関西学院大学先端社会研究所メールマガジン RSSを登録する

関西学院大学先端社会研究所のメールマガジン。リレーエッセイ、先端的な社会研究を考えるブックガイド、研究会や研究成果などの情報をお届けします。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
このメルマガをまぐまぐ大賞2008に推薦する
2008/01/23

●●関学COEメールマガジン [ 第63号 ] 2008/1/22

この記事を取り寄せる

---------------------------------------------------------------

■□■□□□□□□
■■□□          □       関西学院大学 社会学研究科
■□■  □□□□            21世紀COEプログラム
□□  □□□□□□  −「人類の幸福に資する社会調査」の研究−
□□  □□□□□□           http://coe.kgu-jp.com/
□■■  □□□□
■□■■          □          関学COEメールマガジン
□■■□□□□□□       □■第63号■■2008/1/22■□

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 −目 次−

■ エッセイ「幸福日記」(57)  「COEの回顧と展望」(武田丈)
■ エッセイ「幸福日記」(58)  「回顧と展望」(岩佐将志)
■ エッセイ「幸福日記」(59)  「個人的な回顧と展望」(山北輝裕)
■ ASRO 新着情報; ディスカッション・ペーパー(1)
 「録音メディアにおけるリアリティの所在―グレン・グールドから初音ミクへ」
■ 災害復興制度研究所 関連研究会について
■ 研究会・イベント
 ・1/29 「村の日記」研究会
 ・2/14 COE/兵庫県プロジェクト 都市景観研究会
■ 社会調査ニュースダイジェスト
■ 編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


┌────────────
│  ■ エッセイ「幸福日記」( 57 ) 「COEの回顧と展望」(武田丈)
└─────────────────────────────


5年にわたるCOEプログラムが幕を閉じようとしている。私が専任講師だった5年少し前、
このCOEの申請のための準備会議でいろいろとアイディアを出させていただいたことを想
いだす。最初の2年間こそ事業推進担当者に名前を連ねることはなかったが、3年目からは
事業推進担当者として、最終の今年度はサブ・リーダーとして参加させていただいたこと
を深く感謝する。

私の存在がプログラム全体にどれくらい貢献できたかは甚だ疑問であるが、私自身はCOE
から自分の研究にさまざまなサポートをいただいた。COEからの研究費で行ったフィリピ
ン女性移住労働者たちのエンパワーメントに関する研究は、現地フィリピンで
『Participatory Learning and Action (PLA): The Experience of Batis Aware – 
Empowered at Ten』(Takeda, J. & Fangon, D. N., Batis AWARE Women's 
Organization, Inc., 2007)や『Behind the Drama of Filipino Entertainers in
Japan』(Takeda, J. (Eds), Batis Center for Women, Inc., 印刷中)としてまとめること
が出来たし、一部はCOEの最終成果の一つである『A Quest for Alternative Sociology』
(印刷中)の一論文として発表する機会もいただいた。いずれも「研究のための研究」で
はなく、「人類の幸福に資する研究」に沿ったものであったと思う。

しかし、私がCOEから頂いたもっとも貴重な経験は、ソーシャルワークを専門とする私が
社会学や人類学など他の分野の方たちと共にアカデミックな活動をさせていただいたこと
だと思う。COEの最初の2年間は、総合政策学部の教員や博士課程の院生と共に研究会を開
催し、その成果を『クロスボーダーからみる共生と福祉』(安保則夫・細見和志・武田
丈・池埜聡編著、ミネルヴァ書房、2005年)としてまとめることができた。また後半の3
年間は、本プログラムの研究員(後に特任准教授)であった亀井伸孝さんと一緒に「多文
化と幸せ」という連続ワークショップを、人類学を中心とする若手研究者たちと共に開催
することができた。ここでの成果も、『アクション別フィールドワーク入門』(武田丈・
亀井伸孝編著、世界思想社、印刷中)としてまとめる機会を頂いた。

COEによって深まったこうした学際的なアカデミックな活動が、今後もグローバルCOEや
先端社会研究所に引き継がれ、さらに多くの人へと拡がっていくことを願ってやまない。


武田丈(関西学院大学社会学部准教授)

【業績】
安保則夫・細見和志・武田丈・池埜聡編著、2005、『クロスボーダーからみる共生と福祉』ミネルヴァ書房
武田丈・亀井伸孝編著、2008(印刷中)、『アクション別フィールドワーク入門』世界思想社、ほか





