JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅  RSSを登録する

JR全線全駅下車を目指す旅の模様をお伝えする、鉄道旅行記です。日本全国津々浦々、様々な駅舎をHPの写真と共に紹介します。

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2009/05/29

【JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅】第180号「南紀をめぐる旅その11 紀勢本線11」

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                     2009年5月29日 《第180号》
   JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
      http://www.tsuchibuta.com/
                          毎週金曜発行
                         発行者:つちぶた
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こんにちは、つちぶたです。


今回は旅5日目、紀勢本線の旅も終わりに近づきつつあります。


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■南紀をめぐる旅(その11)
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〔今回の旅の行程〕
2005年3月15日
(東海道本線)東京駅→名古屋駅→ (関西本線)亀山駅→
(紀勢本線)
 高茶屋駅→阿漕駅→川添駅→栃原駅→佐奈駅→相可駅→阿曽駅→
 滝原駅→伊勢柏崎駅→三瀬谷駅→大内山駅→尾鷲駅(宿泊)

2005年3月16日
(紀勢本線)
 尾鷲駅→紀伊長島駅→梅ヶ谷駅→船津駅→三野瀬駅→
 賀田駅→波田須駅→九鬼駅→三木里駅→大曽根浦駅→
 尾鷲駅→相賀駅→新鹿駅→二木島駅→新宮駅(宿泊)

2005年3月17日
(紀勢本線)
 新宮駅→紀伊天満駅→宇久井駅→那智駅→紀伊佐野駅→三輪崎駅→紀伊勝浦駅→
 新宮駅→阿田和駅→紀伊市木駅→神志山駅→紀伊井田駅→鵜殿駅→熊野市駅→
 有井駅→大泊駅→新宮駅→紀伊勝浦駅(宿泊)

2005年3月18日
(紀勢本線)
 紀伊勝浦駅→古座駅→紀伊田原駅→紀伊浦神駅→紀伊姫駅
 →太地駅→下里駅→湯川駅→串本駅→田並駅→紀伊有田駅→
 紀伊日置駅→紀伊田辺駅(宿泊)

2005年3月19日
(紀勢本線)
 紀伊新庄駅→田子駅→見老津駅→和深駅→
 江住駅→周参見駅→朝来駅→白浜駅→椿駅→紀伊富田駅→
 紀伊田辺駅→御坊駅→和歌山駅→(阪和線)大阪駅→
(東海道本線)米原駅→大垣駅→(車中泊) 

2005年3月20日
(中央本線)
 東京駅→笹子駅→甲斐大和駅→山梨市駅→春日居町駅→石和温泉駅→
 酒折駅→東京駅(帰宅)


〔今回の旅〕
2005年3月19日(晴れ)旅5日目  〔全駅訪問通算84日目〕
(紀勢本線)
 紀伊新庄駅→田子駅→見老津駅→和深駅→(徒歩・バス)→江住駅→


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●田子駅の美味しいコーヒー
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■2005年3月19日、旅もついに5日目に突入しました。

いろんな意味で疲労が蓄積していますが、
そこに焦点を当てると駅訪問を諦めて帰りかねないので、
なるべく疲労については考えないようにしながら朝の身支度を済ませ、
重い荷物を背負い、アパートのような宿を出ました。

宿は紀伊田辺駅の目の前にあるので、
そのままこの駅を撮影して出発、と行きたいところですが、
今日はどのみちもう一度、紀伊田辺駅に戻ってくる時間があるので、
一駅分を稼ぐため、私は隣の駅まで歩いて、そこから始発に乗る事にしました。


まだ朝の6時前という時間なので人影もなく、
道路を走る車もほとんどありません。

私は白い息をモウモウと吐きながら、
寒く静かな通りを歩いて行きました。



■紀伊田辺駅から歩行距離約2.1km、
民家の奥に隠れるようにして立つ紀伊新庄駅に到着しました。

「紀伊新庄駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/kiseiline-west/28kiishinjou/28kiishinjou.htm

