2009/07/16
ILO132号条約の批准。
権利は持っていても、周りに気を使わなくてはならず、なかなか行使することができ ない。これは、総理大臣の衆議院解散権のことではない。年次有給休暇における労働者 の時季指定権のことである。 正当な権利であるから、取得率は100%であってもおかしくはない。ところが、実際 は平均で50%台でしかない。それも、大企業を含めての平均であるから、中小零細企業 だけならもっと低い。 この取得率を向上させるには、職場の風土を変えるしかない。職場の風土を変えるのは 、企業の自主性に任せるべきであるが、もはやそのようなことでは追いつかない。政府の 強力な指導が必要である。しかし、政府の指導も政権次第では困るから、それを担保する ための国際的な拘束力がほしい。そこでILO132号条約の批准である。 ILO132号条約は以下のような内容である。 「労働者は1年勤務につき3労働週(5日制なら15日、6日制なら18日)の年次 有給休暇の権利を持つ。休暇は原則として継続したものでなければならないが、事情に よリ分割を認めることができる。ただし、その場合でも分割された一部は連続2労働週 を下らないものとされる。」 日本政府はこのILO132号条約をまだ批准していない。批准していなくても,日 本には労働基準法があり、労働基準法では39条に年次有給休暇の規定を設けている、 というのがこれまでの日本政府の言い訳である。しかし労働基準法39条の内容はILO 132号の水準には達していない。特に、連続した2労働週を下らないものとされる、と いう部分である。連続した年次有給休暇の取得については,5日を超える部分の計画的 付与制度が設けられているが、連続した2労働週を下らないという水準にはほど遠い。 ILO132号条約を批准してこなかった日本政府とは自民党政府である。その自民 党が政権の座から退き、変わって民主党が政権を掌握するとなると、ILO132号条 約を批准するかどうか、注目されるところである。ことに、民主党を支持する連合が、 132号条約の批准を要望していることから、なおさら注目されるところである。 ****************************************************************************** 社労士の目で見る事件と世相 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000173882.html ご意見ご感想はこちらまで toto3@r2.dion.ne.jp *****************************************************************************


