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テレビ報道は解説委員の見方、新聞記事は論説委員の見方。弁護士には弁護士の見方があり、社会保険労務士には社会保険労務士の見方がある。みんな違う。どのように違うか、興味のある方は覗いて見ませんか。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/12/03
  • 部数 164部
  • メルマガID 0000173882
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2009/10/02

資格を失った。

 ちょっと前の話で恐縮であるが、酒井法子被告が湾岸暑を保釈されたときのことであ
る。保釈金の全額納付が遅れたこと、全額納付が済んだ後も、すぐ湾岸暑を出なかった
ことについて、マスコミでは世間の様子を伺っているためなどという憶測を流していた。
しかし、社会保険労務士としてはそういう見方をしない。以下のように見る。
 問題は酒井被告が加入していた医療保険の種類である。酒井被告は芸能人であるが、
芸能人であるからといって、必ずしも個人事業者として国民健康保険に加入していると
は限らない。契約形態によっては、組合管掌健康保険もしくは協会けんぽのいずれかは
問わないけれど健康保険に加入していたかもしれない。国民健康保険に加入していたの
であれば問題はないが、健康保険に加入していた場合である。酒井被告は起訴されたこ
とによって、サンミュージックを解雇されたのであろう。解雇されたのであれば、健康
保険の被保険者資格を失うことになる。被保険者資格を失ったのであれば、国民皆保険
の手前、健康保険の任意継続被保険者になるか国民健康保険の被保険者になる、それと
も、家族いずれかの被扶養者になるかである。被扶養者になる要件は年収850万円未満
であるが、酒井被告がこの要件に該当するとは思えない。とすれば、任意継続か国民健康
保険である。任意継続ならば20日以内、国民健康保険ならば14日以内に加入手続きを
しなければならない。もっとも、国民健康保険は遡って加入することもできる。ただし、
その間、保険診療をうければ、いったん全額を負担し、加入後、保険負担分の償還払いの
手続きをしなければならない。
 いずれにしても、あわてることはなかった。ところが、酒井被告はそのことを知らなか
った。すぐ、加入手続きをしなければならないと思った。なぜなら、湾岸暑を出た後、す
ぐにメンタル面の治療を受けるという理由で都内の病院に入院する予定になっていたからだ
。入院するなら、保険証が入る。保険証を手に入れるには、任意継続か国民健康保険かい
ずれかの加入手続きを行わなくてはならない。国民健康保険なら、従前の事業所から健康
保険資格喪失証明書も手に入れなければならない。もちろん、それは自分の手で行うこと
はできない。代理のものに依頼したが、手間がかかった。その間、マスコミは世間の様子
を伺っているなどという憶測を流しつづける。そして、ようやく保険証が手に入ったとい
うことで湾岸暑を出る決意をした、という推測。
 覚せい剤取締法違反で、芸能人としてのイメージが地に落ちた酒井被告である。いまさ
ら、より以上イメージが悪くなるようなことをしても意味はない、と思えるがいかがなも
のであろうか。

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