【JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅】第108号「山陰本線」
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2008年1月11日 《第108号》
JR全線全駅へ!つちぶた本舗の全駅訪問の旅
http://www.tsuchibuta.com/
毎週金曜発行
発行者:つちぶた
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こんにちは、つちぶたです。
今回は山陰本線、余部橋梁などを巡ります。
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■山陰・北陸湯けむり紀行(その5)
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2004年8月20日(雨のち晴れ)旅2日目 〔全駅訪問通算57日目〕
〔前回の旅〕
(舞鶴線)
西舞鶴駅→
(小浜線)
青郷駅→松尾寺駅→三松駅→若狭高浜駅→
(舞鶴線)
東舞鶴駅→
淵垣駅→梅迫駅→綾部駅→真倉駅→綾部駅→
〔今回の旅〕
玄武洞駅→豊岡駅→久谷駅→鎧駅→餘部駅→城崎駅(現・城崎温泉駅)(泊)
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●文学の地で湯けむりに泣く
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■11:46綾部駅を出て、福知山駅で乗り継ぎ、
そのまま山陰本線を突き進みます。
しばらくの間は列車に乗っているので、
私は買っておいた駅弁を食べました。
列車に揺られ、長閑な風景を眺めながら駅弁を食べる、
鉄道旅行の醍醐味ですね。
■13:21玄武洞駅に途中下車。
「玄武洞駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/039genbudou/039genbudou.htm
相対式2面2線の無人駅で、簡易な駅舎があります。
周囲は山に囲まれており、民家がかなり少ない。
駅前の道路に出ると、その先に川が流れていて、
「玄武洞」と「渡し船」という看板が見えます。
玄武洞というのは、天然記念物の奇岩で、
その岩が見られる玄武洞公園という観光地があります。
どうやらその「玄武洞」に行くために
対岸までの「渡し船」があるようです。
しかし川沿いを見ても人影は見えず、
実際営業しているのか分かりませんでした。
そんなわけで駅前見物はササッと終わらせて、
私は跨線橋を渡り、日陰のベンチに座って次の列車を待ちました。
駅の雰囲気は穏やかで素晴らしいのですが、
とにかく今日は暑すぎます。
夏だから当たり前なのですが、日差しが強すぎて、
駅周辺を歩き回る気力はありません。
■上り列車で一駅戻って、豊岡駅に下車。
「豊岡駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/038toyooka/038toyooka.htm
こちらは特急も停車する大きな駅で、何本もの側線と車庫を完備。
また北近畿タンゴ鉄道との接続駅でもあります。
乗降客も多く、一駅違いでここまで変わるか!
とツッコミを入れたくなるほどです。
駅舎は幅も高さもある貫禄の駅舎で、
年代もそこそこ古そうです。
左右対称の寄棟屋根が若干重苦しいですが、
正面上部に小さめの三角屋根を持たせることで、
ささやかな軽さを演出しています。
北近畿タンゴ鉄道の駅舎は、JRとは別のものがあり、
頭端式ホームの上に小さな簡易駅舎がもうしわけなさそうに建っていました。
駅前からタンゴ鉄道の駅舎へと続く道も分かりづらく、
ちょっと可哀想な感じがしました。
■14:47豊岡駅を出発。
竹野駅を通り過ぎると、日本海沿いを走る区間に入ります。
この辺りの地形は複雑に入り組んでいて、
海が見えたと思ったらトンネル、そして山、
というサイクルを幾度も繰り返すので、
車窓風景は目まぐるしく変化します。
列車は海からかなり高い位置を走るため、
海を見下ろす眺めは最高です。
そして今回の旅の目玉である「余部橋梁」にさしかかります。
この橋は、トンネルをぬけた直後に突然現れるので、
一瞬外に投げ出されたかのように感じます。
橋の上を走行しているときは、まるで空を飛んでいるよう。
眼下に日本海の深い青の広がりが見えます。
橋の真下には民家が建ち並んでいるのが見え、
その余りの開放感に喜びと恐怖の入り交じったような
不思議な心境に陥ります。
橋を越えるとすぐ餘部駅に到着します。
私はこの駅に降りる前にあと二駅巡るので、まだ下車しません。
■そんなわけで、15:37久谷駅に下車。
「久谷駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/048kutani/048kutani.htm
おそろしく山深いところにある、
相対式2面2線の無人駅です。
