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テレビ報道は解説委員の見方、新聞記事は論説委員の見方。弁護士には弁護士の見方があり、社会保険労務士には社会保険労務士の見方がある。みんな違う。どのように違うか、興味のある方は覗いて見ませんか。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/12/03
  • 部数 164部
  • メルマガID 0000173882
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2009/11/04

特別立法。

 日本航空の再建にとって、焦点は企業年金の減額になりつつある。基本的には年金
受給者の合意であるが,それが叶わぬ場合,特別立法を作り,強制的に減額する構え
である。しかし、労働債権として確立した企業年金を強制的に減額することは,憲法
29条で保障された財産権を侵害するのではないかという疑念もあり,すみやかに実
行するわけにもいかない。それでも、救済に公的資金を投入するという事態になれば、
強行してでも実行せざるをえないというのが政府の方針ではないか。そうなった場合,
問題はもはや実行できるかできないかということではない。実行すれば,おそらく年
金受給者は憲法違反として訴えてくるであろうから、問題は訴えられれば勝てるか、
勝てないかである。
 そこで、企業年金である。企業年金は日本の場合,退職金を年金化したものである。
退職金が賃金の後払いとみなされれば,労働債権として確立したものを減額すること
になり、財産権を侵害したものとして,訴えられれば勝てない。しかし、退職金には
功労報償としての性格もある。功労報償とみなされれば,支給するしない、もしくは
減額するは経営者の恣意であり、労働者の権利性は薄くなり、訴えられても勝てる。
とはいっても、日本航空の場合,退職金規定も整備されているはずであり、これまで
も支払ってきたという慣行も成立していることは疑いもないのであるから,功労報償
とみなすには無理がある。となると、この場合,勝てないとみるのが妥当ではないか。
 それにもし、勝てるとみて特別立法で強行したとしても、そのようなことをすれば企
業年金自体に対する信頼が揺らぐことになる。いつまた法律で減額されるようなこと
になるかもしれないというような不安を与えれば,企業年金を実施しようとする企業
自体が減少することは明かである。公的年金の信頼が揺らいでいる現状に加えて,企
業年金の信頼も揺らぐことがあってはならない。ここは、慎重な対応が求められると
ころではないか。

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