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スクリーンに現われては散ってゆく映画という幻を、何とかこの手に握りしめたい。そんな熱い心意気の映画狂たちがお届けする居酒屋談義(ネタバレなし)です。どうぞグラスを片手に気軽にご参加ください。映画の知識が知らぬ間に身につくことをお約束します。

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2007/03/23

底抜けラウンドテーブル われら幻の映画を見たり 号外

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 底抜けラウンドテーブル われら幻の映画を見たり

 号外

 2007年3月23日発行

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 みなさんお元気ですか。


 突然ですが、このメールマガジン、また復活させるこ

 とにしました。


 以前に一度出した廃刊宣言を撤回するのも格好悪いの

 で、号外という形での発行とします。


 ただし、なかなか執筆のための時間がとれないなどの

 個人的な事情により、創刊当時のようなモチベーショ

 ンを不定期発行で維持できるかどうかは自信がありま

 せんので、その点はどうぞご了承ください。


 今後ともよろしくお願いします。



 出席者 21世紀映画発見委員会

 代表  佐藤学

 委員  ジルダ トム ジョージ



 それでは、本日の映画はこちらです。



 『白夜』

  Le Notti Bianche

  (ルキノ・ヴィスコンティ監督、1957)

   マルチェロ・マストロヤンニ

   マリア・シェル

   ジャン・マレー       主演
    


 佐藤 すべてのシーンをスタジオで撮影するというの

   は、映画監督になった人ならば一度は夢想するこ

   となんだろうね。


 トム まあ、ドキュメンタリー映画の監督なんかは別

   だろうけどね。映画への欲望というのは多種多様

   だからさ。


 佐藤 この映画が撮られたのはチネチッタ撮影所だけ

   ど、本物みたいな街並みを再現したりして、かな

   り贅沢なセットが組まれているよね。


 ジョージ マストロヤンニ青年がマリア・シェルに一

   目惚れしたのはいいが、別の恋人ジャン・マレー

   を待つ彼女に振り回されるというだけの話が、も

   のの見事に映画として成立している。もちろん、

   あの三人の俳優の魅力がこの映画を支えているん

   だけど、三分の一以上はセット美術の魅力で占め

   られているんじゃないかな。


 佐藤 場所はどこだとは言っていないけど、船の汽笛

   の音が何度も聞こえてきて、港町だということは

   分かる。そこに雨や雪が降ってくるともうそれだ

   けで泣けてくるね。


 トム ぼくは一瞬、相米慎二監督の『雪の断章―情熱

   ―』(1985)の冒頭のセットを思い出した。

   まあ、規模は違うんだけど。


 ジョージ 脚本がいいね。カット数は多いほうだろう

   けど、一つとして無駄なカットがないでしょう。

   ジュゼッペ・ロトゥンノの撮影か。撮影と編集の

   勝利だね。映画を目指す人の教科書だ。


 ジルダ マリア・シェルが廃墟のような建物のなかで、

   ジャン・マレーとの馴れ初めをマストロヤンニに

   語って聞かせるシーンが凄く映画的ね。


 トム ジャン・マレーの台詞はアフレコなんじゃない

   かなあ。でも、あのシーンの演出方法も、すでに

   世界じゅうの映画監督が真似し尽くした感がある

   ね。左へパンしたら別の空間が現れて……。


 ジョージ そう。ワン・カット内に現在と過去が混在

   しているというやつね。


 佐藤 今やテオ・アンゲロプロス監督のお家芸となっ

   てしまった感もあるけど、『白夜』のあのシーン

   は、今見直してもハッとさせられたよ。


 ジルダ ところで後半で、マリア・シェルの足が見え

   るカットがあるけど、かなり太かったわね。


 トム 何の話だい(笑)。変なところ見てるなあ。


 ジルダ 恋愛物という題材だけによけいに気になって

   しまったのよ。

    マストロヤンニは彼女の顔ばかり見ていたから、

   足の太さに気づかなくて良かったわね(笑)。

    これって意外と重要な演出上の留意点じゃない

   のかな。


 佐藤 たしかに(笑)。一目惚れをした男が、女性の

   足ばかり見ていたら妙だものね。ヴィスコンティ

   も恋愛物の演出の王道を行っているわけか。本当

   かなあ(笑)。


 ジョージ あ、でもフランソワ・トリュフォー監督の

   『恋愛日記』(1977)があるか! 


 ジルダ 女性の足に恋するシャルル・デネ!


 トム あれは傑作だったね。


 佐藤 『白夜』はそれほど長い映画ではないけど、第

   一部と第二部に分けられているところが妙に気に

   入ったね。


 トム あれって昔のイタリア映画によくあったような

   気がするんだけど……。



 当委員会の委員による結論:

 ルキノ・ヴィスコンティ監督作品
 『白夜』が
 21世紀の映画に及ぼす影響度は
 90%(暫定的数字です。)



 いきなりですが、クイズです。

 【映画オリジナルタイトルQ&A】

 (フランス語のアクセント記号は省略しています。)

 ┌──────────────────────┐
 │                      │
 │ 問1:                  │
 │                      │
 │  フランス語のタイトル(原題)は     │
 │                      │
 │  “Quatre Nuits D'Un Reveur”      │
 │                      │
 │   (ひとりの夢想家の四夜)        │
 │                      │
 │  英語のタイトルが            │
 │                      │
 │  “Four Nights of a Dreamer”      │
 │                      │
 │   (意味は原題と同じ)          │
 │                                            │
 │  中国語のタイトルは           │
 │                      │
 │  “一個夢者的四個晩上”         │
 │                      │
 │   (これも意味は原題と同じ)       │
 │                                            │
 │                      │
 │ 舞台はパリ。一人の画家志望の青年ジャック │
 │                      │
 │ が、夜も更けたセーヌ河で投身自殺をしよう │
 │                      │
 │ とする女性マルトを思いとどまらせる。彼女 │
 │                      │
 │ は一年前にアメリカに渡った恋人との、その │
 │                      │
 │ 橋の上での再会を果たせなかったのだ。恋人 │
 │                      │
 │ の不在に思い悩むマルトに、ジャックは恋心 │
 │                      │
 │ を抱き始めるが……。どこかで聞いたような │
 │                      │
 │ ストーリーですね。青年ジャックにはギヨー │
 │                      │
 │ ム・デ・フォレ。マルト役は、後にヴィム・ │
 │                      │
 │ ヴェンダース監督作品にも登用されることに │
 │                      │
 │ なるイザベル・ヴェンガルテン。夜のセーヌ │
 │                      │
 │ 河をゆっくりと滑って行く、見事な遊覧船の │
 │                      │
 │ シーンを撮ったキャメラマンは、ピエール・ │
 │                      │
 │ ロム。                  │
 │                      │
 │ さて、この映画の日本公開タイトルは?   │
 │                      │
 │                      │
 └──────────────────────┘

 答えは次の号外に掲載します。

 どうぞお楽しみに!

 答えが待ちきれないという方は、こちらのページに

 あるサンプルをご覧になり、時間をつぶして頂けた

 ら幸いです。↓

 http://www.forevercinemas.com/emailmagazine.html

 http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/57/P0005717.html


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