通勤快読!No.242 奥田 英朗「邪魔」→3.5点
通勤快読!(読んだ本の紹介)No.242
読んだ本を5点満点で(独断と偏見の下)評価します。
点数の見方は下記の通りです。
0点→途中リタイア。読むことが苦痛。出会ったことが不幸。意味が分からない。
1点→なんとか最後まで読んだが、時間のムダだった。つまらない。
2点→可もなく不可もなし。ヒマつぶしにはなったかなというレベル。
3点→難点もあるがおおむね満足。この作者なら他の作品も読んでみたい。
4点→傑作。十分に楽しんで読めた。出会えてよかった一冊。他人にもすすめたい。
5点→最高。とにかく良かった。人生の宝物となる一冊。
※ 小数点は、上記点数の間であるとご理解下さい。
↓↓↓↓↓↓ ここから本編です ↓↓↓↓↓↓
奥田 英朗「邪魔」→3.5点
発行元 :株式会社講談社
初版発行:2001/4/1
著者 :奥田 英朗(オクダ ヒデオ)
あらすじ
最愛の妻を事故でなくし、失意に沈む刑事。
何不自由のない暮らしがある日突然脅かされ、恐怖に慄く
34歳の主婦。
面白くもない日常に嫌気が差し、粋がって暴れ回る少年た
ち・・。
皆がそれぞれ、それぞれの事情と心情によって行動を取る
が、それはそのまま誰かにとって予想外の行動となり「邪魔」
な存在となることを意味する。
我々の日常に潜む罠と不条理を描く長編ミステリー。
感想
作者の奥田氏は、2004年に「空中ブランコ」で直木賞を受
賞したこともあってどちらかというと軽快な文体とユーモ
アによって人間の本質を描く作品の方が世間的に有名だろ
うと思われる。
その奥田氏にあってデビュー2作目の「最悪」と本作はかな
り異質な魅力をもった作品だろう。
どちらも市井の平凡な人々が、それぞれにまっとうな幸福
を求めるものの、様々な現実要因によって危機に追い込ま
れ苦悩する姿を冷徹に描いた作品であり、幸福を求めるそ
の意思そのものが不幸を呼び寄せるというアイロニーに満
ちた文体は、リアリティに満ちているがゆえに作者の怒り
すら含んだ人間全体への絶望−俺たちはどうしてこんなに
も不完全なのだろう−を感じずにはいられない。
個人的には夫の没落により失われつつある穏やかな日常生
活を全力で守ろうと髪を振り乱す34歳の平凡な主婦 及川
恭子にもっとも迫力を感じた。
但し、奥田氏はこの2作以降、トンデモ精神科医「伊良部
一郎」シリーズをはじめとしてユーモア路線へと大きく舵
を切りなおしており、この変遷についてはどんな内的事件
があったのだろうと興味深い。
本作は十分面白かったが、最後はやや唐突感があり読後の
カタルシスは薄かった。個人的には「最悪」の方が好きかな。
邪魔奥田 英朗
価格:(定価:¥ 1,995)
http://www.amazon.co.jp/dp/4062097966/ref=nosim/?tag=kentanodokush-22
※ 表紙イメージはブログで確認できます。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/booklife2006



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