JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅  RSSを登録する

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2009/11/13

【JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅】第204号「北北東へ進路を取れ!その0」

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                     2009年11月13日 《第204号》
   JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
      http://www.tsuchibuta.com/
                          毎週金曜発行
                         発行者:つちぶた
▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼▽



こんにちは、つちぶたです。


今回から怒濤の北海道編に突入するところなのですが、
その前に、何故私が北海道へ渡ることになったのか、
という、どうでもいい話を前置きとして書こうと思います。

駅以外の話には興味が無い方が多いと思いますので、
駅訪問記を期待されている方は、
今回は飛ばして(今回は駅の話は一切出てきません)、
来週から読んで頂ければ幸いです。



始めに断っておきますが、
今回の話は“笑い話”として読んで頂けるとうれしいです。

ただ内容が、ことのほか暗いので(笑)、
そういう話が苦手な方もスルーして下さい。
よろしくお願いします。


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■北北東へ進路を取れ!(その0)
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〔今回のつちぶたの人生の行程〕
2005年5月某日
 勤めている店舗の閉鎖を言い渡される

2005年5月某日
 別件で、つちぶた切れる

2005年6月8日
 店舗閉鎖

2005年6月9日
 閉店作業 飲み会

2005年6月10日
 北海道へ旅立つ


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●北海道出発前夜
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■人は何のために生きているのだろう?

私は昔からよく、そんなことをぼんやりと考えていました。
もちろん人が生きていくことに普遍的な意味があるわけではないので、
質問自体が既に間違っているのかもしれませんが、
たとえばこれを少し変えて、

「自分は何のために生きているのだろう?何がしたいのだろう?」

となると、やや明確な問いになる気がするのですが、
私にはそれでも全く答えが出せないでいました。

生きている意味を見いだせず、
何かしたいという欲求があるわけでもない人生。

なんという無気力な・・・。

もっとも、私が生まれながらそう思っていたわけではなく(笑)
高校を卒業した後の10年間で積み重なった絶望感が
そうさせているのだということは分かっていました。

とある専門学校を挫折して子どもの頃からの夢を諦め、
専門職の技術を学んでも放り投げ、
通信制の大学に通い始めても挫折し、
就職の面接で落ちまくりあげくに面接官と口喧嘩までする始末、等々。

まったくどうしようもない人間だなと思う。
何をやっているんだろうと思う。
いやまて、ある意味、面白おかしい人生かも、とも思う。

きっとそのうち何とかなるだろう、という微かな希望と笑みも、
年齢を重ねるにつれどんどん消滅していき、
やがて気力も無くなって現状維持すら困難になっていく。

こんな筈じゃなかったのにな、と溜息混じりに呟く。
それでも毎日は続いていきます。
下り坂を転げ落ちるように・・・。



■そもそも私が駅訪問を始めたのは、
そんなどうしようもない気持ちを紛らわすためでもあったのでした。

旅はもともと好きだったし(というか旅以外に趣味も興味もなかった)
それを目的とした何かがあれば、
人生も少しは楽しくなるんじゃないかと思ったのが、
駅訪問を始めるキッカケの一つだったのです。
(この時既に27才になっていました)

後年、その試みが、いろいろな意味で私をつなぎ止める唯一のモノになるわけですが、
当時は「旅と駅訪問」は人生のちょっとした余興であり、
また同時に、交通費の捻出という痛い問題で
自分の首を絞めるという厄介な存在でもありました。

趣味が生き甲斐になるとしても、
先立つもの(つまりお金)がないと、
その生き甲斐さえ簡単に失ってしまうものなんだなぁと、
後述の出来事で悟ることになります。



■かくして、2005年5月、私の勤めている店舗の閉鎖が決まりました。

またか、という重苦しい気持ちが胃の辺りを圧迫します。
というのも、私はもう何度も店舗の閉鎖を経験していてうんざりしていたのです。

転職か異動か、どのみちまた新しい人間関係を構築しなければならないと思うと、
今度は頭がキリキリと軋むような痛みを感じるのでした。

もちろん私のような無資格無経験で怠惰で向上心のない、
取るに足りない人間が転職など出来るはずもなく、
地区部長である上司に「どうする?」と聞かれたときは、
即答で「異動できるようよろしくお願いいたします。」と返すしかありませんでした。

仕事はたいへんストレスのたまるものでしたが、
もちろん文句の言えた義理ではありません。
働かせてもらえるだけで大変ありがたい。
とはいえ、ここに長くいてもどうしようもないんだ、ということは分かっていましたが、
さりとて他にどうするあてもなく、今必要とされているところで頑張るしか有りません。