駅舎はなかなかお目にかかれない下見板張りの木造建築。
出札口は板で完全に封鎖されている無人駅です。

中に入ると、一人の若者がベンチに座り、
黙々と携帯型のゲームをプレイしていました。

よくこんな寒い中で指が動くなぁと感心しながら
私は彼の横を通り過ぎてホームへ向かいました。

駅舎から一段高い位置にあるホームは相対式2面2線で、
他に留置線が1本延びていました。

跨線橋に上がり周囲を見渡すと、
登りかけの太陽が家々の屋根と丘の上を照らしているのが見え、
それらの間に挟まれた駅はまだ暗い影の中に収まっています。

上空には雲一つ無く、今日も良く晴れそうだなと思っていると、
6:31発の新宮行き列車がゴトゴトと音を立てて近づいてくるのが見えました。

先程の若者はまだ駅舎内でゲームに忙しそうです。
彼は紀伊田辺駅方面の始発を待っているのでしょうか・・・。



■1時間ほど列車に揺られ、今日2駅目の訪問駅となる田子(たこ)駅に到着。

「田子駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/kiseiline-west/18tako/18tako.htm

ホームは単式1面1線のみというシンプル構造で、
西側にトンネルと山がありますが、
ホームの東端まで行くと海が見えます。

駅舎はブロック壁の小さなものですが、
出札口跡が残っていて、かつては有人駅だった事がうかがえます。

駅舎の竣工日は昭和38年とあり、
時を経た壁やベンチにも味わいがあります。

駅前の道路は坂道になっていて、
そこから周囲を見渡すと平坦な場所がなく、
道路は曲がりくねって上へ下へと続いており、
複雑な土地であることを示していました。

私は駅前に出て正面から駅舎を撮影していると、
一台の車が駅舎の脇に止まりました。

かまわず写真を撮り続けていると、
車から強面のゴツイ男性が出てきて、
ジッとこちらを睨み付けているように見えました。

そして彼は私の方にゆっくり近づいてきます。

「あ?駅の写真とってんのか?」
低い声で彼が言うのでした。

「・・・。あ、はい、そうです。駅舎の写真を撮ってます」
と私はさらりと言ってのけましたが、
内心では、
「やばい、殺されるかもしれん。隙を突いて逃げるか・・・」
などと考えていたのでした。

しかし彼は「ほうそうか、珍しいな」と答え、会話が成立しそうな雰囲気でした。

どうやら彼は鉄道沿線の工事を担当している方で、
今日は田子駅の周辺の盛土を工事するとの事でした。

話をしているとひじょうに物腰柔らかな方で、
人は見かけによらないものだなと・・・、つくづく思うのでした。

次第に紀勢本線沿線の話になって話しが止まらなくなり、
撮影どころではなくなってきました。

しかし、やがて他の作業員が駅前に到着し、私は一時的に解放されるのでした。

10分ほど作業員たちとの朝礼があって、
それが終わると彼はまた私の所に来て、駅構内の講義をしてくれました。
これは楽しい・・。ひじょうに勉強になりました。

話が一息つくと、おじさんが「コーヒー飲むか?」と言うので、
「飲みます。」と即答。

おじさんは水筒とコーヒーセットを車から出してきてくれて、
駅舎内でインスタントコーヒーを注ぐのでした。

しかし水筒から注いだお湯が熱すぎて飲めません。(私は猫舌です)

「次の18分の列車で行くんか?」
「そうです、アチ、もうすぐ・・・、ってもう来ますね。」

その言葉を言った直後、列車の音が聞こえてきました。

え、なに、もう来たの?
ちょっと待ってくれ、私はまだコーヒーを飲んでいない!

