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テレビ報道は解説委員の見方、新聞記事は論説委員の見方。弁護士には弁護士の見方があり、社会保険労務士には社会保険労務士の見方がある。みんな違う。どのように違うか、興味のある方は覗いて見ませんか。

  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/11/12
  • 部数 158部
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2009/03/02

最後のお一人様。

 2月23日、大阪朝日放送、「ザ・ムーブ」という番組において、コメンテーターの
竹内薫という人が,以下のようなことを言っていた。
 「私の父は年金を受給しているが,私の父と厚生年金の加入期間も給料も殆ど同じ人
に比べて,年金額が少ない。そこで、私がこの番組の出演料から,いくらかを渡してい
る」というような内容であった。
 厚生年金の加入期間も給料も殆ど同じであるのに、年金額が少ないというのは、おそ
らく加給年金を受けているか,受けていないかの違いによるのではないか。加給年金は
生計維持関係にある65歳未満の配偶者に厚生年金の加入期間が20年以上ある場合,
受給することができない。(中高齢特例の場合、男性40歳以降,女性35歳以降15
年の厚生年金加入期間で20年加入とみなされる)竹内さんのお父さんが厚生年金の加
入期間や給料が殆ど同じ人より年金額が少ないというのは、竹内さんのお母さんの厚生
年金の加入期間が20年以上あるのに対して,竹内さんのお父さんと殆ど同じ厚生年金
の加入期間や給料の人の配偶者には、厚生年金の加入期間が20年未満しかないか,も
しくは無いのではなかろうか。だから、加給年金および特別加算の部分で受給額に差が
ついているのではないか。
 それ以外の理由として考えられるとすれば、竹内さんのお母さんの方が年上の場合が
考えられる。加給年金は、特別支給の老齢厚生年金の受給者に定額部分が支給される年
齢に達した時に,対象となる配偶者がいれば支給されるものであるが、配偶者が年上で
あった場合、定額部分の受給年齢に達した時,既に65歳を超えていることがある。加
給年金は生計維持にある65歳未満の配偶者ということが要件であるから,65歳を超
えていれば対象者にはならない。だから,加給年金および特別加算は支給されず,年金
額に差がでることになる。もっとも、その場合、お母さんには振替加算がついているは
ずであるから,夫婦合計の年金額ということでみれば、差は小さくなるはずである。
 加給年金については消えて年金記録とも関係がある。一般に年金記録が消えると年金
受給額において損がでると思いがちであるが、必ずしもそうとはいえない。年金記録が
消えていたおかげで、年金受給額において得をする場合がある。それが加給年金が関係
する場合である。実際は20年以上厚生年金加入期間があるのに,年金記録が消えてい
たために、加入期間が20年未満になり、加給年金および特別加算の対象者となり、支
給されてしまったというケースである。
 このような人は消えた年金記録が見つかり,厚生年金の加入記録が訂正されることを
望まないであろう。望まないのであれば,ねんきん特別便に返信しないでおくか、それ
とも記録に抜けた部分があったも、抜けていませんと返信しておけばよいことになる。
ただ、そうしてことを行なうには、年金に関して詳しくなければならず、一般の人には
難しい。もっとも、詳しくなくてもアドバイスを受けるということもある。例えば,社
会保険労務士などから。
 消えた年金記録5000万件のうち、まだ照合されていない記録は1742万件もあ
るそうであるが、この記録が安倍元首相が言っていたように最後のお一人様まで、照合
されるということは考えにくい。なぜなら、年金記録の訂正を望まない人もいるかも
しれないのであるから。

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