まもなく私は30才を迎えようとしていました。
この年齢から何かを始めるにはあまりに遅すぎます。
かといって何もしなければそこで終わりです。

そんな状況がもう何年も続いて、
緊張の糸はいつ切れてもおかしくない状態でした。

ところがその後、身内でちょっとした諍いがあり、
耐えに耐えていた糸は、プッツリと切れてしまったのでした。

普段の私ならば頭に来て怒りをあらわにするところでしたが、
その時は全く逆で、思わず吹き出し、笑ってしまいました。

あまりにもストレスが溜まってピークを越えると、
怒りよりも笑いの感情が出ることがあるんだなと、
その時初めて知ったのでした。

そこで私は自分勝手な悟りに達し、
「なるほど、この10年、もがき苦しんだことは全く無駄だったんだなぁ。
 もがいても非難され、もがかなくても非難されるのなら、
 もう終わりにする意外に無いじゃないか。」
そう思ったのでした。

たぶんこの時、怒りを感じていた方が、
結果的には良かったのかもしれないと思うことがあります。
怒りの方が、力を外に出す分まだ健全です。
その逆になると、力を中にため込んでしまいおかしな事になる。

それにしても、言葉というのは恐ろしいものだなと思います。
悪気が有る無いに関わらず、ちょっとした一言が、
人生を左右する引き金になってしまうのですから。

そして言葉の厄介さというのは、
人によって受け止め方が違うというのも難しい所で、
例えばですが、「バカだなぁ」と言われても笑って気にしない人もいれば、
完全に真に受けて怒り出すか、落ち込んでしまう人もいる。

結局言葉も人それぞれの受け止め方なんだと思いますが、
理性で分かっても感情をコントロールするのは難しいものですね。



■さて、そんな平和な諍いがあった翌日、
私は上司に、申し訳ないが異動の話はなかったことにして欲しい、
1ヶ月後の店舗閉鎖に伴って辞めさせて欲しい、という旨を報告しました。

上司は驚いた表情で、ちょっと待て、と言いました。
そこからかなり長い時間、説得が続きました。
実は私が勤めるエリア内では、3年以上の経験を持つベテラン(?)は珍しく、
そういった意味では私のようなどうしようもない人間でも重宝されていたのです。
出入りの激しい職場では人材の確保は難問です。

よほど人がいないのか、彼はどうしても私に残って欲しかったらしく、
1ヶ月休んで良いから、その後戻ってきて欲しいとまで言ってくれました。
とはいえ、私は一度決めたことは容易に覆さない奇妙な頑固さを持ち合わせていたので、
絶対に首を縦には振りませんでした。

しかしどうも話に終わりが見えそうになかったので、
「では1ヶ月休暇を取らせて頂き、考えさせて頂きます。
 でも期待はしないで下さい。私は辞めるつもりですので」
と言うと、分かったそれで良い、とにかく休め、と言われてようやく解放されました。

その時の会話を思い返すと、
私のどうしようもない頑固さのために期待に応えられず、
本当に悪いことをしたなと思います。

結局、店舗閉鎖後の1ヶ月後、私は北海道の釧網本線を旅している途中に、
やはり仕事には戻らない旨を報告することになるのですが、それはまた別の話。



■さて、仕事を全うしたら真っ先に彼岸へ旅立つ心持ちでしたが(笑)
一つやり残していたことがあったのでした。

それは「北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線」を巡る旅です。
これはもうかなり前から決めていて、
6月中旬あたりに出かける予定でした。

この時、幸いにも北見に知人が住んでおり、
そこを宿代わりにさせて貰って巡るつもりでいました。

私はそれを若干前倒ししてもらった上に、
更に1ヶ月間ほど滞在できないかとお願いをしました。
厚顔無恥にも程がありますが、おかげで寿命が延びました。



■仕事は6月8日に終了し、9日に閉店の撤去作業がありました。
北海道へ旅立つのは10日なので全く余裕がありません。

どうせ今後の予定なんて無いのだから、
ゆっくりやればいいじゃないかと思うのですが、
実は私の誕生日が6月15日で、その日をどうしても東京では迎えたくない、
という妙な感情があったのでした。

おかげで身辺整理がまったくできなかったのですが、
それはまあ、戻ってきてからゆっくりやるか、と諦めました。
戻ってくることがあれば、の話ですが。



■9日の夜、仕事先の最後の飲み会が行われました。
地区部長などの年上の上司がいなかったので気が楽です。
とはいえ、店長を含めた全員が私よりも遙かに年下なのが泣けるところではあります。

格闘技好きの美人な店長がビールを飲みながら、
「明日から北海道ですよね?」と私に話を振ってきました。

私は既にほろ酔い気分で「うん、そう。」と答えます。
店長の目の前には既に空のジョッキが並んでいて、
恐ろしい酒豪だなと思いながら彼女の顔を見るとまだ全然素面の様子でした。

