2006/02/08
第43号
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□ | 底抜け □
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□ | ラウンドテーブル □
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□ | われら □
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□ | 幻の映画を見たり □ 第43号/2006年2月8日発行
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*スクリーンに現われては、すぐに消え去ってしまう映画という幻を、
なんとかして記憶にとどめたい。そんな熱い心意気を持つ同志たちが
寄り集まり夜な夜な繰り広げる、居酒屋談義の延長のような円卓会議
です。どうぞグラスを片手に、気軽におつきあいください。
出席者 21世紀映画発見委員会
代表 佐藤学 委員 ジョージ トム ジルダ
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きょうの映画はこちらです。
『河』
(The River/大河/河川)
1951年 アメリカ(USA/美國)
99分(分鐘/min)
監督 ジャン・ルノワール
(Directed by Jean Renoir/導演 尚・雷諾)
佐藤 ジャン・ルノワール監督の初めてのカラー映画で、
ルーマー・ゴッデンの原作をゴッデン本人とルノワ
ールが共同で脚本にしている。これ、ルノワールに
よるアメリカ映画なんだけど、舞台となるのはイン
ドのガンジス河流域だね。
ジルダ 製麻業の英国人一家の長女ハリエット(パトリ
シア・ウォルターズ)、工場主の娘バレリー(アド
リエンヌ・コリー)、アメリカ人とインド人の混血
娘メラニー(ラーダ)の三人は姉妹のような仲良し。
トム そこに、大戦で片足を失くしたメラニーの父の甥
ジョン(トーマス・E・ブリーン)が保養に来たこ
とから、三人の娘たちの心が波うちはじめるんだね。
とにかく、クロード・ルノワールのテクニカラー
による撮影が素晴らしいね。中間色を生かした色彩
設計の見事さ。まさにこれを見ずして死ねるかだよ。
佐藤 今まで見た映画で、これに匹敵できる中間色の見
事なカラー作品といったら、溝口健二の『楊貴妃』
(1955年)くらいかなあ。
ジルダ 目の保養っていう言葉があるけど、あのハリエ
ットやバレリーの髪の毛は、この世のものとは思え
ないね。
トム 当時のベンガル地方の、河や木々といった自然の
風景だってそうだよ。
ジルダ この映画には、あの詩の好きな少女ハリエット
のナレーション(実際には別の女性の声)がときど
き入るから、彼女が主人公だと言えるけど、出てく
る女性すべてが主人公のように描かれてるね。
トム 少女から大人にいたる女性の心のありようを、こ
れだけデリケートに描ける監督って、今はほとんど
いないでしょう。
ほかに挙げるとすればビクトル・エリセか。相米
慎二は亡くなっちゃったし。
佐藤 でもそうした監督たちの映画で女性が輝いて見え
るのは、男性もちゃんと描けているという裏付けが
あってのことだと思うな。
トム ルノワールの映画に出てくる役者たちは、もちろ
ん演技をしているんだけど、まったく芝居っ気を感
じさせないでしょう。まるで実際にインドに住んで
る生身の人間たちを、そのまま記録してきたかのよ
うだものね。
ジルダ そうね。もしルノワールが映画というものに出
会わなかったら、わたしたちがこうして『河』とい
う傑作を見ることもできなかったわけで、まさに彼
は偉大な映画監督だと言えるわね。
三人が出した結論
『河』が映画史に残る確率は?
99%
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《架空映画館》 きょうの二本立てはこちらです。
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□ | □
| 河 |
□ | □
| × |
□ | エル・スール □
| −南− |
□ | □
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『エル・スール −南−』 は、ほぼ10年に一本しか
映画を撮らないビクトル・エリセ監督の第2作(19
83年・スペイン=フランス)。この監督の描く女性
像・男性像は、ルノワール同様に驚くべき繊細さを見
せてくれます。エリセの映画は必見です。
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お知らせ
すでに発行済みの号に間違いがありましたので、訂正します。
*第25/26号 『突貫小僧』『和製喧嘩友達』は、フィルムセンター
の資料によると、両作品とも14分とのことです。
*第25号 「阪本武」は「坂本武」という表記が正しいようです。
*第32号 佐藤による発言内の《「おれは、がんばるぞ」とという》は
《「おれは、がんばるぞ」という》です。
*第36号 ジョージによる発言内の《「キャロル・ロンバードの夫役を
別の俳優で取り直す」》は《「キャロル・ロンバードの夫役を別の俳優
で撮り直す」》です。
以上、お詫びいたします。
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