┌────────────
│  ■ エッセイ「幸福日記」( 58) 「回顧と展望」(岩佐将志)
└─────────────────────────────


私は本COEプロジェクトの後半2年間に渡り、専任研究員として活動に携わる機会をいただ
いた。丁度フィールドワークに基づく博士論文を完成させた直後に採用いただいたことも
あり、ここで社会調査に関するさまざまな研究会やシンポジウムに参加できたことは、自
らの論文を見つめ直す上でも示唆を受けるところが多かった。

私にとって特に有意義だったのは、社会調査を実際に進めてゆく過程で調査者が直面する
さまざまな課題に着目した議論がなされたことである。通常社会調査に基づく論文におい
ては、調査対象から収集した資料を元にして、首尾一貫した論理構成にもとづき、洗練さ
れた学術用語を用いつつ、「完成品」としての議論を呈示することが求められる。実際の
調査過程においては調査者と調査対象者との間の相互交流ないしその失敗が幾度となく繰
り返され、そこから生じる混乱や矛盾に向き合うことによってしか論文は完成しないのだ
が、そのことを調査者が表明できる機会は驚くほど少ない。しかしながら、本COEの中で
行われたさまざまな研究会においては、大学院生のみならず、既に教員として活躍されて
いる内外の研究者の方々からも、自らの調査プロジェクトに関わる中で生じたさまざまな
葛藤や試行錯誤について率直な意見が出され、議論を行う機会があった。このような画期
的な試みは、本COE終了以降の大学院生の社会調査教育にもつながってゆくものと期待さ
れる。

岩佐将志(関西学院大学21世紀COE専任研究員)



┌────────────
│  ■ エッセイ「幸福日記」( 59) 「個人的な回顧と展望」(山北輝裕)
└─────────────────────────────


現在、私は研究員ですが、COEと直接の関わりをもちはじめたのは、2004年、後期課程1
年生からでした。

まず、「構造的差別を生きる人々の価値観の多様性に関する研究(RSD)」班に、呼んで
いただいて、将来的に出版するための研究をしてほしいとの、大きなチャンスを頂きまし
た。ここでは、私は、野宿者と支援者の関係性について考察しました。また、後期課程2
年目・3年目と、個人研究費を頂いて、足軽く、様々な場所へとフィールドワークをする
ことができました。これは、大学院生にとっては、このうえない喜びです。おかげさま
で、論文等、若干の成果も出すことができました。また、RSD班の成果は、2006年に『構
造的差別のソシオグラフィー』(世界思想社)として出版されました。

また、このCOEを通じて、様々な人々と出会えました。RSD班では、障害者介助・沖縄・
バイク便ライダー・ハンセン病・ボクシングなどを研究する、さまざまなフィールドワー
カー、特に若い同世代、しかも学外の優秀な人々と出会うことができました。同じ質的調
査を行う人間としては、これは、何事にもかえ難い、極めて刺激的な体験でした。さら
に、COE後半には、このRSD班のメンバーとともに、食肉センターで働く人々へお話を聞
きにいきました。センターの人々の、多大な協力もあって、職場を見学させてもらった
り、お肉を実際に食べさせてもらったりと、たいへん充実した調査となりました。私に
とっては、「仕事」や「働くこと」について、深く考える機会となり、自分自身の今後の
研究テーマに影響するであろう、貴重な体験となりました。なお、その聞き取り結果は、
この春に出版される予定です。

2007年度には、COEリサーチ・アシスタントの仕事に就き、気づけば、学内の後輩たちを
合同ゼミへと、勧誘する仕事を担っていました。合同ゼミでも、学外の院生の方と出会う
きっかけがあり、大変有意義な時間を過ごしました。今後も、COEで培った関係を大切に
して、研究をすすめていきたいと思います。


山北輝裕(関西学院大学COERA)

【業績】
山北輝裕,2006,「支援者からの撤退か、それとも……野宿者支援における<応答困難>の
現場から」三浦耕吉郎編『構造的差別のソシオグラフィー』世界思想社


┌────────────
│  ■ ASRO 新着情報; ディスカッション・ペーパー(1)
│  「録音メディアにおけるリアリティの所在―グレン・グールドから初音ミクへ」
└─────────────────────────────

