2007/03/04
[リスクマネジメント No. 46]食事の作法(再送)
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 発行人が監修・執筆している通信教育講座 工学研究社「メーカー社員のリスクマネジメント実践講座」 http://www.kogaku.co.jp/kouza/e35c.html _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 日付:2007-03-03(2007-03-04再送) [リスクマネジメント No. 46]食事の作法(再送) 昨日の記事に間違いがあったので、加筆訂正の上再送します。 (スパゲッティの食べ方と焼き魚の食べ方追加しました。) ---------- 今回は食事の作法、すなわちテーブルマナーについて考えてみよう。 食事の時の作法と言うと形式張ったイメージがあり、慣れていないと緊張する ものである。しかし、テーブルマナーは食事をするのに服を汚したりしないよう にするのにうまくできており、それぞれの料理の成り立ちの延長線上で合理的に できている。 例えば、西洋料理では自分の目の前の右手にナイフ、左手にフォークがずらっ と並ぶ。作法をわかっていないとうろたえてしまうが、出てくる料理に合わせて 外側からナイフとフォークを取っていけば良いのである。そして出されたお皿の 料理を食べ終えれば、その料理を食べるために使ったナイフとフォークはお皿と 一緒に下げられ、次の料理のためのナイフとフォークが一番外側に来る。わかっ てしまえば実に簡単である。 ついでにであるが、スープは「飲む」ものではなく「食べる」ものである。こ れを音を立てないように口に運ぶのであるが、たいていの日本人はこれが実にへ たくそである。スープは「飲む」というイメージがあるから、スープをすくった スプーンの端に口をつけ、そこですすってしまう。だからものすごい音を立て る。「食べる」のであるから、チャーハンを食べる時のようにスプーンを丸ごと 口に入れてしまえば良い。こうすれば絶対音はしない。 もうひとつ日本人にとって食べるのがへたくそなのは、スパゲッティである。 和食でも音を立てながら食べるのは不作法であるが、例外的にそばやうどんと いっためん類に関しては豪快に音を立てて食べるため、どうしてもその感覚でつ るつる吸い込みながら食べてしまう。したがってものすごい音を立てることにな る。 スパゲッティを食べる時、本場イタリアでは、右利きの場合右手にフォーク左 手にスプーンを持ち、両手で麺をかき集めてスプーンの中でフォークをくるくる 回す(隣のフランスでは、このスプーンは出てこないようである)。そして フォークに麺を巻き付けて、スープと同じくフォークを口の中に入れて食べる。 間違ってもすすってはいけない。 さらに、日本人がフランス料理などを食べる時に全く理解していないのは、魚 や肉にかけられたソースをほとんど残してしまうことである。料理人はソースを 作るのに心血を注いでおり、それを残さず食べることが料理人に対する礼儀と称 賛となる。料理人は皿にソースが残っているとがっかりしてしまうのである。そ して食器洗いもしにくい。 では、ソースをどうやってきれいに残さず食べれば良いのであろうか。ナイフ とフォークだけでは不可能である。 実はパンを使うのである。日本人はこれを作法に反すると思うであろうが、パ ンを適当な大きさにちぎって、パンで皿を拭くようにしてソースを絡め取り食べ る。こうしてお皿のソースをきれいに食べてしまうのである。 以前勤めていた会社で、売り込みに来たアメリカ人と一緒に会食する機会が あった。その時なんと彼はパンではなくライスを注文した。いったいどうやって 食べるのだろうと思って興味津々で見ていたら、彼はご飯をナイフとフォークに 少し乗せ、料理の皿のソースの中に置いた。そしてご飯をソースに絡めて食べて いた。 なるほど。 あと、ワイングラスを口に着けた時にグラスが汚くならないよう、まめにナプ キンで口を拭いてからワイングラスを口にする。こうすることによってワイング ラスがソースで汚れて見苦しくなると言うことがなくなる。 さて、和食の作法についても考えてみよう。 和食は器を手に持って食べるのが基本である。これはフランス料理のような西 洋料理の作法とは大きく異なる。なぜ日本では器を持って食べるのであろうか。 今でこそ日本でも食卓を囲んで皆で食事をするようになったが、昭和の前半、 大東亜戦争が終る頃までは各自が膳で食べるのが基本であった。膳とは、一人前 の食器と食物を載せる台のことであり、大きさはほぼ一尺(約30 cm)四方、高 さは五寸(約15 cm)から七寸(約20 cm)前後である。これを各自の前に置い て食事をした、現代でも、旅館で宴会を行なう時はこのような膳を使うのでご存 知の読者もいるであろう。 食卓と異なり、膳は皿から口までの距離が大変遠い。したがって、皿を持って 食事をせざるを得ない。そこから、和食ではご飯茶わんや小皿といった器を持っ て食べるのが基本的な作法となった。 最近テレビを見ていて、作法の点で非常に気になることがある。それは、タレ ントが料理番組などで料理を口に運ぶ時、手で料理を受けることである。その手 に醤油やソースが落ちたらいったいどうするつもりなのであろうか。実は、和食 の作法で「手皿」はやってはいけないことなのである。 和食の場合、ご飯茶わん、小皿を手に持って受けるのが作法である。これらが なかったら、お椀のふたを持って料理を受ける。そうすれば手も汚れない。だか ら、西洋料理ではナプキンを使うが、和食ではナプキンのようなものが用意され ていないのが基本である。 そして、食い散らかさないことである。 良くご飯粒を少し残したり焼き魚を食い散らかしたりする人をよく見かける が、どうして本の少しのご飯粒を残したりするのであろうか。焼き魚は食べる前 に背骨に沿って箸を入れれば、きれいに骨から身がはがれる。ソースのところで きれいに食べるのが礼儀と書いたが、これも同じことである。作ってくれた人に 対する感謝の気持ちと敬意が表れているか、これではっきり見えてしまう。 最後に、日本人の男性でよく見かける不作法についても触れておこう。 食事中音を立てないことは、食事の作法ではもっとも基本的なことである。し かしながら、日本人の男性には料理を咀嚼する時に口を開けてくちゃくちゃ音を 立てて食べている人が結構いる。口を閉じて食べれば良いものを、まったく気が ついていない。 これがもっとも顰蹙を買う不作法である。このことによって自分がいかに評価 を下げているか、意識すれば簡単に直ることなのえあるから考えた方がよい。 このような、ちょっとしたことを知っているかいないかで、その人の教養と品 性を問われてしまう。特に海外で会食をすると、こういうところをしっかり見ら れて相手から評価されるから実に怖い。こういうことに日本人は無頓着なのが不 思議である。 ---------- 国際派を目指す人のためのリスクマネジメント講座 ・発行人 荒木純夫(あらきすみお) 株式会社ビューポイント情報科学研究所 http://www.vpi.co.jp/ ・転載は発行人の署名を必ず含めてください。署名なしの転載は固くお断りします。 ・発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ・配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000176001.html



