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テレビ報道は解説委員の見方、新聞記事は論説委員の見方。弁護士には弁護士の見方があり、社会保険労務士には社会保険労務士の見方がある。みんな違う。どのように違うか、興味のある方は覗いて見ませんか。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/12/17
  • 部数 163部
  • メルマガID 0000173882
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2009/12/17

1ヶ月ルール。

 「天皇陛下と外国人との会見は,1ヶ月前に申請すること」
 そんなルールは法律で決まったわけでもなんでもない、というのが民主党小沢幹事長
の言い分である。この言い分を見ると,小沢幹事長はルールとして法的根拠をもつには
法律が必要である,慣行には何の法的根拠もないということを言たげである。しかし、
法律がなくともルールが法的根拠を持つ場合がある。いわゆる慣行の成立がみとめられ
る場合である。その成立要件は以下の通りである。
 1,ある事実上の取り扱いが
 2、反復し継続して行われており
 3、その取り扱いを一般従業員及び使用者(就業規則の改廃権限者)が認識(承認)
   しており
 4、それを当然のこととして承認しており
 5、労使(特に事業主)のいずれも、その取り扱いに異議を述べておらず
 6、規範化し,定着し,事実上のルール化している。
  (三菱造船所事件判決、平成元年,2月10日 長崎地裁)

 以上の要件が備わっていれば,慣行は法的根拠をもつものとされている。
 この成立要件を今回の1ヶ月ルールに当て嵌めてみると,従業員,使用者という部分
を入れかえれば、すべて該当している。
 1ヶ月ルールという事実上の取り扱いは、2004年2月に始まったといわれている
から、反復,継続されているし、これまで取り扱いに異議をとなえた者もいない。宮内
庁長官も規範意識をもって取り扱っているし、事実上のルールとして定着していること
は明かである。ここまでくると、法律で決まっているわけではないと、頭から否定され
るものではないであろう。小沢幹事長は慣行の成立というものをあまりにも軽視してい
るのではないか。おそらく、労働判例も読んだことがないのであろう。
 実際のところ、小沢幹事長のような解釈をされると、現実に被害を被る労働者も出て
くる恐れもある。例えば,退職金の支給に関する問題である。退職金の支給を請求する
には、退職金規定がなければならない。しかし、退職金規定がなくても、慣行として退
職金の支給がなされていた場合、退職金を請求できる場合がある。それは非常に困難な
ことではあるが、今回の小沢幹事長の言い分が通用するようなことがあっては、そうし
たことは絶望的になる。

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