 本COEプログラムのオンライン・ディスカッション・ペーパー・システム
“Advanced Social Research Online (ASRO)”に、新しく論文の投稿がありました。
----------
Advanced Social Research Online
ディスカッション・ペーパー No. 9 (1月20日付)

「録音メディアにおけるリアリティの所在―グレン・グールドから初音ミクへ」

井手口 彰典(鹿児島国際大学福祉社会学部)
http://www2.koayu.net/KgCoe/F1.php?M=Dp_list

要旨:
レコードを聴く際、我々はその音楽の根拠を「いつかどかで行われた演奏」に
見出そうとする。だがグレン・グールドはそうしたレコード理解に異議申し立て
を行った。彼は自らのレコードに加えられた編集の事実をつまびらかにし、
現実の演奏とレコードとの連続性を断ち切ると同時に、「信念」に沿って
そのサウンドをコントロールするより上位の主体、いわば超越者「グールド」を
措定する。

そのグールドの伝記上の死からちょうど四半世紀を経た2007年、初音ミク
というバーチャルアーティストが登場し、市場を賑わせた。彼女の正体は
人間の歌声をシミュレートするソフトウェア音源である。初音ミクは、グールドと
同様、その存在の根拠を生演奏に還元することができないばかりか、その
歌声をコントロールしようとする単一の超越的主体を想像することさえできない。
しかし、それにもかかわらず、初音ミクはまるで実在しているかのような
リアリティを帯びて語られている。

初音ミクが帯びるリアリティの正体は、近年わが国のサブカルチャーにおいて
隆盛を極めている「キャラクター」的性格のものである。消費者はキャラクター
に対し、従来には見られなかった新種のリアリティを見出すようになっているのだ。
そこでは、グールドのように信念をもって作品を統制する超越者はもはや必要と
されていない。初音ミクとは、このキャラクター的リアリティが初めて音楽に
応用された例だといえる。

 掲載されているペーパーへのコメントを随時募集しています。
 ASRO趣旨、規定→ http://coe.kgu-jp.com/F1.php?M=Dp

----------
※ASROは、インターネット上で迅速に論文を発信し、読者からのコメントをフィードバッ
クさせる媒体として運営しています。査読制度を設けないことにより、とくに若手研究者
による斬新なアイディアを発掘・発信し、さらなる議論や研究活動の活性化を大きなねら
いとしています。ぜひASROを活用して成果公開、研究交流へご参加ください。
連絡先: asro@kgo.kwansei.ac.jp


┌────────────
│  ■ 災害復興制度研究所 関連研究会について
└─────────────────────────────

 COEプログラムが協力しております災害復興制度研究所の関連研究会は以下のとおりです。  URL: http://www.fukkou.net/
 問い合わせ先: 災害復興制度研究所・中阪

○ 第22回 全体研究会
 日時: 2月16日(土) 10:30〜12:30
 場所: 関西学院大学 災害復興制度研究所 会議室
 演題: (未定)
 ゲストスピーカー: (未定)

○ 第20回 東京ブランチ例会
 日時: 2月26日(火) 17:30〜19:30
 場所: 関西学院大学 東京丸の内キャンパス
 演題: (未定)
 ゲストスピーカー: 澤田 雅浩さん
     (長岡造形大学 造形学部建築・環境デザイン学科 准教授)


◆日本災害復興学会 学会員募集中
 学会員を募集します。
 研究者、NPO、防災会社、コンサルタント、医師、看護士、臨床心理士、
 メディア、行政職員、政治家など資格は問いません。
 災害復興や被災者支援、災害関連の保険や共済制度、税制などに
 関心がある方々の積極的な参加を求めます。
 詳しくは、研究所HPをご覧ください。  http://www.fukkou.net/



┌────────────
│  ■ 研究会・イベント
└─────────────────────────────

 各情報はCOEホームページ http://coe.kgu-jp.com/ にも掲載しています。
 問い合わせ先は、指定がなければCOE事務局(tel:0798-54-6655)です。

------------------------------
「村の日記」研究会 (COEモジュール 記憶・記録)