周辺に民家は無いのかと思ったら、
駅の下方に集落があるのが見えました。
その民家が見えるホーム側には駅舎はなく、
向かいの山側に簡易な駅舎が建っていました。
利用客は非常に少なそうに見える駅です。
■16:12鎧駅に下車。
「鎧駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/046yoroi/046yoroi.htm
駅前のわずかな平地に数軒の民家が並ぶ静かな駅です。
ホームは相対式2面2線で、細い地下通路で結ばれています。
海側のホームに出ると、はるか下の方に小さな港があり、
その先には真夏の日差しを受けてキラキラ光る海原が広がっていました。
駅周辺と港も含めて小高い山々に囲まれており、
完全に隔離されたかのような立地です。
私はこの日から2年ほど前、この駅に初めて訪れたとき、
そのあまりの長閑さ、鄙びた雰囲気に打ちのめされたのでした。
この駅に降り立ったことがきっかけで、
私は現在も駅を巡ることがやめられないでいるのです。
そんなわけで、私にとっては特に素晴らしい駅、
ある意味人生を変えた、と同時に人生を支えられた駅でもあります。
駅巡りをしている人の中では、
この駅を押している人はほとんど(或いは全く)見かけません。
他のインパクトのある駅から見ると、平凡に見えるのかもしれません。
駅舎も簡易駅舎ですし、人影も無いわけではない。
それでも私がこの駅を押すのは、好みの問題もありますが、
駅巡りの(当時は駅巡りと考えていなかったけど)最初の方で
出会ったからなのかもしれません。
今考えると、おそらく最初の内で北海道の駅とか、
岩泉線の駅とか只見線の駅とか飯田線、木次線、肥薩線などに出会っていたら、
あるいはそこが一番になっていたかもしれない。
巡り合わせの問題なのかもしれません。
それでも、かれこれ2008年現在1700駅ほど降りても
私の中で鎧駅を1位から変えられないことを考えると、
やはり私には見事にはまった駅なのだなぁと、あらためて思うというか、
感慨深いものだなと思ったりします。
そんなわけで、以前来たときはたいして撮らなかった
鎧駅の写真を存分に撮って、去りがたい気持ちを何とか抑えて、
駅を後にしました。
■16:51ついに餘部駅に下車です。
「餘部駅」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/047amarube/047amarube.htm
橋が掛けかわることもあってか、
ホームにはかなり多くの鉄道ファン、観光客がいました。
ホームは単式1面1線で、駅舎は無く、
小さな待合室があるのみです。
駅から少し上がる小道には、橋を展望できる場所があり、
何人もの人がそこで写真を撮っています。
私もそこに紛れて橋を見下ろすと、
橋、日本海、集落、そして山々が見下ろせる眺めに驚くのでした。
なんてきれいな風景なのだろう。
周囲の景観の素晴らしさもさることながら、
完全にその風景にとけ込んでいる餘部橋梁の美しさといったらもう・・・。
私はその後、橋の下の集落へと続く小道を下がっていきました。
坂の長さはかなりのもので、帰りのことを考えると戦慄が走るのですが、
二度と見られない風景となるかもしれないので、
文句は飲み込み、さっさと下ります。
そして道の一番下まで来て橋を見上げました。
赤色の鉄骨が真っ直ぐと天に向かってそびえています。
これが明治時代に作られたものなのか・・・。
美しい・・・・・・。
私はただただ感動して、飽くことなく橋を眺め続けました。
しかし無情にも折り返しの列車はすぐ来てしまいます。
私は何故この駅に宿を取らなかったのか、
もっと長い時間をこの駅に取らなかったのかと後悔しつつ、
急ぎ足で坂をよじ登っていきました。
長い、長すぎる、坂がキツイ・・・。
何とか登り切ったときには大きく肩で息をし、
全身汗まみれになっていました。
■18:08城崎駅に到着。(現在は城崎温泉駅に改称されました)
「城崎駅(城崎温泉駅)」
http://www.tsuchibuta.com/jr-west/saninline/040kinosaki/040kinosaki.htm
ホームは3面4線で、跨線橋で結ばれており、
駅舎は大正14年竣工の古い駅舎が建っています。
かなり大振りの駅舎で、瓦の屋根は横に三段階で
建て増しされたように延びています。
正面の太く長い柱、縦長の窓が大正ロマンを感じさせます。
城崎温泉は外湯めぐりが有名で、
浴衣姿の観光客が多く行き交っていました。
私は城崎駅通りを進み、大谿川に出ました。
ここは川沿いに柳が並んでいてとても情緒があるところです。
城崎と言えば多くの文豪が訪れたことでも有名ですが、
私はふと志賀直哉の「城の崎にて」を思い出します。
かつての文豪はこの柳の揺れる川原を散歩して
作品の構想を練ったのかと思うと、なにか胸に迫るものがあります。
私もこの川原を散歩していたら、何か物語が書けるかも・・。
静かに音もなく揺れる柳と、さらさらと流れる川音が私の心を揺さぶります。
言葉が・・・言葉が溢れてくる!