店長:  「何時に出るんですか?」
つちぶた:「7時くらいに東京を出発かな。」
店長:  「ずいぶん早い飛行機ですね。」
つちぶた:「あ、いや、新幹線で行くんだ。」
店長  :「え?電車で北海道に行くんですか?何で?」
つちぶた:「・・・。えっと・・・。ちょ、ちょっと途中の駅で用事があってね。」

正直に「駅を見にいく為」と言うと、説明が長くなるし面倒なので、
適当なことを言ってごまかしてしまいました。

飲み会に来た人たちは若いのに、ことごとくみんな酒豪で(私が弱すぎるのですが)、
ずいぶんたくさん飲まされてフラフラになりつつ、
なんとか12時前に家に帰ってきました。

実は旅の準備がまだ終わっていないので、ちょっと焦っていました。

酔っぱらった状態で荷造りをし、
忘れ物がないかをチェックして布団に潜りましたが、
何かやり忘れたことがあるような気がして寝付けません。

覚めた目で暗闇の天井を凝視しながら、
この10年間にあったことを思い返しては、
やれやれと溜息をついて寝返りを打ち、
やがて陰鬱な思考の堂々巡りが始まりました。

いつも自らの手で人生を転落させてきたなぁと思う。
誰の所為でもなく、結局自分の所為なんだよなぁ・・・。
自己責任の時代とは良く言ったものだなと思う。
そういう時代でなくとも、私のような無気力な人間は、
社会にいるだけ迷惑が掛かっているんだろうなと思ったりもする。

まあ、たとえ今人生が終わるとしても、
特に未練も無いからどうでもいいか・・・。

ただあるとすれば、
北海道の宗谷地方と根室地方の駅を見ておきたかったな、
ということくらいだろうなぁ・・・。

それも今回の北海道行きで、貯金を使い果たせば見に行くことも可能だろうし、
そうなればもう本望かも知れないなぁ・・・。

そんなことをグダグダと考えていると、
結局寝たか寝なかったのか分からないうちに朝を迎えてしまいました。

カラダがひどく怠く重い。
たぶんまだ酒が抜けていないのでしょう。
それでも頭だけは妙に覚めていて、テキパキと朝の仕度を済ませると、
重いバッグを背負って、ドアを蹴飛ばすようにして外に出ました。

その日の東京の空は快晴で、やけに太陽がギラギラと光を放ち、
朝日が照り返すまぶしさが、暑苦しく不愉快でした。

さっさとこんな場所から立ち去りたい。
私はその一心で地下鉄を乗り継いで東京駅へと向かいました。



つづく



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■以上が、私が北海道へ行く直前までの、おおよその出来事でした。

この後、北海道に何年も居座り続けることになるのですが、
もちろんこの時は、考えもしませんでしたけど。

今現在の結果から見ると、北海道の大自然を満喫できたし、
その上、JR北海道を全駅下車できることになるので良かったとも言えるんですけど、
その過程で私は多くのものを失い、
また周囲に多大な迷惑をかけたことには後悔の念が湧きます。

とはいえ、少なくともこの時「北海道滞在」と「駅訪問」という趣味の
どちらか一方が欠けても、私は今此処にいないんじゃないかなと思ったするので、
この二つの要因には感謝です。

まあ、それが良かった事かどうかは別として(笑)


極々個人的なつまらない話を最後までお付き合い頂きありがとうございました。

次回からは、普通の(?)旅行記になると思います。



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■編集後記
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今回の話は、書くか書かないかでずいぶん悩んだのですが、
まあ、たまにはどす黒い部分を出して読者数激減というのも
このメルマガらしいかなと思ったり思わなかったり。

軽いフィクションと思ってスルーして頂くか、
どうしようもない人間だな~、と笑って流して頂けると嬉しいです。

あんまり真に受けて、説教とかされると困るんですけど(笑)
そんなことで挫折とかありえない、とかなんとか・・・
(それはそうかもしれないけど・・・。たしかに私はまだ恵まれている方だとは思います)


とはいえ、この当時の出来事を思い返すと、
今こうして生きながらえてメルマガを書いているのが不思議だったりするんですが、
まあ人生って色々ありますね。
何とかなってしまうものなんですね。

ホントは何とかなってないんですけど(笑)

まああれですよ、
かのマギー司郎さんも、「生きてるだけでだいたいOK」と仰ってますし。
「生きてるだけで丸儲け」という言葉もありますし。

出来ることなら心持ちだけでも気楽に生きていきたいですね。



それではまた来週お目にかかります。

最後までお読み頂きありがとうございました。



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 JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
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