2008/09/08
[雑学の泉 No. 7]1年前からの必然
日付:2008-09-08 [雑学の泉 No. 7]1年前からの必然 私は,このような人物がなぜ日本の野球界の重鎮としてちやほやされるのかわ からない。北京オリンピックのベースボールチーム監督に星野仙一が決まった 時,金メダルは取れないだろうと思った。 審判に暴力をふるうの是としている人物が,なぜ「立派な人」なのだろうか。 「自分の意見を通すためには,暴力をふるっても構わない」という,現在の日本 の社会のいやな風潮を助長したのは,間違いないだろう。彼は,1997年にアメリ カメジャーリーグからやってきた審判に暴力をふり,その後も審判に暴力を振る うことを繰り返している。 また,正確な出典が行方不明になってしまったが,産経新聞のコラムにこんな ことが書かれていた。 オリンピックの別の競技の関係者が,野球チームが宿泊している五つ星ホテル で,IDカードをぶら下げている同士,日本選手団の一員だからと,星野監督には 面識がないが軽く会釈した。ところが,星野監督は全く無視して去った。 そんな,挨拶もまともにもできない人物が「立派な人」として君臨してきた。 彼の,北京オリンピックで金メダルを取れなかった言い訳として審判のお粗末 さをあげているが,彼のこれまでの言動を考えれば当然のことであろう。もちろ ん,日本野球界の重鎮に批判されている。 11年前の「事件」について調べていたら,秀逸な一文が見つかった。この文書 を読んでいると,星野監督では金メダル,いやメダルにさえ届かなかったのは必 然であることが見えてくる。彼の頭の中にあるのはベースボールではなく箱庭的 日本の「野球」であり,そんなものは国際大会の「ベースボール」では通用しな いからである。長文であるが,転載させていただく。 -------------------- クロ箱より http://www.ne.jp/asahi/box/kuro/report/ アメリカ人審判の帰国 村田 浩 この回は、アメリカから来たプロ野球審判が試合中に暴行を受け帰国してし まった事件を通して、日米の文化の違いや日本社会の特色であるあいまいさを考 えました。 ■事件のあらすじ 日本のプロ野球は長い年月をかけて日本の風土に根づき発展してきた国民的娯 楽だ。しかし、そのことは同時に国内だけの閉じた環境で独自の発展をしてきた ことを意味し、国際試合にはなじまない独自の慣習がはびこっている。そこで今 シーズンのはじめ、プロ野球ではインターナショナルな試合運営をとりいれる方 針を打ち出した。今後、実現すると予想される各国プロ野球間の国際試合をみこ しての動きだ。そのひとつとして、アメリカのプロ野球から審判をまねき、実際 に試合でジャッジしてもらうことにした。そうすることで、アメリカ流の判定技 術や試合運営をとりいれようとしたわけだ。こうして、29歳のアメリカ人審 判、マイケル・ディミュロ氏が来日し、今年4月からセリーグの試合でジャッジを することになった。ところが、彼がジャッジをするようになってまもなく、日本 とアメリカの審判のスタイルや試合運営のやり方が根本的に大きく違っているこ とが明らかになっていった。 基本的に日本では審判の権威が非常に弱い。試合を運営しなければならないは ずの審判に明確な権限が与えられておらず、また審判の権威を確立するだけの制 度的な裏づけもない。また、審判の権限や役割は非常にあいまいで、リーダー シップを発揮するよりも、両監督の間での調停役という立場でしかない。そのた め、審判には毅然として公正な判定をすることよりも、両チームをうまく調停し ながら試合を進行させるという役割が求められている。日本のプロ野球では、試 合運営の主導権は審判にはなく、各チームの監督がにぎっているといえる。 その結果、日本のプロ野球では審判への抗議や暴行が日常的に行われている。 そういう行為をした選手や監督へのきびしい罰則もなく、審判に試合を没収する だけの権限も与えられていない。