そうだ、今、ものがたりを語ろう!
「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んで(以下略)」
■駅前の店で食事を済ませた後、
私は予約をしていた宿に向かいました。
温泉付きと聞いているので期待が高まります。
辿り着いた先はかなり奥まったところにあった、
小さな旅館でした。(民宿のようにも見える)
受付に行っても誰もいないので「すみませ〜ん」と声を上げると、
フロントの客用ソファーでテレビを見ていたおばさんが、
「はいはい」と出てきました。
随分くつろいでますな・・。
「朝食は抜きのプランでしたっけ?」と受付のおばさん。
「いや・・、朝食付きのプランで予約したんですけど・・・」
私は引きつった顔で返答。
しょっぱなから話がかみ合いません。
そんなこんなで、とにかく部屋に行きました。
壁はベニヤ1枚ほどの薄いもので廊下も部屋も仕切られている。
廊下で話す人の声や、1階で走り回る子供の声が丸聞こえです。
まあ、たまにはこういうところもいいか・・・。
そういえば私が初めて18きっぷで旅をしたときに、
行き当たりばったりで泊めてもらった宿もこんな感じだったなぁ。
ちょっと懐かしい気持ちにもなるのでした。
さて、温泉付きなので、さっそく入りに行きます。
受付のおばさんはしきりに外湯を勧めていたけど、
宿にあるんだったらその方が好都合じゃないですか。
どのみち疲れて外に出る気もなかったので、
迷わず宿の風呂に行きました。
風呂の扉を開けると、とても小さな湯船に、
あふれずに溜まったままのお湯が静かに揺れていました。
源泉掛け流し・・・っていうのではないんだな、そうだよな、はは。
体を洗った後に湯船につかると、
その微妙なぬるさに、思わず泣きたくなってきました。
・・・外湯へ行けば良かった・・・・。
しかし1日駅巡りをして疲れた私の体は、
さっさと寝てくれてと哀願しています。
温泉宿というのは、金額をけちるもんじゃないなと悟った夜でした。
つづく
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■編集後記
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先日、江差線の木古内という駅に行っていきました。
江差方面に行く次の列車まで3時間待ち。
それはもちろん承知していたので本を2冊持っていったのですが、
天気は良いし、温かいので駅間を歩くことにしました。
最近は寒さにも慣れ、氷点下3度くらいまでは
なんてことなく過ごせるようになりました。
北見に比べると、函館って暖かいよなぁと思っていたわけです。
で、隣の渡島鶴岡駅に到着。
時間もまだかなりあったので、その隣の吉堀駅まで歩いてしまいました。
(江差線は全駅下車済みなので乗下車は気にしません)
写真を撮るときの手は寒くて痛いのですが、
体はまだ寒いとは感じていません。
ずいぶん成長したな、と思ったのですが、同時にふと気が付きました。
まさか皮下脂肪が増えたせいか・・・・・・・。
と、と、とにかく私は吉堀駅から江差行きの列車に乗り、
すぐ隣の(といっても10km以上離れている)神明駅に降り立ちました。
時刻が15:30を過ぎていたというのもありますが、
神明駅は山奥の駅なので気温が違うのでしょう。
寒い!!メチャクチャ寒い!!!
横暴だ!!これは気候の暴力だ!!!
空気に触れているだけで肌が痛い。
寒さが瞬時に脂肪を突き抜けて骨まで達します。
そういえば2年前、小幌駅に降りたときもこんな感じでした。
この「死ぬんじゃないか?」と思わせる強烈な寒さ。
暖冬の中で私はその寒さを完全に忘れていました。
(しかも今日は厚着をしていない)
やがて太陽が沈み、辺りは真っ暗になると、
更なる寒気が私を襲います。風も強くなってきました。
待合室が無ければ凍死してたかも。
1時間半後、ほぼ定刻に列車が来て救われました。
もう真冬の秘境駅は勘弁、と思う今日この頃です。
それではまた来週お目にかかります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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つちぶた本舗の全駅訪問の旅
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