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戒厳令下の韓国、冷戦下のポーランド、経済発展萌芽の時代のタイに駐在し、現在も世界を飛び回る筆者がお届けする、リスクマネジメントに関わる雑学知識

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  • 最新号 2008/09/08
  • 部数 350部
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2006/09/21

[リスクマネジメント No. 43]国際標準化100年

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発行人が監修・執筆している通信教育講座
工学研究社「メーカー社員のリスクマネジメント実践講座」
http://www.kogaku.co.jp/kouza/e35c.html
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日付:2006-09-20

[リスクマネジメント No. 43]国際標準化100年

 私は18日からベルリンに来ている。国際電気標準会議(IEC)の総会に参加する
ためである。

http://www.iec2006.org/

 IECは1906年、ロンドンで設立総会が開催され、活動が始まった。すなわち、
これが世界の国際標準化活動の始まりであると言える。驚くべきことに、この設
立総会に日本から参加している。大政奉還からたった38年、日本海海戦の翌年の
ことである。

 経済産業省が「国際標準化100年記念事業」を現在行なっている。

http://www.standard100.jp/

 このサイトの「日本の国際標準化の歴史」のページに、日本は国際標準化にど
のように関わってきたかまとめられている。その中に、IEC設立総会の顛末が次
のようにまとめられている。

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 1906年にロンドンでIEC(International Electrotechnical 
Committee:国際電気標準会議)の設立会議が開催されました。

 この会議に出席したのは、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イギ
リス、オランダ、ハンガリー、イタリア、スイス、スペイン、アメリカ、カナダ
そして日本のわずか13ヶ国です。北アメリカとヨーロッパ以外の国から出席した
のは日本だけです。

 日本からは、電気学会から藤岡市助氏が参加しています。当時は、現在のよう
に飛行機で気軽に海外に行くことはできず、藤岡氏も船でロンドンに向かったよ
うです。1906年(明治39年)は日露戦争が終結しポーツマス条約が締結された翌
年に当たりますが、日本の電機業界の先達が、地理的・歴史的なハンディキャッ
プを乗り越えて世界の列強と肩を並べて国際標準化に積極的に取り組んだ意気込
みを感じます。	

 藤岡市助氏は、山口県岩国市の出身で、東芝の創業者のひとりです。また、日
本で初めて電球を開発したことから、「日本のエジソン」とも呼ばれています。

 その後、IECは1908年に正式に発足し、日本は1910年に電気学会の日本電気工
芸委員会が加盟しました。
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http://www.standard100.jp/international/history.html

 国際標準化組織と言うとISO(国際標準化機構)の方が有名であり、IECについ
てはほとんど知られていない。実際、ISO活動にかかわっている日本の委員の中
にも、IECはISOの下部組織だと思い込んでいる人もいる。しかしながら、IECの
方が先に設立されており、それはISOの前身のISA(万国規格統一協会)の設立にす
ら先立つこと22年である。IECは電気・電子分野、ISOはそれ以外の分野の規格作
成にかかわっている。ちなみに、通信分野ではITU(国際通信連合)がある。

 すなわち、電気分野での国際標準化の必要性がいち早く高まり、IECが1906年
に設立された。その動きにいち早く気がつき、その活動に参加することの重要性
を見抜いたのが、藤岡市助氏だった。

 IECの活動は、用語の定義や図記号の定義など、企業活動の利益にすぐ結びつ
かない地味な活動の方が圧倒的に多い。しかしながら、例えば電器製品の電源ス
イッチの記号など、我々の日常生活の中でなじみのものもある。地道な努力が気
がつけば、大きな社会的影響力を持つに至る。藤岡市助氏はここを見抜き、その
ために日本は国際標準化活動の最初から関わることになり、現在、非常に大きな
影響力を持っている。IECへの拠出金の額は9か国しかないAランクの1か国である
し、今回も国別の参加者数では,開催国のドイツ,アメリカと肩を並べる。

 日本が工業立国と言われている所以は、こういう目立たないところにもある。
この辺りが、最近は韓国あたりがちょっと頑張っているが、中国との大きな違い
である。中国は、こういう地味な活動で努力して、それを積み上げていって自分
たちの利益につなげるという発想が希薄である。最近は中国の国策もあってIEC
に多勢の委員を派遣しているが、すぐに利益に繋がらないような分野には、全く
力を入れていない。

 日本は中国に追いつかれ追い越されるなどと、どこかの日本の経済系のマスコ
ミが煽っているが、間違ってもそのようなことは起きないのである。日本の基礎
体力は、皆さんの想像以上に強い。


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国際派を目指す人のためのリスクマネジメント講座
・発行人 荒木純夫(あらきすみお)
 株式会社ビューポイント情報科学研究所 http://www.vpi.co.jp/
・転載は発行人の署名を必ず含めてください。署名なしの転載は固くお断りします。
・発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
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