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テレビ報道は解説委員の見方、新聞記事は論説委員の見方。弁護士には弁護士の見方があり、社会保険労務士には社会保険労務士の見方がある。みんな違う。どのように違うか、興味のある方は覗いて見ませんか。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/12/17
  • 部数 163部
  • メルマガID 0000173882
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2009/04/13

病者の就業禁止

 お笑いコンビ「ハリセンボン」の箕輪はるかさんが、肺結核で入院,隔離された。箕
輪さんの所属する事務所は「よしもとクリエイティブエージェンシー」である。箕輪さん
が肺結核に感染することを知った、この事務所はテレビ等の仕事をすべてキャンセルした
、ということである。
 このような場合の対応については、労働安全衛生法に規定がある。第68条病者の就業
禁止という条文である。その内容は以下の通り。
 「事業主は,伝染性の疾病その他の疾病で、労働省令に定めるものにかかった労働者に
ついては、労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない」
 この条文に違反すると、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金である。
 ただ、この条文は感染者が労働者であった場合の規定である。そこで問題は,箕輪さん
が労働者であるかどうかということである。
 芸能人の労働者性については様々な基準がある。代替性がないとか、時間的,場所的な
拘束がないとか、仕事の請負に諾否権があるか否かとか、所属事務所以外の仕事を受ける
のに所属事務所の許可がいるか否かなどである。この基準に該当するかどうかで労働者性
を争うわけである。しかし、今回の場合、そうした基準で争うより前に、所属事務所がと
った行動は、箕輪さんを労働者として認めた上での行動ではないかという推論が働く。な
ぜなら、テレビ等の仕事すべてをキャンセルしたのは,所属事務所がその権限と責任にお
いて行ったものであろう。まさに、所属芸能人を使用従属下にあるものとした事業主とし
ての行動である。事業主として行動したのであれば、様々な基準に照らしあわせることも
なく、箕輪さんは労働者である。仮に、労働者性をめぐって訴訟が提起された場合、芸能
人側は今回の件を持ち出して労働者性を主張してくるであろう。そうなると、反論は難し
い。
 芸能人が労働者であるとなると、所属事務所との契約は労働契約となる。労働契約とな
ると、仕事上怪我をすると、労災の適用もありうるし、極端に低いギャラは最低賃金法に
抵触しかねない。そして又,契約解除においては解雇権濫用法理の適用もありうる。影響
は意外な方面に拡大していくかもしれない。

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