抗議や暴行はうやむやのうちに済まされ、時に は審判が判定をくつがえしたり、監督に謝罪したりする場面すらある。また、審 判の権限が明確にされていないことから、公正な判定ができていないといわれ る。つまり、一流選手や人気チームには判定が甘いというように、選手や監督の 立場や審判との力関係によって、審判の判定が左右されてしまうというのだ。 こうした日本的風土のなかで、アメリカ流の毅然としたジャッジをするディ ミュロ審判はひとり浮いた存在になっていった。選手や監督にしてみれば、自分 たちの要求をある程度通すことができる日本人審判の方が都合がいいので、彼が アメリカ流のジャッジを貫くほど、選手や監督の不満はふくらんでいった。アメ リカのプロ野球では、日本と対照的に審判が試合運営に強いリーダーシップを 持っている。彼らは強い権限を持っているだけでなく、それを裏づけるだけの技 術を持ち、制度的にも保護されている。アメリカの審判はきびしい審判学校の卒 業生で、日本の審判よりも優れた技能を持っているといわれる。また、さらに不 幸なことに、ディミュロ審判を呼んだ事情をセリーグ首脳が選手・監督・観客に十 分に伝えていなかったため、ディミュロ審判は「突然アメリカからやってきて、 えらそうにふるまっている」という目で見られるようになっていった。 そして、6月5日の横浜・中日戦で、選手たちのディミュロ審判への不満が爆 発する。彼は中日の大豊選手からはげしく抗議を受けた後、ベンチから飛び出し てきた中日選手や監督に取りまかれ、暴行を受ける。アメリカの野球では考えら れないことだけに、彼は激しいショックと恐怖を感じ、試合後にロッカールーム で頭を抱えてふるえていたという。結局、彼はその翌日に辞表をセリーグに提出 し、アメリカに帰国する。 この事件の後、アメリカの新聞やテレビはこぞってこの事件を大きく報道し、 日本のプロ野球の体質を批判した。その一方で、セリーグの会長は「とても残念 です」とくり返すばかりで、その後どうするのか具体的な対応策や方針をまった く打ちださなかった。 ■ビデオ NHK「クローズアップ現代」1997.6.19 ディミュロ審判の帰国 ディミュロ審判の来日から6月5日の暴行事件までの経緯とディミュロ氏本人 をはじめとした関係者の証言。また、アメリカ・メジャーリーグでの審判の権威 や試合運営の様子もあわせて紹介されている。 ■資料 週刊誌「AERA」1997.6.23 米人審判追い出したなれ合いプロ野球 生徒のレポート ●すごくかわいそうだった。このアメリカ人審判はアメリカで学んだ公正で明確 な判定を日本のプロ野球でも自信をもっておこなった。それは当然のことだ。そ れなのに、そういう審判は日本では嫌われ、選手から暴力を振るわれてしまう。 日本の審判は選手からバカにされたり、なぐられたりしても、すぐには退場にし ない、というより、できない。こういう日本のやり方はおかしいと思う。 ●同じスポーツといっても、その国の社会や文化によって少しずつスタイルが違 うのは仕方のないことだ。だから、あれくらいのことでビビるあの審判もおかし いと思う。 ●ディミュロ審判はとてもりっぱでかっこいいと思う。帰国してしまったのは残 念だ。彼が日本に来たとき、私は「日本も国際交流を考えはじめたのかなあ」と か「日本人は内向きで自分たちの文化しか考えてこなかったのでこれはいいこと だなあ」と思っていた。しかし実際には、ディミュロさんを支えていたのはまわ りのごく一部の人だけで、大勢の反発を受けながらほとんどひとりでがんばって いたなんてとても気の毒だ。ビデオの中で、彼の先輩の審判が言っていたよう に、審判は監督や選手よりもずっと上の立場にいなければならないと思う。同時 に、選手や監督から抗議を受けても、判定を変えたりしない自信や威厳のある人 でないとだめだと思う。日本の審判にそういう人がいないというのは悲しい。多 くの日本人は、ひとりでは自分の意見すらまともに言えないのに、集団で行動す ると横暴になる。