 日時: 1月29日(火) 13:30〜15:00
 場所: 関学上ケ原キャンパス 池内記念館 第3研究会室
 内容: ・「村の日記」関連史料調査の経過報告
     ・「村の日記」史料集作成の経過報告
     ・「村の日記」報告書内容についての打ち合わせ 等
 報告者: (問い合わせ中)
 連絡先: 鎌谷 かおる 
※一般参加を歓迎します。 
------------------------------
COE/西宮市 都市景観研究会

 日時: 2月14日(木) 13:30〜17:00
 場所: 社会学部 第1会議室
※一般参加を歓迎します。希望者は事前にCOE事務局までご連絡ください。
------------------------------


┌────────────
│  ■社会調査ニュースダイジェスト(1月中旬)
└─────────────────────────────



農村の活字離れ進む 読書率、4年続き7割弱/家の光協会が調査
(2008年1月11日(金)配信 日本農業新聞)
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin3/article.php?storyid=475

光市母子殺害事件報道で調査委=BPO検証委
(2008年1月11日(金)21時37分配信 時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200801/2008011100987

大学版の国際学力調査 日本も参加へ 2010年以降実施 工学、経済学など
(2008年1月13日(日)朝刊配信 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008011302079139.html

全国の全事業所、活動状況を調査・総務省、GDP精度高める
(2008年1月14日(月)配信 日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080114AT3S1200J13012008.html

PAC3車両、都心へ… 候補地・新宿御苑でミサイル迎撃調査
(2008年1月15日(火)夕刊配信 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2008011502079669.html

薬害C型肝炎、「フィブリン糊」使用者も調査へ…厚労相
(2008年1月15日(火)11時8分配信 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080115it03.htm?from=navr

銃1万丁調査開始
(2008年1月16日(水)配信 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20080115-OYT8T00778.htm

「次世代の繁栄」3割に減少 60カ国調査
(2008年1月18日(金)10時20分配信 中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008011801000155.html

住んでいる地域「元気ない」が5割 内閣府調査
(2008年1月19日(土)6時35分配信 朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0119/TKY200801190002.html

電磁波の健康影響調査を 米科学アカデミーが報告書
(2008年1月19日(土)10時19分配信 西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/science/20080119/20080119_001.shtml

施設内虐待に通知義務 児童福祉法の改正案提出へ
(2008年1月19日17時43分配信 朝日新聞)
http://www.asahi.com/life/update/0119/TKY200801190162.html

チンパンジーも少子高齢化…京大など調査
(2008年1月20日配信 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080120ke01.htm

北京市の民衆は幸福らしい・経済貿易大学調査
(2008年1月20日配信 JanJan)
http://www.news.janjan.jp/world/0801/0801199172/1.php



山本早苗(関西学院大学大学院社会学研究科/COEリサーチアシスタント)


┌────────────
│  ■ 編集後記
└─────────────────────────────

本学COEでは、ASRO(Advanced Social Research Online)というオンラインジャーナル
を運営しています(http://coe.kgu-jp.com/F1.php?M=Dp)。広く「社会」に関連する
研究分野からの投稿を、常時受けつけいます。とくに査読制度を設けず、さまざまなアイ
ディアを発信し、研究活動の活性化を図るのが狙いです。今回、新しく1本の投稿があり
ました。現在、9本のディスカッション・ペーパーがHP上に掲載されています。また各
論文に対して、現在、COE関係者からのコメントを掲載しています。関心のある論文に対
する、みなさんからのコメントもお待ちしております。ASROを活用して、成果公開、研究
交流へご参加ください。なおASROは、2004年開設予定の先端社会研究所でも、継続的に
運営されていく予定です。まだまだ本オンラインジャーナルには改善する余地が多々ある
と思います。良いアイディアをお持ちの方は、ご提案いただければありがたく思います。

内海博文(関西学院大学COE専任研究員)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□発行 関西学院大学大学院社会学研究科 21世紀COEプログラム
―「人類の幸福に資する社会調査」の研究―
拠点リーダー 高坂健次(関西学院大学大学院社会学研究科)
事務局 関西学院大学社会学部内COE研究推進室
〒662-8501 西宮市上ヶ原一番町1-155
Tel:0798-54-6655、Fax:0798-51-0955
HP:http://coe.kgu-jp.com/
□メールアドレスの変更、その他のお問い合せ、配信停止の希望は
→ kgcoemm@gmail.com (担当 岡本)まで。

□尚,このメールマガジンの最初あるいは最後に挿入されている広告と
本COEプログラムは一切関係がありません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る