底抜けラウンドテーブル われら幻の映画を見たり  RSSを登録する

スクリーンに現われては散ってゆく映画という幻を、何とかこの手に握りしめたい。そんな熱い心意気の映画狂たちがお届けする居酒屋談義(ネタバレなし)です。どうぞグラスを片手に気軽にご参加ください。映画の知識が知らぬ間に身につくことをお約束します。

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2006/02/09

第44号

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  □ |   底抜け    □  第44号/2006年2月9日発行
    |         |
  □ | ラウンドテーブル □
    |         |   出席者 21世紀映画発見委員会
  □ |   われら    □    代表 佐藤学
    |         |     委員 ジョージ  トム  ジルダ
  □ | 幻の映画を見たり □  
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  *スクリーンに現われては、すぐに消え去ってしまう映画という幻を、
  なんとかして記憶にとどめたい。そんな熱い心意気を持つ同志たちが
  寄り集まり夜な夜な繰り広げる、居酒屋談義の延長のような円卓会議
  です。どうぞグラスを片手に、気軽におつきあいください。
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 The Contents
  1.ラウンドテーブル
 2.架空名画座
 3.編集後記

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   きょうの映画はこちらです。

  『結婚の夜』
  (原題名 The Wedding Night/中国語題名 洞房花燭)
  1935年 アメリカ(USA/美國)
    84分(min/分鐘) モノラル(米語・ポーランド語発声)
  35ミリ モノクロ スタンダード・サイズ(1:1.37) 
  監督 キング・ヴィダー(Directed by King Vidor/導演 金・維多)
  脚本 エディス・フィッツジェラルド
  撮影 グレッグ・トーランド
  音楽 アルフレッド・ニューマン
  製作 サミュエル・ゴールドウィン
  主演 ゲーリー・クーパー アンナ・ステン
     ラルフ・べラミー ヘレン・ビンソン

     佐藤  ゲーリー・クーパーが34歳ごろの作品だけど、
        オール・バックの髪型で微笑んでる彼は、ちょっと
        上原謙に似てるように見えたな(笑)。

     ジルダ  新作の原稿を酷評された有名小説家のトニー(
        ゲーリー・クーパー)が、妻ドーラ(ヘレン・ビン
        ソン)を連れて故郷のコネティカット州へ帰り、別
        の作品を書き始める。田舎暮らしに耐え切れない妻
        がニューヨークに戻った後、トニーは隣に住むポー
        ランド人一家の娘マーニャ(アンナ・ステン)と恋
        仲になってしまうというお話ね。

     ジョージ  そのマーニャには、親が決めた結婚相手がい
        るという設定でドラマが進行していくんだけど、キ
        ング・ヴィダーの演出の的確さには舌を巻いてしま
        ったな。

     ジルダ  冒頭のニューヨークの部分は、タイトル・バッ
        クの摩天楼とパーティー会場、そのトイレの3シー
        ンだけ。トイレの中で編集者かだれかを殴った後の
        クーパーを見せる。あれで彼の境遇が一発で分かっ
        てしまうのがいいね。

     佐藤  田舎に移ってからは、最初のほうで葉タバコを収
        穫する農民たちの姿をドキュメンタリーふうに撮っ
        ているけど、ああいうシーンを入れることで芝居部
        分が生きてくるんだね。

     ジョージ  ニューヨークからクーパーたちが連れてきた
        日系人の使用人がいたね。日本語でブツブツ言いな
        がら台所に立ってる。置き手紙をして帰ってしまう
        役で。描き方はちょっとクサイけど、あれも話にふ
        くらみをもたらしていると思う。

     ジルダ  これ、わりとシリアスなお話なのに、ヴィダー
        の描き方にはまったく暗さが伴わないでしょう。窓
        辺に立つクーパーの顔を見終えると、さわやかな印
        象だけが残るものね。

     佐藤  アンナ・ステンの父親をはじめとするポーランド
        人の描き方も、さっきの日系人と同じで少しおおげ
        さすぎるような気がするんだけど、クーパーやアン
        ナ・ステンの抑えた演技のおかげで、うまくバラン
        スがとれていると思う。

     ジョージ  クーパーとアンナ・ステンの二人が会話して
        ると、窓の外で雪が静かに舞っているといった心憎
        い演出もあったね。

     佐藤  ニューヨークから戻った妻が夫の小説を読んで、
        その結末を変えたほうがいいと諭すあたりの演出も
        何とも言えず良かったな。

     三人が出した結論
     『結婚の夜』が
     映画史に残る確率(21世紀の映画に及ぼす影響度)は
          85%

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      《架空名画座》  きょうの二本立てはこちらです。
                         __________
               □ |                   □
                 |    結婚の夜   |
               □ |              □
                 |    ×     |
                □ |            □
                  |帽子箱を持った少女|
                □ |                  □
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         『帽子箱を持った少女』は、ボリス・バルネット監督
      作品(1927年・旧ソ連・サイレント)。主演は、
      『結婚の夜』のアンナ・ステン。彼女はドイツに亡命
      後、プロデューサーのサミュエル・ゴールドウィンに
      請われて渡米した女優です。

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   《編集後記》
   今年の冬は、わたしの住んでいる田舎にも、『結婚の夜』に出てく
  るコネティカット州ほどの雪が積もりました。寒くてやりきれません
  ね。台湾のような暖かい国へ移住したい気持ちです。負け組には無理
  か(笑)。                     代表・佐藤

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  お知らせ
  すでに発行済みの号に間違いがありましたので、訂正します。
 *第25/26号 『突貫小僧』『和製喧嘩友達』は、フィルムセンター
  の資料によると、両作品とも14分とのことです。
 *第25号 「阪本武」は「坂本武」という表記が正しいようです。 
 *第32号 佐藤による発言内の《「おれは、がんばるぞ」とという》は
  《「おれは、がんばるぞ」という》です。
 *第36号 ジョージによる発言内の《「キャロル・ロンバードの夫役を
  別の俳優で取り直す」》は《「キャロル・ロンバードの夫役を別の俳優
  で撮り直す」》です。
  以上、お詫びいたします。

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   編集・発行 21世紀映画発見委員会 代表 佐藤学
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