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戒厳令下の韓国、冷戦下のポーランド、経済発展萌芽の時代のタイに駐在し、現在も世界を飛び回る筆者がお届けする、リスクマネジメントに関わる雑学知識

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  • 最新号 2008/09/08
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2008/09/03

[雑学の泉 No. 6]トヨタの大失態-過去最悪の情報漏えい

日付:2008-09-03

[雑学の泉 No. 6]トヨタの大失態−過去最悪の情報漏えい

 情報漏えいが,実害を伴ってとんでもない規模で起きたことが発覚した。 

 9月2日の毎日新聞によると,エンジンキー差し込み口付近の5ケタの数字を入
力すると,キーの形状が画面に表示されるデータベースを使ってキーを複製し,
トヨタ車を盗んでいた窃盗団が摘発された。 

 記事では,「特殊なパソコンソフト」となっているが,特殊でも何でもない。5
桁の数字とそれに対応した鍵の形状を記録した,単純なデータベースに過ぎな
い。ここでいう「特殊な」パソコンソフト,器だけだったらファイルメーカーで
30分もあれば作れてしまう。 

 問題なのは,なんでこんなものが窃盗団の手に渡ったかである。 

 記事によると鍵を複製した犯人は「ブローカーの男」から入手したという。要
するに,鍵番号とその鍵の形状の情報が盗まれ,外部に漏えいしてしまったので
ある。トヨタ本体,あるいは鍵を納入した業者,ディーラーから漏えいしたかも
しれない。最近,大規模な情報漏えい事件は聞かなくなっていたが,久しぶり
に,しかも実害という点では過去最悪の事態となった。 

 さらに,鍵番号は「エンジンキー差し込み口付近」となっているが,窓を破壊
するとかせずに,外部から読み取れる位置に記載してあったということであろ
う。最近の車は振動を与えただけで警報が発するように,イモビライザーが取り
付けられている。イモビライザーが作動しなかったということが予想されるか
ら,丸見えだったのであろう。 

 ここに,トヨタの情報漏えいに対する認識の甘さが出ている。我が愛車はマツ
ダであるが,電子ロック式である我が愛車は通常エンジンキーのところをカバー
する取っ手がつけてあり,それを回してエンジンをかける。そもそもエンジン
キー差し込み口周辺に番号なんか書いていないし,カバーがかかっているからた
とえ書いてあったとしても,外から見ることはできない。 

 車を盗まれた人は,いい迷惑である。イモビライザーもついていて盗難対策は
万全と思っていたら盗まれたのである。しかも,犯人は1000台分の鍵を複製した
といっているし,このソフトを使用しているのはつかまった連中だけとは限らな
い。現在トヨタ車のオーナーは,いつ自分の車が盗まれるかという恐怖におのの
かなければならない。

 車を盗まれた人達には全く落ち度がないということでもある。トヨタ側の賠償
責任が発生するであろうし,しばらくは訴訟が相次ぐのではないだろうか。 

 トヨタは,会社としての信用を大きく落としてしまった。今後のリスク対処が
どのようなものであるか,見物である。 



<トヨタ車>キー複製…窃盗容疑などで5人逮捕 (毎日新聞 - 09月02日 
21:51) 

 特殊なパソコンソフトでキーを複製しトヨタ車ばかりを盗んだとして、神奈川
県警捜査3課などは2日、横浜市中区尾上町3の中古車販売業、篠田伸之被告
(38)=窃盗罪で公判中=ら3人を窃盗容疑、車の輸出に必要な書類を偽造し
た神奈川県小田原市東町1の自称文書作成代行請負業、小野一浩容疑者(41)
ら2人を偽造有印私文書行使容疑などで逮捕したと発表した。被害は1都5県で
約300台、5億円近くに上るとみられる。 

 調べでは、篠田被告は07年12月、同僚と共謀、同県厚木市の駐車場で、ト
ヨタの「ハリアー」(時価約150万円)を盗んだ疑い。 

 篠田被告らは、エンジンキー差し込み口付近の5ケタの数字を打ち込むと、
キーの形状が画面に表示されるトヨタ車専用のキー作製ソフトをブローカーの男
から入手。持ち運び可能な金属加工具で、画面に従い1本当たり30分程度で合
鍵を作っていた。小野容疑者は「約1000台分を偽造した」と供述している。 

 同課は、ブローカーの男や、男に指示を出したとされるパキスタン人の男が、
複数の窃盗団を配下に置いていたとみて捜査している。【池田知広】


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・発行人 荒木純夫(あらきすみお)
・転載は発行人の署名を必ず含めてください。署名なしの転載は固くお断りします。
・発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
・配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000176001.html 

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