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2006/02/13

『NPOの学校』第6回 コミュニティとNPO(2)

▼△▼△▼『NPOの学校』▼△▼△▼

皆さん、こんにちは。NPO Communicationsの高坂大樹です。
このメルマガでは、NPOに関連する様々な事柄、社会・経済・政治・文化・
法律・環境問題・国際情勢などについて、理論と実践の両面から情報を発信し
て行きます。どうぞよろしくお願いします。
「コミュニティとNPO」の第二回として、新たなコミュニティ機能を担うも
のとしての中間支援型組織の条件や理念について考えます。

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★コミュニティとNPO(2)★

前回紹介したように、同志社大学真山ゼミの「提言:南丹市における地域のコ
ミュニティ」では、地域における既存のコミュニティを地縁型組織とテーマ型
組織(サークルやNPO)と分類し、地縁型組織は衰退傾向にあり、テーマ型
組織は横のつながりが乏しいと分析、新たなコミュニティ機能を担うものとし
て中間支援型組織が必要になると提言されていた。

中間支援型組織がそれ自体新たなコミュニティであるという観点に関しては、
少し疑問がある。組織の構成原理が地縁型組織やテーマ型組織とは明らかに違
うからである。そこで、中間支援型組織をコミュニティと言うとすれば、その
条件はどのようなものであるかを考えてみた。

中間支援型組織は自治会・サークル・NPOなどの組織をネットワークし、サ
ポートするものである。あくまで民間の組織であるから、原理的に画一的なサ
ービスしか提供できない従来の行政とは異なる、多様なニーズに対応できると
いうところに特質があるが、それだけでは中間支援型組織を帰属意識を与える
ことを条件とするコミュニティと呼ぶことはできない。

中間支援型組織をコミュニティと呼ぶためには、「市民」がキーワードになる
のではないだろうか。そこに居住しているという意味での形式的な市民ではな
く、ポリスの統治者としての市民である。ポリスの市民とは、ギリシャの都市
国家で投票権を持って政治に参画し、戦士として共同体の防衛義務を果たした
自由民のことである。つまり、ここでは都市国家を分権時代の地方自治体に見
立て、その統治者としての市民を、行政依存意識ではなく、また観客意識では
なく、当事者意識を持った存在として見ているのである。

ひとりひとりがポリスの統治者としての市民意識を持ち、わが町に責任を持っ
て活動する。そのような市民が連携して地域を支え、創造する。コミュニティ
としての中間支援型組織の構成原理は、そのようなものになるのではないかと
思う。中間支援型組織の構成原理をこのような市民意識に置く時、地縁型組織
の原理を地方自治体レベルに拡大したものとして捉えられ、中間支援型組織を
コミュニティと呼び得る実質を備えたものとして見ることができる。

中間支援型組織は地縁型組織よりも大きな範囲を対象とするため、地縁型組織
のような直接民主制ではなく、代議制的な性格も持たざるを得ないと考えられ
るが、政治や行政との違いは、中間支援型組織の領域が市民が等身大で暮らし
ている社会や生活の場であるところにある。また、この領域は企業のように利
潤や効率を目的としておらず、非営利である。当然、中間支援型組織は行政・
政治・企業からは自立していなければならない(それらとパートナーシップと
いう関係は持つ)。

補足しておくと、中間支援型組織が地縁型組織やテーマ型組織を一括的に管理
して統合する窮屈な組織になってしまうことは、開かれた自由社会にはふさわ
しくない。真山ゼミの学生のイメージでも、中間支援型組織はすべての地縁型
組織やテーマ型組織を組織化するのではなく、それとは別のルートで活動した
り連携したりする組織やグループがあっていいとされていた。さらに、環境問
題をはじめとして、現代の市民にはグローバルな課題にも直面しており、自治
体レベルを超えた広い視野や当事者意識をも併せ持たなければならないのであ
るから、その意味でも閉じた共同体意識はふさわしくない。とは言え、ポリス
の統治者としての市民意識はやはり必須の条件になると思う。そこはバランス
であり、外部に開かれた、多様性を許容するゆるやかな統合性を目指して、コ
ミュニティとしての中間支援型組織を作ればいいのである。

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★NPO関連の本★
田村明
『まちづくりと景観』
岩波新書、2005年12月20日

近代以降の日本は、国家主導かつ企業の効率優先の都市開発によって、人が暮
らす環境としてのまちづくりを無視してきた。市民主体のまちづくりへの転換
が求められるが、個人エゴの民主主義ではなく、郷土愛と公共性と美意識を持
った市民による民主主義の必要性を説いている。
NPOの役割も含め、市民参加型まちづくりの理念と実際をバランスよく書い
ている。

片寄俊秀
『まちづくり道場へようこそ』
学芸出版社、2005年12月30日

関西学院大学教授でNPO法人ほんまちラボまちづくり道場の道場主が、画一
的な都市デザインではなく個性あるまちづくりの極意を説く実践的まちづくり
書。町に飛び込み、町の価値・魅力を発見し、まちづくりにとって真に必要な
人と出会うことができるまちづくり人になるための修業の道を、達人の自在な
境地で語っている。
まちづくりにとって、結局、町を好きになることがすべての基本であることが
わかる。

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★NPO用語集★
「認定NPO法人」

認定NPO法人とは国税庁長官の特別の認定を受けたNPO法人です。
認定NPO法人になるには、法人設立から1年以上経過していること、パブリ
ックサポートテストで一定の基準(総収入に占める寄付金の割合が5分の1以
上)を満たしていることなどが要件になります。
認定NPO法人になると、個人や法人が認定NPO法人に寄付した場合に、特
例措置として寄付金控除の適用や通常の二倍の損金算入が認められます。また、
相続や遺贈により財産を取得した場合に、その中から認定NPO法人に寄付を
した財産は相続税が課税されません。また、みなし寄付金制度の適用も認めら
れています。

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私は現在いくつかのNPOに関わっていますが、このメルマガを通じて、NP
Oについてさらに深く学んで行きたいと思っています。皆様のご意見を頂けれ
ば幸いです。NPOに関するご質問等も受け付けています。
NPOのネットワークを作って行きたいと思っていますので、お気軽にコンタ
クトして下さい。どうぞよろしくお願いします。

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(NPOの学校)第6回 コミュニティとNPO(2)
                       平成18(2006)年2月13日

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