審判に抗議するときに、すぐに大勢で審判を取り囲み、どなっ たり暴力を振るったりするのも、日本人のそういう習性のひとつだと思う。はじ めてそれを体験したディミュロさんはさぞ恐ろしい思いだったろう。この事件の 後、傷ついた彼に対して誰も気づかってあげないのはどうしてだろう。今、人の 気持ちをわかってあげようとしない人が多すぎる気がする。誰かが声をかけてあ げていれば、ディミュロさんもこれほどのショックを受けなかったのではないだ ろうか。 ●この問題は簡単に誰がまちがっているとはいえない。大豊は大豊で、自信を 持って見送った球をストライクととられたんだからおこるのは当たり前だ。審判 は審判で、「アメリカ流でやってくれ」とたのまれて来ているわけだから、アメ リカ流でやるのは当然だ。それぞれに罪はないと思う。一番の問題は、セリーグ の会長にあると思う。アメリカ人審判が日本で審判をやる事情を十分に伝えてい ないし、この事件に対してもいいかげんな態度で、再発防止の対応策も出してい ない。あと、あの暴行事件の最中に、観客が審判にば声を浴びせていたが、あれ はひどいと思った。ストライクゾーンをアメリカ流に変えろとは思わないけど、 審判の権威をもう少し高めることには賛成だ。 ●私は絶対に日本の野球がまちがっていると思う。もともと、スポーツは楽しむ ためのものだ。それが審判への暴行までなっているという日本の状況は何か変 だ。それに何より、あのアメリカ人審判がかわいそうだと思った。たのまれて日 本に来たのに、彼が来日した事情が選手たちに十分に理解されていなくて、あん な状況で審判をしなければならず、結局、暴力事件で帰国するなんて。アメリカ の新聞の「日本の審判は記録係」という批判にも、日本のプロ野球関係者は文句 が言えないと思う。 ●日本人選手たちの審判への抗議は、アメリカの野球では認められないことかも 知れないが、日本でやるぶんには問題ないと思う。日本には日本のやり方がある と思う。 ●審判がどこの国の人だろうと、審判の判定にしたがうべきだと思う。審判だっ て人間なのだから、ミスジャッジがあって当然だし、選手はそれに不満があって もしたがうべきだ。ただ、このアメリカ人審判が日本に来た理由をセリーグが各 球団に十分に言っていなかったのは失敗だったと思う。 ●日本の野球ファンは過激な人が多いから、今回のようなことになったのだと思 う。それに、日本は閉鎖的で鎖国意識が強い人が多いから、こういう形での国際 交流はもっと慎重にやらないと反発をまねくだけだ。ただ、日本でも審判の権限 はもっと強めるべきだと思う。少なくとも、乱闘をおさえられるくらいの権限は あった方が、いい結果を生むと思う。 ●選手の立場から考えると「いきなり違う文化の野球にされたんじゃ、たまらな い」ということになる。こういう気持ちには賛成できる。一方で、審判の立場か ら考えると「せっかく呼ばれてきたのに、何でこんな目にあうんだ」ということ になる。この気持ちにも賛成できる。問題は、アメリカから審判を呼んだ人にあ ると思う。審判の判定は試合を左右する重要なものなのに、アメリカから審判を 呼んだ理由を事前に十分な説明をしていないというのは、選手の反発をまねいて 当然だ。そういうあたり前のことをしなかったから、選手が怒ったのも審判が帰 国してしまったのも当然の成り行きだと思った。 ●審判には試合を仕切る権限があり、義務があると僕は思う。なぜなら、審判は 球場の中でストライクやボールを判定できる特別な存在だからである。ストライ クゾーンがアメリカと日本で違うのは仕方がないし、どちらが良いとか悪いとか の問題ではない。しかし、その試合のストライクゾーンはその日の審判が決める ことだ。それに対して、選手が抗議するということは、試合の最高責任者に文句 を言ったということだから、即刻退場は当然だ。しかし、日本のプロ野球に審判 の威厳はみじんも感じられない。試合をスムーズに進行させることも審判の仕事 なのに、選手の抗議に時間をさいたり、監督に詰めよられて小さくなってしまっ たりという様子は試合の責任者の姿ではない。