無理に飲みこもうとしたのですが、舌を火傷して飲みきれません。

「それ持って行って飲めや。」とおじさんが言います。

私は「あ、ありがとうございました!」と言って、
コーヒーカップ(紙コップですが)を持って慌てて列車内に飛び乗ると、
すぐに扉が閉まって走り出しました。

列車内からおじさんに向かって会釈をしていると、
すぐに駅舎が遠ざかって見えなくなってしまいました。

親切なおじさんだったなぁ・・・と思いながら、
私はイスに腰掛け、熱いコーヒーをズズズッと飲むのでした。



■8:34 見老津(みろづ)駅に下車。

「見老津駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/kiseiline-west/21mirozu/21mirozu.htm

島式1面2線の細長いホームが延びており、
片側に崖、向かいには海が広がっています。

駅前よりもやや高くなっているホームから見る海は、
ゴツゴツとした岩々や小島が見え、素晴らしい景観です。

ただホームと海の間を走る道路の交通量が多いのが気になりますけど。

で、私はホームの北側からつづく構内踏切を渡って駅舎へ向かいます。

駅舎はやはり無人でしたが、
しっかりとした造りの木造モルタル駅舎が建っていました。

そのわりには駅舎内の待合室はひじょうに狭苦しい感じです。

駅前には道路と海があるだけで、
民家があるところまでは少し距離があります。

これは駅周辺の土地が極端に少ないためなのですが、
その所為か、駅舎の正面は道路側ではなく横を向いています。

もう少し駅を北側に作れば良かったのに、とも思いましたが、
建設時には何か事情があったのかもしれません。



■9:06 和深駅に下車。

「和深駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/kiseiline-west/19wabuka/19wabuka.htm

ホームは単式1面1線、島式1面2線と留置線が1本あるという、
そこそこ広い構内ですが、
ホームの幅が狭いためかそれほど広く感じません。

私が降り立ったのは駅舎のある単式ホームで、
そこから向かいのホームを見ると海が見えます。

まるで島式ホームが海に浮かんでいるようにも見えます。

島式ホーム側には海を向いたベンチがあるので、
私は跨線橋を渡ってベンチに座り、
照りつける太陽と潮風にあたりながら海を眺めてみると、
あまりの気持ちよさに、このまま動けなくなってしまうのではと思うのでした。

