2009/04/24
「週刊・東京流行通訊」(日本語版)2009年第15号(通巻第167号)
◆◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「週刊・東京流行通訊」(日本語版)2009年第15号(通巻第167号)・FOR MEN・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◇◆◇ 電========================================================================== おしゃれな家電ショップ 欧米の多くのデザイナーが高く評価する日本の工業デザイナー、深澤直人氏は、20 03年に斬新的なブランド「±0」を設立した。このブランド名には、製品の美しさと 実用性をプラス(+)し、すべての余分なものをマイナス(−)するという意味が込 められている。製品はDVD/MDステレオ機、テレビ、照明器具、オーブントースターな どの生活家電が中心で、最初はオンラインと、厳選されたパートナーショップで販売 していた。 その後、「消費者に商品の価値をもっと知ってもらうには、自分で自由に表現でき る店舗が必要だ」という考えから、2004年10月、青山に「±0 AOYAMA」を開店した。 ショップの外観はユニークなビジュアル効果を持ち、全面オレンジの壁面に「±0」 のロゴが際立ってよく見える。店内の日常用品のコーナーは淡いグレーを基調とし、 赤や青などのPOPな色の商品が引き立つようになっており、白い商品も、この背景の 前ではよく映える。壁やカウンターの側面パネルには、グレーがかったオレンジや濃 いグレーが広く使われ、その上に白いグラフィックが描かれている。生活用品はファ ッションと違って、季節感があまりはっきり区切られていない。そこで壁面やカウン ターの表面や文字に紙を使い、随時張り替えて店内の雰囲気をリフレッシュしている 。 ここでは、過去のすべての商品、他のブランドとコラボレーションした限定商品、 深澤直人氏の最新デザインや新製品の先行販売など、「±0」のすべてを見ることが できる。また、不定期にテーマ展示も行われる。展示と販売を一体化した店舗の内装 は、すべて深澤直人氏のデザインで、壁面のインパクトのあるグラフィックは佐藤卓 氏の作品だ。また店舗の入っている「HOLON L/R」という白い3階建ての建物は団紀 彦氏のデザインで、空間と形の使い方がすばらしく、建築当時はかなり注目を浴びた 。 「±0はプラスでもマイナスでもなく、必要十分で、見たことがないのにしっくり ときて、ノーマルなのに魅きつけられる形状で、こういうのがほしかったと思える」 というのがブランドコンセプトになっている。店に来た人がみな去りがたい気持ちに なるのは、そのような感覚を持つからに違いない。(劉詩音執筆) ±0 AOYAMA 東京都港区北青山3−12−12 HOLON−R 営業時間:11:00〜20:00( 土日と祝祭日は19:00まで) ●±0 AOYAMA http://www.plusminuszero.jp/aoyama/index.html (日、英) 車========================================================================= 車にまつわる占い インターネットでも気軽に楽しめる「占い」。プロの占い師による本格的な占いか ら、ボタン一つのお手軽なものまで、その数を把握しきれないほどの種類がある。今 回、その中から“車”に関する占いを3つ紹介しよう。 ●タクシーカラー占い(http://www.taxisite.com/fot/) 全国のタクシー情報などを検索できるサイトが提供しているサービスの一つ。生年 月日を入力し、7色のタクシーから好きな色を選ぶと、3日間の運勢が占える。位置 関係によって色の印象が変わることもあるので、車の並び方はランダムで表示される 。マウスのカーソルが車の上にくると、ドアが開くという細かい演出も。簡単な性格 判断とアドバイスのみなので、手軽に試せるタイプだ。 ●カーパーツ占い(http://www.fsystem.co.jp/fun/top.php) 新車・中古車販売会社のウェブサイトにあり、これも生年月日を入力すると、その 人をタイヤ、ブレーキ、ヘッドライトなどの車の部品に例えて占ってくれる。おまけ で、占ったその日のひと言アドバイスも表示される。2人分の生年月日を入力して相 性占いもでき、「ギアとタイヤの相性」というパーツを使った表現がなかなかおもし ろい。 ●除雪車占い(http://www.nichijo.jp/top9.html) 除雪機を製作する会社が提供しており、生年月日を入力するとその人の性格をなん と除雪機に例えてくれる。出てくるのは「ロータリー除雪機」や「凍結防止剤散布車 」など、一般にはまったくなじみのない名前ばかり。どんな車が表示されるのか、占 いの結果よりもそっちの方が気になってしまうだろう。友人同士のちょっとした会話 のネタにちょうどいいかもしれない。 ただ、こういった変わった占いや診断が増えた背景には、ウェブ上での簡単な制作 ツールの存在がある。あまり振り回されず、あくまでお遊びと割り切って楽しむのが よいだろう。