試合の進行をじゃまするものは誰 であろうと排除するのは、審判として当然の行為のはずなのに、それがまったく なされていない。こういう状況の背景には、日本の審判が選手出身者が多く、先 輩である監督には逆らえないという情けない気持ちが蔓延していることがある。 星野監督が「日本は野球で、アメリカはベースボール。同じようで違うんだ。昔 からこういうやり方なんだからそれでいいじゃないか」と言っていた。この発言 は「審判の立場が弱いのが日本の野球なんだ」と言っているのと同じだ。これ じゃあ、試合もへったくれもあったもんじゃない。試合を仕切るのはあくまで審 判である。監督でも選手でも観客でもない。 (村田 審判の立場が弱いのは、たんに選手出身の審判が多いからというだけで なく、日本の社会風土が根にあると思います。つまり、伝統的に私たちの社会 は、強い権限を持った人物がはっきりと決断するというやり方を嫌います。むし ろ、権限や責任をはっきりとさせず、様々な意見を調停することで丸く収めよう とするわけです。そのやり方で丸く収まっているときは、皆が満足していいので すが、丸く収まらなくなったとき、誰も責任をとる人がいないために、誰もが不 満をもっているのにちっとも改善できないという状況におちいるのです。ほら、 日本の社会そのものでしょう。プロ野球でおもしろい例があります。大きな打球 が飛んで、外野フェンスに直撃、グラウンドにはねかえってきました。二塁打に なったのですが、これに選手も監督も猛抗議しました。あれはスタンドに入って はねかえってきたんだというわけです。結局この抗議が認められて、審判の判定 はくつがえり、ホームランになってしまいました。今度は納得できないのが守備 側の選手と監督です。当然、猛抗議がはじまりました。で、その結果どうなった か。なんと、あいだをとって三塁打になってしまったのでした。わはははは は。) ●アメリカ人審判を呼んで、国際交流をしようとしたのはいいことだと思う。で も、国際交流をするということは今までのやり方を変えていくという覚悟も必要 だ。そういう覚悟をしないで、ただ、アメリカ人審判を呼んでも、反発をまねき 混乱するだけだ。今回のディミュロさんはそういういいかげんな国際交流の犠牲 者だ。 ●僕はアメリカ人審判をむりやり入れたこと自体、まちがいだったと思います。 アメリカのストライクゾーンをそのまま日本に当てはめようとすれば、バッター が怒るのは当然です。彼らにとっては一球一球が勝負なのだから、審判に抗議を したくなる気持ちも分かります。今回の事件で、一番責任が重いのはセリーグの 会長です。選手たちに十分な説明もしないで、ストライクゾーンを変えようとし たことがいけないのだと思います。 (村田 逆に、日本のプロ野球はストライクゾーンがないと言われます。つま り、日本の審判はストライクゾーンが一定でなく、試合状況や選手の人気によっ て広くなったり狭くなったりするというのです。もし本当だとしたら、プロレス のレフリーみたいだよね。こっちの方がよほど深刻な問題だと思うのですが。ち なみに、ディミュロさんのストライクゾーンは、アメリカ式だったけれど、一定 していて、同じところに来た球に対しては常に同じ判定をしていたという話で す。現在、メジャーリーグで投げている野茂投手も同じようなことを言っていま した。彼は一年目にアメリカのストライクゾーンについて聞かれて、「ストライ クゾーンの違いよりもストライクゾーンが一定していることの方が重要です。そ の点で、アメリカの審判は信頼できるし、投げやすいですね」と話していまし た。) ●セリーグの代表の人が無責任に見えた。せっかく、アメリカから有望な審判を 呼んで、技術を取り入れようとしたのに、ああいう事件が起きて、彼が帰国して しまったら、「日本には日本の野球があるから」などと言い出すのは無責任だ。 ただ、僕自身、小学校から野球をやっているが、審判に「ストライク?」ときく ことはあっても、大豊のようになぐったりすることは絶対にしない。 ●アメリカからわざわざ呼んできておいて、あれはないんじゃないかい。アメリ カ式の野球を取り入れようとして、呼んだんじゃないの。「野球とベースボール は違う」????なんだそりゃあ。違うからこそ来てもらったんじゃあないの。 まったく、近頃の日本人はなっとらん。まったくあきれたよ。野球についてはよ くわからんけどよー。少しは人の気持ちも考えなさい。自分のチームばかり考え てないで。 ●土台がゆがんでいると、いくら上にりっぱなものを建てても崩れてしまう。国 際交流とか、審判技術の向上とか、やろうとしていることはりっぱだけど、選手 や観客にその方針をきちんとつたえていなければ、うまく行くはずがない。ただ し、「日本の野球は日本流でいいんだ。何でわざわざアメリカ流にしなきゃいけ ないんだ」という考え方は、まちがっていると思うし、頭にくる。野球とベース ボールは同じものではないのか。人気さえあれば、国際的に通用しないやり方を していようが、審判をなぐろうがいいなんていう考え方、情けない。それに、向 上心がなさすぎる。いったい、日本の野球って、何なんだろう? (村田 もう半世紀以上にもわたって、野球は日本で最も人気のあるプロスポー ツです。それだけに、きわめて日本的な慣習で運営されています。それは審判に 権威がないという試合の運営だけでなく、監督の号令一家で動く軍隊的チーム作 りやいつになっても巨人中心の演出まで、日本社会の縮図ともいえます。以前、 ラーメン屋でビールを飲みながらテレビのナイター中継を見ていたら、となりの サラリーマンたちがこんな会話をしていました。「こいつの解説は話がこまかく ていけねえなあ」「ああ、野球なんて、バーンと投げて、ガーンと打ちゃあいい んだよ」「おう、それで巨人が勝てばバンザイだ」「ビールもうまいし、明日の スポーツ新聞も楽しめる」) ■1年後の考察 ディミュロ氏の帰国事件から1年たちました。この事件が人々の口に上らなく なって久しいですが、状況は何も変わっていないし、個人的にいまだに引っか かっています。それはこの事件が日本のスポーツシーンを考える上で、象徴的な 出来事だったのではないかと感じるからです。 日本におけるすべてのプロスポーツは力道山対シャープ兄弟が雛形であのでは ないかと考えています。力道山のプロレスは正義の主人公が強い敵役をやっつけ るという単純明快なスジガキを横糸に、日本人の西洋人コンプレックスと国粋主 義を縦糸に大成功しました。要するにヒロイックでスカッとする要素がそろって いたのです。 戦後日本のプロスポーツとその報道は、この力道山方式を模倣することで娯楽 の王者の位置を占めていきました。つまり、主人公となるべきスターやスター チームがあり、それを中心に据えた筋書があるというやり方です。相撲からF1 レースに至るまで、この図式にピタリとあてはまるとき急激に人気がでてきま す。いうまでもなく、巨人を中心に回っているプロ野球はその典型です。 ただし同時に、この強引な筋書はスポーツの持っているより豊かで奥の深い楽 しみを吹き飛ばしてしまうものでもあります。わかりやすくスカッとする分、押 しつけがましく嫌みに感じることもあります。また、スポーツの最も基本である フェアネスとはらはらどきどきする興奮をなくしてしまい、「安心してみれる」 三流の活劇に貶めてしまう危険性もはらんでいます。 とはいうものの、巨人さえ勝てばお父さんはご機嫌だし、スポーツ新聞からテ レビ局までマスコミは儲かるし、景気も上向くし、それを考えればフェアネスや ら選手の多様性や人間性やらなんて小さな問題にすぎないというところでしょう か。ともかく、ドラフトは逆指名で骨抜きになり、フリーエージェントも採用さ れて、実力のある選手はみな巨人に集まってきています。これこそ日本野球のあ るべき姿でしょう。理想としては、イチローも野茂も古田もすべて巨人に集めて 「純血」チームを作ることです。そうなると当然ほかのチームには誰もいなく なってしまうので、巨人以外はすべて「ガイジン」チームにするべきです。