[リスクマネジメント No. 45]ソニータイマーとカルロス・ゴーン
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発行人が監修・執筆している通信教育講座
工学研究社「メーカー社員のリスクマネジメント実践講座」
http://www.kogaku.co.jp/kouza/e35c.html
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日付:2007-03-02
[リスクマネジメント No. 45]ソニータイマーとカルロス・ゴーン
みなさんお久しぶりです。気がつけば,昨年11月から3ヶ月以上放置してしま
いました。しかしながら,そんな状態にあるにも関わらず,なんと購読者数が
50人も増えていました。購読感謝です。
さて,3月になってしまいましたが,今年最初の記事です。
今日,Mixi(http://mixi.co.jp/about01.html)で知人の日記を読んでい
て,日経ビジネスのこんな記事を見つけた。
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日経ビジネスオンライン ソニー時代と日本企業の将来を語る!
『迷いと決断 ソニーと格闘した10年の記録』 著者、出井伸之・ソニー最高顧
問、クオンタムリープ代表取締役に聞く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070228/119956/?P=2
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残念ながら私は,彼がソニーをダメにした一人だと思っているが,このインタ
ビューの中で改めて彼が経営者としてどうかなという点がふたつ,目に付いた。
>組織の中の仕事を分解していくと、すべて定型業務に分解されるわけです。
経営者として本当にそう思っているのなら,その企業はだめになるであろう。
ソニーが組織として硬直化したのも当然だと思う。
90%は定型業務だけれど少なくとも10%は従業員の創意工夫が企業を存続させ
ているのだと私は思っている。彼は日本で発達したQCサークルも定型業務だと
思っているのだろうか。「すべて」なんだからそう思っているのだろう。しかし
ながら,QCサークルは製造現場で各個人が持っている創意工夫を共有化する過
程だと私は思うのだが。この,組織における創意工夫の度合いが日本の製造業は
他国より少し大きかった。これが,日本が世界をリードする原動力になったので
はないだろうか。
目に見えるところでも,80年代までソニーは世界をあっと言わせる製品を連
発していたのが90年代半ば以降ぱたっとなくなってしまった。たしかに「すべ
てが定型業務」の会社になったようである。
だいたい,後継者選びの条件で「4つ目が創造性(クリエーターの心)を理解
できる人」と自分で言っているのに,矛盾に気がつかないのだろうか。
>カルロス・ゴーンはスーパーCOO(最高執行責任者)。自動車産業で新たな価
値を生み出すことのできる人は、そうはいません。
今,日産が販売している車を見て新たな価値を生み出していると思う人がどれ
くらいいるだろうか。日産車のセールスマンが「売る車がない」とぼやいている
のが現実である。
私は彼が1999年に日産のCOOに就任してやり始めたことを見て,5年後には日
産の業績はひどいことになるなと予想していた。実際には7年かかったが,日産
「一人負け」の状態が昨年の実績にはっきり現れている。
2006年1年間の国内販売台数はトラックやバスを含み2005年比で98.1%で
あったが,生産台数は106.3%と伸びている。すなわち,国内販売の落ち込みを
輸出でカバーしているという構図なのだが,全メーカーの中で唯一日産が,前年
比85.1%と生産台数を減らしている。また国内販売も日産が前年比88.5%で,唯
一80%台の落ち込みである(数字は社団法人日本自動車工業会による)。
http://jamaserv.jama.or.jp/newdb/index.html
日産を除き全メーカーが生産台数を伸ばしているのに日産だけ極端に生産台数
が減っているという状況を,どう考えるのであろうか。ここまで際立つと,とて
も一過性という一言では済まされないだろう。すなわち,カルロス・ゴーンは
スーパーCOOどころか会社を潰しかねないと考えるのが自然ではなかろうか。
彼のやり方は短期的には効果が出るだろう。でも,企業というのは5年や10年
で終るものではない。彼の手法には他者に対する思いやりというものがなく,自
分さえよければよいという発想が根底にある。自動車産業というのはねじ一個か
ら始まる創意工夫で積み上げられて,創造力は生み出されていく。すなわち,下
請けを含め「良い車を作りたい」という気持ちが一つになっていなければならな
いが,彼のやり方では従業員や下請けの気持ちはすさぶ。
だから一時的に日産の業績は上がるが,人の心は離れているから数年すれば業
績はぼろぼろになる。実際,日産は一人負け状態である。
そんな経営者をスーパーCOOと持ち上げる神経が私にわからない。
彼を含め,ソニーの経営陣は巷間「ソニータイマー」と言われている現実を理
解しているのだろうか。
このインタビュー記事を読んで,結局この人は現場を直視しない「雲の上の
人」だなと,ソニーの現状を見るにつけ思うのである。
いったい井深大という傑物の下で何をしていたのだろう。
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株式会社ビューポイント情報科学研究所 http://www.vpi.co.jp/
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