみです。そして講座が終わった暁には、 手話を使っておしゃべりを楽しめるようになっているといいのですが・・・。 乞うご期待! +++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 3.お知らせ ■ 草の根(パートナー型)「車椅子製造および車椅子バスケット講習」の プログラムで、車椅子バスケットボールのコーチを務めてくださっている、 岩野 博氏(現在、オーストラリアプロリーグにて活躍中)が、 下記の番組で紹介されます。JICAの活動についても触れられる予定です。 ◎番組名:TBS系 「情熱大陸」 ◎放映日時:2006年9月24日(日) 23時〜23時30分 ■ 去る、7月18日〜21日の日程で、大分合同新聞社が、草の根 「車椅子製造と車椅子バスケットボール講習」の取材を行いました。 その結果が、下記のとおり記事となりましたので、ご紹介します (http://www.jicams-ngodesk.org/news7.htm)。 ■ 迷惑メール防止のため、NGOデスクのメールアドレスが下記のとおり 変更になりましたので、今後は下記アドレスまでお問い合わせの方、 よろしくお願いいたします。 (変更後) ms_oso_rep-ngodesk@jica.go.jp (変更前) jicams-ngodesk@jica.go.jp ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ JICAマレーシア事務所では、市民のみなさまによる、国際協力への参加を 積極的に推進しています。同メールマガジンでは、JICAマレーシア事務所に よる市民参加型事業の取り組みのご紹介をはじめとして、日本とマレーシアの 市民のみなさまの交流を促進すること、ネットワークの場が形成されること等を 目的に、国際協力に少しでも興味を持っていただき、また、ご参加していただける よう、「みんなの国際協力」と名付けて様々な情報をお届けいたします。 なお、同メールマガジンでは、特定の組織や団体の考えを代弁するものではなく、 各執筆者の主観等が含まれていることをあらかじめご了承ください。 ■ 発行責任者:JICAマレーシア事務所 所長 梅崎 裕 ■ 編集責任者:JICAマレーシア事務所 企画調査員 小川久美子 JICA Malaysia Office Suite 29.03, Level 29, Menara Citibank, 165, Jalan Ampang, 50450 Kuala Lumpur, Malaysia TEL: +60-3-2166-8900 FAX: +60-3-2166-5900 ■ 以下のホームページもご参照ください。 ◎ NGOデスク ホームページ http://www.jicams-ngodesk.org ◎JICAマレーシア事務所ホームページ http://www.jica.org.my/ ◎JICA−国際協力機構 ホームページ http://www.jica.go.jp/Index-j.html ■同メールマガジンに関する、ご意見、ご感想はこちらまでお寄せください。 ms_oso_rep-ngodesk@jica.go.jp (【注】:迷惑メール防止のため、アドレスが変更になりました) ■同メールマガジンのご登録、解除は下記にて行うことができます。 http://www.jicams-ngodesk.org http://www.mag2.com/m/0000181093.html