善 悪、白黒をはっきりさせるのにナショナリズムほど有効なものはありません。J リーグの盛り下がりに対してワールドカップの熱狂がそれを証明しています。何 といっても力道山対シャープ兄弟の成功こそ日本のスポーツシーンの原点です。 できればガイジン選手には覆面をかぶせるといいでしょう。バッターボックスに はいるときに、火を吹いたり毒液を吹いたり、キャッチャーに凶器攻撃をしてく れれば完璧です。もちろん、ストライクゾーンには審判の腹芸もありです。プロ レスのスリーカウントのようにいくらでも伸び縮みさせてもかまわないでしょ う。腹芸は日本の伝統文化です。すべての価値観は相対的なものなのです。娯楽 にフェアネスを持ち込もうとするのは文化のないアメリカ人くらいのものでしょ う。アメリカ人は子供なのです。日本ではクイズ番組で出場者が答えを教わって いるの公然の秘密だし、それをわかっていながら楽しめるのが大人ってもんで す。唯一の問題点は、プライドの高いメジャーリーガーたちがそんな見せ物に出 演してくれるかどうかだけでではないかと思います。1998.5.25 -------------------- ざっと目を通してみていかがであろうか。私には,11年前に北京オリンピック での結果を予測していたように見える。星野仙一とその背後のプロ野球組織の問 題が,実に的確に考察されている。 そして,日本のスポーツ新聞を筆頭にしたマスコミが歪んでいることも見えて くる。イチローが「星野監督ならWBCには出ない」とコメントしたことが,日 本の新聞ではなく韓国の中央日報の記事として流れている。朝鮮日報もそうであ るが,日本の社会情勢を知ろうと思ったら,日本の新聞より韓国の新聞の日本版 の方が的確であったりする。 イチローに限らず,現在メジャーリーグで活躍している選手達は,日本のプロ 野球のマイナス面を熟知している。そのマイナス面の最も象徴的な人物が星野仙 一である。彼が監督では予選すら突破できないのではないかということを,イチ ロー達は熟知しているはずだ。 王貞治監督と異なり,星野仙一には人望がないのである。 <野球>イチロー「星野監督ならWBCには出ない」中央日報 - 09月07日 15:11 米国メジャーリーグシアトルマリナーズで活躍中の日本のイチロー選手(3 3)が「星野仙一監督がWBC(ワールドベースボールクラシック)監督を務め るなら試合には出ない」と明らかにしたと週刊誌アエラ(AERA)最新号が報 道した。 イチローは知人に「星野監督が監督職を務めるなら来年春のWBCには出たく ない」とし王貞治(ソフトバンクホークス)監督が務めればいい」と話したと雑 誌は伝えた。 イチローを含めてシアトル・マリナーズの城島健司、サンディエゴ・パドレス の井口忠仁ら王監督が率いるソフトバンクからメジャーリーグに移籍した選手た ちも「王監督ではなければ出場したくない」と明らかにしたとアエラは伝えた。 現在、日本野球協会は星野監督を来年3月に行われるWBC監督1順位に挙げ ており、事実上監督職を要請したものといわれている。 しかし日本国内では五輪野球でノーメダルに終わった星野監督のWBC 監督就 任に反対する世論が少なからずある。 メジャーリーガーたちのチーム合流も難航するものとみられる。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ リスクマネジメント・雑学の泉 ・発行人 荒木純夫(あらきすみお) ・転載は発行人の署名を必ず含めてください。署名なしの転載は固くお断りします。 ・発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ・配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000176001.html _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