今日はあまりにも天気が良すぎて、景色が美しすぎるのです。

この後、隣の駅まで歩く予定なので駅を離れなければならないので、
惜しい事をしたなと思いました。

10分ほど海とホームを堪能した後、駅舎観察へと移りました。

駅舎は古い木造建築で、屋根や壁の大部分が補修されていますが、
昔のままの雰囲気を残しています。

さすがに潮風があたって駅舎が傷みやすいのでしょう。
出札口のシャッター、ゴミ箱、改札の鉄パイプもかなり錆びついていました。

駅前には営業していない商店が1軒あるのみ。
坂道の下方にある盆地に多くの民家が建ち並んでいます。


で、次の列車までは2時間近くの余裕があるので、
隣の江住駅まで歩くことにします。

歩行距離は約6.1km。
ちょっと遠いです・・・。

私はリュックをグッと背負い直して、
海岸線に続く道路を歩き出しました。

海岸沿いというと、ずっと平坦な道をイメージしがちですが、
紀勢本線沿いはリアス式海岸になっていて土地の高低差が激しいのです。

そのせいで道路は、登ったと思ったら下ったりの繰り返しで、
まるで山登りをするような険しい道のりになります。

歩道が整備されているので歩きやすいのは歩きやすいのですが、
キツイです・・・・・。

私のような軟弱者には、ことのほかキツイ。

やがて道中も半分を過ぎた辺りにさしかかると、
ひじょうにキレイな浜辺に出ました。

小さな集落で人もあまり来ないせいなのか、
水は恐ろしいほどの透明さを保っていました。

しかし、正直言えば、そんな風景を楽しむ余裕はほとんど無く、
私の体はバテバテで、足を前に運ぶのも困難になり始めていました。

快晴の天気が皮肉にも私の体力を奪っているのです。
日にさらされた顔は火照って皮膚の痛みを感じていました。

そして、そのキレイな浜辺を通り過ぎた辺りまで来ると、
ブロック壁の小屋を設けたバス停がありました。

あぁ、ここならベンチがありそうだ、休ませてもらおう、
そう思いながらバス停に辿り着くと、時刻表が目に入ります。

「あ、そうか、バスに乗ればいいんだ」
と今更ながら気がつくのでした。

でもまあ、都合の良いようにバスが来ないのが、
私の旅においては定説ですので、特に期待もせずに時刻表を見たところ、
「江住駅行き10:15」とありました。

なんと!すぐ来るではないですか!
助かった・・・。

で、しばらくベンチに座って休んでいると、
本当にバスが来てくれて(当り前ですが)、安心したのでした。



■そんなわけで、予定を大幅に短縮して江住駅に到着しました。

「江住駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/kiseiline-west/20esumi/20esumi.htm

駅舎は和深駅とほぼ同型の木造駅舎でした。

しかしこちらは町の人がしっかり管理しているようで、
駅舎内には鉄道の写真や俳句などが飾られており、
華やかで生活感が溢れていました。

利用者もそこそこ多いと思われますが、当然の如く無人駅です。

待合室を出ると構内踏切が島式ホームへと続いています。
ここも異様に幅の狭いホームでした。


一通り駅を観察してもまだ40分ほど余ってしまったので、
私は駅近くの海まで出て昼飯を食べることにしました。

海岸までは江住駅を出てすぐです。

私は自販機で缶コーヒーを買ってから、
堤防の上に座りこんで、海を眺めながらオニギリを食べ始めました。

昼食を時間に追われることなく取れるって素晴らしい(笑)
しかも海を眺めながらの昼食です。最高な気分です。

純粋に、旅って素晴らしいなぁと思った瞬間でした。



つづく



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■編集後記
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気がついたらもう5月も終わりですね!

昨日、道ばたでアジサイの花を見て、
ああそうか、そろそろ6月だよな〜と思ってから、
なるほど、となると5月も終わるのか!と悟ったのでした。

6月になると、私の個人的な思い入れとして、
北海道(特に道東)に咲き乱れるルピナスという花を思い出します。

ルピナスの花の色はアジサイのように青・紫・ピンクと様々なんですけど、
細長く咲く不思議な花なんですね。とにかくキレイなんです。

石北本線の駅構内や、廃線跡に良く咲いていたので、
余計に記憶に残っている花なんです。

あ〜、北海道行きたいな〜。6月7月の北海道は最高なんだよな〜。
と思いながらJR北海道のHPを見ていたら、
今年はずいぶん色々な企画切符が出ているようで、
富良野・美瑛を巡る切符とかも出ているんですね。

http://www.jrhokkaido.co.jp/travel/furano_sum/index.html

正直なところ、富良野・美瑛を列車だけで巡るとなると、
う〜ん、と唸ってしまうところですが・・・。
ラベンダー畑に行くくらいなら問題ないのかな。
レンタカーをプラスするとこの辺りの観光も楽しいんですけどね。

とはいえ、駅好きとしては富良野線よりも、
やはり根室本線をどうしても推したい!

札幌から旭川に出て富良野に出るのではなく、
滝川から富良野に出てもらいたい。
そして、各駅を降りてもらいたい!(笑)

でも本当に、この辺りの根室本線はどの駅も魅力的なんですよ。
富良野線は・・・・・・・・。
いや、あれはあれで・・・。うん、北海道らしい。


そんなわけで(どんなわけだか分からないけれど)、
北海道に行きたいですね。
東京を逃げ出したい。
梅雨だし、暑いし。

「ぐるり北海道フリーきっぷ」でも買って、
ふらっと北海道を巡って行きたいなぁ、
という妄想でいっぱいな今日この頃です。



それではまた来週お目にかかります。

最後までお読み頂きありがとうございました。



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 JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
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