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2009/10/16

【本から峠 No.279】カムイ伝講義

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□    本から峠の向こうの明日を見よう! 第279号  □
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●子供達の世代に残してゆかないといけないもの
 そんな想いで「世界遺産ブログ」はじめました
  …→ http://blog.livedoor.jp/sekaiisan_navi/
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■    カムイ伝講義       田中優子       ■
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著者の田中さんは、大学の社会学部で、江戸時代の講義をするため
に「カムイ伝」を使っています。

そして本書は、その講義の過程で生み出されたものを「カムイ伝」
の作品論ではなく、その背景にある江戸時代について書かれたもの
です。


「カムイ伝」は、白土三平さんの長編劇画で、第1部、第2部、
外伝から構成されています。


時代背景は、江戸時代初期。

主な登場人物は、架空の日置藩の3人の少年。
非人のカムイ、農村の下人の正助、下級武士の子の草加竜之進です


カムイは、非人の村を脱して、剣の道を究めようとするが、結局
忍びの道に入ります。

正助は、本百姓になろうと農業技術を磨いていく。

竜之進は、日置城主の陰謀によって草加家を滅ぼされ、復讐の旅に
出ます。


第1部、第2部では、正助及び当時の江戸時代の歴史状況が中心と
なっており、外伝は、忍者カムイをめぐるアクション劇画です。


田中さんが「カムイ伝」を使った理由は、江戸時代の人口の80%
を占める農民の生活の細部まで、具体的に解りやすく書かれた本が
少ないからだそうです。

農村史は、民俗学で研究されていますが、その内容は高校を出た
ばかりの学生が理解するには非常に難しいです。

その点「カムイ伝」は、そこに自らの工夫で桑を栽培し、養蚕を
試み、干鰯を手に入れ、便所を作り直して、下肥を獲得し、綿花
を育て、新田開発を行う農民の生活が描かれています。


江戸時代という階級と格差社会の中で、登場人物を通して、歴史の
中で私達がいったい何者なのかを問い、何ができるのかを考える
ために「カムイ伝」はあるとも田中さんは言っています。

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□      たけみつの言いたい放題           □
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現在と江戸時代を比べるとあまり変わっていないことに気がつきます

ちゃんと階級もあり、格差も健在です。
政治家は固定され、見えない階級のように世襲が行われています。

大きな違いは、苦境に追い込まれた下級武士は子供と妻を殺して
自分も切腹したが、今は、苦境に追い込まれなくても、個人の自由
のためにわが子を殺したり、親を殺したりする..

という田中さんの言葉が妙に頭に残りました。

格差社会の中で一生懸命生きている主人公。

それに比べて、あの時代よりはゆるい制約の中で、我々は
「一生懸命生きているか」

本書は、それを問うているような気もします・

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■編集後記                        ■
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「カムイ伝」は、中学生のときに友人に借りて読みました。

テーマが重く、結構な長編劇画ですので 正直しんどかったのを
覚えています。

ちょっと気になったので図書館で借りようと検索したら、20人以上
待っている人がいました。

「結構人気があるんやなぁ」とテレビを見ていましたら

「カムイ外伝」の映画のCMが流れていて、合点しました。

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◇今日の1冊情報
題 名:カムイ伝講義       著 者:田中優子 
出版社:小学館          ISBN978-4-09-840113-0
アマゾンのリンクです-> http://tinyurl.com/yjm49vz
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 発行者:    たけみつ(武田 光司)
 連絡先:    takemitsu07@gmail.com
 本から峠の向こうの日本をみよう!
  発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
  配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000177710.html 
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