(洛人執筆) ●goo 占い http://fortune.goo.ne.jp/ 書========================================================================= 京都発 普段使いできるおしゃれな「和服」 このメールマガジンで何度かご紹介してきた、京都でカラフルなデザインの国産地 下足袋などの製造、販売を行う「SOU・SOU」が先日、新たに2店舗をオープンし、話 題を呼んでいる。「SOU・SOU 着衣 kikoromo」と「SOU・SOU 傾衣 kei-i」だ。 特に、「SOU・SOU 着衣 kikoromo」は、SOU・SOUでこれまで販売してきた作務衣な どの衣類の中で、特に女性をターゲットにした専門店。着衣とは、その名の通り「着 る衣(ころも)」。日本において洋服が一般的に普及する以前は、着物はただ“着る 物”としての意味でしかなく、着付けなどのしきたりもないもっと自由なものだった という。しかし現代、着物というとなにか特別な日に着る、着るのが難しいといった ようなイメージがあるといえる。そこで、普段から着ることのできる和服を、この店 舗でSOU・SOUが提案している。 しかも日本をはじめ、東アジア各国の民族衣装をデザインのベースにしているからな かなかおもしろい。例えば、コートのように羽織れてリバーシブルな柄で若者に人気 という「もじり袖」、布地が手ぬぐいで夏に涼しい「手ぬぐい小袖ワンピース」など がある。いずれも和服とはいえ、洋服感覚で着て普段使いすることのできるものばか りだ。反物からの製品オーダーも可能で、約2週間で仕上がる。 また、2階を「しつらいの間」として、SOU・SOUのオリジナルテキスタイルを中心 に、椅子や雑貨などのオーダー家具を販売している。さらに、お茶(抹茶かコーヒー )と和菓子をいただくコーナーもある。特に和菓子は、京都の老舗和菓子店とコラボ レーションし、1年の移ろいをSOU・SOUのポップなテキスタイルデザインで表現して 落とし込んだという。4月のテーマは「桜」で、メニューは毎月ごとに変わる。 同様に、男性用衣類の店舗「SOU・SOU 傾衣 kei-i」も、道路を挟んだ向かい側、 地下足袋の店舗の地下にある。また、このビルの2階にある「SOU・SOU le coq sport if」でも、春夏向けの新製品が続々登場している。(飾磨亜紀執筆) ●SOU・SOU http://www.sousou.co.jp/ 人========================================================================= カフェで未来を語る ファッションビルAOYAMA M’s TOWERの2階にオープンした、休息と食事とインテ リア用品の展示を合わせた新しいタイプのテーマレストラン、アーキテクトカフェ青 山店については、このメルマガでも何回かご紹介してきた。このカフェはそのおしゃ れな内装によって、アートやファッションを愛する多くの人々を惹きつけている。こ こでは同じ興味を持つ仲間と出会えるだけでなく、たくさんのデザイン関係の書籍や 雑誌を無料で読むことができる。また、不定期でファッションやアート関連のさまざ まなイベントが行われており、これも人気を集めている。 ここで4月8日の夜7時半から「アーキテクトカフェ・フレンドシップ」と銘うった イベントが開かれた。製品開発とデザインを手がける坂井直樹氏の「未来のデザイン 」をテーマとした講演が行われ、10年後のデザインが向かう方向について大いに語り 、人々の関心を集めた。坂井直樹氏と言えば、今の若者たちで彼のデザインしたauの 携帯電話を知らない者はいないだろう。青年時代にアメリカに渡ってTattoo Company を設立し、Tatoo T−shirt(刺青プリントのシャツ)を売り出して成功を収め、帰国 してからは日産自動車の「Be−1」や「パオ」などのヒット商品を手がけ、新しいコ ンセプトを打ち出すことで時代をリードしてきた。2004年には、ウォーターデザイン スコープ社を設立し、携帯電話のデザインを中心に活躍。現在はauの外観デザインと コンセプトを担当している。さらに2007年9月からは、ニューメディアの分野を開拓 するべくemo−TVサイトを立ち上げ、日常生活の中から生まれるデザインコンセプト やビジネスコンセプトをつづった「デザインの深読み」「デザインのたくらみ」など の書籍がベストセラーになっている。 デザイン分野における独特な視点や先端性によって、坂井先生は日本にも海外にも たくさんのファンがおり、彼が未来のデザインについて語るのを直接聞くことができ る機会は非常に魅力的だ。演台に設置された大型液晶スクリーンには坂井氏の過去の 傑作や、現在取り組んでいる研究課題が映し出され、これも興味深かった。坂井先生 は、今回の経済危機が過ぎた後、自動車の半数がエコカーになり、ガソリンスタンド が激減するだろうと大胆な予測を述べた。また、携帯電話はキャッシュカードと同じ ぐらいの薄さになるかもしれないとも語った。生き生きとした語り口と機知に富んだ 言葉によって、講演者と聴衆の距離は限りなく近いものになった。講演が終わった後 には参加者が互いに自己紹介を行なって交流を深め、この忘れがたい夕べを楽しく締 めくくった。 アーキテクトカフェがこのようなイベントを行うのは9回目で、今後も続ける予定 とのこと。次回以降のイベントの内容にも大いに期待したい。