2006/02/04
第39号
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□ | 幻の映画を見たり □
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第39号
2006年2月4日発行
居酒屋映画談義
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出席者
21世紀映画発見委員会
代表 佐藤学
委員 ジョージ トム ジルダ
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きょうの映画はこちらです。
『拾った女』
(Pickup on South Street/南街奇遇)
1953年 アメリカ(USA/美國)
80分(min/分鐘)
監督 サミュエル・フラー
(Directed by Samuel Fuller/導演 塞繆爾・富勒)
佐藤 出所したばかりのスキップ(リチャード・ウィド
マーク)は、前科三犯のスリ。その彼がニューヨー
クの地下鉄の中で、またもや乗客のハンドバッグに
手を伸ばすというのがトップ・シーンだね。
トム 財布を盗まれた女性キャンディ(ジーン・ピータ
ース)は、その中にある重要なフイルムが入ってい
たことを、雇い主のジョーイから知らされる。
それが共産主義者によって盗まれた軍事機密を写
したフイルムだったことから、警察や、ジョーイ、
キャンディらが、それぞれスキップを探そうと動き
出すという展開になる。
佐藤 原作本からサミュエル・フラー自身が脚本を書き
おろしてるね。
ジルダ スリのウィドマークを早く見つけるために警察
が呼ぶ、ネクタイ売りのモーをセルマ・リッターが
演じてるけど、彼女は名わき役よね。あのくたびれ
た感じがなんとも言えずにいいわ。
佐藤 アメリカによくいそうな、初老の女性の感じが良
く出ていた。疲れて帰宅した彼女が、お気に入りの
レコードをかけると、暗闇の中にいたジョーイに殺
されてしまうというシーンが印象的だったな。
トム ウィドマークとジーン・ピータースが、しだいに
引かれあっていくのは、フィルム・ノワールという
映画のジャンルの常道だよね。
ジルダ 港に突き出た小屋の中での二人のラブ・シーン
だけではなく、この映画には顔のクローズ・アップ
が多いね。アップでこれほど画面が引き立って見え
るのは、ウィドマークを始めとして、味のある役者
がそろって出ているためだろうな。
佐藤 撮影はジョー・マクドナルドだけど、勢い余った
のか、ジーン・ピータースのアップの顔が2カット
ほどピンボケになってる。あるいは意図的だったの
かな(笑)。
トム でも、アップのときの役者たちの目が、これほど
見事に撮られた映画って、ぼくはあまり見たことな
いよ。
佐藤 やっぱりフラーの演技指導がいいんだろうね。役
者の目ですべてを語らせることができる。地下鉄構
内のシーンなどを見ても、せりふに頼る必要がない
から、シーンの長さを短くすることが可能なんだね。
トム 映画監督志望の若者がこれを見たら、ただ嫉妬す
るほかはないだろうな(笑)。
ジルダ 効果音や、サックスを使った音楽も素晴らしい
の一語に尽きるね。
いかにも前科三犯という顔をしたウィドマークの
のような役者さんも、ほとんどもういなくなったの
がさみしいわ。
三人が出した結論
『拾った女』が映画史に残る確率は?
99%
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《架空映画館》
きょうの二本立てはこちらです。
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| 拾った女 |
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| × |
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| スリ |
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『スリ』は、ロベール・ブレッソン監督(19
60年、フランス)作品。スリという行為を克
明に描くブレッソンの演出には、だれもが驚き
を禁じえないはずです。出演者はマルタン・ラ
サール、マリカ・グリーンなど、すべてプロの
俳優ではないとのことです。
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