所在地:東京都港区青 山2−27−18 AOYAMA M’s TOWER2階 電話:03−5771−2570 営業時間:7:00〜23: 00 ●アーキテクトカフェ http://www.architectcafe.com/ 交流の広場================================================================== →いつも「編集後記」を楽しみにしています。文章がとても美しいばかりでなく、こ のように読者を惹きつけるメルマガの「水先案内人」は、一体どのような経歴と豊か な感性と文化的素養を備えておられるのでしょうか。メルマガの最後に位置していま すが、いつも一番重要な一言を加えてくださっていますね。ただ最近は、商品の宣伝 のような内容になってしまって、非常にがっかりしています。【南寧 西出陽関】 ←まもなく9周年になります。この小さなメルマガと共に苦労してきて、編集者自身 も常に成長してきました。大和民族の「モノづくりの魂」については、様々な創意に 満ちた製品に対して改良の手を休めず、絶えず進歩を求める精神に、いつも深い敬意 を抱いています。それが「編集長の一押し」の原点でした。現在隔週交替で日本の有 名デザイナーたちのすばらしい作品や、無名でも人気のある製品をここで紹介してい るのは、「他山の石」として参考にしていただきたいと思うからなのです。これも私 がこれまでいろいろ考えてきたことの中の一つなのです。ご理解いただけると嬉しい です。 →日本の伝統文化や景勝地について、例えば世界遺産などに関する情報をもっと伝え ていただけませんか。また、iPodや携帯など、最新のデジタル製品に関する情報もも っと知りたいです。最近自動車関連の記事が多いようですが、今の若い読者はあまり 興味を引かれないようです。【大連 小海】 ←率直なご意見をありがとうございます!多くの読者のみなさんが、知りたいことを 提案してくだされば、我々もそれに沿って取材を行うことができて助かります。自動 車のコーナーについては、新車のニュースだけでなく、日本の若者のカーライフや珍 しいカーグッズなどについてもお伝えしてきたつもりです。ただ、最近は内容に偏り があったようです。いろいろな話題をバランスよくお伝えして、新鮮で面白い記事を 心がけていこうと考えています。 編集長の一押し============================================================== テーブルの上にサクラサク 「爽快感、喜び、驚き、揺るぎのない確信、胸を突く感動、目の前に求めていたも のが突然現れたときに、無条件に『鳥肌』を感じるのです」――このすばらしい言葉 を語るのは、国際的に才能を発揮している日本の新鋭デザイナー、坪井浩尚氏だ。彼 の創りだした作品は、生活に対する細やかな観察と日本に伝わる伝統的美学に満ちて いる。 「SAKURASAKU glass」は、「日本の伝統工芸とデザインの新鋭が結びついた新しい 時代を示している」と絶賛された。そのデザインは、坪井氏が水を飲んだときに偶然 コップの下の水の跡を発見したことから生まれた。水の跡を生活の中に真に存在する ビジュアル情報として考え直すことによって、彼はグラスの底を改良し、コップが残 す水の跡は桜の花のイメージに変わり、グラスの底の描く曲線は、光線を屈折してグ ラスの中の飲み物をより美しく透明なものにしている。グラスを毎回違う場所に置い ていくと、テーブルにはたくさんの感動的な「水の花」が咲く。ちょっと見たところ はあまり目立たない「SAKURASAKU glass」が、彼自身も意外に思うほどの完成度の高 い作品になったのである。 「SAKURASAKU glass」誕生の物語は小説のようにドラマチックだが、グラスに透明 感を与えるにはグラスの曲線と鉛の含有率を工夫する必要があり、技術的にはたいへ ん困難だった。そのため、このアイデアは何十もの企業に門前払いされることになっ た。製品化の後にも9割が返品にあったという苦境も経験した。しかし、東京都が認 定する優秀な伝統工芸士3名の協力を得て、ついに成功を収めることができたのだ。 グラスの曲線によって、凝結した水がグラスに沿ってゆっくり滑り落ちる。このよう に丁寧な仕事で細部を完璧にすることによって、坪井氏はレッドドット・デザイン賞 とグッド・デザイン賞を受賞した。 しかしもっと驚かされるのは、この多摩美術大学出身の天才デザイナーが、卒業後 の二年間、寺で雲水として修行していたということだ。その経験から、「静謐の美学 」というコンセプトで立ち上げた「100%」というデザインブランドや、黒、白、グ レーや透明な色調を中心とした彼の作品が、禅的な創意と思想を強く持つようになり 、「100%」ブランドのディテールと美しさを感じさせるのだろう。坪井氏の作品に 見られる禅的な美学は、デザインの細部にも満ちており、使った人に生活の中の幸せ な瞬間を強く感じさせるのである。 さあ、「SAKURASAKU glass」を手にとって月の光に向かい、坪井浩尚氏の心の声に 耳を傾けよう。「夏の日にグラスの水滴から花が生まれるのを見つめる自分を想像す ると、まるで座禅を行なったような気分です…。」(姚遠執筆) ●100% http://www.100per.com/ (日、英) ◆◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【配信元】 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